なぜ正しい方法でタイヤを保管する必要があるの?
タイヤの保管が必要な理由も知ろう
夏タイヤと冬タイヤの交換が必要な地域にお住まいの方は、毎年、半年程度の期間、何らかの方法でタイヤを保管する必要があります。
タイヤはゴム製品です。適正に保管し管理しなければ、変形、しわやひび割れなどの劣化が起こります。
しかし、適切な方法でタイヤをきちんと保管すればタイヤの寿命を伸ばす事ができます。
適切な環境下であれば約3年間は同等の性能を保つことができ、グリップ力の低下、走行中の破損などの危険を回避することとなり、安全で快適な走行に繋がります。
今回の記事では、タイヤの正しい保管方法について詳しくご紹介していきます。
初心者必見!適切なタイヤの保管方法をご紹介!
炎天下のタイヤ保管に注意
タイヤはゴム製品のため、水、雨、直射日光などの自然的要因、油類、熱源、電気、火花が出る装置などの人工的要因に弱い性質があります。
それらを避けタイヤを保管することで、変形や劣化を防ぐことができます。
■タイヤを再度装着するときは、空気圧をチェック!
タイヤには空気が充填されています。
タイヤは適切な空気圧を保つ事で、タイヤの形状を保つ事が出来、設計された通りの性能を発揮する事が出来ます。
言い方をかえれば、タイヤに指定された空気圧が入っていないと、タイヤはその機能を発揮できないのです。
しかし、走行に使わないでただ保管しているだけでタイヤの空気圧は自然に低下します。これを、「自然空気漏れ」と呼び、一か月で約5%~10%も空気圧が低下します。
乗用車の3台に1台は空気圧不足の状態という説もあるくらいで、空気圧が低下したタイヤを装着して車を走らせると、様々な悪影響があります。
・摩耗ライフ(寿命)の低下
・燃費の低下
・操縦安定性の低下
・片減り摩耗、片落ち摩耗。
・ブリーディングCBU(徐々に空気が漏れ空気圧が極端に低下し、走行を続けることでタイヤのサイド部が円周状に切れる損傷)
・ヒートセパレーション(空気圧不足のまま走行を続けたことにより熱が発生し、タイヤの接地面に剥離が生じる損傷)
保管していたタイヤを車に装着する際には、走行する前にバルブやキャップを点検し、空気圧が低下している場合は、できれば自宅で空気を設定値まで充填しましょう。
自宅に空気入れがない場合は、自宅の最寄りのガソリンスタンドなどでタイヤの空気圧を適正にしましょう。
■タイヤの保管は屋内で!屋外の場合はしっかり保護を!
タイヤの劣化を防ぐのに最適な保管方法は 、直射日光や雨をしのげる、屋内保管です。
タイヤは、直射日光(紫外線)や雨(湿気)によってゴムの劣化が生じます。タイヤの劣化を抑制するのであれば、風通しが良く、直射日光の当たらない屋内に保管することが大切です。
やむを得ずタイヤを屋外で保管する場合は、タイヤを直接、むき出しの地面やコンクリートの土間の上に置いてはいけません。
できるだけタイヤラックを使用するか、風通しのいい場所で、すのこなどを敷くことで底上げをする必要があります。
そうすることで結露や湿気が溜まることを防ぐことができ、防水性や遮光性の高い保管用タイヤカバーでタイヤを覆うことで、水・雨・直射日光などの自然的要因からタイヤを守ることができます。
屋外保管の際は、エアコンの室外機などの人工的要因も避けて保管しましょう。
■タイヤを保管する時は、専用のタイヤカバーで保護しよう!
