イタリアの車は、スタイリッシュなデザインとキレのいいエンジン音が魅力的と言われていますが、その一方で機能性や小回りの効き具合や耐久性という点に関しては評価はあまり高くありません。
ただ、修理や整備を積み重ねることで走行中に車の異変や調子を把握することが出来るので、長きにわたって乗り続けることで自分だけの一台となります。
そんな歴史あるイタリア車をいくつか紹介します。
■フェラーリ
フェラーリのエンブレムは、当時イタリア軍のエースパイロットだったフランチェスコ・バラッカがフェラーリの創業者エンツォ・フェラーリから受け継いだ戦闘機のエンブレムに由来しています。
フェラーリが掲げる馬の紋章は、実はポルシェとフェラーリの馬は同じ馬になっています。故郷の紋章を掲げているポルシェと、勝利を意味する紋章を掲げているフェラーリは、やはり永遠のライバルであることが伺えます。
■ランボルギーニ
ランボルギーニの創始者である、フェルッチオ・ランボルギーニは、当時農業を営んでいて、トラクターの製造で成功を収めました。当時のイタリアで成功者の証とされていたフェラーリオーナーでしたが、車の故障の多さに不満を持っており、自ら自動車を作ることにしたのがフェラーリ創業の背景です。
ランボルギーニのエンブレムは、猛牛がモチーフになっていますが、当時所有していたフェラーリの故障の多さに不満を抱いていたことから、フェラーリの「跳ね馬」に対抗して「猛牛」にしたという説と、創設車のフェルッチオ・ランボルギーニが牡牛座だったためという2つの説がありますが真実は明らかになっていません。
■マセラティ
1914年設立のマセラティは、最も長い歴史のあるスポーツカーメーカーとしてレース経験も豊富なブランドです。メーカーの名前は創設者であるフィエーリ・マセラティから由来します。
エンブレムである三又の槍は創業の地、ボローニャのマジョレー広場にある海の神・ポセイドンを表しており、古都ボローニャの紋章に由来しているものです。
■アルファロメオ
1910年に設立された長い歴史があるアルファロメオのエンブレムは、本拠地であるミラノ市の元々の市章の赤十字と、当時のミラノを支配していたイタリア貴族のヴィスコンティ家の紋章である大蛇のモチーフを組み合わせられて作られています。
2015年には、アルファロメオ105周年を記念して、新たなエンブレムに変更すると発表され、中央の線がなくなり、従来のデザインよりもスタイリッシュなエンブレムになりました。
【フランス】外車・輸入車のエンブレム
フランスの車は、労働者や農家のために開発されているので、実用性の高い車が多く生産されました。内部の設備は、座りやすいシートを設計したり、しなやかな足回りを実現することで労働者や農民の作業効率を向上させていきましたが、独創的なデザインが多く、絶大な人気を誇るまでには至っていないのが現状です。
■シトロエン
シトロエンの社名は、創始者であるアンドレ・シトロエンに由来しています。このエンブレムは、アンドレ・シトロエンがはじめに手掛けたヘリカルギヤというV字型のミゾを持つ歯車をモチーフに「ダブル・シェブロン」が生まれました。
■ルノー
1898年に設立されたヨーロッパ最大の自動車会社であるルノーは、これまで8回エンブレムを変更しています。現在のエンブレムは、盾形紋に豪華さと技術、 上品さを菱形に変形させて作られています。この、ひし形エンブレムは、販売されている全ての車種に採用されていて、ルノーの歴史や品質の高さを物語っています。
■プジョー
プジョーは、実は鋼材工場として誕生しています。プジョーのエンブレムは、別名「ブルーライオン」と呼ばれていて、高い品質の証とされています。百獣の王ライオンをモチーフにエンブレムが作られていますが、このライオンのマークは1847年に誕生し、1850年になるとプジョーの多くの製品で使われるようになっていきました。
【アメリカ】外車・輸入車のエンブレム
アメリカ車の特徴は車体の大きさや、室内の広さや外観のゴツさという部分でしょうか。ただ、ヨーロッパの車と比較すると価格帯はそれほど高くない点も特筆すべき部分です。
車体が大きくなると燃費性能が悪いのではないかといいうイメージが付き物ですが、アメリカ車は、走行性能が良く、タフにオフロードを走ったりする男らしさが売りとなっています。
■ハマー
ハマーはゼネラルモーターズ(GM)のSUVブランドとして1992年に設立されましたが2010年に廃止されています。アメリカ国内だけでなく、海外でもプレミアムSUVとしての地位を確立したのがハマーです。
エンブレムにもなっているHUMMERという名前は、アメリカで採用されていた高機動多目的車両HMMWV(High-Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle)の愛称HUMVEE(ハンビー)から由来しています。
■フォード
フォードのエンブレムは1907年に導入されて以来ほとんど変化のない、オーバル型のロゴになっています。オーバルの背景の深い青色は、フィンランドの国旗と同じ色となっており、円の比率は8対3という完全な楕円形になっています。ちなみに、現在のオーバル型のロゴデザインは、2003年6月17日の創業100年を記念して採用されたものになっています。
■リンカーン
1917年誕生のリンカーンはキャディラックと並ぶアメリカを代表する高級ブランドです。名前の由来は、創業者が尊敬していた第16代アメリカ合衆国大統領「エイブラハム・リンカーン」に由来しています。リンカーンのエンブレムは、ダイヤモンドの輝きをモトーフにデザインされています。
まとめ
車メーカーを象徴するのが「エンブレム」です。どのメーカーにも車作りの歴史や思い、理念を表現すエンブレムがあります。車好きの方にとってはその歴史にも触れることでより車が益々好きになるのではないでしょうか。