初心者が工具を揃えるときに抑えたい3つのポイント
■①整備に必要な工具を購入しておく
実際に車の整備をするにあたって使用する工具をその都度揃えていく方法は無駄がなく合理的です。
また、整備は何度も行う可能性もありますし、買っておいて損はないですよ。自分の手に馴染んだ工具の方が整備しやすいですし、愛着もわきます。
■②製造メーカーにそこまでこだわらない
製造メーカーを過度にこだわらないということも、初心者が工具を買い始めるにあたって大切なポイントです。
メーカーにこだわり過ぎると予算オーバーになることも。工具メーカーも様々、もちろん価格帯もピンキリです。同じタイプの工具でも1,000円以上の価格差があることもあります。
メガネレンチセットで20,000円するようなメーカーの製品を購入するよりも、10,000円で工具セットを購入できた方が、整備を始めるキッカケとしての実用性は高いです。
■③工具セットを購入して基本的なものを一式揃える
とりあえず工具セットを購入して基本的なものを一式揃えるという方法もおすすめです。
こういったセットには、よく使われる一般的な工具が含まれています。とりあえず使える工具が欲しいならセットで買うと良いです。
工具セット特有の魅力は、工具箱も一緒についてきて、工具それぞれが決められた場所に配置されていることにあります。整頓がキッチリされていて、見栄えも良いです。
工具箱付き工具セットの相場も幅広く、安いものは9,000円ほど、有名メーカー品だと100,000円を超えるものもあります。
価格に見合った品質であることに変わりはないので、求める品質と予算に合わせて選びましょう。
【必読】必ず揃えておきたい工具
■メガネレンチ
メガネレンチは六角ボルト/ナットやナットを締める・緩めるに使用する工具です。メガネレンチは車の整備では間違いなく使用します。使い道が多いので、購入必須アイテムです。
■ラチェットハンドル
ラチェットハンドルはラチェット機構と呼ばれるものを搭載し、レバーを操作するだけで回転方向を変更することができる工具です。アメリカの工具メーカーであるスナップオンが開発したことでも知られています。
ラチェットハンドルの単体で使用せず、ソケットを差し込んで使用します。ソケットの差込口には規格があるので、それに対応したものを選ぶことが必要です。
規格は3種類で、12.7mm角、9.5mm角、6.5mm角となっています。この規格はインチでも表示されていて、インチ表記にすると順番に1/2インチ、3/8インチ、1/4インチといった感じです。
工具にもメトリック(ミリメートル単位)とインチが入り混じっていますので、特にソケットやラチェット系を購入する際には注意しましょう。
■ソケット
ソケットは円柱型の差込工具です。ラチェットレンチやスピンなハンドルに装着して、六角ボルト/ナットの着脱、六角穴付きボルトの着脱に使用します。特に六角穴付きボルトに使うソケットはヘキサゴンソケット(六角スパナが付いているソケット)という名称で呼ばれています。
ソケットにも短いタイプと深いタイプのがあり、そのうち深いタイプのソケットはディープソケットとも呼ばれています。ラチェットの差し込み口の企画同様、12.7mm角、9.5mm角、6.5mm角の3種類の規格です。
■六角レンチ
六角レンチは先端が六角形の形状をして丸みを帯びたL字型の棒です。六角穴付きボルトの着脱に使用する工具になります。中学生の頃に自転車のハンドルを弄ったり部品を交換したりした人ならお馴染みの物です。
使い道が様々なため、車やバイクの整備をしない人でも持っていることがよくあります。裏を返せば、程度の良さが価格へ如実に現れるということです。具体的には良い六角レンチほどなめにくくなっています。
■プラス/マイナスドライバー
プラス/マイナスドライバーといえば王道の工具ですが、ドライバーにもサイズがあります。車の整備を始める際には、1番/2番/3番のドライバーを一式揃えておくと良いです。ドライバーのサイズで作業性は良くも悪くもなりますし、最悪の場合はドライバー差込口がなめてしまいます。ネジの規格にあったものを選びましょう。
■ラチェットメガネレンチ
ラチェットメガネレンチはラチェット機構が採用されたメガネレンチです。ラチェットハンドルのようにメガネレンチを使うことができるため、作業性向上に大きく貢献します。