ビニール袋は保管用タイヤカバーに比べ劣化が早く、簡単に穴が開いてしまい長期間タイヤを完全に覆うことは出来ません。
そのため、タイヤの寿命を延ばすことは難しくなるうえ、持ち運びの際に破れてタイヤが落下してしまう危険性もあります。
タイヤを保管する際には、防水性、遮光性の高い保管用タイヤカバーを使用することを強くお薦めします。
タイヤの劣化をおさえる保管方法
日産オリジナル・NISMO タイヤバッグ
タイヤを長期間同じ状態で保管することにより、タイヤに劣化・変形が起きてしまいます。
また、縦置きに保管した場合と横置きに保管した場合も、それぞれタイヤに起こる劣化・変形は変わってきます。
順番に解説しますので見ていきましょう。
■タイヤの保管方法・縦置きの場合
ホイールを取り外したタイヤはサイド部分が傷つきやすくなります。タイヤのサイド部分を保護するためには、縦置きが適切な保管方法となります。
さらに、定期的にタイヤを回し接地面をずらすことで、一か所に重量がかかることを避け重量を分散することによってタイヤの劣化・変形を防ぐことができます。
パイプ式のタイヤラックを使用する際は、さらに注意しなければいけません。タイヤとの接触部分が、面から線に変わり、重量が一点に集中することにより劣化、変形が起きやすくなります。
対策として、定期的にタイヤを回す回数を増やしたり、面で保管できるように工夫する必要があります。
■タイヤの保管方法・横置きの場合
ホイールがセットされたタイヤを保管するのに適しています。
ホイールの種類にもよりますが、約8キロの重量がありタイヤと合わせるとかなりの重量になります。横置きにすることで接地面が広くなり、重量が分散されタイヤの劣化・変形を防ぐことができます。
その際、タイヤとタイヤの間に段ボールなどを挟むと、ホイールの傷つきやサイドウォールの刻印の転写を防ぐことができます。
また、定期的に積んでいる順番をローテーションしたり、タイヤの空気圧を適正空気圧の半分程に減らすことで、タイヤの負担を軽減することができます。
縦置き | タイヤのサイド部分を保護するためには、縦置きで保管する。 【ポイント】 定期的にタイヤを回し接地面をずらす。 | |
---|---|---|
横置き | 接地面が広くなり、重量が分散されタイヤの劣化・変形を防ぐ。 【ポイント】 タイヤとタイヤの間に段ボールなどを挟み、ホイールの傷つきやサイドウォールの刻印の転写を防ぐ。 |
保管場所がない場合は、オールシーズンタイヤという選択肢も!
《写真提供 横浜ゴム》横浜ゴムのスタッドレスタイヤ『アイスガード6』とオールシーズンタイヤ『ブルーアース4S』を比較
タイヤの適切な保管場所が無い場合や、年間で数回の降雪のためただけにわざわざスタッドレスタイヤを買うのはコスパが悪いとお考えの方には、オールシーズンタイヤという選択肢もあります。
オールシーズンタイヤは、タイヤのブロックパターンやコンパウンドを工夫することで、夏タイヤの性能と、スタッドレスタイヤの雪道での性能をバランス良く両立させたタイヤになります。
もちろん、乾いた路面での夏タイヤや、雪道でのスタッドレスタイヤの性能にはオールシーズンタイヤは敵いません。
しかし、それほど頻繁に雪が降る事はなく、降って少しだけ積もるぐらいという地域にお住まいの方であれば、オールシーズンタイヤ一本だけで一年間の路面変化に対応する事が出来ます。
オールシーズンタイヤの性能も年々向上していますので、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?
まとめ
タイヤを守ることで自分や家族も守ろう!
今回の記事では、タイヤの保管方法について詳しく解説しました。保管と一言で言っても様々な方法や注意点があることがおわかりいただけたと思います。
また、保管用タイヤカバーなどを使用し適切に保管することで、タイヤの寿命や性能を保つことができ、自分自身を守るだけではなく、友人や家族の命をも守ることにも繋がります。
タイヤを適切に保管して安心・快適なカーライフをお過ごしください!
タイヤ保管に関するFAQ
■タイヤの保管って、どうすればいいの?
タイヤにとって優しいのは、風雨をしのげる屋内での保管です。ご自宅に屋内の保管場所がない場合は、ガソリンスタンドやタイヤショップのタイヤ保管サービスを利用する事も出来ます。
屋外に保管する場合は、タイヤをそのまま置いておくのではなく、遮光性や防水性のあるタイヤカバーでタイヤを保護する事をオススメします。
■タイヤを保管する時は、どうやって置けばいいの?
一般的に、ホイールを組んだタイヤは横置き、ホイールを組んでいないタイヤは縦置きで保管するのがよいとされています。
ホイールを組んだタイヤは、空気圧を既定値の半分ぐらいまで落して横置きで保管します。縦置きで保管すると、ホイールの重みでタイヤが変形してしまう事を防ぐために、横置きでの保管が推奨されています。
ホイールを外したタイヤを横に重ねておいてしまうと、タイヤの重みで一番下のタイヤが変形してしまう可能性はあるため、縦置きでの保存が推奨されています。
■タイヤの保管とか、交換が面倒な場合はどうすればいいの?
オールシーズンタイヤという選択肢があります。オールシーズンタイヤは、乾いた路面での性能と雪道での性能をバランスさせたタイヤで、ある程度の積雪であればスタッドレスタイヤに交換する事無く、雪道を走る事が出来ます。
それほど頻繁に雪が降らない地域にお住まいの方には、オールシーズンタイヤは有効な選択肢となるでしょう。