世界中における「成功者」の証。メルセデスベンツ Sクラス
メルセデスベンツ Sクラス
最近では、ハイブランドのSUVやミニバンが移動車両に使われることも増えてきているようですが、やはり高級車の定番といえば、キャビンとエンジンルーム/トランクがしっかり分かれた「セダン」が定番でしょう。
迫力はありつつも車高が低めでフォーマルなイメージがあり、乗り心地面でも重心の低さから快適性が際立ちますよね。
そんな高級セダンの中でも、一目置かれる老舗の定番商品が、メルセデスベンツのSクラスでしょう。
輸入車としてメルセデスベンツが人気なのは日本だけではなく、世界中で成功者の証として扱われるメルセデスベンツ Sクラス。民間での利用だけでなく、国家元首などが利用する場合も多々見られる点からも、その高級感が本物であることが分かりますよね。
そんなSクラスの魅力をまとめてみました。
■Sクラスの魅力:運転して楽しく、同乗者はとろける乗り心地
メルセデスベンツ Sクラス
もはやSクラスになれば、運転は運転手に任せて後部座席でゆったり、なんて使い方も当たり前とは思われますが、それでも運転して楽しいセダンというのがSクラスの定番です。
パワフルなエンジンに非常に安定感のあるシャシーが組み合わせられ、大柄な見た目からは想像のつかない機敏な動きも実は可能。この点は、世界の名だたるVIPを乗せる車として、いざというときの回避行動性能も求められるSクラスならではの部分でしょう。
さらに動力性能をお求めの方には、なんと600PS以上の超ハイパワーな4.0リッター V8ツインターボエンジンを搭載した「メルセデスAMG S63」も用意されています。
また、後部座席にもVIPをお迎えする車ですから、乗り心地の良さもピカイチ。連続可変ダンパーとエアサスペンションを走行状況に応じて電子制御するAIRマティックサスペンションが標準装備されます。
また、非AMG系Sクラスの最上位グレードとなるS600 ロングにのみ標準装備される「マジックボディコントロール(ダイナミックカーブ機能)」では、前方の路面の凹凸をフロントガラス上部のステレオカメラで検知してサスペンションの減衰力をアクティブ制御するほか、カーブではコーナー内側に車体を傾けて安定した快適なコーナリングまで実現します。
■Sクラスの魅力:贅を尽くした優美なインテリア
メルセデスベンツ Sクラス インテリア
現在、メルセデスベンツの最新ラインナップは、より直線的なデザインを採用したインテリアが特徴になってきてはいますが、Sクラスのインテリアは優美な曲線を活かしたエレガントさが特徴的。
もちろんデザインだけでなく、素材のひとつひとつも高品質そのもので、レザーやリアルウッド、ステンレスなどがふんだんに用いられた室内は、思わず触れてしまいたくなりそうな仕上がりですよね。
無論、ブランドのフラッグシップセダンですので機能装備も非常に充実している点もポイント。全車標準装備となるパワーシートと電動チルト&テレスコピックステアリングと合わせ、イグニッションをONにすれば乗り降りしやすいポジションから本来のドライビングポジションへ自動で復帰する「イージーエントリー」機能は、運転席に乗り込むことすらも特別感をもたらしてくれます。
S450(ISG搭載モデル)以外ではドアとトランクリッドの半ドア状態を防止する「クロージングサポーター」も標準装備され、乗り降りの所作もエレガントに決まります。
また、近年のスピーカーグリルへの装飾性付与に先鞭をつけた感のあるバーメスター社製サラウンドサウンドシステムが上位モデルには標準装備されますし、メルセデスベンツらしい2つのワイドスクリーンによるメーターとインフォテインメントディスプレイももちろん装備。
やや登場年度が古いとはいえ、Sクラスらしい威厳に満ちた魅力的なインテリアとなっています。
■Sクラスの魅力:一目でSクラスと分かる、洗練のエクステリア
メルセデスベンツ Sクラス
流れるような流麗なラインでありつつも、存在感のあるデザインとなっているエクステリアも、Sクラスの特徴のひとつでしょう。
ボディサイズも相まってか、下位となるEクラスやCクラスとは異なる押し出し感が感じられる点はフラッグシップセダンらしいところ。よく「デザインがどの車でも似て見える」なんて揶揄されるメルセデスベンツですが、Sクラスならではの特徴も数多くあります。
たとえば、ヘッドライトやテールライトの造形。よく見ると、デイタイムランニングライトやテールランプのLEDストリップが3本連続しているなど、「3」が多々見受けられる点に気付かれることでしょう。
