三菱のコンパクトカーには、海外生産車であるミラージュや、スズキからのOEM車であるデリカD:2、そして電気自動車のi-MiEVなど、特徴ある車種がラインナップされています。
■デリカD:2(デリカ・ディー・ツー)
■デリカD:2とは?
デリカD:2
デリカD:2は、スズキからソリオのOEMを受けている車種で、基本的にはソリオと同じ内容となっています。高い車高にスライドドアが装備されており、三菱のミニバンシリーズのD:2という名称となりますが、シートは2列なのでプチバンとされています。
3.7mという全長ながらも、室内スペースの広さは前後シート間であれば兄貴分のD:5以上と言われるほどで、荷室スペースもタップリあることからコンパクトカーの新しい基準となっています。
パワーユニットには、全車がマイルドハイブリッドを採用する1.2Lエンジンとなり、2017年にパラレル方式を採用したJC08モード32.0 km/Lのハイブリッド車が追加されています。
安全装備では「e-Assist」のが強化され、衝突被害軽減ブレーキシステムに夜間の歩行者検知機能を追加され、後方誤発進抑制機能、後退時ブレーキサポート、アダプティブクルーズコントロール、ハイビームアシストなどを全車標準装備としています。
現在はOEM車ながらも三菱の普通乗用車では稼ぎ頭となっており、上級車種のカスタムとともに人気車種となっています。
■デリカD:2情報(燃費・ボディサイズ・乗車定員・価格・中古車価格ほか)
デリカD:2
JC08モード燃費
1.2Lマイルドハイブリッド車(km/L):23.8~27.8
1.2Lハイブリッド車(km/L):32.0
メーカー希望小売価格(消費税10%込):1,855,700〜2,341,900円
中古相場:15~203万円
全長×全幅×全高(mm):3710×1625×1745
乗車定員(名):5
※新車情報は公式サイト調べ(2020年1月現在)
※中古車相場はレスポンス中古車検索より(2020年1月現在)
■デリカD:2をもっと深堀り
デリカD:2カスタム
現在、ダイハツのトールやそのOEM車であるトヨタのタンク/ルーミーというライバルが登場したこともあり、プチバンも浸透してきました。その中でも車幅を1625mmに抑えるなどコンパクトさに徹しており、低燃費と走行性能を両立させるなど魅力あるコンパクトカーとなっています。
■ミラージュ
■ミラージュとは?
ミラージュ
ミラージュはタイの現地法人において、日本を含む全量が生産される三菱の世界戦略車です。発売当初は1.0L車もラインナップされていましたが、現在は1.2L車のみの2グレード展開に整理されています。
全長3795mm、車幅1665mmというコンパクトサイズなので、軽自動車より少し大きめでも乗り換えに違和感がなく、しかも1.2Lエンジンは900㎏という軽自動車並みの軽量ボディによって快適な走行性能と低燃費を実現しています。
また、安全面では、衝突被害の軽減を図る誤発進抑制機能を備えた「e-Assist」が標準装備されています。
2019年11月にはフロントフェイスに「ダイナミックシールド」を採用した新型が発表され、順次各地で発売予定となっていますが、現時点(2020年1月)では日本での発売はアナウンスされていません。
■ミラージュ情報(燃費・ボディサイズ・乗車定員・価格・中古車価格ほか)
ミラージュ
JC08モード燃費(km/L):23.8
メーカー希望小売価格(消費税10%込):1,408,000〜1,514,700円
中古相場:10~120万円
全長×全幅×全高(mm):3795×1665×1505
乗車定員(名):5
※新車情報は公式サイト調べ(2020年1月現在)
※中古車相場はレスポンス中古車検索より(2020年1月現在)
■ミラージュをもっと深堀り
タイで発表された新型ミラージュ
街乗りメインで使用するなら程よい大きさで使い勝手のいいコンパクトカーがベスト。ほとんど1人ないし2人しか乗らないなら背の高いプチバンは必要ない。そんな人たちにはミラージュが最適です。中古車狙いなら限定車の「BLACK Edition」がおすすめです。
■i-MiEV(アイ・ミーブ)
■i-MiEVとは?
