レクサス LFAとは
レクサス LFA
レクサス LFA
■LFAとは、レクサスが過去に販売していた2ドアクーペのスーパーカー
LFAとはレクサスが過去に販売していた2ドアクーペのスーパーカーです。2010年12月から2012年12月の間に販売されていました。販売台数は全世界限定500台と少なく、母数だけ見ても価値の高い車です。
当時の国内での販売価格は3,750万円程度、ドルでは375,000ドル程度となっていました。
■Fシリーズの頂点にあたるモデル
LFAはレクサスブランドのFシリーズ頂点にあたるモデルとなっています。Fシリーズとはプレミアムスポーツ系の車種で構成されるブランドです。2007年に登場したIS Fの販売と同時に始まりました。
■レクサス LFAは懐の深い車
LFAは懐の深い車であると言われています。これはLFAのコンセプトの1つと言っても過言ではないでしょう。
LFAの駆動方式はFR(フロントエンジン・リアドライブ、後輪駆動車のこと)です。しかし世の中のスーパーカーの多くはMR(ミッドシップ・リアドライブ、総じてミッドシップと呼ばれています)を採用しています。
一般的にFRとMRでは、重量物が車体中心に集まっているMRの方が運動性能を高くすることができるため、あらゆる面で高い性能を追い求めるスーパーカーでは多く採り入れられてきましたが、車の限界に近い領域では挙動が乱れやすく、扱いづらいという欠点もありました。
LFAではFRを採用することで、多くのスーパーカーが持っていた不安定な特性を払拭したといえます。
レクサス LFAのスペック
■ボディスペック
ボディスペックは次のようになっています。
ボディサイズ:全長4,505mm x 全幅1,895mm x 1,220mm
ホイールベース:2,605mm
トレッド(前/後):1,580mm/1,570mm
最低地上高:115mm
最小回転半径:6.1mm
車両重量:1,480kg
乗車定員:2名
■エンジンスペック
レクサス LFA ニュルブルクリンクパッケージ エンジンルーム
LFAに搭載されているエンジンは1LR-GUE型と呼ばれるヤマハ発動機が製造した排気量4.8LのV型10気筒DOHCエンジンです。新開発されたこの4.8L V10エンジンは、アイドリング状態から0.6秒で9,000rpmに達するほどの優れたレスポンスを備えています。
モータースポーツ用部品を採用したことでエンジンスペックの向上に成功、さらにはV6エンジンと同じ重量・V8エンジンと同じコンパクトサイズなエンジンに仕上げられている点も注目です。
オイル潤滑システムにはドライサンプが採用され、車両の重心低下や高速度域での走行時にも安定したオイル潤滑を可能とします。
最高出力412kW(560PS)/8,700rpmに最大トルク480N・m(48.9kgf)/7,000rpmのスペックを備えています。国産車で500馬力を超えたエンジンを搭載する、数少ない車種です。
燃料には無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)が使われています。タンク容量は73Lです。
■駆動系
すでに紹介した通り、駆動方式はFR(フロントエンジン・リアドライブ)です。
トランスミッションには6速AGS(Automated Sequential Gearbox、つまりは6速AT)を採用しています。オートマモードとマニュアルモードがあり、マニュアルモード時にはパドルシフトを使った変速が可能です。パドルシフトのシフトスピードは7モードから選択することができます。
■足回り・ブレーキ関係
サスペンションは、フロントサスがアルミ合金構造のダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンク式という組み合わせとなっています。スーパーカーということもありもちろん前後サスペンション共に独立懸架式の採用です。
サスペンション内部にあるダンパーにはリモートリザーバーモノチューブ式ショックアブソーバーと呼ばれるLFAレース仕様車からフィードバックされた専用品が使われています。
ブレーキは、フロントが対向6ポッドアルミ製キャリパーと390mm CCM(カーボンセラミック)ディスクでリアが対向4ポッドアルミ製キャリパー・360mm CCMディスクという仕様です。制動力の高さはもちろんのこと、ニュルブルクリンク24時間レースで使われていた鋳造製のディスクからカーボンセラミックディスクに変更したことで5kgの軽量化に成功しています。
