ミシュランとは?
ミシュラン X-ICE3+
ミシュランは1889年にフランスで創業した大手タイヤメーカーで、フランスのクレルモン=フェランに本社を置く多国籍企業となります。自転車・バイク・自動車・農業機械・重機・航空機向けのグレードの高いタイヤを製造しており、日本のブリヂストンに次いで世界で2番目のシェアを誇ります。
現在はラジアルタイヤが自動車や航空機に多く用いられていますが、1949年にミシュランが世界で最初にラジアルタイヤを市販しました。現在はフランス以外の国でも研究・開発や生産が行われており、日本国内に研究所が設置されています。
ミシュランはタイヤの製造・販売だけでなく、旅行ガイドブックである「ミシュランガイド」を発行していることでも有名です。
■ミシュランタイヤの歴史
ミシュランタイヤの前身は、1832年にアンドレとエドワールの祖父が設立した農業機械やゴム製品の会社です。そして、86年にアンドレが、88年にエドワールがそれぞれ経営に参加しました。
ミシュランは着脱が簡単な空気入りのゴムタイヤを開発・製造し、ミシュランタイヤが設立されて現在に至ります。ちなみに、ミシュランが世界で最初に自動車用の空気入りタイヤを作りました。
ミシュランタイヤは1949年に繊維状の強化材(カーカス)を地面に接する面に対して直角になるように配置したラジアルタイヤ「ミシュランX」を販売し、現在も自動車・重機・航空機などに幅広く使用されています。
日本においては、1964年に浜松町と羽田空港を結ぶ東京モノレールにミシュランタイヤが使用されました。
■ミシュランタイヤの種類と特徴
オールシーズンタイヤ「クロスクライメート プラス」
ミシュランタイヤはグレードの高い高級品が中心で、機能性や耐久性に優れた製品が多く販売されています。
乗用車向けのタイヤ製品にはさまざまな種類がありますが、ここでは、特に人気の高い5種類のタイヤをご紹介します。
PILOT SPORT
プレミアムセグメントに分類される自動車用のタイヤで、レース用タイヤで培われた技術を生かして開発された製品になります。
接地面がフラットで路面との密着性が高いことでグリップ力に優れており、主に高級車に使用されます。
X-ICE
雪道や凍結した路面でも滑りにくい冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)で、日本でも高い人気を集めています。
セダン・コンパクトカー・SUV・ミニバン・スポーツクーペなど、多くの車種に適合します。
CROSSCLIMATE SERIES
スノーシーズンも走行可能な夏タイヤで、雪道でも高いグリップ力を発揮します。秋や春先などに急に気温が下がって路面が雪に覆われるような場合でも、タイヤを交換せずに走行が可能となります。
独特な形状のトレッドパターンをしており、新開発のコンパウンドを混ぜることでゴムが硬くなるのを防ぐことで雪道にも対応しています。
ENERGY SAVER(+)
低燃費性能に優れるタイヤで、フルシリカを配合することで耐久性と走行抵抗の低減を両立しています。
非対称のトレッドパターンによってタイヤと路面との間で効率的に排水をするので、雨天でも高い制動性能を発揮することができます。
LATITUDE CROSS
SUV向けのタイヤで、泥水でぬかるんだ路面でも高いグリップ力や制動性を発揮することができます。
耐久性が高められていてオフロード走行にも対応しています。
■ミシュランと言えばミシュランマン
ミシュランマン
最近は多くの会社や地方自治体・役所などで広告・宣伝用のキャラクターが存在しますが、ミシュランは100年以上も前に「ミシュランマン」というキャラクターを生み出しました。
ミシュランマンの“本名”は「ムッシュ・ビバンダム」と言い、120年以上前の1898年に誕生しました。
ミシュランマンが生まれたきっかけは、1894年にリヨンで開催された万国博覧会です。大小のタイヤが積み重ねて展示された様子を創業者のミシュラン兄弟が見て、「これに腕をつけたら人間になるな」とつぶやいてキャラクター化されました。
時代ごとにミシュランマンの姿は変化しますが、19世紀末に誕生してから現代に至るまでミシュランタイヤの宣伝・広告のために活躍し続けています。
ミシュランガイドとは?ミシュランタイヤとの関係は?
ミシュランガイド東京2019
ミシュランと聞くと、自動車に詳しい方であればタイヤが思い浮かぶかもしれません。自動車に興味がない方であれば、高級レストランのガイドブックを思い浮かべる方も多いでしょう。
実はタイヤとレストランの間には密接な関係があり、ガイドブックはタイヤの販売を促進する目的で出版が開始されました。
タイヤは自動車の消耗品のひとつで、自動車が普及すればミシュランの売上が伸びます。そこで、ミシュランでは1900年に自動車の使用を促すための旅行ガイドブックを出版することになりました。
最初は郵便局やガソリンスタンドなどの場所を示した地図や自動車の整備方法の解説が掲載されていましたが、1926年にはレストランがあるホテルの紹介と格付けが始まりました。
後にレストランの料理を格付けするようになり、多くの高級店が掲載されています。
ミシュランガイドで紹介されている飲食店の格付けは、実際に審査員が覆面調査をした結果に基づきます。料理の質ごとに星の数(1~3個)で格付けが表示され、星が多いほど評価が高いことを意味します。
■東京、大阪、名古屋、福岡・・他にもある、ミシュランガイド
日本ミシュラン
ミシュランがタイヤの販売促進のために始めたレストランのガイドブックは、最初は欧州エリアのお店だけが取り上げられました。
後に欧州以外にも、米国とアジア(日本・中国・香港・マカオ・韓国)にある優良な飲食店が紹介されるようになります。
日本では東京版が2007年に発売され、現在は東京以外にも大阪・名古屋・京都・福岡などにあるレストランや料亭が掲載されています。
基本的に、格付けは料理のみで判断されるので星を獲得したお店の多くは高級店が中心ですが、中には気軽に利用できるラーメン店や居酒屋なども含まれます。
■三ツ星評価をもらうとこんな良いことが!?
飲食店を評価する口コミサイトやガイドブックはたくさんありますが、ミシュランガイドは世界的に有名であるという特徴があります。
欧米人の観光客の間でも信用されているので、1つでも星を獲得したお店は売り上げがアップすることで知られています。
星の数には意味があり、その分野で特においしい料理は星1つの評価。きわめて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理は星2つの評価。それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理は星3つの評価となっています。
最高位の三ツ星評価をもらうと世界的に有名になるので、海外からも多くの旅行者がお店を利用してくれるようになるでしょう。
1つ星評価をもらうことも簡単なことではありませんが、集客のために三ツ星評価を目指すだけの価値があるといえます。
■ビブグルマンとは一体、なんだ?
ミシュランガイドは星の数でレストランの料理の評価が付けられていますが、3段階の星以外にもビブグルマンというカテゴリーが設けられています。
ビブグルマンは、値段の割に美味しいお店に与えられる評価となります。星を獲得したレストランの多くは“美味しい高級店”ですが、ビブグルマンは“安くて旨い店”といった感じです。
日本版ではラーメン・串揚げ・蕎麦・中華・イタリアンなど、多くのお店が紹介されています。
まとめ
ミシュランガイド東京2019
ミシュランはタイヤやレストランのガイドブックで日本でもよく知られているブランドですが、会社の歴史や製品を調べると奥が深い存在であると感じられるのではないでしょうか。
レストランガイドは日本全国のお店が掲載されているので、近所にあるお店を探してみると良いでしょう。