トップへ戻る

ブレーキキャリパーの役割と構造|交換や塗装に掛かる費用についても紹介

ブレーキキャリパーの役割と構造|交換や塗装に掛かる費用についても紹介

動いている車を止めるためになくてはならない部品がブレーキです。ブレーキにもいろいろ種類があり、ディスクブレーキタイプに必要な部品の1つがブレーキキャリパーになります。今回はブレーキキャリパーについて、その役割と構造を紹介します。

[PR]本ページはプロモーションが含まれています
⏳この記事は約3~4分で読めます。


  • カービュー査定

ブレーキキャリパーとは

ブレーキキャリパーとはディスクブレーキ車に使われている部品の1つです。ディスクブレーキ車では車が動くと同時にディスクローターと呼ばれる丸い部品が回転します。

ディスクブレーキ車に使われる部品の1つ

ディスクローターが回転しているところでその外側から摩擦材であるブレーキパッドを押し当てることで回転が車が減速する(ブレーキがかかる)のですが、この一連の動きになくてはならないのが「ブレーキキャリパー」なのです。

ブレーキキャリパーの無いブレーキもある

ディスクブレーキ車であれば必ずブレーキキャリパーが使われますが、4輪全てにディスクブレーキが必ず使われるわけではありません。

というのも、前輪にだけディスクブレーキを採用し、後輪にはドラムブレーキを採用する車も存在しているからです。さらに言えば、ディスクブレーキを使わないで4輪ともドラムブレーキを採用している車も存在します(ダンプカーや大型トラックのような高重量車)。

ブレーキキャリパーの構造

ピストンがパッドを押す

このピストンがブレーキパッドを押さえつけることによって回転するディスクローターの回転が遅くなって車は減速することとなります。ここで疑問となるのが、どのような仕組みでこのピストンが動くのかということです。

ピストンを動かすのは液圧

ブレーキパッドを押さえつけるピストンを動かすものは液圧になります。

ブレーキフルードと呼ばれる液体がブレーキブースターとマスターシリンダー及びブレーキキャリパーの間に通っている配管を満たしているのですが、運転手がブレーキペダルを踏むと、その踏力がブレーキフルードの液圧となってピストンを押さえつけるのです。

なお、実際に液圧を生み出すにはマスターシリンダーで、マスターシリンダーが液圧に変換しているものはブレーキブースターで増幅された踏力になります。

ブレーキキャリパーの種類

車を減速させるという目的からすれば、ブレーキキャリパーの構造において最も重要な部分はピストンです。

フローティングタイプディスクブレーキ

フローティングタイプとは浮動型や型押し式とも呼ばれるブレーキキャリパーです。

その名称から察しがつくように、ディスクローターに対して片側からのみピストンを押し付けるような構造になっています。

フローティングタイプのブレーキキャリパーではピストンが内側にある構造で、そのピストンが内側のブレーキパッドを押さえつけると反力が生まれて、その反力によってスライドピンが動いて外側のブレーキパッドもディスクローターを押さえつけるようになっているのです。

ブレーキキャリパーの種類の中でも最もシンプルなタイプでコンパクト(ピストンが外側に無いため)かつ軽量で、多くの乗用車で使われているブレーキキャリパーとなっています。

基本的にはピストンが内側に1つ付いているタイプが多いですが、モデルによってはピストンが内側に2つ採用されていることもあります。

なお、以下で紹介するオポーズドタイプのキャリパーと比較すると制動力やコントロール性及び剛性が低いという点がデメリットです。

オポーズドタイプディスクブレーキ

オポーズドタイプとは対向ピストン型とも呼ばれることのあるブレーキキャリパーです。

こちらも名称からその特徴がわかりやすくなっていて、ブレーキキャリパーの内側だけでなく外側にもピストンを持つキャリパーとなっています。ブレーキパッドの面積が大きいものを使用する際に確実にパッドをディスクローターへ押さえつけるようにするためにオポーズドタイプが採用されることが多いです。

