仮免試験とは
ファインモータースクール自動車教習所
まずは、仮免試験とは何を意味するのかについて解説します。
■仮免の定義
仮免とは、「公道に出て技能講習をする前段階の過程を終えたこと」を証明するために発行される仮の免許のことです。仮免を取得すると教習車で公道に出て運転を練習する段階に進むことができるため、本免許の取得に挑戦するためには仮免試験の通過が必須条件となります。
合格後は基本的にいつでも好きなタイミングで技能講習に移行できますが、合格後6ヶ月間以内に技能講習を受講して卒業検定に合格しないと有効期限が切れて再度受験し直しになってしまうので注意が必要です。
■仮免試験の内容
試験の当日は、路上で遵守すべき基本的な交通ルールや法律に関連する知識が身に付いていることを確かめる「学科試験」と、公道で運転できる技術が備わっているかをテストする「技能検定」の2種類で構成されています。両方の試験を通過して初めて仮免が発行されます。
また、技能検定の受験資格は技能教習の第1段階を終えている必要があるという規定もあります。仮免試験の前には学科教習の理解度を測る目的で小規模なテスト(効果測定)が実施されるので、日頃から習った内容を復習しておきましょう。
■卒業検定との違い
自動車教習所を卒業できるかどうかを見極める「卒業検定」は、技能検定のみで合否が判定され、学科試験は実施されません。
また、卒業検定では路上および教習所に設置されているコースの両方を使います。卒業検定に合格できなければ運転免許センターで実施される学科試験の受験資格は得られない点にも注意が必要です。
仮免試験の技能検定では何をするのか
仮免許(イメージ)
仮免試験の技能検定では、助手席に試験官が同席した上で、あらかじめ決められた教習所内のコースを15分程度走行します。
試験のコースは全員共通というわけではなく、3~4パターンの中からランダムで指定されるのが一般的です。
■技能検定の採点方式
技能検定は最初に受験者が持っている100点を同乗する試験官が減点していき、試験が終了した時点で70点以上残っていれば合格となります。
小さなミスを重ねて結果的に70点を下回った場合は試験の終了後に不合格を言い渡されますが、接触など危険性の高い減点があった場合は一発不合格となり、試験を続行できなくなる場合もあるのでくれぐれも安全運転を心がけましょう。
■仮免試験に落ちるとどうなるのか
技能検定に落ちると、再受験のための補修教習を最低でも1時限以上受講しなければなりません。希望すれば2時限以上の受講も可能なので、合格できる自信がないという方は自信が付くまで練習するのも良いでしょう。
どの補修教習を受けなければならないかという点について特に決まりはないため、自分の苦手な分野の教習を受講して再受験で合格できる実力を身に付けることが大切です。一般的に2回目以降の技能検定には再受験料が発生するため、料金については事前に調べておくことをおすすめします。
仮免試験で技能検定に合格するコツ
合格するにはどうすればいい?
ここでは、仮免試験で技能検定に合格するコツを紹介します。
■コースを覚える
試験で走るコースは直前に伝えられるため、あらかじめコースを覚えておくと落ち着いて本番に臨めるでしょう。道順については試験官が助手席で「次は右折するように」など指示を出してもらえるので、あまり心配しすぎる必要はありません。
もし指示とは異なる道順でコースを回ってしまっても、すぐに検定が不合格になることはないので、冷静に取り組むことが大切です。
■S字クランクと停車をマスターする
S字クランクと停車は技能検定の中でも受験生が特に苦労しやすい部分です。S字クランクで2回以上切り返すと5点ずつの減点対象となるため、1回以内の切り返しで終える必要があります。また、後方の安全確認を怠ると10点の減点となる点にも注意が必要です。
停車を苦手とする方は、車窓から何がどのように見えるのかを把握しておくと良いでしょう。例えば「白線がこの位置に見えているなら縁石に近づきすぎているな」といったふうに、車の幅を感覚的に理解することが大切です。
■安全確認は慎重に行う
安全確認を慎重に行っている姿を試験官にアピールすることも重要です。自分が安全を意識していることを伝えるためにも、少しオーバーに安全確認すると良いでしょう。
視線を左右に動かすだけでなく、顔ごと動かして左右を確認すると試験官にも好印象を与えられます。
■減点対象を確認する
技能検定で特に減点につながりやすい項目は「右折・左折の際に安全確認を怠った」「左折する際に路肩から離れすぎている」の2つです。
また、一時停止の際に停止線を越えてしまったり、優先道路で優先されなければならない車両の進行を妨害したりした場合も減点されるため、減点対象となる項目をあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
仮免試験の学科試験では何をするのか
学科試験では何が待ち受けている?
