ホンダのフリードプラスとは
ホンダ フリード クロスター
2016年6月にフルモデルチェンジして2代目になったフリードには6、7人乗り3列シート車に加えて5人乗り2列シートタイプのフリードプラスが設定されました。
初代モデルでは「フリードスパイク」として別車種であったのをモデルチェンジを機にフリードのグレードとして統合した形です。
フリードスパイクについて詳しく知りたい方はこちら
■ホンダのフリードとの違いは
シート数と乗車定員の違い以外は標準タイプのフリードとほとんど共通で、エンジンスペックやグレード構成も変わりません。(フリードプラスにはBグレードがありません)
しかし、5人乗りとしたことで広大な荷室が可能になり、標準タイプのフリードとは購入するユーザー層が変わり、子育てファミリーというよりも、アウトドアなどアグレッシブなライフスタイルを楽しむユーザーが多くなります。
また、3列目シートを省略してはいますが、車両価格ではフリードよりフリードプラスの方が各グレードで2万円程高くなっています。
ホンダのフリードプラス最新情報
ホンダ・フリード+クロスター
■フリードプラスのスペック(ボディサイズ・乗車定員・燃費)
1.5L | ハイブリッド | |||
全長×全幅×全高(mm) | 【2WD】4,295×1,695×1,710 【4WD】4,265×1,695×1,735 | 【2WD】4,295×1,695×1,710 【4WD】4,265×1,695×1,735 | ||
室内長×室内幅×室内高(mm) | 2,310×1,455×1,285 | 2,310×1,455×1,275 | ||
最大乗車定員 | 5名 | 5名 | ||
JC08モード燃費 km/L | 【2WD】19.0km/L 【4WD】16.4km/L | 【2WD】27.4~28.0km/L 【4WD】26.0km/L | ||
WLTCモード燃費 km/L | 【2WD】17.0km/L 【4WD】15.6km/L | 【2WD】20.8km/L 【4WD】19.8km/L | ||
エンジン種類・総排気量 | 直列4気筒・1,496cc | 直列4気筒・1,496cc | ||
エンジン最高出力 kw(PS) モーター最高出力 kw(PS) | 95(129)/6,600 - | 81(110)/6,000 22(29.5)/1,313〜2,000 | ||
エンジン最大トルク モーター最大トルク N・m(kgf・m)/rpm | 153(15.6)/4,600 - | 134(13.7)/5,000 160(16.3)/0〜1,313 |
※上記スペックはメーカー公式サイトより(2020年3月現在)
■フリードプラスの内装
ホンダ・フリード+クロスター
フリードプラスの内装は2列目までは基本的にフリード標準車と変わりませんが、唯一、2列目シートのロングスライド機能は、6人乗りキャプテンシートのFF車のみに設定されるため、3人掛けの2列目6:4分割可倒式シートを採用するフリードプラスには設定がないことです。
その他、立体的に見えるブロック柄のシートファブリックとなり、メタル調パネル、モノトーン基調のインテリアカラーを採用されています。
そして、木目調パネルを採用してワイドに広がるインパネや、大開口スライドドア&ワンステップ低床フラットフロアや、タイプ別の両側パワースライドドアやスマートキーシステムなどの装備も同様です。
■フリードプラスの荷室
フルフラット
大きな変更点があるのが、荷室です。
まず、フリード標準車が3列目シートの座面を跳ね上げてフロアを第2の荷室としてとして使える機能がありますが、フリードプラスにはありません。また、3列目シートは左右に跳ね上げることもできます。
しかし、その分荷室の横幅はシートの厚さ分狭くなり、2列目シートを畳んでも、やはりその分の厚さで荷室の有効長も短くなります。
フリードプラスでは2列目シートをダブルフォールダウンするので、床下にフラットに格納され未室長は目一杯取れます。しかも邪魔な3列目シートもないので、車内の幅も高さもフルに活用できます。
さらに、地面からリアゲートの開口部までの高さがフリード標準車よりも14.5cmも低く、重いものの出し入れも楽で、荷室の高さも14.5cm高いので背の高い荷物も載せられ、自転車などを積み込むのも楽な体制で行えます。
そして、荷室のユーティリティーボードは、荷室を上下に分割でき、反転させると濡れたものも大丈夫な耐荷重200kgのワイバブル仕上げとなっていて、フレキシブルに荷室を使えます。
フリード+とフリードの荷室寸法比較
フリード+とフリードの荷室寸法比較
フリードプラス | フリード | |
開口部高さ | 1,255mm | 1,110mm |
開口部最大幅 | 1,080mm | 1,080mm |
開口部地上高 | 335mm | 480mm |
■フリードプラスの外装
フリード+クロスター
エクステリアではほとんど差はなく、ただリアゲートの開口部が異なるために、フリードプラスの方がバンパーまで切れ込みが続いている点が唯一の差となります。
また、ボディサイズはFF車の全長のみがフリード標準車に対し30mm延長されて4,295mmとなっています。
■フリードプラスハイブリッドモデルはどう?
