パンクした時の対処法
車のトラブルの中でも、多くの割合を占めているのがパンクになります。誰でも経験する可能性があり、パンクした時の対処法を知っておくことは重要です。
車の場合タイヤがパンクしても気がつかずそのまま走行を続けてしまう場合があります。駆動輪ならまだしも、そうでないタイヤがパンクした時は尚更気がつきにくいものです。
パンクしながら走行することは、事故の可能性を高めるだけではなく、車のホイールもダメにしてしまう可能性があります。通常タイヤ交換で済むはずの修理費用が、ホイール交換の費用までプラスになりますので、経済面にも良くありません。
分かりやすい変化としては、異音がしたり、ハンドルが重たくなったりします。何かがいつもと違うと感じた際にまず取るべき対処は、ハザードを出して路肩に寄せ、走行を止めることです。そして後方には追突防止のため三角板を設置しましょう。まずはタイヤの状態を確認します。
タイヤの状態を確認した後で、取れる処置としては、以下のようなものがあります。
■パンクを修理して最寄りのカーショップに自走で持っていく
■スペアタイヤに交換する
■ロードサービスを呼ぶ
しかしパンクのしかたによって、次に取るべき行動が変わりますので、まずパンクの種類を確認しておきましょう。
■バースト
タイヤが破裂した状態です。走行中にバーストすればまず間違いなく、異常があることは気がつくと思います。タイヤが大きく損壊してしまうためパンク修理は不可となります。
スペアタイヤへの交換もしくはロードサービスを呼びましょう。
■路面との接地面に釘が刺さっている・穴が空いている
路面の凹凸によって、タイヤに穴が空いたり、釘が刺さって穴が空いている場合は、状態によっては、パンク修理も可能となります。穴の直径が小さければ修理剤だけでも塞ぐことが可能です。
■側面に亀裂・ヒビが入っている
この場合も、タイヤの交換が必要になります。スペアタイヤへの交換もしくはロードサービスを呼びましょう。パンク修理剤は遠心力で穴を防ぐため側面への穴への効果は期待できません。
■外傷なしで空気が抜けている
バルブが原因か、タイヤの繊維が内側で千切れていることが原因の可能性があります。この場合の修理は不可能です。スペアタイヤへの交換もしくはロードサービスを呼びましょう。
パンク修理キットの使いかた
パンク修理キットは一般的にコンプレッサーとセットになっている物が多く、修理剤をエアーと共にタイヤの内部へ送り込みます。以下が手順です。
1.車をジャッキアップする(ジャッキアップしなくても使用出来る修理剤も有)
2.バルブを開けて、パンク修理剤を流し込みます
3.コンプレッサーをシガーソケットに差し込み電源を入れる
4.コンプレッサーを使用して空気を入れる
5.時速80km以下の速度でしばらく運転する
6.再度空気漏れしていないか確認
7.近くのディーラーもしくはカーショップに持っていく
■参考商品:パンク修理キット
■パンク修理キットに期限はあるの?
パンク修理キットには、有効期限が設定されています。有効期限を過ぎたパンク修理剤は効果を為さないことがあり、入れるだけ無駄に終わってしまいます。その場合は、修理は諦めて、ロードサービスへの連絡か、スペアタイヤへの交換をしましょう。
■パンク修理キットが何回でも使用できる理由は?
パンク修理キットは一度使用しても補修液さえ補充すれば、何度でも使用出来ます。一度タイヤの中に入った補修液は時間と共に固まるので、ずっと液体ではありません。そのため何回でも使用することが可能です。
しかし一度でもパンク修理剤を使用したタイヤは再利用することは出来ず、次の修理の際には交換処置になります。またパンク修理剤を入れたタイヤは、他の三本と比べて重量が上がるため、ホイールバランスが崩れます。数回使用すればより大きな違いになります。
走行性能にも影響を及ぼす可能性があることを、知っておきましょう。
パンク修理キットを使ったタイヤは、どれくらい走れるのか?
どれくらい走るかは、穴の大きさと修復度合いによるので、一概には言えません。
パンク修理キットを使用して修理したタイヤのままずっと走っている方もいれば、すぐにタイヤを交換する方もいます。
しかしながら、ずっと不安を抱えて車を走らせるのは、安全上良くないので、出来るだけ早めの対処をおすすめします。
パンクする前と同じように走れるのか?