仮免試験の学科試験では、運転の一般的なマナーや交通に関する法律などについての設問に回答する筆記試験が実施されます。
■学科試験の採点方式
学科試験の採点はマークシート方式で、〇と×の選択式問題が全部で50問出題されます。30分の時間内で問題に取り組み、100点満点中90点(得点率90%)を獲得すると合格です。
合格の条件は全国共通で、地域や教習所による違いはありません。
■学科試験に落ちるとどうなるのか
もし学科試験に不合格となった場合は、再試験を受けなければなりません。技能検定と同様、2回目以降は再受験料がかかるため、事前に必要な金額を調べておきましょう。
どの部分の知識が不足しているのか把握して過去問を解き直し、苦手な分野を克服した上で再受験に望むことをおすすめします。
仮免試験で学科試験に合格するコツ
学科試験の準備は?
ここでは、仮免試験で学科試験に合格するコツについて解説します。
■過去問を中心に勉強する
テキストを読んで知識を溜め込むだけでは問題を解く力が養われにくいため、過去問を中心に勉強してどのような問題が出題されるのか雰囲気をつかんでおくことが大切です。分からなかった問題は正解となぜ間違えたのかを確かめて、理解できるまで復習しましょう。
過去問を反復して解いたり、効果測定を繰り返し受けたりすることで、本番に強くなり一発合格も近づきます。独学では分からない部分は、教習所の指導員に尋ねると良いでしょう。
■問題を最後まで読む
出題される問題の中には引っかけ問題が用意されている場合もあるため、問題の途中で回答するのではなく、最後まで文章を読んでから正解を考えるように意識しましょう。
似ている2種類の標識や数字だけが異なる類似問題など、よく読めば分かる部分を誤答して減点になる場合もあるので、細心の注意を払って問題を読むことをおすすめします。
仮免試験の合格率
合格率はどのくらい?
令和元年度の普通自動車仮免試験の合格率は79.7%となっており、約8割の受験者が合格していることが分かります。
ここ5年ほどは8割弱で推移しており、毎年それほど大きく合格率が変動することはないようです。
仮免試験は難しい?
難易度はどのくらい?
約8割の合格率を高いと感じるか低いと感じるかは人それぞれですが、もし仮免試験に落ちてしまったとしても、再チャレンジは可能です。
一度落ちたからといって諦めずに技能を磨いたり、知識を付けたりして2回目に取り組めば、仮免試験はそれほど合格の難易度が高い試験ではないといえます。
まとめ
仮免試験にチャレンジだ!
仮免試験の内容や合格のコツ、難易度や合格率についてお伝えしてきました。技能検定や学科試験は合格率が約80%の試験なので、決して難しい試験というわけではありません。勘違いしやすい引っかけ問題や難易度の高いS字クランクなどに十分注意して、落ち着いて受験に臨みましょう。
もし一度落ちてしまったとしても、二度と受験できなくなるわけではありません。今回ご紹介した合格のコツなどを参考にしながら、焦らずに合格にトライしてみましょう。
よくある質問
■仮免、卒検との違いは?
仮免とは、「公道に出て技能講習をする前段階の過程を終えたこと」を証明するために発行される仮の免許のことで学科試験と技能検定で構成されます。卒検は、自動車教習所を卒業できるかどうかを見極める技能検定のみで合否が判定され、合格できなければ運転免許センターで実施される学科試験の受験資格が得られません。
■仮免試験で技能検定に合格するコツは?
試験で走るコースは直前に伝えられるため、あらかじめコースを覚えておくと落ち着いて本番に臨めるます。S字クランクと停車に苦労する受験生が多いので、試験前にマスターしておくといいでしょう。また、試験官に見落とされないように、安全確認はオーバーなくらいにしておくのもポイントです。