古いクルマとは?

古い車ってどんな車?
「古いクルマ」とは、どれくらいの年数や走行距離のものをいうのでしょうか?
いろいろな目安がありますが、本記事ではひとまず「10年落ち以上」、「走行距離10万キロ以上」を念頭において解説いたします。
というのも、中古車販売店では「10年落ち」がひとつの目安とされており、10年を超えたくらいから、価格が大きく下がる傾向があります。
「走行距離10万キロ」についても同様の傾向がみられます。
ちなみに、この「落ち」という言葉は中古車市場における専門用語。そのクルマが最初に登録された年度からの経過年数のことをいいます。例えば2021年に10年落ちとして市場に出てくるクルマは、10年前の2011年に登録されたクルマということです。
■クルマの減価償却はどのくらい?法定耐用年数のお話
新車を事業用として購入した場合、必要経費として計上できますが、
その際に用いられる減価償却のための法定耐用年数は、以下のように定められています。
・普通自動車:6年
・軽自動車:4年
法定耐用年数とは、国が定めた、その資産が利用に耐える年数のことです。
つまり、普通自動車であれば新車登録されてから6年間は資産として認められ、必要経費として計上できるわけです。
ということは、購入価格がどれだけ高いクルマであっても、税法上は新車登録から6年後には、資産価値がゼロになってしまう計算です。
もちろん、すべてのクルマが6年経つと価値がなくなるわけではありません。まだまだ十分に乗れますし、実際に新車登録から6年以上経過しているクルマが数多く中古車市場で取引されています。
とはいえ、国が定めた価値の基準としては、6年が上限です。(ちなみに、中古車を購入の場合は、別の計算方法が適用されます)
売却前に確認するべきこと

チェックポイントは?
古いクルマを高く売るために、事前の準備が欠かせません。
ここでは、事前に確かめておいた方がいいことをまとめました。
■自分のクルマの価格相場を確認する
クルマを売る際、まずは自分の愛車の買取相場を確認しましょう!
これを知らないと、提示された査定額が妥当なものなのか、判断できないからです。そして、相場を知っていれば、高望みし過ぎてしまうことも避けられるでしょう。
買取相場は、インターネットで簡単に調べられます。
サイトによっては、個人情報の登録などをおこなわなくても、車種、年式、走行距離、ボディーカラーなどを入力するだけで、平均査定相場を出してくれます。
こうした買取相場の関連サイトはたくさんありますので、1つのサイトに限らず、いくつか試してみることをおすすめいたします。
■クルマの故障やキズを確認する
故障やキズは、査定額を低くする要素となります。ですから、事前に把握しておくことをおすすめいたします。
高く査定してくれそうな業者を選んでも、故障やキズといったマイナス要素が多いために、思ったほどの金額提示にならなかった、といったことがあるからです。
特に見落としがちなのは、内装部分のキズ。
外装がきれいなクルマでも、内装のダメージが大きいとシビアに査定される場合がありますから、ご注意ください。
古いクルマを少しでも高く売るために!8つのポイントを解説

