「リセールバリュー」に注目した車選びで、将来助かるかも?
中古車販売店
自動車は、車両本体価格だけで数百万円に達するというかなり大きな買い物です。その上ガソリン代、保険料、税金と諸費用負担も大きく、日常生活として車は必須だけど、上手にやりくりしたい、とお思いの方は多いのでは。
また、技術発展のスピードが非常に速く、モデルチェンジ後は一気に先代モデルが古くさく見えてしまうことも自動車の特徴かもしれません。ハイブリッドシステムが幅広い車種に設定されるなど、新型の車では実燃費の改善が大きく、お財布も助かります。
また、特に近年では予防安全装備の進化が著しく、自動ブレーキが効果を発揮しやすい追突事故の発生件数が年々しっかり減少している調査結果もあるなど、できるだけ最新の車に乗っていたい!とお思いの方も多いことでしょう。
そんな大きな買い物となる車の乗り換えを手助けしてくれるのが、リセールバリューの高い車。車選びをする際に、リセールバリューにも気をつけて選んでおけば、次の乗り換え時には思わずホクホクとしてしまうかもしれませんよ。
詳しく見ていきましょう。
■リセールバリューってなに? 下取りに出すときの価格のこと!
自動車販売店イメージ
リセールバリューのリセールとは「再売却」や「転売」といった意味で、具体的にはリセールバリューとは「乗っている車を下取りに出す・買い取ってもらう際の価値」のことをいいます。
残価率などとも呼ばれ、これが高い車ほどその価値をより高く、長く保てるので、下取りや買取時に高値で引き取ってもらえることを示します。
車に限らず、物の価値は、一度販売されてしまうと新品の時よりもグッと下がってしまうもの。中古車市場で人気のない車種などでは、数百万円の新車価格が数年後には数十万円に?!なんてこともザラにあるようです。
下取りや買取の価格は、その時のその車の人気などに左右され、変動するものです。それでも、できるだけ高い値段で引き取ってもらえれば、新しい車への乗り換えもスムーズに行えますよね。
リセールバリューに気をつけた車選びをすれば、車両購入価格から下取り価格を引いた、所有した期間の実質的な負担額を低く抑えることもできるでしょう。
もちろん、車選びには運命の出会いもあり、この車でなきゃダメなんだ!という愛車選びをする場合もあるでしょう。しかし、車は通勤や買い物の移動手段と割り切っていて、できるだけ安くおトクに乗りたいなあとお思いの方なら、リセールバリューを考慮した車選びもおすすめしたいところです。
■リセールバリューを決め打ちする「残価設定型ローン」も普及
近年では広告などでも「残価設定型ローン」という言葉をよく目にしますよね。これは、一定期間後の残価率があらかじめ定められており、その残価額を除いた残りをローン支払いしていく仕組みで、月々の支払いが低く抑えられることから人気なようです。
そのため、残価率が高く設定されている=「リセールバリューの高い」車なら、月々の支払い額は意外なほど低く抑えられる場合もあるようです。
下取り価格に影響が出ないように年間走行距離に制限があったりするなど注意点もあるほか、長年乗り続けたい場合には向かない支払い方法ではありますが、車検を目安にするなど数年単位で乗り換える予定の車選びなら、残価設定型ローンも魅力的ですね。
リセールバリューの高い車の選び方指南:特徴を押さえて車選び!
■リセールバリューの高い低いはどんなことに左右されるの?