i-MiEV
軽自動車であるi (アイ) をベースに、リチウムイオン二次電池パックなどMiEV技術や回生ブレーキなどを搭載し量産化に成功し2009年6月に正式発表されました。
充電は高速充電のほか、家庭用の電源にも対応しています。16 kWhのバッテリー容量でフル充電状態での走行可能距離は164㎞と多くはありませんが、扱いやすいボディサイズと先進的なデザインによりシティコミューターとしての役割を担っています。
なお、ベース車のiは2015年限りで販売終了しましたが、i-MiEVはEV専用車として継続販売され、2018年4月の一部改良で全長が85 mm拡大され、軽自動車から登録車(小型自動車 / コンパクトカー)扱いとなっています。
■i-MiEV情報(燃費・ボディサイズ・乗車定員・価格・中古車価格ほか)
i-MiEV
JC08モード一充電走行距離(㎞):164
総電力量(kWh):16.0
メーカー希望小売価格(消費税10%込):3,003,000円
中古相場:23~135万円
全長×全幅×全高(mm):3480×1475×1610
乗車定員(名):4
※新車情報は公式サイト調べ(2020年1月現在)
※中古車相場はレスポンス中古車検索より(2020年1月現在)
■i-MiEVをもっと深堀り
i-MiEV
なによりも14年前に開発されたベース車i (アイ) のデザインが素晴らしく、RR駆動を始めとしたパッケージングは、その後のEVとなるi-MiEVの登場を考え、時代を見据えたものです。今でもこのデザイン以上の軽自動車はなく、EVのために生まれたスタイリングといえます。
三菱の現行軽自動車一覧
三菱の発売する現行軽自動車は、日産と三菱の合弁会社NMKVによって開発されたeKシリーズがメインとなり、タウンボックスのみがスズキからのOEM車となります。
■eKワゴン(イー・ケー・ワゴン)
■eKワゴンとは?
eKワゴン
2019年3月にフルモデルチェンジされ、水平基調のフロントグリルとなったほかリアデザインも大きく変わりました。そして、ホイールベースが65mm延長されたことで、後席のニールームが70mm拡大されるなど、室内スペースが拡大されています。
パワートレインはエンジンを低フリクション化された新型になり、CVTもオイルポンプの高効率化とベルトの低フリックション化が行われた新型に変更されています。なお、eKクロスのようなハイブリッドやターボの設定がありません。
注目の装備は、日産デイズでは「プロパイロット」と呼ぶ、アダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線維持支援機能(LKA)で構成された高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)が新たに採用されたことです。
また、走破性を高めるグリップコントロールを2WD車を含めた全車に標準装備されています。
■eKワゴン情報(燃費・ボディサイズ・乗車定員・価格・中古車価格ほか)
eKワゴン
WLTCモード燃費(km/L):18.0~21.0
メーカー希望小売価格(消費税10%込):1,320,000〜1,402,500円
中古相場:5.5~157.0万円
全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1640~1660
乗車定員(名):4
※新車情報は公式サイト調べ(2020年1月現在)
※中古車相場はレスポンス中古車検索より(2020年1月現在)
■eKワゴンをもっと深堀り
eKワゴン
色々(!)とあった先代モデルから一転、不満のあった動力性能と燃費も改善され、定評のある上質な質感の室内も広くなった現行eKワゴン。実はもうひとつの派生車であるeKクロスに注目が集まっているのですが、ママたちにはファニーフェイスのこちらがおすすめです!
