100万円ちょっとで新車の普通車?!ブーンなら叶います
トヨタ パッソ(参考画像)
ボディサイズの扱いやすさだけでなく、車両価格の安さも特徴のひとつであるコンパクトカーですが、先進の安全装備やハイブリッドシステムなど近代的な装備がどんどん加わる結果、車両価格がどんどん上昇中です。
性能が優れていることはありがたいことですが、新車ではなかなか手が出しにくい価格帯のものも増えてきていますよね。
そんなコンパクトカーの中でもずば抜けて安い車両価格となっているのが、ダイハツ「ブーン」です。
さすがに普通車で100万円台からの車って、性能的にどうなの?と思ってしまうかもしれませんが、国産車の中でも最小クラスの普通車となるブーンは、小さなボディサイズながら5人乗りで燃費もよく、価格帯だけを気にしているとその魅力を見逃してしまうかもしれません。
小回りの利く普通車をお探しなら、ブーンを愛車候補に入れておいて損はないかもしれませんよ。ブーンの魅力をご紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
■歴代ブーンをおさらい、どれも見かけたことがあるはず!
ダイハツ ブーン
初代ブーンは、トヨタとの共同開発によって生まれたコンパクトカーで、2004年に登場しました。
ダイハツのコンパクトカーとしてはストーリアの後継モデルにあたりますが、スタイリングにややクセのあったストーリアとは違ってシンプルな実用コンパクトへの路線変更が感じられました。
初代ブーンはただの廉価なコンパクトカーだけに留まらず、なんとターボエンジンを搭載したモータースポーツ向けモデル「X4(クロスフォー)」が設定されるなど、軽量ボディを活かしたキビキビとした走りも特徴的でした。
廉価な価格と創意工夫のユーティリティが光ったインテリアを持っていたブーンは、登場するや否や一気に定番コンパクトカーとして広く認められました。
ダイハツ ブーン(2代目)
2010年に登場した2代目ブーンでもトヨタとの共同開発は継続されましたが、初代よりもさらに角を落とした滑らかなフォルムが印象的でした。
先述したX4などの特殊グレードは設定されず、さらに姉妹車であるトヨタ パッソに設定されていたような上級グレードも設定されなかったほどの割り切った性格づけもあって、あまりインパクトのある代ではありませんが、全車CVT仕様となったことで効率性を改善。
2014年の改良では燃費性能に優れた軽セダンであるミライースの技術を転用するなどし、さらに低燃費に磨きをかけていました。
《画像提供:Response 》ダイハツ ブーン(3代目)
2016年に登場した3代目ブーンは、トヨタとの共同開発の形をやや改め、企画とデザインをトヨタが行い、設計と開発をダイハツが担当することで、小型車作りに定評のあるダイハツのノウハウがより投入された車となりました。
軽自動車の室内空間がどんどん広くなっていることもあってか、フロントシートとリヤシートの配置が見直され、よりリヤシート足元のゆとりが増した点は3代目のポイントです。
さらに軽量化を進めつつ高剛性なボディ構造とすることで、乗り心地や操縦性の改善も実施。最小クラスのコンパクトカーながら車の実力をしっかり高めた、意欲的な車となっています。
ブーンならキュートもクールも勢揃い!3バリエーションに迫る
ひとつの車種に、標準系とカスタム系の2つの顔つきが設定されることは幅広い車種で実施されていることですが、ブーンのように3つのバリエーションともなるとなかなかありません。
車体は共有しつつも個性がしっかりたった3バリエーションを、それぞれご紹介していきます。
■ブーン スタイル:丸目がキュート!ブーン専用グレード
ダイハツ ブーン スタイル
OEM供給するトヨタ パッソには設定されない、ブーン独自のグレードとなるのが、ほんわかした表情がたまらない「スタイル」です。
丸目のヘッドランプに呼応するような丸型のフォグランプや、やわらかい曲線のフロントグリルが印象的なスタイルは、専用カラーであるジューシーピンクメタリックもしっかり着こなせる、とびきりガーリーな印象ですね。
エクステリアだけでなく、シートやオーディオ周辺のパネルなどにマゼンタの差し色が入ったインテリアも魅力的。乗り込むたびに気分を明るくしてくれそうです。
■ブーン シルク:クールな顔つき
《画像提供:Response 》トヨタ パッソ モーダ(参考画像)
丸基調のスタイルとは異なったクールな印象なのが「シルク」です。
ヘッドランプはスタイルと共通の丸目ながら、フロントグリルやフォグランプベゼルはやや角が立てられたシャープな造形で、キリッとした顔つきが印象的ですね。