パンク修理キットを使用したタイヤは、原則時速50km以下(高速道路では時速80km以下)での走行が推奨されています。実際にパンク修理キットには、速度制限ラベルと呼ばれるステッカーが同梱されており、それを見える位置に貼ってくださいと、説明書に記載されています。
パンク修理が完璧に完了していれば、走れないことはないと思いますが、タイヤの状態によって無理をするとバーストしてしまう可能性があるためおすすめしません。
パンク修理キットでの対処は一時的
先ほど説明した通り、パンク修理キットを使用したタイヤは、たとえパンク修理で直せる範囲であったとしても交換しなければなりません。パンク修理剤のキットはおおよそ5000~6000円ほどの価格なので、タイヤ1本分に相当する価格です。
それを使用してさらにタイヤも交換となると、修理キットの費用+タイヤの価格+工賃となるため、他の選択肢よりコストが膨らむことがあります。
例えばスペアタイヤへ交換+パンク修理なら、こちらの方が費用を抑えることが出来ます。さらに言うと、パンク修理キットで修復出来る範囲には限りがあり、路面と設置する部分の、穴にしか効果がありません。
ピンポイントでその状況を判断できるのであれば使用するのも手段の1つですが、パンク状況を把握していない状態で、とりあえず使っても効果が発揮されないことがあります。
■パンク修理キットには対応できないタイヤがあるの?
基本的に液体を入れるだけなので、乗用車であればどのタイヤでも使用することが出来ます。
以下のようなタイヤの状況では使用出来ませんので、お気をつけください。
・タイヤ側面など道路への接地面以外に穴や損傷があるとき
・タイヤがホイールから明らかに外れているとき
・タイヤに4mm以上の切り傷や刺し傷があるとき
・ホイールが破損しているとき
・2本以上のタイヤがパンクしているとき
・1本のタイヤに2か所以上の切り傷や刺し傷があるとき
■JAFに連絡やタイヤ交換がおススメなの?
JAF会員が同乗している車であれば、すべての車でサービスが無料で受けられます。JAFのサービスが無料で受けられるのであれば、それに越したことはありません。ただし会員でない場合は、実費計算となるため、おおよそ11000円程の費用が発生します。
JAFの会員ではなくても、任意保険にロードサービスが付帯していることがあります。JAFのサービスと連携している、任意保険会社もあり、24時間365日対応なので、JAFに入会していない方は、自分が加入している任意保険にロードサービスが付帯していないか確認しておきましょう。
任意保険のロードサービスを利用する際保険をかけている車のみ対象となりますので注意してください。
パンクした場合の修理料金
通常のパンク修理であれば、一箇所につき約1,500円程度が相場となりますので、パンク修理で済むのであれば、費用はそこまで高くなることはありません。店舗に持ち込みの場合、パンクの状況によってはタイヤ交換を勧められることもありますので、価格は目安となっています。
■パンクした時にスペアタイヤがない場合はどうする
最近の車はスペアタイアの搭載義務が無くなったため、スペアタイヤがない場合も多くあります。そう言った場合には、他の選択肢をとるしかないので、単純に選択肢が減ってしまいます。パンク修理キットを使用できそうなパンク以外は、ロードサービスを呼ぶこととなります。
■パンク修理キットがなくても車検は通るの?
パンク修理キットがなくても車検には通ります。まれにパンク修理キットもしくは、スペアタイヤがなければ車検には通らないとする、ディーラーもあるようですが、実際に車検項目には、スペアタイヤ、パンク修理キットの項目はありません。
ディーラーの点検項目に入っているため、そう言われることもあるようですので、詳しくは車検を受けるお店の担当者に質問してみましょう。最悪納得いかないい場合は、パンク修理キットを購入しなくても問題はありません。
ただし車のパンクは、どんな車でも誰にでも起こりえるトラブルです。備えあれば憂いなしと言いますが、万が一の時のために備えておくことを強くオススメします。
■おすすめのパンク修理キット
有効期限は約4年ほどあり、コンプレッサー付きでこの価格なので、これからパンク修理キットを用意しようと考えている方におすすめのキットです。
コンプレッサーはシガーソケットから電気供給可能なので、修理キットを使用する前の空気漏れチェックや、定期的な空気圧の点検などにも使用出来るので、手元にあると何かと便利です。1セットでタイヤ1本分の修理が可能となります。
まとめ
以上タイヤのパンク修理キットについて詳しく説明しました。手軽に使えるのが何よりの利点で、収納もスペアタイヤのように場所をとりません。
その反面使用した後のデメリットもありますので、使用する際は状況に応じての使用をおすすめします。