これはたとえばCクラスではデイタイムランニングライトが1本ですし、フェイスリフトを経たEクラスではテールランプが2本モチーフになるなど、メルセデスベンツのセダンラインナップのヒエラルキーを密かに示す、Sクラスがフラッグシップであるからこそ注目しておきたいポイントなのです。
近年流行しているクーぺ風セダンとは、はっきりとトランクに存在感を持たせることで決別していますが、それでもルーフからトランクへ流れるように下降していくCピラーのエレガントさも、格別なものですよね。
■Sクラスの魅力:先進装備や安全装備も、もちろん完璧
メルセデスベンツ Sクラス メーターパネル
安全装備の充実さや先進装備を積極的に採用することで定評のあるメルセデスベンツですから、Sクラスの装備の充実さはもはや当然といえるかもしれませんね。
ドライバーの目の前には12.3インチの高精細コックピットディスプレイが用意されていますし、ダッシュボード中央にはCOMANDシステム用にこちらも12.3インチディスプレイが鎮座。2枚のディスプレイが並んだ様子は非常に先進的ですし、画面のカスタマイズも細かく可能など、最新の車らしい使い勝手が特徴です。
また、近年どんどんと技術革新が進む運転支援や予防安全機能においても、Sクラスは抜かりがありません。前方の衝突回避支援をするアクティブブレーキアシストだけでなく、なんと後方からの衝突警告・被害軽減ブレーキの作動まで可能など、至れり尽くせりの標準装備リストは数えきれないほど。
中でも先進的なのは、「PRE-SAFEサウンド」と名付けられた安全装備でしょう。車両が衝突事故を予測した際に、スピーカーから特殊なノイズを短時間発生させることで、鼓膜の振動を内耳に伝える作用を抑える働きを引き起こし、衝突音による聴覚へのダメージを最小限に抑えるというこのシステム。
あらゆる安全装備を網羅してきたメルセデスベンツならではの先進的な装備と言えるでしょう。
メルセデスベンツ Sクラスのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,155mm×1,915mm×1,495mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 3,035mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,100kg | |
燃費 | JC08モード:14.2km/L | |
エンジン種類 | 直列6気筒ディーゼルターボ 2,924cc | |
エンジン最高出力 | 250kW(340PS)/3,600-4,400rpm | |
エンジン最大トルク | 700N・m(71.4kgf・m)/1,200-3,200rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動(FR) | |
トランスミッション | 9速AT | |
新車価格 | 11,045,455円(消費税抜き) |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,305mm×1,915mm×1,500mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 3,165mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,230kg | |
燃費 | JC08モード:8.8km/L | |
エンジン種類 | V型8気筒ガソリンツインターボ 3,982cc | |
エンジン最高出力 | 450kW(612PS)/5,500-6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 900N・m(91.8kgf・m)/2,750-4,500rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(4WD) | |
トランスミッション | 9速AT | |
新車価格 | 23,781,819円(消費税抜き) |
さらなる高みで世界最高峰へ、メルセデスマイバッハ Sクラス
メルセデスマイバッハ Sクラス
傍目には標準のSクラスと変わりないように見えるこちらは、さらなるハイエンドを目指した意欲的な車、「メルセデスマイバッハ Sクラス」。もとより極上の乗り心地を誇るSクラスの快適性をさらに向上させた、究極のSクラスとなっています。
現在国内でラインナップされているのはメルセデスマイバッハ S560とS650で、なんとS650は6.0リッター V型12気筒ツインターボエンジンを搭載。どちらの仕様も、標準仕様SクラスのロングボディとなるS600 ロングよりもさらに長い、5,465mmの全長と3,365mmのホイールベースによって、乗り込むだけでも記憶に残りそうな極上の後席空間を実現しています。
