スーパーフォーミュラとは?
【スーパーフォーミュラ】マシン「SF19」
スーパーフォーミュラとは、2013年より日本で開催されているドライバーレースシリーズとなります。
その規模は日本国内のみならずアジア最高峰に位置づけされており、同一車種によるレースで試されるのはドライバーの運転技術のみ。
F1をもしのぐそのスピード感で多くのモーターファンを虜にしています。今やアジア最速を決めるレースと言っても過言ではありません。
スーパーフォーミュラの歴史
いつから始まった?
1960年代より盛んになった日本のモータースポーツ。黎明期には市販乗用車や改造車などによるレースが主流でしたが、1964年の第2回日本グランプリからフォーミュラカーが登場します。
そして、1973年の全日本F2000選手権より本格的な日本のトップフォーミュラの歴史が始まりました。
車両の規格により名称を「全日本F2選手権」「全日本F3000選手権」と変え、1996年からは「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」となります。
現在の名称「スーパーフォーミュラ」に変わったのは2013年より。改名の理由は、国内の枠に留まらず、アジア全域のスタンダードフォーミュラを目指したグローバルな展開のためとなっています。
【こんなにある】スーパーフォーミュラの魅力
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権
アジア最高峰のモーターレースであり、スーパーフォーミュラというネーミングに敷居の高さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
けれどもその魅力は無限大であり、観戦せずに人生を送るのはとても勿体ないことかもしれません。
ここでは、数多いスーパーフォーミュラの魅力のうちから、代表的なものをご紹介します。
■【魅力その1】結果は個人の力量次第!?どのドライバーにもチャンスがある
車の性能で大きな差がつくF1と比べ、スーパーフォーミュラはドライバーの力量がすべてと言われています。
その理由は同一車種によるレースだからです。これは、ドライバーにとって自らのテクニックを立証する大きなチャンスとなります。
名だたる名ドライバーたちが、こぞって参戦してくるのもうなずける話です。これまでも中嶋一貴選手やナレイン・カーティケヤン選手などが参戦しています。
2020年シーズンからはコロンビア出身の女性ドライバー、タチアナ・カルデロン選手も参戦を予定しています。
カルデロン選手は「スター・マツダ・チャンピオンシップ」において2度も表彰台に上がったことのある強豪です。もちろん女性ドライバーとしては初めてのこと。
ぜひとも活躍に注目したいものです。
■【魅力その2】ここぞの場面で加速! オーバーテイクシステム
スーパーフォーミュラ独自の魅力のひとつにオーバーテイク・システムがあります。
オーバーテイク・システムとは、燃料流量を一時的に増加させるシステムで、ドライバーはレース中、100秒を上限に回数・秒数の制限なく自由にエンジンパワーを引き上げることができます。
ここいちばんの競り合いに欠かせない機能であり、作動中はLEDランプが点滅して観客からも作動が分かることからも、スーパーフォーミュラならではの見応えのあるデッドヒートに寄与する特徴のひとつといえるでしょう。
■【魅力その3】F1をも上回るコーナリングスピード
スーパーフォーミュラの最大の魅力は、コーナリングスピードの速さとなります。走行データやこれまで参戦してきたドライバーの感想によると、そのコーナリングスピードはF1をしのぐと言われています。
モータースポーツの最高位に君臨するF1以上のスピードでコーナーを走り抜けるわけですから、モータースポーツファンにとってはまさに垂涎のレース展開となることでしょう。
ドライバーにとっても、自らの技量を試せる魅力的なレースとなっています。
【どうなる!?】2020年のスーパーフォーミュラ
鈴鹿タイトルマッチレースはじまる
新型コロナウイルスの影響で2020年度のスーパーフォーミュラは一部延期になるなど、先行き不透明な状態が続いています。
こちらは現時点で公表されているエントリーチームと選手、開催のスケジュールについての大まかなご案内です。期待をもって待ちましょう。
