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「輸入車」は外車?「逆輸入車」は国産車?それぞれの違いと定義を説明

「輸入車」は外車?「逆輸入車」は国産車?それぞれの違いと定義を説明

海外から輸入された車をまとめて「輸入車」と呼んでも問題はありませんが、逆輸入車と呼ばれる車も存在します。一言で輸入車と言ってもさまざまな種類があり、複雑です。そこで今回は、輸入車と逆輸入車とはどのようなものか、その違いについてやそれぞれのメリット・デメリットについてを紹介していきます。

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


輸入車とは

輸入車とは輸入した外国車全般に使われる総称です。外国で作られている自動車で、日本国内に輸入されたものはすべて輸入車となります。

日本初の輸入車に特化した整備工場のFCネットワーク「Dr.輸入車」

輸入した外国車の総称

しかし、輸入車という大きなくくりの中にはいくつかのカテゴリーが存在していて、正規輸入車、並行輸入車、そして現地生産車(場合によっては日本車とも呼ばれる)です。

正規輸入車とは

輸入元を経由する外車

正規輸入車とは、その自動車を製造するメーカーと直接契約している輸入元(インポーターと呼ばれます)を経由して販売される外国車のことを指します。

輸入元が直営しているディーラーやその代理店で販売されるようにもなっているので、外国車メーカーから輸入元に流れた車両であれば、全て正規輸入車ということです。日本国内で外車を購入したいと考えた場合には最もオーソドックスな購入方法になります。

正規輸入車の特徴

正規輸入車の特徴は、日本仕様として生産されているということです。

日本仕様、つまり日本の道路交通法に適合するという意味になります。

国によって灯火類の色やヘッドライトのカットラインの作りが違う場合がありますので、それらすべてに対応しているということです。

輸入車で右ハンドルのモデルが数多く存在しますが、これは日本国内での道路事情を考えたもので、右ハンドル設定のある車種からそうでない車種もあります。

正規輸入車のメリット・デメリット

正規輸入車の購入メリットは正規ディーラーで必ずサービスを受けることができる点です。

正規ディーラーでサービスを受けることができるため、リコールがあった際の無料点検への対応や、交換部品の品番が確実でパーツ供給もある程度安定し、そして何よりも製造メーカーと関係しているルートで購入しているため売却時にも正規輸入車という肩書が付きます。

正規ディーラーで購入すれば、購入から乗りだしさらには売却に至るまで、全てが確実になるということなのです。

正規輸入車のデメリットについてですが、基本的に悪いところはありません。強いてあげるとすれば購入する際の車両価格が基本的に高い点といえるでしょう。

並行輸入車とは

正規輸入車と違うルートで輸入された車

並行輸入車とは正規輸入車と違うルートを経由して輸入された外車のことです。

並行輸入業者が輸入した車両と言うこともでき、後述する逆輸入車も並行輸入車に含まれます。

並行輸入車の場合、正規輸入車とは輸入ルートが全く異なります。

具体的なルートと流れを説明すると、海外自動車メーカーから海外のディーラー(販売店)へ流れた(入荷した、仕入れた)車両を並行輸入業者や個人が日本国内に輸入する、という感じです。

並行輸入車の特徴

並行輸入車の特徴の中で最も大きなものは現地仕様となっていること、つまり日本国内仕様となっていない点にあります。

上述したように正規輸入車は日本の道路事情や法律に対応するよう仕様変更されていますが、海外ディーラーで実際に販売されていた車両を輸入する場合にはそのような仕様変更がなされていない状態の車両を購入するということなのです。

そのよう車両を日本国内で乗りたいと考えた場合、車検に通るように整備をし直す必要があります。

街中で時折、左ハンドルの外車を見かけることがありますが、ヨーロッパやアメリカの自動車メーカーの車種で左ハンドルの車が日本国内を走っている場合、それは日本向けの右ハンドル仕様モデルが販売されていない車種、または並行輸入で海外から日本にやってきた車種と判断することができるのです。

並行輸入車のメリット・デメリット

並行輸入車のメリットは車両の購入価格を安く抑えることができる点です。

一般的に同じモデルの車であれば、正規輸入車よりも並行輸入車のほうが安いと言われています。

この安さの理由としては、為替レートの関係や、ディーラーに正規輸入車がたどり着くまでに経由する仲介業者の数よりも並行輸入で経由する仲介業者の数およびその費用が少ないからです。

しかし、全ての並行輸入車が安いというわけではなく、為替などの関係でケース・バイ・ケースと言う場合もあります。

もう1つのメリットは正規輸入車として販売されていないモデルや仕様を購入することが可能ということです。

輸入車ディーラーではその海外メーカーの全てのモデルが完全に同じように販売されているわけではありません。

例えば、フォルクスワーゲンのゴルフは日本国内でATモデルしか発売されていませんが、海外ではMTモデルが発売されている、というようなものです。

輸入車ディーラーでは購入することができない車でも欲しいものがあれば並行輸入で手に入れることができる、これが並行輸入の魅力になります。


並行輸入車のデメリットとして挙げられる点は国内の正規輸入車ディーラーに整備や点検を依頼しても断られるケースが多いということです。

同じモデルの車両であっても正規輸入車と並行輸入車では全て同じ部品が使われているわけではなく、仮に整備するとなっても本国仕様車のパーツリストなどを参考にして整備しなければなりません。