■eKクロス(イー・ケー・クロス)
左eKワゴン 右eKクロス
■eKクロスとは?
eKクロス
通常ならeKワゴンといっしょにご紹介する上級のモデルですが、そのeKワゴンと全く異なるフロントフェイスとパワーユニット、そしてコンセプトであることから、別車種としてご紹介します。
先代までの「eKカスタム」に代わり、SUV的要素を取り入れたeKクロスは、フロントフェイスに「ダイナミックシールド」を採用し、縦型の3灯式LEDヘッドライトは、上2段がロービーム、その下にハイビームを配置する組み合わせとなっています。
デリカÐ:5を彷彿とさせる、SUVらしい力強さを表現したクロスオーバーモデルであるeKクロスは、パワーユニットにも、新しくハイブリッドシステムを採用し、そのターボモデルも設定します。
ハイブリッドシステムは、モーターが駆動力をアシストし、減速時には電気エネルギーをリチウムイオンバッテリーへ効率的に充電してトルクフルな走りと低燃費を可能としています。
さらにeKワゴン同様に、三菱自動車初の高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)も設定されています。
■eKクロス情報(燃費・ボディサイズ・乗車定員・価格・中古車価格ほか)
eKクロス
WLTCモード燃費
ハイブリッド(km/L):18.8~21.2
ハイブリッドターボ(km/L):16.8~19.2
メーカー希望小売価格(消費税10%込):1,584,000〜1,820,500円
中古相場:100~198万円
全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1640~1660
乗車定員(名):4
※新車情報は公式サイト調べ(2020年1月現在)
※中古車相場はレスポンス中古車検索より(2020年1月現在)
■eKクロスをもっと深堀り
eKクロス
これまでスポーツイメージの「カスタム」が定番であった軽自動車の上級モデルを、得意のSUVにしてしまった三菱の英断に思わず拍手。これは日産向けの「デイズ・ハイウェイスター」との差別化になり、しかも流行をちゃっかり取り入れていて、日産もくやしがるのではないでしょうか?
スズキのハスラーのように、別車種を造る余裕のない三菱だからこその妙案ですが、ユーザーからの注目度も高く、これから類似車種も出てくるかもしれません。
■eKスペース(イー・ケー・スペース)
■eKスペースとは?
現行eKスペース
する車種で、三菱向けがeKスペース/eKスペースカスタムとなります。
eKワゴンと基本的には同じ仕様ながらも、全高1,700mm以上でスライドドアを装備するスーパーハイトワゴンとなり、エンジンはNAとターボが用意されます。また、カスタムはダイナミックシールドデザインを採用するなどで上級仕様となっています。
新型 eKクロススペース(東京オートサロン2020)
そして、2020東京オートサロンにおいて2代目の新型が発表され、メーカースペシャルサイトも開設されました。発売日は春とだけされていますが、予約販売はそろそろ始まる様子で、詳細は1月30日以降とされています。
新型のエクステリアでは、キープコンセプトの標準モデルと、eKクロスで味をしめたSUVルックスのeKクロススペースが設定されています。その他、リヤスライドドアの開口幅、リヤシートのスライド量、後席足元の広さをそれぞれクラストップレベルとするなど、後席の居住性を向上さっせています。
またパワーユニットは、ハイブリッドシステムを採用する自然吸気エンジンとターボエンジンを設定し、標準車にも採用されるようです。
■現行eKスペース/eKスペースカスタム情報(燃費・ボディサイズ・乗車定員・価格・中古車価格ほか)
現行eKスペースカスタム
JC08モード燃費
標準車(km/L):21.8~22.0
ターボ仕様車(km/L):20.4~22.2
メーカー希望小売価格(消費税10%込):1,342,000〜2,014,100 円
中古相場:19.5~190万円
全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1775
乗車定員(名):4
※新車情報は公式サイト調べ(2020年1月現在)
※中古車相場はレスポンス中古車検索より(2020年1月現在)
■eKスペースをもっと深堀り
新型eKスペース(東京オートサロン2020)
いよいよ新型が姿を現したeKスペース。予約注文に走る人も多いかと思いますが、現行モデルを安く購入する最大のチャンスでもあります。特にeKクロススペースではなく、標準車狙いなら燃費の差以上のお買い得感があるのも忘れずに!