旅行情報サイトでは人気アクティビティ1位にも!根強いインバウンド客人気
旅行情報サイトが発表した、『外国人に人気の日本の体験ツアー』では、忍者や茶道体験、人力車ツアーを抑え、公道レンタルカート(人気キャラクターに扮して、公道走行可能なカートを運転するアクティビティ)が堂々の1位を獲得した。
政府は2003年に「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を始めてから、初めて訪日外国人観光客が3,000万人を越えたと発表した。キャンペーンの始まった2003年には、日本を訪れる訪日外国人観光客の数は、わずかに500万人程度だったが、2013年に初めて1,000万人を越え、2016年には2,000万人突破、そして昨年、2018年には3,000万人突破と、鰻上りだ。
旅行情報サイトによれば、訪日外国人観光客のお目当ては、ご当地の料理を食べたり、観光地の景色を観るだけのツアーから、自らが参加できる体験型のツアーへ移り変わってきている。そして、その体験ツアーで一番人気なのが、前述の「公道レンタルカート」なのだ。
しかし、この公道レンタルカート、任天堂とは一切関係ないということをご存じだろうか?
公道レンタルカートの代名詞「株式会社マリカー(現MARIモビリティ開発)」とは?
会社概要は以下の通り。
公道走行可能なゴーカートの貸出しを行う会社。訪日観光客向けにカートをレンタルしている。店舗は東京7店舗、横浜、大阪、沖縄に各1店舗ずつ展開。店舗毎に走行するコースは決まっており、秋葉原店の場合、東京タワーやレインボーブリッジなどを巡る。資本金は1億9850万円と、結構大きな会社だ。
■いつのまにか、沖縄にも店舗展開!
公式ホームページを開くと、まず最初にWARNINGと表示され、"任天堂やゲーム「マリオカート」(Mario kart)とは無関係で全くの別物です。"ときちんと書かれている。(もちろん英語でも)カートの車体にも日本語で”任天堂は無関係”(英語で”Unrelated to Nintendo”)とデカデカと書いてある。
ということは、リアルマリオカートを楽しんでいる訪日外国人達は、任天堂公式でないことを知りながら、このアクティビティをエンジョイしていることになる。このことにはもっと注目しても良いのではないだろうか?
なお、ホームページには日本語の説明はない。韓国語・中国語・英語・フランス語に対応している。利用客のコメント欄を見ると、沖縄オリジナルのゴーヤやパイナップルのコスチュームもあるそうだ。幅広くやっている。
「マリカー」のレンタル料金は一体どれくらいなのか?
予約後のキャンセルは、キャンセル料金が発生するので、必ず現時点での料金・コース・所要時間を確認してから予約することをお勧めします。
■東京
【マリカー品川1号店】
◇東京2時間コース(S-M コース)
・ルート=品川1号店→東京タワー→渋谷→品川1号店。
・通常料金=9,000円
・SNSレビュー料金=7,500円
◇東京3時間コース(S-Lコース)
・ルート=品川1号店→レインボーブリッジ→東京タワー→渋谷→品川1号店。
・通常料金=12,000円
・SNSレビュー料金=10,000円
■沖縄
【マリカー沖縄店】
◇沖縄1時間コース(O-Sコース)
・ルート=那覇店→那覇空港→国際通り→那覇店。
・通常料金=6,000円
・SNSレビュー料金= 5,000円
◇沖縄1時間コース(O-Mコース)
・ルート=那覇店→那覇空港→瀬長島→国際通り→那覇店。
・通常料金=9,000円
・SNSレビュー料金=7,500円
上記の様に料金はコースによって大きく異なる。また利用後にSNSにレビューを投稿することでそこから料金が値引きされるシステムの様だ。なお、料金には、以下のものが含まれている。
・カート
・衣装レンタル
・燃料
・運転ガイド
・保険
・消費税
・写真撮影の費用
但し「つけヒゲ」はレンタルではなく買取り(250円)。また、店舗によってはアクションカメラや無線機”の貸出しがある様だ。料金は以下の通り。
・アクションカメラ(300円)
・無線機(250円)/1時間
と比較的良心的(?)なお値段といえるだろう。店舗では他に、コスチュームやmicroSDカードの販売も行っている。
■店舗情報
【マリカー品川1号店】
◇住所