タイヤとホイールは次のようになっています。
フロントタイヤ・ホイール:265/35ZR20 (95Y) & 20×9.5J鍛造アルミ
リアタイヤ・ホイール:305/30ZR20 (99Y) & 20×11.5J鍛造アルミ
特に注目したいLFAのボディスペック
レクサス LFA ニュルブルクリンクパッケージ
■カーボンファイバーシャシーの採用
上記で紹介したスペックもさすがはスーパーカーといった内容ですが、さらに注目したいのがLFAに採用されているカーボンファイバーシャーシです。
シャーシはLFAの開発にあたって独自に開発された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)キャビンが採用されています。このCFRPという素材がLFAの性能に大きな効果を生み出しています。
当初の予定ではアルミ製ボディを採用する予定でしたが、車両総重量できるだけ抑えることがLFA製作の1つの目的となり、それがCFRP製キャビンの製造へとつながったのです。
CFRPキャビンの開発を決定してそれを実現させたことによって、ボディ構造全体のCFRPの構成割合が65%(残りの35%はアルミ合金)となり、LFAの車両総重量を100kg軽量化することに成功しています。
さらに、CFRPの開発を通じてCFRPと金属合金の新たな接合技術の開発、自社開発を進めたことで他の量産型車種にもCFRPの技術を応用することができるようになるなど、LFAの開発で培われた技術はその後のレクサス(トヨタ)の車両開発に活かされています。
LFAの中古車価格はどう?
■中古車市場にはあまり流れていない
2019年8月時点での各インターネット中古車情報サイトをチェックしたところ、LFAの中古車情報を確認することはできませんでした。
そのため今現在の中古車価格を確認することは難しいですが、中古車でもプレミア価格がついて当時の新車価格よりも2,000万円以上の値がつけられていた時期もあったとか。
価格とスペックは見合っているのか?
■少し高めの価格帯
すでに紹介したように新車価格は3,750万円です。世界のスーパーカー、例えば誰でも知っているイタリアの自動車メーカー、フェラーリのラインアップの新車価格と比べると、2,000万円や3,000万円前半の価格が多くあります。この点を考慮すると、少し高めのスーパーカーという感じでしょうか。
■GT-Rと比べるとどうか
日本の誇るスーパーカーといえば日産 GT-Rがあります。LFAのライバル車を1つ挙げるとすれば、もちろんGT-Rでしょう。
価格的にはGT-Rのほうが格段に安いです。10,631,520円のグレードがあれば、24,200,000円のNISMO仕様グレードもあります。
エンジンは3.8L V6エンジンを搭載し、最高出力は通常グレードなら419kW(570PS)/6,800rpmに最大トルク637N・m( 65.0kgf・m )/ 3,300-5,800rpm、NISMO仕様なら最高出力441kW(600PS)/6800rpmに最大トルク652N・m(66.5kgf・m)/3600-5600rpmです。
車両価格とエンジンスペックだけ見ると、GT-Rのほうがコストパフォーマンスに優れているとみれます。事実それがGT-Rの魅力の1つでもあります。LFAに関しては500台限定の生産だったために、希少価値が高く価格も高くなるのは当然ともいえます。
車両重量を見てみると、LFAの1,480kgに対して、GT-Rの車重は1,700kgを超えます。軽量化にいかに力を入れてて開発されたかを実感することができるのではないでしょうか。
まとめ
レクサス LFA 2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レースにて
今回はレクサス LFAの概要やスペック、注目点などについて紹介しました。
限定500台のスーパーカーということもあって走行性能から価格まで全てが高次元な車です。現在でもイベントでLFAのレース仕様車などが登場したり、中古車市場に現れる車両が少ないことなど、人気の高さが伺える車です。
価格は高いですが、販売台数やスペック、他のスーパーカーの価格帯などと比較すると、価格に見合った、またはそれ以上の価値のある車であるといえるのではないでしょうか?