ホンダ ライフって、どんなクルマ?
《写真提供:response》ホンダの軽自動車「ライフ」、顔を大幅に変えてマイナーチェンジ
ホンダ ライフは、いま軽自動車でもっとも勢いのあるN-BOXを中心とした「Nシリーズ」の前に、ホンダの軽自動車の中心を担い、2014年に生産・販売を終了したクルマです。「Nシリーズ」の大々的な展開と、実質的な後継車種となったN-WGNの登場で、長い歴史に幕を下ろしました。初代モデルは1971年に登場し、長い中断期間を経て、1997年に復活し、5代目モデルまで継続されました。
今回は、ライフの歴史を振り返るとともに、いまも中古車市場で有力な選択肢となっているライフのメリットを紹介したいと思います。
ホンダ ライフの歴史
■初代ライフ
《写真提供:response》1972年 ホンダ ライフ
初代ライフが登場したのは1971年でした。その4年前、現在のNシリーズの原点ともいうべき「ホンダ N360」が登場しています。当時の軽乗用車としては突出した高出力のエンジンと、かわいらしく親しみやすくデザインで人気となりました。そして、後継モデルとして発売されたのが初代ライフです。
大きな特徴は、「空冷のN360」から「水冷のライフ」になったこと。これにより、暖房能力の不足に改善が図られ、快適性が大幅に向上しました。印象深いエクステリアデザインに加えて、当時の軽自動車規格を考えれば必要十分な空間を確保しており、人気を得ます。運転席パネルには、スピードメーターとタコメーターが備わり、新しい時代を感じさせるものでした。
初代ライフは、その登場から50年近くが経過していますが、中古車市場では今も売り出されています。2021年5月現在、「response中古車」では11台が掲載されており、中古車本体の最低価格は税抜:43万6,364円となっています。
■2代目ライフ
《写真提供:response》ホンダ・ライフ(1997年)
2代目ライフが登場したのは1997年、初代ライフが生産・販売を終了してから、実に20年以上の時が経過していました。ホンダ トゥデイをベースに開発され、エンジン、インパネ周りなどは、トゥデイとほぼ同一でした。
後述しますが、1998年10月に軽自動車規格の改正が施行されたことにともない、1年半ほどで販売を終了します。
■3代目ライフ
1998年10月の軽自動車規格の改正施行に合わせて、3代目ライフが誕生しました。
この新規格では、全長と全幅が拡大。これは2021年5月現在の規格と同じで、全長が3,400mm以下、全幅が1,480mmとなったことに伴い、3代目ライフも全長が100mm、全幅が80mm大きくなって、安定感が増しました。また、安全への配慮も充実し、助手席SRSエアバッグも標準装備化されています。
■4代目ライフ
《写真提供:response》reproducibleホンダ ライフ2カ月ぶり首位…オークション
2003年、フルモデルチェンジがおこなわれ、4代目ライフが登場しました。「ハートフル・テクノロジー」をコンセプトに、丸みを帯びた、よりかわいらしいエクステリアデザインとなっています。主に女性をターゲットに開発・販売の戦略が取られ、おしゃれ、快適、使いやすいことを目指しました。明るい印象を与えるインテリア、シンプルなデザインのスイッチ類、丸型のドアハンドルなど、個性的な魅力がつまっています。発売当初のグレード体系は6グレードで、うち3グレードがターボ仕様でした。
新開発の「3気筒i-DSIエンジン」を搭載し、同じく新開発の4速オートマチックを組み合わせています。運転しやすさにもこだわり、ピラーを細くしたり、サイドガラス下端を下げたりといった工夫が見られます。また、後席のクッションは厚めなものが使われており、乗り心地が向上しました。
ボディサイズは、2003年10月のCターボグレードのカタログ・スペックで「全長3,395mm・全幅1,475mm・全高1,575mm」です。各タイヤをボディの四隅ギリギリに配置し、2,420mmのロングホイールベースを実現させたことで、これまでの軽自動車にはない高い走行安定性と、広く室内空間を実現しています。
■5代目ライフ
《写真提供:response》reproducible【ホンダ ライフ 新型発表】いつもニコニコ