車種やジャンルの人気度
トヨタ カローラクロス(海外仕様車)
これは数年後のトレンドを予測するようなもので、確実とはいえませんが、購入時に人気の高い車種はリセールバリューも高めになることがほとんどでしょう。
特に近年ではSUV人気が継続しており、SUV系の車種はリセールバリューが高めを維持している模様。車両価格がやや高めとなるSUVではありますが、乗り換え時の負担まで考えれば意外とおトクかもしれません。
また、継続的に高い人気がある「ブランド力のある」車も、リセールバリューでは強みがあります。数年単位でのトレンドに左右されない、何代も続いているような名の知れた車種なら、一定の需要が継続的に見込め、下取り価格も安定していることでしょう。
また、販売台数ランキングなどでは成績の悪いスポーツカーなど趣味性の強い車は、元々の販売台数が少なく、一定の需要が存在するのに中古車市場ではあまり値崩れしないため、そこまで大きく価値が落ちません。
年式・モデルチェンジの近さ
ポルシェ 356
誰しも新しい物には興味が湧くもので、新型車がデビューすると、先代モデルの価値はグッと下がってしまいます。
車は4〜5年単位でモデルチェンジをする場合が多く、2〜3回目の車検を受けてしまうと「型落ちモデル」扱いになってリセールバリューがグッと下がってしまうことも。愛車が現行型であるうちに売ってしまうことも、リセールバリューを高くする大事なポイントです。
そのため、次期型や後継モデルが登場するかどうかを細かくチェックしておけば、売り時を逃さずに済みそうですね。
ただし、自動車メーカーも全能ではなく、時にはモデルチェンジで大失敗して人気が失われてしまうことも。その場合、人気のある先代モデルの価値が再燃することもあるので、確実に下がるともいえない難しい部分となっています。
限定仕様車? 人気オプションの装備有無?
《画像提供:Response 》トヨタ ヴェルファイア ゴールデンアイズ
人気の車種で高年式、という鉄板ポイントを抑えた上で、さらにリセールバリューに影響してくるのは、オプションなどの装備内容やグレードの稀少性です。
後付けできるディーラーオプションに比べ、メーカーオプションは新車購入時にしか選べないため、中古車市場では特定のメーカーオプション付きの車両に人気が集中することもしばしば。近年では標準装備化が進んではいますが、予防安全装備がオプション設定だったりする車では、装備しているかしていないかで下取り価格にも影響が出ることでしょう。
また、人気車ほど頻繁に設定される特別仕様車などの限定グレードも人気があります。先にあげた人気オプションが標準装備されていることも多く、内外装に限定の色使いなどが入っているからこの仕様が絶対欲しい!といったユーザーもいることで、リセールバリューも高めを維持できることでしょう。
意外?!ボディカラーも大事
マツダ CX-9(海外仕様車)
意外に思われるかもしれませんが、リセールバリューにはボディカラーも影響してきます。車種自体の人気の高い低いに比べれば微々たる差の違いかもしれませんが、それでもまことしやかに囁かれる人気ボディカラーの鉄則があるのです。
街中で見かける車のボディカラーを確認するとモノトーンが多いように、断然人気なのはホワイト、シルバー、ブラック系。これらは比較的どんな車種でも安定したリセールバリューが見込めるボディカラーで、特に高級車などでは精悍なブラックやラグジュアリー感のあるホワイトパールが人気です。
カタログなどでのイメージカラーは有彩色が使われていても、実際に市場で人気があるのはやはりモノトーン系というトレンドは、ずっと変わらない車選びの鉄則かもしれません。
ただし、ボディカラーも稀少性と人気の兼ね合いで価値が跳ね上がる場合も。近年では象徴的なレッドの有償色が人気なブランドもありますし、数年後の流行を確実に予測することは無理でしょう。
せっかくの車選び、自分の好みのボディカラーを選びたい!とお思いの方はこだわって選ぶことをおすすめしますが、特に好みがない、無難がいいなあとお思いなら、モノトーン系の人気色にしておけば安心かもしれません。
リセールバリューの高い車、実例3選!
■トヨタ アルファード/ヴェルファイア:新車価格が高くてもおトク?!