ラチェットメガネレンチの向きを変更して逆回転させるものもあれば、ボタンを押すと機械的に逆回転させる機構を備えたものもあるなど、購入する際には要チェックな工具です。
オフセットしたタイプやストレートタイプもあるので、各メーカーから販売されているものを比較してみるのも面白いです。
■電動インパクトレンチ
電動インパクトドライバーはバッテリーを動力源とするインパクトドライバーです。回転方向にインパクト(打撃)を与える構造になっていることから、このような名称がついています。
タイヤ交換や足回りの整備などの効率化に大きく貢献する優れものです。トルクも200N・mくらいから、300N・mを超えるモデルがあります。
タイヤ交換に使うだけなら110N・m以上あれば十分です。足回り部品の取り付けでの使用を検討しているのであれば、200~300N・mのモデルを用意しましょう。
■電工ペンチと電装部品セット
電工ペンチは電装部品を取り付ける際の配線作業で被覆剥きなどに使用する工具です。電装部品とセットで購入しておけば、配線作業に必要な基本的なものが一式揃うこととなります。
電工ペンチと電装部品はセットでも販売されているので、まとめて購入するとお得です。
■ガレージジャッキ
ガレージジャッキは車体を持ち上げってジャッキアップするために必要な工具・備品の1つです。
車載されているジャッキとは異なり、車体のサブフレーム部分などを通じて直接持ち上げることができます。
排気系や足回り部品の交換作業、エンジンオイルやオイルフィルター、ミッションオイルやデフオイルの交換など、車の本格的な作業をするとなった場合には必須のものです。
ただし、ガレージジャッキで車体を持ち上げているだけだと、ガレージジャッキにトラブルがあった場合に車体が落ちてきます。そのため、次で紹介するジャッキスタンドを合わせて使用するわけです。
■ジャッキスタンド
車体をジャッキアップした状態で固定するために必要なのがジャッキスタンドです。
ガレージジャッキで車体を持ち上げた後に、車両ごとに決められている場所へジャッキスタンドを置き、ガレージジャッキを下げます。そうすると、ジャッキスタンドが車体を宙に浮かせる役割を果たすというわけです。
これによって、安全に車体下部に潜って作業することができます。
【知っておきたい】初心者にオススメの工具メーカー
■アストロプロダクツ
全国展開されている工具メーカー。網羅している工具の種類も多く、なおかつ価格が他の工具メーカー製品と比べて安いです。
定期的にセールも行なっていて、意外な工具をお手頃価格で手に入れることができたということもしばしば。
工具セットも販売しています。初めて工具を購入する人であれば、アストロプロダクツの工具セットを買っておけば間違いなしです。使っていて品質が物足りなくなってきたり足りない工具が出てきたら、別メーカーの工具を買うなり足りない工具を買い足すなりしましょう。
■SK11
良心的な価格で製品展開している工具メーカー、赤いソケットケースにはめられたソケットセットはあまりにも有名です。ホームセンターなどでもよく販売されているので、とりあえず工具があればいいやという時にはオススメ。
■TONE
日本を代表する有名工具メーカー、工具の品質が高く、ここの製品ならほぼ間違いなし。価格は中堅レベルで、アストロプロダクツと比べると安くはありませんが、品質を考えるとお買い得です。
モータースポーツのスポンサー活動もしていたり、レーシングドライバーの谷口信輝選手のビッグスポンサーの1つでもあります。
十分な予算がある方で高品質な工具が欲しい人にオススメの工具メーカーです。
■KTC
TONEと並んで高品質な国産工具メーカーとしての立ち位置を獲得しているのがKTCです。
どちらも高品質なら何を基準につ選べば良いのかとなりますが、筆者が両方とも使ってみたところ、どちらも同じように使えたので、触り心地やブランドイメージで気に入った方を選ぶと良いでしょう。価格を比較して安かったほうでもOKです。
まとめ
これから工具をそろえようと考えている人の場合、何が必要で何が必要でないのかを判断することは難しいかもしれません。
だからこそ、必要な整備をするためにどういう工具が必要になるのか、工具の購入にどれくらいお金を使えるのかを考えることが大切です。
最近ではインターネットで簡単に整備方法を調べることもできるので、そういったものも参考に、まずは必要な工具をリストアップしてみてはいかがでしょうか。