マツダ3 ファストバックとは?
マツダ3
マツダ3 ファストバックは2019年5月にマツダから発売された普通乗用車で、2003年から販売されていた「アクセラスポーツ ハッチバック」がフルモデルチェンジしたのをきっかけに名称変更したモデルです。
もともとマツダ3はアクセラの海外での名称でした。ファストバックとは、後端にむけてルーフがなだらかなカーブを描くボディタイプを指します。
アクセラと同系統の車であるため、性能面はおおむねアクセラの改良版です。アクセラの持ち味であった高速安定性とコーナリング性能は変わっていません。
エンジン出力に不満を覚えるユーザーが少数存在する一方で、エクステリアデザインはアクセラ以上の高い評価を得ています。
マツダ3 ファストバックはアクセラまで存在したアンテナなどの付属品を極力車体外部から外しており、フォルムをシャープに保つことに成功しました。
シンプルながら完成されているフォルムは「引き算の美学」と呼ばれ、愛されています。
アクセラスポーツからマツダ3 ファストバックへ
アクセラは2003年の発売から、2019年のマツダ3 ファストバックの発売まで、以下の経緯をたどってきました。
■【初代】アクセラの登場 BK系
マツダ アクセラ(初代)
マツダの「ファミリア」という1963年から販売されている車があり、この車は世界的な評価を得た車でした。
アクセラはその後継車種として設計された車で、全長4,540mmと長く作られた車体が特徴的です。
上質のドライブフィーリングが好まれ、2004年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーで第2位を受賞するなど国際的に高い評価を得ました。
■【2代目】BL系
マツダ アクセラ(2代目)
2009年にアクセラにフルモデルチェンジが施され、2代目に突入しました。
初代アクセラよりもマッシブな印象を受けるエクステリアデザインが特徴的です。
加速性能よりも安定性に重きを置き、取り回しの良さに優れるなど初代と共通する特徴を備えた車で、重厚感ある走り味に根強いファンがついているモデルでもあります。
■ 【3代目】BM/BY系
マツダ アクセラ(3代目)
2013年のフルモデルチェンジで、アクセラは3代目に生まれ変わります。
2代目のマッシブなフロントフェイスは、3代目でグリル部分が縮小された結果、よりスマートな印象を与える見た目になりました。
取り回しと高速安定性に優れるという乗り味は変わらず、様々なメディアを一元化して扱える「マツダコネクティビティ」というシステムが初めて搭載された車でもありました。
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■【4代目】BP系でマツダ3シリーズへ !
マツダ3
2019年5月、16年を数えたアクセラの歴史が終わりを告げました。そして、国際的な名称に合わせた「マツダ3」として再出発します。
重厚感を伝えるエクステリアデザインはそのままに、3代目と比べてより流線形を意識して作られています。
性能面で特筆すべき点は「スカイアクティブビークルアーキテクチャー」という技術の初導入です。この技術は車体に伝わるエネルギーを計算して、騒音や振動をコントロールするためのものでした。
「スカイアクティブビークルアーキテクチャー」によって、マツダ3はアクセラよりも素晴らしい乗り心地を獲得しています。
マツダ3 ファストバックのスペックは?