トヨタ アルファード
路上で見かけない日はないであろうほどに大ヒットしているアルファード/ヴェルファイア。現行型の登場は2015年と、そろそろモデルライフ終盤と思われますが、2020年の新車販売台数ではアルファードがミニバン系で年間トップとなる約9万台を販売しているなど、その人気は近年さらに勢いづいている印象すら受けます。
トヨタでもトップクラスの高級ミニバンだけあって、車両価格は700万円台まで届くような高級車ですが、元々中古車市場での需要が高く総じて価値が落ちにくいミニバンというジャンルの中でも、アルファード/ヴェルファイアのリセールバリューはかなり高くなっているようです。
中でも人気なのは3眼LEDヘッドランプやレザーシートを備えた上級グレードで、ツインムーンルーフなどの豪華オプションを装着しているとさらに高いリセールバリューが期待できるそう。威圧感のある高級ミニバンならではのトレンドでしょうか。
国内での人気もさることながら、アジア圏など海外で大人気なため、需要が非常に高いのもアルファード/ヴェルファイアの人気の秘訣。中古車市場で仕入れたアルファードを現地に並行輸入する業者も多数存在するようです。
そろそろ次期型モデルの噂も聞こえてきそうではありますが、国内での人気も海外での需要もまだしばらく継続するものと思われ、リセールバリューの高さはまだまだ安定して続きそうですね。
■日産 エクストレイル:モデルライフの長さで棚ボタ!息の長い人気
日産 エクストレイル(海外仕様車)
人気のSUVは総じてリセールバリューが高めではありますが、中でもご紹介したいのは日産 エクストレイル。現行モデルは2013年デビューとかなりの長寿モデルではありますが、改良が重ねられていることで、予防安全性能や運転支援機能などはライバルにも見劣りしない魅力を備えています。
そんなモデルライフの長さと、新車でもリーズナブルな価格設定もあってか、群雄割拠のSUVの中でも息の長い人気を獲得しているエクストレイルは、リセールバリューも意外と高めです。
特に2017年の改良以降のモデルで人気の運転支援機能「プロパイロット」を備えるものなどは、中古車市場でもまだまだ高値安定が続いています。その他にもハイブリッド仕様や3列シート仕様など、ニーズに沿ったグレード選びがしやすい点はエクストレイルの魅力の一つ。
エクストレイルの北米向け姉妹車のローグは既に新型にスイッチしているなど、国内仕様もそろそろモデルチェンジがされる見込みとなっていますが、次期型エクストレイルでも息の長い人気が期待でき、現行型エクストレイルと同様に高めのリセールバリューを保ってくれることでしょう。
■スズキ スペーシア:新車販売ではやや低迷、でも下取りは高値安定?
スズキ スペーシアギア
軽自動車界を席巻しているような印象もある、全高1.8m前後のスーパーハイトワゴン系の中でも人気なのが、スズキ スペーシア。新車販売台数ではホンダ N-BOXに譲るものの、遊び心のある内外装デザインや使い勝手の良い装備などで根強い人気があります。
そんなN-BOXに対し、現行スペーシアのリセールバリューは負けず劣らずの好成績で、場合によってはスペーシアの方が上回る場合もあるようです。
充実の装備による需要の高さと供給量が絶妙にマッチしてのことと思われますが、迫力のカスタム、SUV風味でアクティブな印象のギア、プレミアムベーシックといった印象の標準車と、バリエーションが豊富なことも中古車市場での人気の秘訣かもしれませんね。
現行モデルでは全車でマイルドハイブリッド仕様とした点はライバルのN-BOXやタントとは大きく異なる部分で、スペーシアならではの魅力。数年単位で乗り換えるのがもったいなく思えてしまいそうなほどの実力派です。
まとめ
トヨタ ランドクルーザープラド
リセールバリューとは何か、またどんなことがリセールバリューを左右するのかをご紹介してきました。
車くらい自分の好きに選びたいとも思いつつ、できればおトクに乗りたい気持ちもありますよね。ご自分の好みとリセールバリュー、どちらかを優先するのではなく、どちらも両立できる最適解を見つけられれば、より安心感のある車選びができるかもしれませんよ。