【知ってる?】冠水と浸水の違いについて
そもそも、冠水と浸水はどう違うのでしょうか。
どちらも水害を表す言葉でありながらも、それぞれが示す意味は異なります。
田んぼや畑ならびに道路などが水に浸かってしまうことが冠水と呼ばれ、住宅や家屋などが水に浸かってしまうことが浸水と呼ばれています。
このことから、運転中にも自宅の駐車場やガレージで車を保管している時にも、車は水害に遭う可能性があるということがわかります。
つまり、場面に合わせた対策・対処が必要になるということです。
クルマが冠水!その時の対処法
■慌てず!車から脱出して走ってきた方向へ逃げる
冠水している道路を走ってしまい車が脱出できなくなってしまった場合には、すぐにエンジンを切って、人間が脱出しましょう。
脱出する際のポイントとしては、周りの安全を確保すること、道路がどれくらい冠水しているのかを把握すること、走ってきた方向へ逃げる(その方が安全だから)ことです。
冠水している場合、道路状況がわかりません。見えないだけで道路上に大きい障害物が落ちていたり、マンホールの蓋が外れている可能性も十分考えられますから、冠水道路を歩く際には足場の様子を感じ取りながらゆっくりと歩きましょう。
■水が引いたら車両を回収する(引き上げる)
冠水していた道路から水が引いたら、車両の引き上げを行ってください。
そのままエンジンをかけて乗って帰りたいところですが、JAFやロードサービスに連絡して車をかかりつけのディーラーや整備工場に運び、整備をしてもらいましょう。
任意保険でロードアシスト系の特約を契約していれば、搬送にあたって必要な費用に保険金が支払われます。条件などありますが、翌年の保険料が高くなることもありません。利用しようと考えた場合、代理店で契約している方であれば担当者に連絡しましょう。
冠水・浸水被害にあったクルマはどんな心配がある?
■エンジンの故障
車が冠水・浸水被害にあった時に懸念されることの1つがエンジンの故障です。
具体的にウォーターハンマーと呼ばれる故障に遭う可能性が高くなります。ウォーターハンマーとはエンジン内部(吸気系)に水が侵入している状態でエンジンを始動すると内部の部品が壊れてしまうことです。
■電気系統のショート
2つ目の懸念事項が電気系統のショートです。
これは特に海水が原因となる冠水・浸水時に気をつけるべきことになります。海水は電気を通しやすくなっていて、さらに水が引いた後でも電気系統を腐敗させるのです。
電気系統がショートすると火災が発生することもあります。
■車内衛生環境が悪化する
3つ目の懸念事項は車内衛生環境が悪化することです。
冠水・浸水した際に車内が水に浸かるとフロアにあるカーペットやシートなどが濡れてしまいます。ただの水であればまだ良いですが、冠水・浸水時に流れてくる水は汚く、そのような水に浸かった内装品には嫌な匂いが残ります。また、湿度が高くなった車内では菌も発生しやすいです。菌の大量発生も懸念されます。
ちなみに、海水による冠水・浸水に遭った場合には、鉄でできている車のボディや足回りなどへの錆の原因にもなり、著しい被害に可能性もあるので注意しましょう。
気になる!水害にあった車に車両保険は効くの?
■車両保険が効く場合と効かない場合がある
水害に遭った車に対して車両保険が効くのか否か、これは場合によって異なります。
台風や高潮ならびに洪水によって引き起こされた水害が原因となって発生した損害は、車両保険で修理費用(廃車や修理費用が補償額を超えた場合には契約時に決めた補償額)を負担することが可能です。
しかし、地震や噴火によって発生した津波で車両が水害に遭った場合、車両保険が支払われないようになっています。これはどの保険会社でも同じです。地震・噴火・津波で被害に遭って車両が全損となった場合に50万円の補償がつく特約を用意している保険会社もあります。
水没した車は中古車として売れるのか
■値は下がるが売れる
水没した車を中古車として売ることは可能です。しかし、水没しているという事実が消えることはなく、そのため通常の査定額よりも安く取引されることとなります。
■売りに出すのか修理に出すのかの判断が大切
その車に対して強い思い入れがあったり、希少車として高い価値があるといった場合には、修理する価値を見出すことができます。
しかし、市場に流れている台数が多い車や、移動手段の1つとして使ってきた車の場合には、潔く売ってしまって次の車の購入資金にあてたほうが賢明です。
まとめ
今回は車が冠水・浸水被害に遭ってしまった場合の対処方法、ならびにそのような被害に遭った車に懸念されること、そして車両保険の有効性や中古車として売ることができるのかについて解説しました。
地域差もありますが、冠水・浸水被害に遭う可能性は誰しもあることです。万が一そのような被害に遭った場合には、焦らずにここで紹介した対処方法を実践しましょう。
冠水・浸水が引いてから車の対処をすることになりますが、加入している任意保険を活用することで必要以上の費用を抑えることも大切です。いざという時のために、加入している保険の見直しをしてみてはいかがでしょうか。