つまりは、高級車やスポーツ走行を目的とする車種に使われることが多くなっています。

オポーズドタイプではピストン同士がブレーキパッドを挟んで向かい合うような位置関係を持った構造となりますので、少なくとも2つ以上のピストンが使われています。

ピストンを2つ備えたものを2ポット式キャリパー、4つ持つものを4ポッド式キャリパー、そしてピストンを6つ持つのを6ポッド式キャリパーと呼ぶのが一般的です。

フローティングタイプのブレーキキャリパーと比較すると、減速時のコントロール性の高さやブレーキ性能の高さが際立っています。

剛性の高さや取り付けられているピストン数の多さがその要因ですが、構成部品がフローティングタイプよりも多くて重たいことや、部品の多さからメンテナンス時に手間がかかること、そして手間がかかるということは部品代が高くつくといったデメリット(欠点)もあります。

ブレーキキャリパーの交換方法

ブレーキキャリパーを交換するには車のジャッキアップし他状態で作業する必要があります。ジャッキアップ後、ブレーキホースを取り外してナックルとブレーキキャリパーの取り付け部のボルトを外すと、キャリパーを外すことが可能です。キャリパーの構造上、ブレーキパッドはディスクローターに押さえつけられていますので、キャリパーを外しにくいことがあります。

整備工場にキャリパー交換を依頼した場合、業者によっては差はあると思いますが、スーパーオートバックスではブレーキキャリパー1つにつき税込3,240円(別途ブレーキフルードも必要)とのことです。

ブレーキキャリパーの塗装について

純正ディーラーのオプションでも用意されているのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、ブレーキキャリパーを塗装することもできます。

新車を購入する場合にはそのまま塗装されたものを購入できますし、それとは別でブレーキキャリパーの塗装作業をしている業者もあるようです。

安いもので5,000円、高い物なら100,000円以上するものもありますので、気になる方は見積もり依頼されることをおすすめします。

なお、自分でキャリパーを塗装することも可能です。その場合、耐熱塗料やハケ、錆を落とす道具やシリコンオフなどを用意しておきましょう。

まとめ

ブレーキキャリパーの役割や構造及びその種類について紹介しました。ブレーキキャリパーはディスクブレーキ採用車に使われている部品です。

ディスクブレーキでもドラムブレーキでもブレーキペダルを踏んだ時の踏力をブレーキフルードの液圧へ変換していることは同じですが、どのように摩擦材を押さえつけて減速さえるのかと言う構造的違いがあることを覚えておきましょう。

ブレーキキャリパーといってもフローティングタイプやオポーズドタイプがあり、その中でもピストンの数に違いがあるなど様々です。

ブレーキキャリパーの種類を知ることは、その車がどれくらいのスペックを備えているのかを知る目安とも言えます。今現在気になっている車がある方は、その車にどのようなブレーキが採用されているのかを調べてみてはいかがでしょうか。

  • カービュー査定

関連するキーワード


メンテナンス カスタム

関連する投稿


満足度の高いカーメンテナンスサービスランキング「ミスタータイヤマン」が総合1位に!【オリコン顧客満足度®調査】

満足度の高いカーメンテナンスサービスランキング「ミスタータイヤマン」が総合1位に!【オリコン顧客満足度®調査】

オリコン株式会社は、同社グループ会社である株式会社oricon MEが、過去2年以内に工賃を伴う自動車の整備サービスを依頼したことのある全国の18~84歳までの男女を対象に実施した『カーメンテナンスサービスについての顧客満足度調査』の結果を発表しました。


エフシーエルで車のランプをカスタム|種類と選び方を徹底解説

エフシーエルで車のランプをカスタム|種類と選び方を徹底解説

クルマのカスタムで人気が高いのが「ランプ交換」です。夜間走行を安全にするヘッドランプや悪天候で活躍するフォグランプ、後方確認に欠かせないバックランプなど、用途ごとに多彩な役割があります。しかし「どのランプを選べばよいか分からない」「どこで購入するのが安心か」と悩む方も多いでしょう。そんな方にオススメなのが、個人からプロまで幅広く支持されているエフシーエル。この記事では、ランプの種類や特徴を解説しながら、エフシーエルでの購入メリットを紹介します。