メルセデスマイバッハ S650プルマン ガード インテリア
さらにストレッチリムジン仕様である「プルマン」や、防弾仕様の「ガード」など、もはや王族などの移動に最適化されたような特別仕立ての仕様もしっかり用意されているのが、ハイエンドブランドたるマイバッハらしいところ。
基本デザインがSクラスと大きく変わらずシックなのですが、フロントグリルなどの特別意匠、Bピラーに追加されたメッキプレート、Cピラーのマイバッハバッジなど、知っている人には違いが分かる点も、ハイエンド層の所有欲をくすぐる部分でしょう。
メルセデスベンツ Sクラス、2020年最新情報まとめ
メルセデスベンツ Sクラス EQ Powerシステム
現在では、2019年10月から発売されている特別仕様車「スポーツリミテッド」「ショーファーリミテッド」が注目ポイントです。
幅広いグレードに対し、人気装備を標準で備えるこの2つの特別仕様車は、熟成の進んだ現行Sクラスを手に入れるのにぴったりのお得さがうれしいところですね。
また、こちらは2018年末からの発売なので最新情報ではありませんが、プラグインハイブリッド仕様となる「S560e ロング」がラインナップへ追加されていることも、近年のSクラス関連のニュースとしては大きな注目ポイントでしょう。
時速130kmまでモーターのみで走行可能なこのプラグインハイブリッドシステムは、システム総合出力で476PSというハイパワーさと、40.1kmものEV走行レンジを実現した欲張りなモデルです。
■新機軸盛り沢山の次期型Sクラスもスタンバイ! 12月欧州発売
メルセデスベンツ Sクラス 新型(海外仕様車)
現行型のデビューは2013年で、7年のライフサイクルを経て、今年新型へとスイッチすることが発表されています。
公表されている新型Sクラスは、さらに高級感・先進感が極まった納得の仕上がり。簡単にご紹介していきます。
メルセデスベンツ Sクラス 新型(海外仕様車)
新型Sクラスでは、スタンダードボディとロングボディの両方でサイズアップを実施。ショートボディでも全長は現行より54mm長い5,179mmに達するほか、ホイールベースが71mm延ばされるなど、現行型以上の室内空間の余裕が期待されます。
エクステリアでは、よりシンプルな造形に徹したフォルムが印象的ですね。プレスラインをなるべく廃し、曲面の組み合わせで豊かさを感じさせる仕上がりは、最新のメルセデスラインナップとも共通するものです。
ヘッドライトもテールライトもシャープなデザインで小型化されていますが、テールライトが現行モデルのような縦基調の造形でなくなった点は注目ポイントでしょう。
メルセデスベンツ Sクラス 新型(海外仕様車) インテリア
またインテリアでは、メーターパネルとインフォテインメントディスプレイを横に並べるレイアウトを廃止。新たに縦型配置とした12.8インチのOLEDタッチスクリーンを活用することで、ダッシュボードからセンターコンソールまで、さらに物理ボタンが少なくなり、よりすっきりとしたデザインになっています。
AR技術を取り入れたナビゲーションシステムや、指紋認証・顔認証・音声認識まで組み合わせてドライバーを見分けるシステムなど、これでもかというほどに先進機能がふんだんに投入されたSクラス。まさにブランドのフラッグシップに相応しい仕上がりとなっているようです。
メルセデスベンツ Sクラス、新車価格まとめ
メルセデスベンツ Sクラス
メルセデスベンツ Sクラスの2020年11月現在の税抜き新車価格は、最も廉価なS450(ISG搭載モデル)の1,083万円から、メルセデスAMG S63 4MATIC+ ロングの2,378万円までが価格帯となっています。
高級車の常ではありますが、魅力的なオプションパッケージを追加していくとどんどん値段が上がっていくほか、格別の仕上げとなるメルセデスマイバッハ S650では2,663万円からとなるなど、フラッグシップセダンだけあって相当な対価が求められますね。
メルセデスベンツ Sクラス
まとめ
メルセデスベンツ Sクラス 新型(海外仕様車)
メルセデスベンツの最上級セダンとなるSクラスについてご紹介してきました。
やはり、世界トップクラスのドライバーやパッセンジャーしか見ることのできない世界は特別なものですよね。
現行型がそろそろ新型にスイッチされそうなのは寂しいところですが、さらに先進の仕上がりとなった新型Sクラスが街中を走る姿も早く目にしたいものです。