そうなるとディーラー側にとって作業に時間がかかるため断られることが多い、ということです。自分で整備をするとしても、自分で部品を探す必要が出てくるので整備の際の負担は増えます。

現地生産車とは

海外で生産された日本車

現地生産車とは日本の自動車メーカーが海外で生産した車両でありながら、国内自動車ディーラーにて販売されるモデルのことです。

この現地生産車というモデルは、国内自動車ディーラーでの取り扱いだけでなく、海外ディーラーでも同様に販売されているモデルになります。

現地生産車の特徴

現地生産車の特徴は海外発売モデルと同じ仕様になっている点です。

上述の通り、海外で生産した車両は現地のディーラーや特約店といった販売店へと販売することを目的の1つとされています。

そのため仕様が日本国内で生産されている車種とは異なることもあるのです。

それだけでなく、日本国内では生産されていない現地生産車もあります。

日産 K13型マーチやスズキ エスクードなどがその代表例です。しかし、これらの車種が外車として扱われることはありません。

スズキ エスクード(海外名 ビターラ)

現地生産車のメリット・デメリット

現地生産車のメリットは、同じモデルであっても国内生産仕様とは異なる点がいくつかあることが多く、その違いをこだわりとしてユーザーは所有することの満足度を高めることができるという点でしょう。

国内生産仕様と比較したときに少し違う仕様となっていれば、自動車関連の友人・知人との会話や、愛車自慢で話が弾みます。

そのようなメリットを持ちながら、国内ディーラーでサービスを受けることもできるので、ユーザーとしては安心です。

カスタムの一種でUSDM仕様と言うものがありますが、あれは「ユナイテッド・ステイツ・ドメスティック・マーケット」つまり米国市場仕様向けに外装交換などでドレスアップを施すカスタムの一種になります。

ちなみに、その逆もまたしかりで、JDMは「ジャパン・ドメスティック・マーケット」と言うカスタム(仕様とも)も有名です。

このように現地生産車の存在は国内でのカスタム方法にも影響を与えています。

現地生産車のデメリットですが、ユーザー側には特にありません。

国内ディーラーで販売されているので部品供給を心配する必要も少ないでしょう。

デメリットを受けるとすれば、ユーザーではなく自動車メーカー自身です。
現地生産車を展開することでコスト低減に大きな効果はありますが、現地法人の設立にかかる費用や、現地の方を雇用した場合には必ず語学の壁にも向き合う必要があります。

このような点を踏まえると、現地生産車は手間暇かかっている車種とも言えるでしょう。

逆輸入車とは

「輸入車」については以上となりますが、続いては「逆輸入車」についての説明をさせて頂きます。

海外で販売された後に再び輸入された日本車

逆輸入車とは、日本国内で輸出向けに生産されて現地ディーラーにて実際に販売された後に日本国内へ輸入された車を指す言葉です。

直接現地ディーラーから購入する場合も逆輸入車と呼ばれます。

輸出目的で生産したものをこちらが輸入するような形になるため、逆輸入車と呼ばれるのその名称の所以です。

1984年式 ランサーターボ2000ECI(逆輸入)

逆輸入車の特徴

逆輸入車の特徴として、国内生産・販売モデルとは仕様が異なる点にあります。

日本国内ではなく海外で使われることを考えて生産されているため、エンジンスペックやデザイン・装備品などに違いがあるのです。このようなバックグラウンドを持つ車種は自動車にも数多くありますし、オートバイも然りです。

逆輸入車のメリット・デメリット

逆輸入車のメリットは、同じ国内モデルとは違う仕様を味わうことができること、そして日本国内では販売されていないモデルを購入することができること、これら2つになります。

国内モデルとは違った一味違う車に乗りたい方や、輸出向けに生産されている日本メーカーの車で気になるモデルがあってそれに乗ってみたいという方にはメリットが大きいです。

現地生産車のメリットと似ている部分があります。


デメリットはいくつかあります。

まず逆輸入したままの状態では日本国内で運転することができない点です。

並行輸入車についての説明でも取り上げたとおりで、日本国内で走ることを考えて作られていないため、灯火類など車検に関係する部分を国内仕様にする必要があります。

排ガス検査なども同様です。

その他、整備や修理で純正部品が必要になった時に国内ディーラーでは部品供給できない部品があり、そもそも取り合ってくれないこともあるほどです。

そのため、逆輸入車を購入したいと考えている方は逆輸入車にも取り合ってくれるディーラーを探すことや、なければその種の車に詳しい個人経営のショップなどを事前に見つけておくこと、自分で整備する場合にはそのモデルに関する知識の習得や整備知識及び整備環境を用意する、パーツリストの入手や海外サイトを活用して純正部品を手に入れるetc…、というような努力が必要となってきます。

まとめ

今回は輸入車と逆輸入車の違いについて、その定義や特徴、メリット・デメリットなどを紹介しました。

輸入車というと外車メーカーの車を想像する方が多いと思いますが、逆輸入車は外国向けの車といっても生産メーカーは日本です。

つまり、どちらも輸入された車であることに変わりはありませんが、車が作られたバックグラウンドは全く違うとわかります。

輸入車は外国の自動車メーカーの車であるのに対して、逆輸入車は初めから輸出向けに日本のメーカーが作った車を日本に敢えて輸入しているのです。

日本車がどのようなものか気になる方は、各メーカーの海外仕様モデルを調べてみてはいかがでしょうか。

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