マツダ3 ファストバックのスペックは以下の通りです。
■マツダ3 ファストバックの外装
マツダ3
外装は「魂動(こどう)」というコンセプトのもとにデザインが統一されています。「魂動」では、カーデザインをアートの域まで高め感動を与えることを目的としています。
このコンセプトを裏付けるように、マツダ3 ファストバックのエクステリアデザインはユーザーから非常に高い評価をもって受け入れられています。
特に、勇壮なフロントフェイスから後部に向けて描かれるラインなど、優美な美しさに人気があります。加えて、マツダ独自の塗装技術「匠塗」によって表現された、艶やかなカラーもユーザーを魅了してやみません。
■マツダ3 ファストバックの内装
マツダ3 内装
マツダ3 ファストバックは「引き算の美学」を体現した車で、内装にも同じ美学が息づいています。
内装は車との一体感をより高めることを目的とした結果、シンプルなデザインに行き着きました。また、「引き算の美学」が実現した内装空間は、運転しやすいレイアウトにも繋がっています。
他にも、手触りの心地よさを重視して作られている点も特徴です。シフトレバーやスイッチ類は操作した時に快感を覚えるように設計されています。
さらに、シートに使われているレザーも豊かな手触りが味わえ、安らぎを感じられます。
■マツダ3 ファストバックの燃費・スペック
燃費性能は、新世代ガソリンエンジン仕様車が16.2km/L~17.8km/L、1.5Lガソリンエンジン仕様車が15.8km/L~17.8km/L、2.0Lガソリンエンジン仕様車が15.2km/L~15.6km/Lです。
ディーゼルエンジン仕様車は18.8km/L~19.8km/Lとなっています。(以上の数値は全てWLTCモード)
燃費はこのクラスのハッチバック車としては平均的です。後述するように乗り味はほとんど変わらないため、燃費性能を求めるならディーゼル車を購入してもかまいません。
以下は、マツダ3 ファストバックの参考スペックです。
ボディサイズ全長×全幅×全高(mm) | 4,460×1,795×1,440(mm) | |
---|---|---|
最大乗車定員 | 5名 | |
燃費 | WLTCモード:16.6km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | |
最高出力(kW(ps)/rpm) | 82(111) /6,000 | |
最大トルク(N・m(kg・m)/rpm) | 146 (14.9) /3,500 | |
駆動方式 | FF | |
トランスミッション | 6EC-AT |
マツダ3 ファストバックの口コミ・評価
2リットルのガソリンエンジンを搭載する試乗車は、ステアリング操作に対し挙動が素直かつ軽やかで、街中でもスムースな身のこなしが楽しめるクルマだった。
マツダ3 ファストバックのコーナリング性能、そして取り回しの良さはアクセラだった時から健在です。
ドライバーの意のままに曲がれるため、ステアリングが楽しくなってきます。通り慣れた道も新鮮なフィーリングを伝えてくれるでしょう。
もちろん実車の、あたりの空気を変えてしまう凛とした存在感は、実車でこそ伝わってくるというものだ。
「凛とした存在感」という言葉が、マツダ3 ファストバックのすべてを語っています。
端正なプロポーションと艶やかなカラーの組み合わせは、思わず息をのむ美しさをまとっています。視覚だけでなく五感すべてに訴えかける迫力も感じられます。
フットワークはセダンのディーゼルに比べるとキビキビとしていて、ファストバックのほうが軽やかさは際立つ。セダンもよく曲がるがファストバックはもっとよく曲がる。
ファストバックのディーゼル車のレビューでした。
自由自在に曲がれるコーナリング性能はディーゼル車でも変わらず、しかもセダンタイプよりも曲がりやすくなっています。燃費性能に合わせてガソリン車かディーゼル車のどちらかを選びましょう。
マツダ3 ファストバックの価格・中古車情報
マツダ3
新車価格は、
新世代ガソリンエンジン仕様車が、3,198,148円~3,688,463円
1.5Lガソリンエンジン仕様車は、2,221,389円~2,552,489円
2.0Lガソリンエンジン仕様車は、2,515,741円~3,006,055円
ディーゼルエンジン仕様車は、2,790,741円~3,281,055円
となっています。
中古価格は203.9万円~338.0万円となっています。
※車情報サイトResponse 中古車情報ページより(2020年2月現在)
発売されてそれほど月日が経っていないためか、中古市場でもあまり安くなってはいません。中古市場の値引き額もそれほど大きくないので、思い切って新車を買っても良いかもしれませんね。
ただ、発売されて日が浅いため中古車でもダメージが少ないというメリットもあります。
以下のリンクから、都合に合った車両を選んでみてください。
マツダ3 ファストバックは引き算の美学によって生まれた
マツダ3
ここまで見てきたように、マツダ3 ファストバックは引き算の美学に基づいて作られてきました。
高い評価を受けていたアクセラという実績を捨て去り、新たな車を作ることはまさしく「引き算」と言えるもので、多くの労力と緊張を伴います。
しかし、マツダは最高の腕前を持ってそれをやり遂げました。マツダ3 ファストバックに乗る機会があれば、随所に現れる引き算の美学を噛み締めてみてください。