車を上手に売るには?
では、古いクルマを少しでも高く売るために、どんなことができるでしょうか?
8つの方法をご紹介します。
■1. 複数の業者で査定する
■2. 下取りだけなく、買取業者でも査定する
下取りだけでなく、買取業者も査定対象にすると、少しでも高く売ることにつながります。
「下取り」と「買取」、似ているようで、かなり異なります。一般的に、買取の方が査定額は高くなりやすいとされています。
仮に、下取りをメインに考えていても、買取業者に査定してもらうことで選択肢が増え、納得のいく売却ができるでしょう。
下取りとは?
「下取り」とは、次のクルマを購入するに際して、いま乗っているクルマをディーラーや自動車販売店に引き取ってもらう方法です。
メリットは、購入と売却をいっぺんにおこなえるため、手間がかからないこと。
担当者も同じですから、話も早くてわかりやすいでしょう。
購入と売却のタイミングが同じであれば、いまの自動車保険を新しいクルマに適用させる「車両入替手続き」も簡単です。
デメリットは、買取と比べて査定額が低くなりやすいことです。
ディーラーや自動車販売店は、あくまで新しいクルマの購入が前提となっているため、下取り価格では勝負しません。買取業者のように、高い査定にしなければ、他店に取られてしまうといったプレッシャーもありません。それで一般的には、買取と比べて下取りの方が、査定額は低くなりやすいとされています。
買取とは?
「買取」とは、クルマの買取専門業者に査定してもらい、売却する方法です。
メリットは、純正装備やオプション装備といった有利な要素が、買取価格にダイレクトに反映されるので、下取り価格と比べて高くなりやすいことです。
デメリットは、手続きが面倒なこと。
もし新しいクルマの購入と同時進行である場合、売却のタイミングや手続きを合わせる必要があり、手間が増えてしまいます。
■3. 査定士と良いコミュニケーションをとる
車種、年式、走行距離で、クルマのある程度の値段が決まるとはいえ、最終的に金額を決めるのは査定士です。
ですから、査定士と良いコミュニケーションをとることで、少しでも高く買い取ってもらえる可能性が増えます。
そのためにも、クルマのキズや修復歴などは正直に伝えたほうがいいでしょう。彼らはプロですから、見逃す可能性は低いといえます。
良い信頼関係を構築して、気持ちよく、こちらの希望を伝えましょう。
■4. 車検前のタイミングで売却する
車検のタイミングを確認して、車検が来る前に売却することも、少しでも高く売るコツです!
通常、車検残期間が長いほど、売却の査定には有利に働きますが、それでも車検を通すために支払う費用と比べれば、トータルではマイナスになってしまうことの方が多いでしょう。
そういうわけで車検が近いなら、車検を通す前にクルマを売ってしまった方が、車検を通してからクルマを売るよりも、おトクになるといえるのです。
■5. 自動車税が課税される前に売却する
自動車税は、毎年4月1日時点で自動車を所有している場合に課せられます。支払時期は都道府県によって異なりますが、5月末ごろまでに一括で支払うのが一般的です。
車両区分や排気量によって自動車税の金額は異なりますが、車種によっては大きな金額になります。ですから、もしクルマの売却を考えているのなら、自動車税が課税される前に売却したほうがよいでしょう。
廃車した場合(永久抹消登録もしくは一時抹消登録の場合)、納めた自動車税が月割りで還付されます。
ちなみに、買取や下取りの業者によっては、買取金額に自動車税の還付を含めてくれるところもあります。
しかし法律的には、自動車税の還付制度は、廃車した場合にのみ適用されるものです。そのため、もし売却時に自動車税の残期間が多いようであれば、自動車税を還付してくれるのか、確認したほうがよいでしょう。
ただし、注意しなければならないのは、軽自動車の場合です。
軽自動車には、自動車税(軽自動車税)を還付する仕組みがありません。ですから、廃車手続きを含めて、還付されませんが、買取業者によっては、その分も考慮して買取金額に上乗せしてくれる場合もあるようです。
■6. クルマのキズを直さない
クルマのキズは、修理しないほうがトータルで考えると、高く売ったことになります!
もちろん、ボディーにキズやへこみのないクルマの方が査定額は高くなりますから、売却の値段だけで比較すると、修理したほうが高いはずです。
しかし、だからといって費用をかけても、その修理費を上回るほどのプラス査定額にはならないのです。通常は修理費の方が高くなってしまいます。
買取業者や中古車販売店は、修理設備を自社で持っていることが多いので、個人が修理工場に依頼するよりも安価に修理でできてしまいます。ですから、キズを直さないで、そのまま売った方がトータルで考えると「少しでも高く売った」ことになるわけです。
例外は、個人間での取引やネットオークションに出品する場合です。
この場合、キズを直した方がトータルで考えても高く売れるケースがあります。修理見積りや売却相場と比較して、検討するとよいでしょう。
■7. ネットオークションに出品する

インターネットオークション
インターネットの普及により、クルマの売買方法も変化して、業者を通さず、個人間で取引する方も増えてきました。
たとえば、日本最大級のインターネットオークションサービスである「ヤフオク!」には、「自動車」のカテゴリが用意されており、パーツから車両そのものまで取引がおこなわれています。
ネットオークションには業者も参加していますが、もし個人取引である場合、下取りや買取の業者ほどの中間マージンがかからないため、少しでも高くクルマを手放せる可能性があります。
デメリットは、いろいろな手続きを個人でおこなう必要があること。
譲渡証明書などの必要書類を集め、申請書類を作成し、陸運局で費用を払い、ナンバーの付け替えなどをおこなうことになります。
また、クルマに限りませんが、ネットオークションにはトラブルリスクもあります。お金が振り込まれない、クレームをつけられたなど、一定のリスクがあることも考慮しなければなりません。
■8. 廃車買取業者に売却する
いろいろ手を尽くしても値段がつかない場合、廃車買取業者に相談してみるという方法があります。
廃車買取業者は、買い取るクルマを再販するのではなく、そのクルマからパーツや部品を取り、それを販売します。つまり、クルマ本体ではなく、その部品に価値を見いだし、そこに値段をつけているわけです。
ですから、下取りや買取で値段がつかないクルマでも、たとえ公道を走れる状態にないクルマでも、買い取ってもらえます。
タイヤ、ホイール、フロントガラス、サイドガラス、バッテリー、バンパー類など、それぞれの中古部品には価値があります。自動車のボディーやエンジン類は、鉄やアルミですから、金属としての価値もあります。
デメリットは、下取りや買取で値段のつくクルマの場合、廃車買取業者のほうが安くなってしまうことです。ですから、廃車買取業者は、下取りや買取の後の選択肢になるでしょう。
まとめ

賢く車を売ろう
今回は、古いクルマを少しでも高く売るコツを解説しました。
せっかく思い入れのある愛車です。これらの方法を駆使して、少しでも高く買い取ってもらいましょう!