車のエアコンガス チャージ・補充方法は?入れ方や料金を徹底解説

車のエアコンガス チャージ・補充方法は?入れ方や料金を徹底解説

季節の変化で気温が変わると必要になるのが車のエアコン。車のエアコンが効かなくなると、ドライブが快適ではなくなるだけでなく、車内が不快な環境になることもあります。今回は、そのエアコンのために補充が必要なエアコンガスについて、エアコンガスが少なくなったときに出る症状、補充の費用目安、自分での補充を行う場合の手順など徹底解説します。


【ホイール塗装】 DIYでホイール塗装にチャレンジ!塗装方法やおすすめ商品もご紹介

【ホイール塗装】 DIYでホイール塗装にチャレンジ!塗装方法やおすすめ商品もご紹介

ホイールのイメージチェンジで塗装をしたいけれど、塗装料金が高いことから断念しているといった方はいませんか?それならDIYでチャレンジしてみてもいいかもしれません!今回の記事では、缶スプレーを使ってホイール塗装をする方法をまとめています。おすすめ商品も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


パーツクリーナーとは?使い方やおすすめのアイテムまで徹底解説

パーツクリーナーとは?使い方やおすすめのアイテムまで徹底解説

カー用品店などで見かけることの多いパーツクリーナーですが、実際には使ったことがないという方もいらっしゃるでしょう。そこで、パーツクリーナーの役割や使い方、おすすめアイテムなどを紹介します。


最新の投稿


BMW新型「iX3」公開!470馬力の高性能電動SUV

BMW新型「iX3」公開!470馬力の高性能電動SUV

2025年10月29日、ビー・エム・ダブリューは、ジャパンモビリティショー2025の会場にてノイエ・クラッセ第一弾のモデルとなる新型SUV「iX3(アイエックススリー)」を日本初公開しました。日本向け新型iX3の生産は2026年3月に開始予定だといい、日本国内のBMW正規ディーラーを通じ、2026年後半にも販売が開始される予定です。


プジョー新型「208 GT Hybrid」発表!22.4km/L走るハイブリッドモデル

プジョー新型「208 GT Hybrid」発表!22.4km/L走るハイブリッドモデル

Stellantisジャパン株式会社は2025年10月30日、プジョーのコンパクトハッチバック「208」に最新のハイブリッドパワートレインを搭載した新モデル「プジョー 208 GT Hybrid」を発表。同日より、全国のプジョー正規ディーラーにて発売しました。


トヨタ新型「プロボックス」発表!安全装備を大幅改良し、デザインも変更

トヨタ新型「プロボックス」発表!安全装備を大幅改良し、デザインも変更

トヨタは2025年11月25日、商用バン「プロボックス」の新たな一部改良モデルを発表、同日発売しました。最新技術がもたらす安全安心の先進装備を充実し、商用車としての基本性能を大幅に向上したといいます。


ホンダ新型「N-ONE」発表!MT専用のスポーティグレード「RS」も進化

ホンダ新型「N-ONE」発表!MT専用のスポーティグレード「RS」も進化

ホンダは2025年11月20日、軽トールワゴン「N-ONE(エヌワン)」の一部改良モデルを発表しました。翌11月21日より販売を開始しています。


Lexus LMが変えた「移動」の価値――レクサス初のラグジュアリー・ムーバー、その違いと本当の魅力

Lexus LMが変えた「移動」の価値――レクサス初のラグジュアリー・ムーバー、その違いと本当の魅力

Lexus LMは、レクサス初のラグジュアリー・ムーバーとして誕生したフラッグシップMPV。4人乗りEXECUTIVEと6人乗りversion Lの違いから、走り・快適装備・ラウンジのような後席空間まで、その魅力と他ミニバンとの違いを徹底解説。