アーシングって何?
アーシングとは?
アーシングとは、車で電気を使う部分にスムーズに電気を流すために、バッテリーのマイナス極から各部に電気抵抗の低い線を繋げる事を言います。
ライトやプラグなどに流れた電気は消費された後、車体を通してバッテリーに戻るのですが、マイナス極側にアーシングケーブルを追加して、直接バッテリーに戻す方法がアーシングと言われるものになります。
かつては本来の性能が発揮できるように補修する、「チューニング」という言い方で用いられていた手法であり、本格的に行うと高額な費用も掛かりましたが、2000年以降手軽なチューニングが注目を浴びて一般にも用いられるようになりました。
元々はレーシングカーなどレースに勝つために活用されていたアーシングですが、現在は一般の新車にも取り付けられています。
しかし、取り付けられたものだけでは物足りなさを感じたり、元々のケーブルや金属部分が劣化して錆びてきて効果が発揮できないという時には、強化するために自分でアースを追加する事もでき、ケーブルは様々なものが販売されているので、自分の好みのものを購入する事が出来ます。
ネジを取り外した後、再度しっかり締めなければいけないので、そのための工具等は必要ですが、バッテリーのマイナス極側に取り付ける事により、電流がスムーズに流れるようになることで、エンジン始動性の向上や、燃費の向上なども期待されます。
また、メリットとしては車の部品やエンジンなどを、従来よりも長持ちさせる事にも繋がるので車を長期的に乗る事も期待できますね。
一般車のアーシング効果とは
アーシングケーブル
一般的な電気はプラスとマイナスを接続して電気を流すのですが、車の場合は各部からのケーブルをプラスとマイナスの両方に接続するのでケーブルが2本必要となります。コストが掛かる事や断線の可能性も出てきます。
そこで、電気を通す事ができる車体の金属をマイナス端子代わりとし、バッテリーのマイナス端子と電子機器の間で中継します。家電にも漏電防止などのためアースケーブルが備えられていますが、繋げていなくても家電製品は稼働します。
しかし、車の電子機器の場合はアースケーブルがなければ作動しません。その為、車のボディがマイナス端子の代わりになります。
ただ、ボディは電気抵抗が大きいので、スムーズな電流が得られないというデメリットがあり、ボディより抵抗の少ないボディアースという線が用いられます。そのアースケーブルをバッテリーのマイナス端子と各電子部品を結ぶために使い電気抵抗を最小限に抑えています。
アーシングには、電気抵抗が少ない金属が使われたケーブルや端子を使用し、アースケーブルの強化をするという事で一般の新車でも必要最低限行われています。
アーシングに必要なもの
プライヤー、ラジオペンチ、ニッパーなど
アーシングを行う際に必要な工具として必要最低限のものは圧着端子とケーブル、金属用のニッパーとペンチやカッター、ソケットレンチと紙やすりに結束バンドとなります。
圧着端子は、アーシングをする場所のボルトとケーブルの太さを確認してそれに合ったものを購入します。ケーブルは太さや耐熱など、様々な種類があるので、合ったものを選んで購入し、ケーブルを束ねるために耐熱耐寒機能のある結束バンドも用意します。
アーシング用のケーブルを切るための道具として、ペンチ・結束バンドを切るためのニッパー・カッターはケーブルの被覆をはがす時に便利となります。刃物の取り扱いには十分注意しましょう。
ソケットレンチはボルトをスピーディに外すために使い、紙やすりはケーブルの絶縁性のある塗装を剥がす時に使います。
その他、ソケットレンチが使えないような狭い部分の作業には、ラチェット機能付きのメガネスパナが役に立ちます。圧着端子の表面を磨くには棒やすりがあれば磨き易くなります。
■アーシングを施すことのメリット
ヘッドライトなどへ効果的
アーシングを施すと、電気抵抗のあるボディをアースにするよりも電気がスムーズに流れるので、エンジンの点火プラグが火花を起こし易くなってエンジンが掛かり易くなるというメリットがあります。
また、アーシングを施して電気抵抗が小さくなれば、電流が大きくなるのでライトが明るくなる事や、エンジンへの電気供給が安定してアクセルをあまり踏み込まなくてもよくなるので、燃費が上がる事もメリットになります。
さらに、ボディに接続されているラジオは電気を通している事でノイズが発生し易いのですが、アースケーブルで電気を流す事でラジオに影響が少なくなる為、ノイズが抑えられるというメリットもあります。
■アーシングを施すことのデメリット
ラジエーターなど高温になり易い部品の近くにアーシングをすると、火災を起こす危険性が生じる事や、アーシングをする事で改造車となってしまい、車にトラブルが起こった際にメーカー保証が受けづらくなる事がデメリットとなります。
アーシングのDIY
アーシングのDIY
アーシングのケーブルも、使用期間が長くなるにつれ劣化してきます。劣化したケーブルを取り換える時、またはアースをもっと強化させたいという時は、ご自身で取り付けることもできます。
強化に使うケーブルはアーシング用に設定されたケーブルを選ぶ方が、電流が通り易くなるので、その様なケーブルを選び、純正アースケーブルがどのように取り回されているか確認しておきます。今回は、フェンダーとエンジンに純正アースケーブルが取り回されている例でご紹介します。
ケーブルを取り付ける部分をきれいに掃除し、フェンダー側のネジを外して新しいケーブルを重ねボルトを締め、ケーブルをバッテリーの方に持って来て、マイナス極でも同じように取り付けます。フェンダー側の端子に触れないところにグリスを塗っておくと腐食防止になります。
もう一つエンジンの方に繋げアースも取り付けるのですが、フェンダー側の時と同じようにバッテリーのマイナス端子に追加で取り付けます。
もう一方をエンジン本体に取り付けるのですが、その際にボンネットが開閉し易いようにケーブルを引き回す事と、熱源やファンベルトの近くにケーブルを通さないようにする事が重要となります。
業者にお願いをするアーシング
アーシングケーブル
DIYでも簡単にできるのですが電気系統の部品に関わる事で、バッテリーの端子に繋げるなど、ある程度の知識がないと周辺にあるパーツを壊してしまったり、火災事故に繋げる可能性もあります。知識やスキルに自信がない方は、専門業者にこの様な作業を任せる事をおすすめします。
工賃は掛かりますが、ケーブル等は自分で用意をして持ち込める業者を探しておけば、自分で購入したものを使用しケーブルを繋ぐ作業をしてもらえば、しっかりと適切に繋ぐ事が出来ます。
ドレスアップとしても効果絶大
エンジンルーム
アーシングを行うのは電気系統の部品にスムーズな電流が流れる事を目的として行われるのですが、エンジンルームのドレスアップの為にも効果があります。
ケーブルには赤やブルーなど、様々なカラーのものが市販されていますので、アーシングの強化の為にも、新たに好みな色のケーブルを追加する事で、エンジンルームを開けた時に、色鮮やかな光景が目に入ります。この様にエンジンルームの中を着飾る事にも効果を発揮します。
まとめ
エンジンルーム
アーシングの作業は自分自身でも行う事ができますが、電気の配線になるので知識や経験がないと、かえって部品やエンジンを悪くしてしまう事も考えられるため、できれば専門業者に依頼して施工してもらう方が良いでしょう。
ケーブルは好きな色を持ち込んで作業してもらえば、安心して乗れるうえエンジンルームを開ける楽しさも加わります。