LEDフォグランプとは
フォグランプとは、フォグ(霧)という名前がついているように、霧の中など見通しの悪い路面で視界を得るために使われるライトです。 発光方式にはLED(発光ダイオード)とHID(高輝度放電ランプ)があり、どちらかといえばLEDの方が一般的です。HIDフォグランプの特性については後述します。
フォグランプは全ての車に標準装備されているわけではなく、オプション装備として設定されていることが多いです。フォグランプは道路交通法上は補助灯扱いとなっており、必ずしも路上走行の際に必要なわけではありません。ただ、あると便利なオプションであり、北海道や長野県のような霧の多い地域ではヘッドライトよりも役に立つという声もよく聞かれます。その理由としては単純に光量が多くなるのはもちろん、フォグランプが薄い黄色だった場合に視認性を高めるという状況もあるようです。
しかし、正しく利用していない場合、交通違反として扱われてしまう事例もあります。道交法上、フォグランプは補助灯として扱われるため、夜間にフォグランプだけを点灯させて走っていると交通違反がとられてしまいます。フォグランプだけではなく、スモールランプも必ず点灯させて走行しましょう。
また、フォグランプが対向車や後続車のストレスになることもあります。
フォグランプは元々ロービームの下側を照らすためのライトです。
配光が正しければ問題ありませんが、配光ミスにより対向車の運転席に光が届く場合は対向車の妨げとなりますので、再度配光調整を行うなどが必要です。
フロントのフォグランプの色は白か淡黄色、リアは赤
リアフォグランプを装備している車も存在します。法律ではフロントフォグランプの色は白か淡黄色と定められていますが、リアフォグランプの色は赤色が定められています。
そのため、赤色のリアフォグランプの光量が大きかった場合は後続車のストレスとなる場合もあるようです。 リアフォグランプの光量が大きいのは、視界不明瞭時にも後続車に存在を知らせるためです。決して晴れた日には点灯しないようにしましょう。
■HIDのフォグランプも
フォグランプの点灯方式にはLEDの他、HID(High-Intensity Discharge Lamp、高輝度ランプ)という方式が存在します。
LEDランプは電子が流れ込むことで発光するダイオードという素材を使っていますが、HIDランプは電球内部で起きた小規模な放電が封入された金属原子に反射して光を発します。このような発光方式の違いがあるために、一般的にHIDランプはLEDランプよりも明るい光を出せます。
HIDランプの発光原理は水銀灯と同じで、かつて水銀灯が使われていた分野では健康への影響や環境保護の観点からHIDランプへの置き換えが進んでいるようです。
LEDフォグランプと比較した時のHIDフォグランプのメリットは、まず明るいことが挙げられます。HIDフォグランプはLEDフォグランプよりも明るい製品が多く、明るさの単位はルーメンという単位であらわされます。
実は、この明るさからHIDフォグランプが敬遠される場合もあります。フォグランプはあまりに明るいと、光が思わぬ方向に散らばります。もしも上方向に光が散らばると対向車を幻惑するかもしれません。明るければ視認性は良くなりますが、HIDランプは明るすぎる場合も多々あります。
なお、LEDランプがHIDランプに勝っている点としては、以下の点が挙げられます。
1.値段の安さ
2.点灯までの速度
3.消費電力
4.発熱
5.取り付けやすさ
さらに、HIDランプの発光色はLEDランプよりも青みがかった色となっており、人によっては好き嫌いが分かれます。
HIDに強い思い入れが無い場合はLEDを使用した方が無難です。もしもHIDランプを使いたい場合は配光に気を遣うなどして、周囲の車の迷惑に注意が必要です。
車検に通る基準、通らない基準は?