■【2020年シーズン】エントリーしたチームと選手
2020年度のスーパーフォーミュラにエントリーしたのは11チームで選手は20名です。このうちトヨタエンジンでのエントリーは6チームの11名、ホンダ系でのエントリーが5チーム、9名になります。
注目は2019年覇者のニック・キャシディ選手。チームVANTELIN TEAM TOM’Sよりカーナンバー1での参戦です。同チームの中嶋一貴選手とともに、大いなる活躍が期待されます。
女性初の参戦となるタチアナ・カルデロン選手は、ホンダエンジンのチームThreebond Drago CORSEから参戦。走るたびに女性初という接頭語の付くカルデロン選手が、またしても歴史を塗り替えることができるか注目です。
KONDO RACINGからは、2019年全日本F3チャンピオンのサッシャ・フェネストラズ選手がエントリーします。
TCS NAKAJIMA RACINGからスーパーフォーミュラ初参戦となる大湯都史樹選手がエントリーするなど、2020年も見どころ満載となっています。
■【2020年シーズン】開催スケジュール日程
新型コロナ騒動の影響で4月3日から鈴鹿サーキットにて開催予定だった第1戦に続き、第2戦と第3戦、そして6月19日から開催予定の第4戦まで延期が決定しています。
現時点で第1戦は、同じく鈴鹿サーキットで行われるシリーズ最終戦の1日目、11月14日に代替レースが行われる予定が発表されていますが、終息の見通しが立たないため今後のスケジュールがどのように動くかは未定です。
当初のスケジュールでは第5戦が8月28日からツインリンクもてぎ、第6戦が9月25日から岡山国際サーキット、そして最終戦が鈴鹿サーキットにおいて11月15日から開催される予定でした。
今後の情報を注視しておく必要があります。
【2020年】スーパーフォーミュラの変更点
ピットクルー
2019年末にJAFより発表されたスーパーフォーミュラ選手権の統一規則の変更点。2020年はポイントシステムやタイヤ管理において新しい規則が採用されます。
これにより機能面での統一性が高くなり、より純度の高い技術競争が繰り広げられそうです。大きな変更点を3つご紹介します。
■【ここが変わる!その1】ポイントについて
まずはポイントシステムが大きく変わります。2019年までは1位に10ポイントで2位が8ポイント、3位には6ポイント付与され、8位までを入賞としていました。
2020年からは優勝が20ポイントで2位に15ポイント、3位に11ポイントとポイント数が大幅にアップしています。
入賞が10位までとなり予選でのボーナスポイントもトップ3が対象です。ポイントの取得が容易になることでそれぞれが拮抗し観戦の面白みは倍増し、最後まで目が離せない展開となることは間違いないでしょう。
■【ここが変わる!その2】タイヤについて
タイヤの使用本数や管理についても変更があります。ウェットタイヤの使用が1大会あたり2019年までは4セット16本でしたが、2020年からは6セット24本まで可能になりました。
また、走行前の意図的なタイヤの過熱を禁止すること、密閉空間および外気より著しく高温になる空間での保管を禁止する条文が追加されています。
■【ここが変わる!その3】ピットクルーの人数について
2019年までのピットクルー6名の中には、万一の火災発生時のための消火要員も含まれており、実際にピット内で作業するクルーは5名でした。ですが、2020年からは消火要員はピットクルーから外れることになります。
したがって、ピットでの作業員は6名となり、給油やタイヤ交換、車両誘導などの作業負担が軽減されよりスピーディに行われることが見込まれます。
レース展開もより面白くなることでしょう。
まとめ
20周年のツインリンクもてぎ
コロナ騒動で先行きのわからない中ですが、2020年をより面白く過ごすためには希望を持ち続けいざスーパーフォーミュラ選手権が開催されたとき、予備知識が何もなかったらきっと面白みは半減してしまいます。
F1をもしのぐコーナリングスピードの魅力や注目の選手、さまざまな変更点などをご案内させていただきました。
ぜひともこれらの情報を参考にスーパーフォーミュラを観戦してみることをお勧めします。開催の日がそう遠くないことを心待ちにして。