5代目モデルは、ライフとして最終モデルとなり、2008年に発表され、2014年まで販売されていました。「デイリー・スマイル・テクノロジー」をコンセプトに、運転のしやすさに配慮が払われ、視界の確保などにさまざまな工夫が凝らされています。車体は軽量化され、燃費が向上。リアサスペンションの改良や、フロアの低床化によって、後部座席の足元が85mm、ヘッドクリアランスが60mm広くなり、居住性も向上しました。
発売最終時期になる2012年6月モデルでは、グレードのバリエーションが、シンプルで実用的なシリーズの「C」と「G」、スポーティなモデルとなる「ディーバ」と「ディーバ・ターボパッケージ」の4タイプを基本に、それぞれ「FF」と「フルタイム4WD」が加わって、全8タイプとなっています。ボディサイズは、2012年6月モデルのCグレードのカタログ・スペックで「全長3,395mm・全幅1,475mm・全高1,610mm」です。
グレードによって装備内容はかなり異なりますが、「G」グレードではスマートキーシステムやイモビライザーが標準装備されて使い勝手がよく、「ディーバ」ではスマートキーシステムなどに加えて、アルミホイールやフルオート・エアコンなども標準装備しています。
ライフがおすすめの理由
■価格
《写真提供:response》ライフ
ライフがおすすめな理由は、魅力的な価格です。
2021年5月現在、response中古車検索で、ライフは2,500台ほどヒットし、中古車本体価格は税抜:910円~税抜:98万9,091円です。98万円オーバーというのは、高いと思われるかもしれませんが、このクルマは1970年代に発売された初代ライフの価格でした。つまり、旧車的な意味合いが強く、上限価格が高くなっていると思われます。
もっとも台数が多いモデルは5代目で、1,400台以上がヒットします。平均価格は、税抜:28万円ほどです。
次に台数が多いのは4代目モデルで、900台ほど。平均価格は税抜:13万円ほどとなっています。
■インテリア
《写真提供:response》reproducible【ホンダ ライフ 新型発表】いつもニコニコ
5代目ライフを中心に解説すると、室内は現在販売している軽トールワゴンとそん色ない広さを持っています。
フロントやサイドガラスの面積が大きく、それによってもたらされる開放感ある車内は魅力的です。インテリアの質感も高く、よくまとまっており、シートのクッションが厚めにとられていることで乗り心地も良好に仕上がっています。
■運転しやすい
《写真提供:response》reproducible【ホンダ ライフ 試乗】クルマに助けてもらうようでは…金子浩久
5代目ライフを中心に解説すると、運転席の高さが4代目モデルと比べて、35mmほど高くなっており、良好な視界を得るのに貢献しています。フロントのAピラーを細く設計したり、テールゲートウインドウの大型化によって、ドライバーの視界を妨げない工夫もなされています。
また、当時の軽自動車としては初めて、バックモニター付オーディオが標準装備(「C」を除く。後に標準装備からオプションに変更)されており、これらのモデルであれば、車体後方の確認も苦にならないでしょう。
中古車としてライフを選ぶなら、おすすめは5代目ライフ!
《写真提供:response》ホンダ ライフC特別仕様車 コンフォートスペシャル (プレミアムホワイト・パール)
前述のとおり、2021年5月現在で5代目モデルは1,400台以上が掲載されています(response中古車検索)。年式のボリュームでもっとも多いのは、2010年式の400台ほど、2012年式でも300台ほどが市場に出ています。豊富な選択肢があるので、希望に沿った程度のいいクルマを見つけやすいかもしれません。
また、軽自動車としての規格は現在と同じで、コンセプトも近いため、古臭さをあまり感じず、リーズナブルな選択になるでしょう。
まとめ
《写真提供:response》ホンダ ライフ DIVA ターボパッケージ
今回は、ホンダ ライフについてまとめました。ホンダの軽自動車を引っ張ってきた車種だけあって、当時に技術がしっかりと投入され、充実した装備も目立ちます。中古車として購入するのに、よい選択かもしれません。