フォグランプの装着も前述の「色」の規定以外に、違反として扱われてしまうケースや車検に通らない基準があります。
フォグランプ装備車が車検を受ける際に問題となる項目は以下の通りです。
1.数
2.色
3.明るさ
4.配光
5.取り付け位置
6.スモールランプとの独立
まず、数についてはフロントフォグランプは2個以内で無ければいけません。フロントフォグランプを3個以上つけると違反となります。
色味については、前述の通りフロントフォグランプは白または淡黄色、リアフォグランプは赤色であることが求められます。それら以外の色は車検に通りません。
次に、明るさについてはフロントフォグランプは10,000cd(カンデラ)以下、リアフォグランプは35W以下である必要があります。カンデラとは明るさの単位であり、ある方向に向かって照射された光量につかわれる単位です。フロントおよびリアフォグランプの明るさは電球のパッケージなどを参考にして、規定以上の明るさの電球を使わないようにしましょう。
配光とは光の向かう方向を指します。模範的なフォグライトの配光はスモールライトの下部分だけを照らすように調整されています。もしもフォグライトの光が下方向に固まっておらずあちこちに飛ぶようであれば、車検に通らなくなる恐れがあります。
取り付け位置は細かく定められています。
フロントフォグランプの規定では、フォグランプの上端が800mm以下に収まりロービーム照明灯の上端を越さないこと、フォグランプの下端が地上250mm以上に位置すること、フォグランプ外側のフチが車体の最も外側から400mm以内であることが定められています。
リアフォグランプの規定では、上端が地上から1,000mm以下、下端が地上250mm以上、ブレーキランプから100mm以上離れていることが条件です。
最後に、フォグランプのスイッチ系統はヘッドライトなどと独立していることが求められます。
フォグランプの点けっぱなしも違法になってしまうため、スモールライト点灯時にフォグランプも一緒に点く配線構造になっていれば、車検に通らなくなるでしょう。必ず車内にはフォグランプのスイッチを配置し、スモールライトなどと独立している必要があります。
LEDフォグランプの選び方
LEDフォグランプの選び方では、まず第一に法律や車検で要求される規定をクリアしているかチェックしましょう。国内で市販されているフォグランプなら大丈夫かとは思いますが、一応意識しておいてください。
LEDフォグランプの選び方では、レギュレーションの他は消費電力を気にしましょう。純正品のランプを使うのであれば関係はありませんが、純正品以外の商品で消費電力が高すぎるものを装着すると事故が起きる恐れがあります。具体的には、過電流で発熱して配線が溶けたりするかもしれません。
車によって、フォグランプを装着できるバルブの規格が異なっており、それぞれの規格で消費電力も異なっています。
お使いの車のバルブの規格を調べるには、自動車用照明器具の製造・販売等を行っている「IPF」のサイトが非常に参考になります。フォグランプを選ぶ際には、同じ規格の商品を購入すれば間違いありません。
明るさについても注意が必要です。明るさの単位では「cd(カンデラ)」の他に「lm(ルーメン)」や「K(ケルビン)」という単位が使われている製品もあります。
ルーメンとは、光源から全方位に照射される光量を表した数値です。
ルーメンの値が高ければ電球の出力の高さを意味しますが、必ずしも照射方向の明るさを約束するものではありません。照射された光の明るさとは別であるため、ルーメンは目安程度に考えましょう。
ケルビンとは「色温度」と訳され、色味を表します。
ケルビンは2000K~12000Kくらいまでの範囲で表され、2000Kで強いオレンジ色、6000K前後で白色、7000K付近から青色が入り始めます。
フロントフォグランプは淡黄色から白色と定められているので、 3000K~6000Kの間で探すと良いでしょう。
LEDフォグランプの交換方法
LEDフォグランプが切れてしまった時はバルブの交換作業が必要になります。バルブの交換作業はだいたい以下の通りの手順で行われ、どの車でもだいたい同じです。
1.バンパーを外す
2.フォグランプコネクタを外す
3.フォグランプバルブを外す
4.新しいバルブを取り付ける
まず、LEDフォグランプの交換にあたって、バンパーを取り外す必要があります。それ以外の方法では車体下部のインナーを外す方法もありますが、バンパーを外す方法がやりやすくてオススメです。バンパーは車体側面前部や車体下部、ボンネット下などにネジやクリップで留められています。車の説明書を参考にしながら外してみてください。
