バケットホイールエクスカベーターとは?
バケットホイールエクスカベーター
バケットホイールエクスカベーターは、露天採掘にて用いられる大型建設機械のことになります。名称が長いため、英語での正式名称の頭文字を取ってBWEという略称で呼ばれることもあります。
世界最大の陸上自走機械としてギネス認定されている「Bagger 293」は、製作するのに5年かかり、総工費用は100億円を優に超えたとされています。
キャタピラ式のメイン構造に、大きなクレーンが多数が伸びているのが主な外見上の特徴となります。長いアーム部の先端に、回転式の巨大なホイール(直径約21.6m)がありその外側に複数の掘削バケットが取り付けられています。
ドイツの東部にある屋外博物館「フェロポリス」に行けば、なんと展示されている巨大なBWEを5台も見ることもできます。
■大きさ、重さはどれくらい?ギネス記録に認定済!
その大きさは数ある自走機械でも世界最大と言われ、ギネス世界記録にも認定されています。全長は225mで全高は96m、総重量は14,200トンというとてつもない数字を誇る機械になります。
ちなみに、世界最大となったのは旧東ドイツ人民公社であるタクラフ社が製造したBagger293となります。
■どこで、何に使われているの?
土をすくうためのバケツを沢山取り付けたものをバケットホイールと呼び、主に大規模鉱山で使用されます。シャベルの役割を持つバケットが、ホイールつまり車輪部分にたくさん付けられています。この車輪を回すことで、地面を掘り採掘を行うのがこのエクスカベーター(掘削機)となります。
世界最大のBagger293が稼動するハンバッハ鉱山では、主に鉱物の一種・亜炭が採掘されています。巨大なバケットホイールエクスカベーターを用いて、年間約4,000万トンもの量を産出しています。
■構造はどうなっているの?動力源は?
バケットホイールエクスカベーターの動力源は、ガソリンや重油などではなく外部電力で電気の力で動いています。定常運転時には16,000KWもの電力が必要で、一般家庭の平均的な年間消費電力が、約5,500kWであることを考えるとその規模が分かるでしょう。
メインとなるキャタピラで動作する機体に、数本のアームが飛び出しているのが主な構造となっています。掘削バケットが付いたカッティングホイールと支えとなるブーム、上部構造や搬送用のブームが主体となっています。
掘削した鉱物を流すコンベアも取り付けられており、一機で粉砕や散布・堆積など複合作業がこなせます。
回転ノコギリで鉱山の土を削り取った結果、バケツの中に対象となる鉱物などが入り込みます。長いブームの上にベルトコンベアがあり、掘削された鉱物をベルトコンベアに落とし搬出される仕組みとなっています。
■操縦するのは1人じゃ無理!?
操縦は5人で行うことが通常であり、作業内容も複合して行うため1人では操縦できません。24時間ぶっ通しで稼動することが可能であるため、トイレ・風呂・キッチンが完備されています。
そもそも全高が96mもあり、なおかつ車輪となるキャタピラも巨大であるため操縦席の位置も高くなります。自走式という名の通り、最大分速10mではあるもののこのキャタピラによって走行可能となっています。
バケットホイールエクスカベーターのおもちゃをご紹介!
アート、建築模型からロボットまでなんでもできるブロック
実はドイツの現地に行けば、公開展示が行われているため巨大な実物を眺めることもできます。
残念ながら日本国内にはバケットホイールエクスカベーター公開展示している場所がないため、海外に行くしか実物を見る手段がありません。
そこでおすすめなのが、玩具メーカーが販売しているバケットホイールエクスカベーターのおもちゃになります。実物を見たいけどドイツに行くのは大変という方はもちろん、巨大重機に憧れるお子さんにもピッタリのオモチャとなります。
■1. トミカ No.140 カワサキプラントシステムズ バケットホイールエキスカベータ
おもちゃメーカーの重鎮、レゴによるカワサキ重工業のバケットホイールエキスカベータになります。
絵本にも登場する露天採掘の巨大メカを、国内メーカー製造のBWEを基に再現したミニサイズの商品となります。
カワサキ重工が製造するバスケットホイールエキスカベータは、全長約50m、全高15mを超えます。黄色を大胆にあしらったボディに、長いブームと大きなバケットホイールが見事に再現されています。
■2. レゴ テクニック バケット掘削機 42055
もっと本格的かつ重厚なモデルが欲しい方は、レゴテクニックバケット掘削機42055がおすすめとなります。
対象年齢が12〜16歳と少し高めで、経験豊富なレゴビルダーにも確かな手応えがあります。実際の機械はもちろんレゴテクニックにおいても、シリーズ最大の規模を誇るのが本品となっています。
製品を組み立てることで、1台で2つのマシンを操作できるという優れもののモデルで、黄色とブルーが印象的なボディと、精巧に再現されたデザインや構造を見るたびため息が出ることでしょう。手回しの通路や大型軌道に加えて、操縦席やキャタピラなど本物を忠実かつ見事に再現しています。
さらに単三電池を6個入れることで、電動モーターが作動しベルトコンベアが動き出します。
堅牢なボディを回転させてブームを作動し、掘削バケットホイールを下げればトラックに積み込み可能となります。
■3. レベル バケットホイール エクスカベーター289(露天堀り掘削機)
さらに本格的なプラモデルを作りたい方におすすめなのが、Revell(レベル)社の製品でしょう。ハセガワ株式会社が輸入代理店を務めており、車や飛行機はもちろん海底油田のモデルも作る会社になります。
バケットホイールエクスカベーターが稼動するドイツ国内の会社で、一層ロマンを感じるかもしれません。
対象となる機械は、Bagger289といって1978年に製造され現役でまだ稼動しているモデルとなります。同じく78年製造のBagger288はガルツヴァイラー鉱山で稼動し、289はハンバッハ鉱山で稼働しています。
200分の1スケールであるにも関わらず、長さ1mの高さ40cm以上という規格外のサイズを誇ります。元々の掘削機械の大きさが世界レベルなので、必然的にプラモデルの方もビッグサイズとなっています。
塗料や接着剤、専用の筆が付属しているもののパーツの量も尋常ではなく実に挑戦しがいのある製品となっており、重厚なアームに無骨な鉄骨トラス、荒々しい巨大なホイール等を組み立てれば圧巻の仕上がりとなっています。
細かいディテールをくまなく再現しており、操縦席や細部の手すりなども見事と言えるでしょう。
まとめ
バケットホイールエクスカベーターはその大きさから、ギネス世界記録に認定されるほどの機械となります。大型露天採掘鉱山にて、掘削作業をしている姿を動画などで見て憧れる方も多いことでしょう。
そんな方におすすめなのが、各種メーカーから出ているバケットホイールエクスカベーターのおもちゃです。ミニサイズの手軽な製品から、電池で動く本格的なものまで幅広く用意されているのが嬉しいところです。
もしもっと本気でプラモデルを作成したいなら、同じドイツのレベル社の製品に挑むのも良いでしょう。重厚かつ巨大なボディ、長いアームに特徴的な掘削機など組み立ててぜひ存分に眺めてみてください。