・〒140-0001 東京都品川区北品川1-23-15
◇アクセス
・京急「北品川駅」より徒歩3分
・北品川駅を出て第一京浜沿いに南下。北品川交差点で左折。品川浦公園向けに徒歩2分程。
※北品川駅隣にコインパーキングあり。
【マリカー沖縄店】
◇住所
・〒900-0034 沖縄県那覇市東町7-1
◇アクセス
・ゆいレール「旭橋駅」より徒歩2分
・旭橋駅を出て陸橋を渡り、国道58号線沿いを北上。「ダブルツリーbyヒルトン那覇」のある角を左折し、徒歩一分。
※近隣にコインパーキング複数あり。
■ゲームとの違い
当然の事だが、カートであっても公道を走行する以上、交通ルールを守らなければならない。従って前をいくカートに亀の甲羅をぶつけたり、バナナの皮を捨てて後ろを走るカートを妨害したりはできない。(念の為)
■オートバイとの違い
なんと、2019年02月現在、公道カートは、ヘルメットやシートベルトの着用義務がないのだ。だからこそ、好きなキャラクターのかぶり物で乗ることができる。オートバイだとヘルメットをかぶらないといけないのでかぶり物は着けられない。ここが最大の違いだ。
■公道カートの楽しさ
「カートと普通の自動車と何が違うの?」と思うかもしれない。そんな疑問にお答えしよう。
カートは普通自動車に比べて、着座位置がとても低い。その分目線が低い位置にある。目線が低い位置にあるということは、速度が普通自動車と同じでも、体感スピードが速いということ。
普段は電車の車窓から眺めるだけの東京の街並みや、さわやかな風の吹き抜ける沖縄の海岸線を颯爽と走りぬける。公道カートの魅力に取りつかれたら、やみつきになるかもしれない。
任天堂との法廷バトルは今も継続中
東京地方裁判所は平成30年9月27日付で、「株式会社マリカー(現MARIモビリティ開発)」に対し、コスチューム提供の禁止と、任天堂への1,000万円の損害賠償金の支払いを命じる判決を下した。
これを受けて任天堂は、
”当社は、長年の努力により築き上げてきた当社の大切な知的財産を保護するために、当社のブランドを含む知的財産の侵害行為に対しては今後も継続して必要な措置を講じていく所存です。
と発表。
一方、敗訴した「株式会社マリカー(現MARIモビリティ開発)」は公式サイト上で以下のコメントを発表。
”当社の主張が認められた部分については、当社の主張の正当性が裁判所で認められたことを喜ばしく受け止めるとともに、一部主張が認められなかった部分については誠に遺憾であり、内容を精査して引き続き対応して参ります”
と、意外にも強気だ。
ホームページ(公式サイト)で下記の声明を発表
更に東京地裁の判決から3日後、「株式会社マリカー(現MARIモビリティ開発)」はホームページ(公式サイト)で下記の声明を発表した。
【2018/9/30 地裁判決に関する控訴のお知らせ】
”株式会社 MARI モビリティ開発(以下、「当社」という)は、平成
30 年 9 月 27 日付「地裁判決に関するお知らせ」でお知らせした訴訟の判決について、当該判決のうち当社に対する請求を一部認容した点を不服とし、平成30 年 9 月 28 日知的財産高等裁判所に控訴しましたので、お知らせします。以上 ”
・・・と、あくまで強気だ。
夜逃げ?株式会社マリカー(現MARIモビリティ開発)の現在
ネット上では、裁判での敗訴後、株式会社マリカー(現MARIモビリティ開発)の夜逃げが噂されたが、2019年1月現在でも都内各所で公道カートに乗っている任天堂キャラクターに扮した観光客の姿が目撃されている。まだまだ元気に(?)営業しているようだ。
但し、そのカートには「任天堂とは無関係です」とデカデカと書かれている。
【2020年1月29日更新】マリカー訴訟、任天堂が勝訴!!!!
公道を走るカートのレンタルサービスを展開する「MARIモビリティ開発」とその代表に対して、任天堂が不法競争行為の差し止めなどを求めていた訴訟。
知財高裁は本日1月29日、損害賠償5000万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。つまり、任天堂の勝訴ということになります。
まとめ
「株式会社マリカー(現MARIモビリティ開発)」の未来はどうなるのか?マリカーファンに限らず、公道レンタルカート業界全体が固唾を飲んで見守っている。