バンパーに取り付けられたフォグランプは配線されて電源部分と繋がっています。フォグランプコネクターを外しましょう。
配線を外せば、次は古くなったフォグランプバルブを取り外します。手で持って反時計回りにひねって外してください。
フォグランプバルブが外れたら、新しいフォグランプバルブを取り付けて、コネクターに接続します。配線類が気になるようであれば、テープなどを使って固定しておきましょう。
最後にバンパーを取り付けて作業完了です。
自分で取り付ける方法に不安を覚えるなら、カーショップなどで交換してもらう方法もあります。この場合は、工賃は1万円未満で、作業時間も1時間くらいしかかかりません。
配線と取り付け方
もしもフォグランプが元々ついていない車両に新たにフォグランプを取り付けるとしたら、どのような方法を取ればよいのでしょうか。
自分で取り付ける時はフォグランプ取り付け用のキットを活用しましょう。
この商品は元々フォグランプがついていない車にフォグランプを装着するためのもので、フォグランプに必要な配線ユニットおよび説明書も付属しており、迷わず作業ができます。特定の車専用のフォグランプキットを利用すれば、さらに確実に取り付けられます。
専用フォグランプキットが存在しない場合は、汎用のフォグランプキットを使いましょう。
配線は少々複雑です。配線が一体化されたキットでは、フォグランプバルブに接続する部分とバッテリーに繋ぐ部分、そして車内に配線を伸ばす部分の3つに分かれています。それらの3つの部分をそれぞれ接続していくわけで、3つの部分はリレーという電子部品が中央に配置され制御されています。
リレーとはスモールライトとフォグランプの連動の際に必要となる部品で、リレーに電流が流れオンになるとスモールライトと同時にフォグランプを点けられるようになります。
配線のレイアウトなどで少々迷うこともあるかもしれませんが、説明書があればそれほど詳しくない方でも大丈夫だと思います。
簡単な方法としては、カーディーラーか自動車に依頼するという方法もとれます。その場合の工賃は車種などによっても違ってきますが、3万円くらいはかかります。バンパーを削ったり大掛かりな加工が必要な場合は、10万円弱は必要でしょう。
LEDフォグランプ おすすめ商品5選
最後に、Amazonにて購入可能なLEDフォグランプのおすすめ商品を5商品紹介します。
IPF フォグランプ LED H8 H11 H16
Amazonでの売上ナンバーワンを誇る良品です。主な特徴として、天候に応じて発光色を変えられる、点灯状態でも細かな角度調整が可能、メモリ機能を搭載しており前回歯黄色の記憶が可能と言った多機能モデルです。光量も十分で、ユーザーからの満足度も高くなっています。
Amazon参考価格:14,908円(2019年3月5日時点)
AUXITO LED フォグランプ H8 / H11 / H16
この LEDフォグランプはハロゲンライトのような柔らかめの白い光を発光できるという特徴があります。光量の大きいフォグランプにありがちな目を刺すような光が苦手という方におすすめです。値段がお手頃なのも求めやすいです。
Amazon参考価格:2,100円(2019年3月5日時点)
ポーペ(POOPEE) LEDフォグランプ H3
ポーペから販売されているフォグランプで、見やすい昼光色のカラーが特徴的です。十分な明るさを発揮でき、ユーザーからの評価も高くなっています。さらに、50,000時間以上の点灯時間を誇るため、長く使い続けられます。
Amazon参考価格:3,580円(2019年3月5日時点)
BORDAN 2色切り替え H8/H11/H16兼用
2色切り替えができるタイプのフォグランプで、白色では見にくい状況にも対応できます。また、熱放射性能も十分で過熱の心配もなく、ラジオへのノイズ干渉などもありません。使いやすくお手頃な2色切り替えタイプを探している方におすすめです。
Amazon参考価格:2,360円(2019年3月5日時点)
ポーペ(POOPEE) LEDフォグランプ H3 イエロー
ポーペから発売されているフォグランプのうち、こちらはイエローの発光色の商品です。基本的な性能については同社の白色の商品と変わらないため、使い勝手もよく50000時間以上の長寿命を誇ります。イエロー単色のフォグランプを探している方は、ぜひ検討してみてください。
Amazon参考価格:3,580円(2019年3月5日時点)
まとめ
フォグランプを装備していれば突然の悪天候でも事故の危険性を減らせます。
霧や雨のひどい場所で運転する機会があるならば、フォグランプは心強い味方になってくれるでしょう。もしもフォグランプを活用する時には、本記事をぜひ参考にしてみていただければ幸いです。