フリードプラスのハイブリッド車には1.5LアトキンソンサイクルDOHCエンジン+1モーター内蔵7速デュアルクラッチトランスミッション搭載の「SPORT HYBRID i-DCD」を採用しています。
モーターのみのEV走行も可能になほか、専用設定のギアレシオ(ローレシオ化)により、加速性能を向上させています。また、モーターには大同特殊鋼とともに開発した、世界初の重希土類(ジスプロシウム・テルビウム)完全フリーのネオジム磁石を採用しています。
燃費では、JC08モードで28.0km、マイナーチェンジ後から適用されたWLTCモードでも20.8kmという低燃費を実現しています。
装備面では1.5L車に対してLEDヘッドライト(ロービーム、オートレベリング/オートライトコントロール機構付)、車両接近通報装置、電動サーボブレーキシステムが追加採用されています。
■ホンダのフリードプラス グレード紹介
フリードプラス
2019年10月のマイナーチェンジにより、「Honda SENSING」は全タイプ標準装備となり、後方誤発進抑制機能を追加しています。
フリードプラスのグレード構成はシンプルで、Gとクロスターのみ。それぞれに1.5Lガソリン車とハイブリッド車、そしてそのすべてにFFと4WDが設定されています。
クロスター
フリードプラス クロスター
新グレードのクロスターは、エクステリアに遊び心と力強さを表現したクロスオーバースタイルの
モデルです。
クロスター専用のフロントグリルや前後バンパー、LEDフォグライト、ルーフレール、アルミホイール、専用色のドアアウターハンドルやドアミラーを採用し、アウトドアにピッタリのクロスオーバースタイルになっています。
クロスターのインテリアは、遊び心を随所に感じられる専用インテリアとなっており、専用のプライウッド調パネルを採用。また、汚れの目立ちにくいデジタル柄の専用コンビシートを採用することで、非日常感を表現しています。
■ホンダのフリードプラス新車価格
フリードプラスメーカー希望小売価格(消費税込み)
駆動方式 | FF | 4WD |
フリードプラスG・ Honda SENSING | 2,182,400円 | 2,418,900円 |
フリードプラス ハイブリッドG・ Honda SENSING | 2,583,900円 | 2,820,400円 |
フリードプラス クロスター・ Honda SENSING | 2,402,400円 | 2,638,900円 |
フリードプラス ハイブリッド クロスター・ Honda SENSING | 2,803,900円 | 3,040,400円 |
■フリードプラスの中古車価格
2020年3月現在の中古車価格
フリードプラス(2016年9月~) | 120~270万円 |
フリードプラス1.5L(2016年9月~) | 120~253万円 |
フリードプラスハイブリッド(2016年9月~) | 145~270万円 |
フリードスパイク(2010年7月~2016年9月) | 10~240万円 |
※レスポンス中古車検索より
■フリードプラスの試乗記、レビュー
実際にフリードプラスを体験したジャーナリストやユーザーはどう感じたのでしょうか?試乗記はレスポンス、ユーザーレビューはe燃費からセレクトしました。
フリードプラスの試乗記
新型フリード、フリード+の大きな特徴が、ハイブリッドバッテリーを含む軽量化されたIPU(インテリジェントパワーユニット)を先代の3列目席下から1列目席床下に置くことで、フロアを一段と低くできたこと。結果、先代になかったAWDのHVをラインナップに加えることができ、車椅子仕様を車体の大きな改造なく成立させることができた。
また、フリードとフリード+のエクステリアデザインを統一。フリードに“自由”をプラスしたのがフリード+というわけだ。
FFで最高27.2km/リットル、4WDでも最高25.2km/リットルを誇るハイブリッドのシステムは『フィット』や『ヴェゼル』と同じもので、ガソリン車の1.5リットルエンジンはフィットRSのものに準じる。注目すべきは専用ギヤ比を持つ高出力モーター内蔵7速DCT デュアルクラッチトランスミッションで、最新の制御を注入。極めてスムーズな変速を可能にしている。
積載性:荷室はボードで上下に分けられていてそれぞれにかなりの量の荷物を載せられます。水をケース買いしたり食料を買い込んだりして載せても余裕があります。ボードがある程度の高さがあるため腰の負担無く載せやすいです。子供の自転車も余裕です。今までで一番大きい荷物は折り畳みベッドが載りました。
乗り心地:大きめな段差を通過すると横に振られる時がありますが許容範囲です。衝撃はさほど強くないのですがもう少し柔らかくても良いかと思います。車種名は書きませんが以前乗っていた車(価格は安い)の方が柔らかかったです。市街地の走行ではロードノイズも気になりません。
走行性能:軽く踏み込めば良く加速してくれます。ワインディングでもふらつくこと無く曲がってくれ、ボディがしっかりしていると感じます。車高が、高いので見晴らし良く運転しやすいです。小回りが思ったより効くので切り返しが楽です。Aピラー辺りの視界がもっと良いと有難いです。
フレキシブルに使える荷室は単に荷物を載せるだけでなく、自転車を乗せて遊びに行けたり、ワンちゃんにも優しいという発見もありました。
フリードプラスのレビュー・評価
フリード+、最大の魅力はサードシートを廃止し、広々としたラゲッジルームを手に入れたことにある。フリード+のラゲッジルームにはユーティリティボードと呼ばれるフラットな板が用意されていて、このボードを使うことで大人2名の車中泊も可能。最初は車中泊モードを作るのにちょっと手間取ったが、なれてしまえばどうってことはなく簡単に作れる。
車中泊を前提にドライブに行くことも素敵だが、渋滞に巻き込まれてしまったときなどに快適に車中泊してから帰宅するというのもフリード+ならば可能なこと。クルマの使い方に新たな可能性を見いだせるところがフリード+のいいところだ
車中泊に利用する人にはベストチョイスなのもフリードプラスです。
どんな使い方ができるのか考え、クルマの使い方に新たな可能性を見いだせるフリードプラス、おそるべしです。
まとめ
フリードのコンパクトミニバンとしての魅力は多く紹介されていますが、ワゴン車としてのフリードプラスはあまり知られていないように思います。特にマイナーチェンジ後は試乗記も更新されていないようです。
今回、そんなフリードプラスをあえて紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?もし、「スライドドアと広い室内スペースは欲しいけど、3列シートまではいらないな」と思ったらホンダのフリードプラスを見に行きませんか?