シャコタンとは?
BULLET PROOF社のハコスカ AUTOCON
シャコタンとは、自動車のドレスアップが目的で車高を極端に下げた状態を指します。
1970年代に暴走族の間でシャコタンが流行するようになり、後に若者やローリング族の間でも見られるようになりました。
一般的にスポーツカーは空気抵抗を低減させたり、コーナリング時に車体を安定させる目的で車高が低くされています。車高を下げることで、スポーツカーをイメージしたドレスアップ効果が得られます。
■シャコタンとローダウンは一緒?違う?
車に改造を施すと、車体の地上高が下がることがあります。スポーツ用のサスペンションに交換することで車高が少し下がることがありますが、これはシャコタンではなくてローダウンと呼ばれます。
ローダウンも車体が低くなりますが、ほんのわずかになります。
スポーツ用のサスペンションに交換しても車体が地面すれすれになるようなことはなく、見た目はほとんど変わりません。このため、シャコタンとローダウンは全く意味が違います。
なぜシャコタンに?メリット・デメリットをご紹介!
AUTOCON
シャコタンにすることには、メリットとデメリットがあります。
ここから、車高を極端に下げることにメリットとデメリットをご紹介します。
■【メリット】人と違うカスタム!スーパーカーもレーシングカーもシャコタン
シャコタンにする一番の目的は、車体下部やタイヤハウスの隙間の空間が埋まることでかっこよく見えることになります。周囲の車と比べて極端に車高を下げることで、目立つことができるというメリットがあります。
車高を低くすれば、車体の安定性が増すという効果をもたらします。ボディの重心が下がるので、運動性能が向上してハンドル操作が伝わりやすくなります。
自動車を横から見ると、車体下部が平坦で上部は膨らんだ形状になっています。これは飛行機の翼と似ており、上部よりも下部を流れる空気の圧力が高くなることで浮力(揚力)が生じることになります。
自動車が高速走行をすると、飛行機の翼と同じ原理で車体に浮力が生じてしまいます。浮力が働くと車体が不安定になり、車輪の空転・スピンを起こしたりコーナリング時に横転する危険性が高まります。
浮力の発生を防ぐためには、車高を下げて地面と車体の間で生じる空気の圧力を下げる必要があります。
高速走行をするスーパーカーやレーシングカーは、浮力の発生を抑える目的でシャコタンに作られています。ただしスーパーカーは路面の段差を乗り越えなければならないので、車高を調整する機構を備えている車もあります。
■【デメリット】日常使用に大いに支障あり
地面すれすれに車高を下げるシャコタンには、デメリットも存在します。シャコタンの一番のデメリットは、ほんのわずかな段差でも乗り越えることができなくなることになります。車体下部が段差に接触してしまい、破損したり立ち往生する危険性があります。
車高を下げることで、踏切を通過したり一部の機械式駐車場の利用が困難になる恐れがあります。車を運転をする際に段差を乗り越えるシーンはたくさんあるので、日常生活に支障をきたしてしまいます。
保安基準である地上高9cm以下にすると違法改造とみなされてしまい、事故時に保険金が支払われなくなる恐れもあります。車高を変更すること自体は違法行為ではありませんが、保安基準に適合する範囲内にしておく事で安全に走行することができます。
愛車をシャコタンにするには?コスト別にご紹介!
車高調システム「BLITZ DAMPER ZZ-R SpecDSC PLUS」
自動車の車高を下げるためには、サスペンションに改造を施す必要があります。サスペンションを改造する方法はいくつかあり、費用の面で大きな違いがあります。
ここでは、愛車をシャコタンにする方法をコスト別に3つご紹介します。
■【低コスト】ダウンサスに交換する
サスペンションを短くするために、純正品よりも短いコイルスプリングのダウンサスに交換する方法があります。
ダウンサスは2~4万円程度で販売されていて、交換する際の工賃は1本あたり5~8千円程となっています。4本をダウンサスに交換する場合でも、4~7.2万円ほどの費用となります。
ダウンサスに交換する場合でも、サスペンションの機構はそのまま使用することになります。スプリングのみの交換で済むので少ない費用で済ますことができます。
■【中コスト】車高調整式サスペンションに交換する
車高調整式サスペンションに交換して、高さを調節して車高を下げる方法があります。車高調整式サスペンションは一部のスポーツカーに使用されていて、走行シーンに応じて高さや硬さを変えることができます。
車高調整式サスペンション自体の値段は4万円~20万円程度で、交換費用は2~4万円ほどかかります。このため、費用の総額は6~24万円程となります。
■【高コスト】エアサスペンションに交換する
自動車に使用されているサスペンションの多くは、金属製のバネを使用して衝撃を吸収しています。一部の高級車のサスペンションは金属製のバネではなく、空気バネ(エアサスペンション)が使用されています。
エアサスペンションは、空気の量を調整するだけで車高や弾性を変化させることが可能になります。エアサスペンションに交換してからコントローラーで空気の量を調整すれば、シャコタンになります。
純正品のサスペンションをエアサスに交換するための費用の総額は、一般的なサイズの乗用車でも30万円程かそれ以上となります。サスペンション自体が高額である上に、交換後にエア漏れなどのチェック作業が必要になります。
交換作業が完了するまでに、1週間程度かかります。
シャコタン界を突っ走る!Liberty Walk(リバティーウォーク)
リバティウォーク(東京オートサロン2018)
Liberty Walk(リバティーウォーク)は車用のパーツ専門店で、シャコタン用のパーツも数多く取り扱われています。こちらのお店ではパーツ交換も行われていて、世界に1台だけのカスタムカーにすることができます。
ちなみに、Liberty Walkの会社の代表はシャコタン愛好家のひとりです。
Liberty Walkの店舗は愛知県尾張旭市にあり、パーツの販売のほかに交換作業や整備・車検なども行われています。シャコタンに改造したい方は、Liberty Walkの公式サイトにアクセスして問い合わせてみると良いでしょう。
発想の転換?!「シャコアゲ」に流行の兆し!
あえて車高をあげたイグニスモトクロッサー
車をドレスアップする目的で、スポーツカーをイメージして車高を下げる方法が多く用いられてきました。近年は、車高を上げるシャコアゲが密かなブームとなっています。
クロカンSUVは、悪路の走破性を高める目的で車高が高くセッティングされています。サスペンションを交換して車高を上げることで、SUVのようにワイルドで力強い見た目にすることができます。
シャコアゲ改造はSUVを中心に流行していますが、最近では車高を高くしたスポーツカーも出現しています。
ちなみに日本の保安基準では車体の高さの最低値(9または10cm)が定められていますが、上限値はありません。このため、シャコアゲをしても車検証記載の車高からの差が40mm以内であれば、車検証の記載を変更することなく車検を通過できます。
まとめ
AUTOCON
自動車は、車高を上げたり下げたりするだけで見た目を大きく変えることができます。
愛車のドレスアップをお考えの方は、保安基準の範囲内で車高を調整してお気に入りの車にカスタムするのも良いでしょう。