こちらもインテリアが特別仕様になっており、ピアノブラックとメッキでモノトーンなコーディネートにカッパーの差し色が入ることで、よりシックな印象になっています。
■ブーン X:クセのないスマートさがうれしい
トヨタ パッソ(参考画像)
上位2グレードのような丸目ヘッドランプではなく、落ち着いた表情となっている標準グレード「X」は、誰が乗ってもしっくりくるスマートな印象で選びやすい印象ですね。
室内は下位グレードのXでは加飾がない場所もありますが、上位グレードでもシルバーとこちらも落ち着いた色調。
それでもLEDヘッドランプも設定があるなど、安っぽくない機能的な内外装で、初代ブーンの雰囲気も感じられるかも。コンパクトカーの真髄を感じられるグレードですね。
■特別仕様車にも注目!ホワイトリミテッドとブラックリミテッド
ダイハツ ブーン スタイル”ブラックリミテッド”
2021年3月現在設定されている特別仕様車「スタイル“ホワイトリミテッド SA III”」と「スタイル“ブラックリミテッド SA III”」は、人気のスタイルグレードをベースにホワイトとブラックのアクセント色をそれぞれ追加装備したグレードです。
どちらもベース車ではオプションとなる2トーンカラーが標準装備されており、ホワイトリミテッドではベース車でも選択可能なホワイトルーフ。ブーンの魅力を引き立てる人気のカラーコーディネートだけに、標準装備になっている点はうれしいポイントですね。
またブラックリミテッドでは、本来「シルク」グレードでしか選択できないブラックルーフが「スタイル」で選べるという、特別感のある仕立てとなっています。
さらにどちらのグレードにも、スーパーUV&IRカット機能付のフロントドアガラスやインテリアのメッキドアハンドル、パノラマモニター装着用オプションなどの特別装備も加わっているので、アクセント色の違いだけでなくお買い得感もバッチリ。
スタイルグレードにしか設定されていない点はやや残念ではありますが、装備充実のブーンをお探しならぜひおすすめしたいグレードです。
ダイハツ ブーンのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,680mm×1,665mm×1,525mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,490mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 910kg | |
燃費 | WLTCモード:21.0km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリン 996cc | |
エンジン最高出力 | 51kW(69PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 92N・m(9.4kg・m)/4,400rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,410,000円(消費税抜) |
「最安」以外で、ブーンをおすすめする3つの理由
国内市場では軽自動車専業メーカーのような印象もあるダイハツですが、海外市場でも活躍していることもあって、実は普通車のコンパクトカー作りにも定評があります。
もちろん価格の安さはブーンを積極的に選びたくなる大きな理由のひとつではありますが、それ以外にもブーンには魅力がいっぱい。今回は3点に厳選して、ご紹介していきます。
■理由1. 街中スイスイのコンパクトボディで5人乗り
《画像提供:Response 》ダイハツ ブーン
なんといってもブーンのコンパクトなボディは、広い道ばかりではない日本で運転するからこそ活きてくる大きなメリットでしょう。
コンパクトカーでもワイドな3ナンバーボディを採用する車も増えてきていますが、ブーンは全幅1,665mmとばっちり5ナンバーボディ。全長も約3.7mと、駐車もしやすい短めのボディなので、普通車とはいえ持て余すことがありません。
それでいて普通車の特権である5人乗り仕様となっているので、いざという時もたくさん乗れて安心ですよね。
■理由2. ちっちゃくても充実の安全装備
コンパクトカーは車両価格に対して安全装備を装着するコストの比率が大きくなりがちではありますが、ブーンは予防安全機能も安全確認支援機能もしっかり装備されている点が好感ポイントです。
歩行者も検知できる衝突回避支援ブレーキなどを含むスマートアシストIIIが最廉価グレードを除いて全車標準装備されますし、コーナーセンサーやパノラマモニターなども幅広く用意され、駐車が苦手な方でも安心ですね。
■理由3. 力強さと低燃費の1.0リッターエンジン
《画像提供:Response 》ダイハツ ブーン エンジンルーム
小型で扱いやすいという点だけに注目すると軽自動車の方が魅力的に見えてきますが、ブーンの特徴は普通車らしく軽自動車よりも大きいエンジンを搭載していること。
1.0リッター直列3気筒のエンジンは、普通車としては小さめではありますが、軽量ボディもあいまって不足のない加速と、エフォートレスなクルーズ走行を可能にしてくれます。それでいて2WD車は普通車でガソリンエンジンNo.1の低燃費なのでお財布にも優しいのがうれしいですね。
お財布への優しさは自動車税でも実感できます。小排気量の1.0リッターエンジンなら普通車で最安クラスの自動車税額ですので、毎年の出費も節約できますね。
プロはブーンをどう評価している? まとめてみた
ダイハツ ブーン スポルトパッケージ(東京オートサロン2018 出展車両)
外観を見て気付くのがウェストラインをグッと低くして、相当意識して視界向上に務めているなぁという点。運転席に座ってそのあたりをチェックしてみると、その予想は大当たり。前後左右の風景が広々と見通せる。前方視界も良好で、何よりボンネットの上端も盛り上がっているので車幅が確認しやすい。まさに“街乗り”に相応しい造り込みがここでもなされているのだ。
走りは想像以上にしっかりとしたものになっていた。軽自動車からのアップグレード的に思っていたら良い意味で期待は裏切られる。乗り心地は比較的に硬めではあるものの、市街地の比較的ラフな舗装路でも不快な感じはない。ステアリングを切った時の腰砕けもなく、走行中のフラット感も明らかにレベルが高くなっていたのだ。これはスタビライザーを前後に追加したことが大きいのだという。これで横方向の剛性が格段に向上したのだ。
ブーン&パッソを試乗する前に抱いていたのは「軽自動車とほとんど同じ装備で、ちょっとボディが大きいこの車を選ぶ価値はあるのか」という疑問。正直言って、装備は残念に思うことが多かったけれども、この走りと乗り味には明らかなアドバンテージを感じた。軽自動車の走りに不満を感じ、車室内にもう少し余裕が欲しいと感じたならば、ブーン&パッソは、まさにそういうニーズには最適な車であることは間違いない。
ブーンのレビューを見てみると、最新の軽自動車に比べると運転支援機能など装備内容がやや遅れている面も見られるものの、やはり普通車の余裕はしっかり感じられるという意見も出てきています。
軽自動車で装備が充実している車種は値段もブーンを飛び越えてしまうものもあり、使用目的に対するトータルバランスが優れているという評価がされているようです。
【2021年最新】ダイハツ ブーン 新車・中古車価格まとめ
《画像提供:Response 》ダイハツ ブーン
2021年3月現在、ダイハツ ブーンには先述した通りの3バリエーションが設定されており、最も廉価なXグレードには上級装備のLパッケージとGパッケージが、シルクにはGパッケージがそれぞれ設定されていることもあって、合わせて9グレードが展開されています。
税抜新車価格帯としては、最も廉価なXの2WD仕様で109.0万円、最も高価なスタイル“ホワイトリミテッド SA III” 4WD仕様および“ブラックリミテッド SA III” 4WD仕様で167.1万円となっています。
全グレードに4WD仕様が設定されていることもブーンの特徴で、積雪地域にお住まいの方でも選びやすくなっていますね。
ダイハツ ブーン(初代) X4 2006年全日本ラリー選手権仕様
ブーンの中古車は、やはり販売力に優るトヨタ パッソに押されていることもあってか在庫台数は少なめで、2021年3月現在は約500台しか確認ができません。3世代にわたる車であることを考えればかなり少なめですね。
税込中古車本体価格平均では現行モデルが108.3万円、2代目が34.4万円、初代が19.3万円と、年式が古くなるごとに順当に値段が下がっていっていることがわかります。
車両の性格づけとしては3代ともに大きく変わっていませんので、思い切って初代を選んでしまうのも中古車選びとしてはアリでしょう。その分浮いたお金でお好みのアクセサリーを揃えてみれば、愛着もよりわきそうですね。
まとめ
《画像提供:Response 》ダイハツ ブーン
ダイハツだけでなく、国産車でも最小クラスのコンパクトカーであるブーンについてご紹介してきました。
あまり強いインパクトを残す車種とはいえないかもしれませんが、毎日付き合う相棒だからこそこれくらいのスマートさが嬉しかったりするもの。
ちょっとしたお出かけから遠出まで、頼れる愛車をお探しなら、ブーンを候補に入れてみてはいかがでしょうか。