ヘッドライトのコーティングとは
ソフト99『LIGHT ONE(ライトワン)
ヘッドライト表面の黄ばみや傷、埃の付着を防ぐための保護剤の塗布する作業をコーティングと呼びます。
ヘッドライトはポリカーボネートというプラスチック系の素材で覆われています。ポリカーボネートは熱や紫外線に弱いため、経年劣化により黄ばんだり白濁してしまいます。
放置しておくと夜間走行時の視界不良、劣化が進みヘッドライト表面のひび割れ、車検に通らずヘッドライトの交換という事態を引き起こしかねません。
ヘッドライトの交換は片側だけで40,000円からという料金が発生することもあります。ヘッドライトの黄ばみや夜間の視界不良に気付いたら、すみやかなコーティングを考えた方が経済的でしょう。
ヘッドライトのコーティングには、自分で作業する方法と業者に依頼する方法があります。自分で作業すると比較的安価で済みますが、万一の不安も考えなければなりません。
一方、プロに依頼するとそれなりの料金がかかりますが、ヘッドライトの交換に要する金額に比べれば、かなりのコスパとなります。
いずれにせよ、ヘッドライトのコーティングはヘッドライトの劣化を防ぎ、クリアで鮮明な光源を保つために作業です。
ヘッドライトのコーティング方法
ヘッドライトコーティング
メーカーやディーラーに依頼する方法もありますが、ご自分でできないこともありません。用意する道具は研磨剤やクリーニング剤、そしてコーティング剤です。
研磨剤は表面に付着した埃やゴミを除去するために用います。作業には耐水ペーパーなどを使用します。
耐水ペーパーで取り除けない、より細かなゴミの付着や表面のでこぼこを除くために用いるのが研磨剤です。コンパウンドや金属研磨用のピカールなどで、表面を滑らかに磨き上げていきます。
この状態でもヘッドライトの表面は十分クリアで鮮明になりますが、最後にコーティング剤を塗布します。これは、ヘッドライトの表面は直接紫外線が当たると、著しく劣化するからです。
■自分でコーティングする流れ
ヘッドライトを自分でコーティング!
自分で作業する場合、まずはヘッドライトを水洗いして、大まかなゴミを除去します。取り除けない傷や汚れが顕わになったところで、耐水ペーパーを用います。
ヘッドライトのコーティングで用いる耐水ペーパーは1000番程度から始めて、1500番、2000番、3000番くらいまでを使うのが一般的です。
粗目のペーパーからだんだん細目のペーパーへ変えて、水で濡らしながら表面を滑らかに研磨していきます。
その際、注意すべきは水がライトの中に入らないようにすること、そして力任せに削ってライトを傷つけないことです。
不意に入った深い傷がいつまでも消えないこともあります。水で濡らしながら、慎重に研磨を重ねていくのがいいでしょう。
粗目のペーパーで研磨していると表面が白くなりますが、細目になるに従い、徐々に表面がクリアになっていきます。
細目の耐水ペーパーで磨いただけでも十分クリアに見えますが、より細かに磨き上げるためにコンパウンドや金属研磨剤のピカールを用います。
ここで、作業工程が削ることから磨き上げることへ変わるのです。磨き終わったら、いよいよコーティング剤を塗布します。コーティング剤はホームセンターやカー用品店でさまざまな種類が並んでいるので、お好みで選ぶと良いでしょう。
一連の作業の中で重視すべきことはマスキングの必要性です。水洗いするときに、ライト内への水の侵入を防ぐために用いたり、ボディを傷つけないための養生に用いたりします。
■業者に頼んでやってもらう場合について
業者による研磨作業は、マスキングと耐水ペーパー研磨を経た後、ポリッシャーと呼ばれるモーター駆動の機械を使用します。
高速回転でペーパーの傷や、取り除けなかった付着物などを削り、磨き上げます。コンパウンドの種類も豊富で、車種によって柔軟に対応してくれます。コーティング剤の吹き付けも、塗装ブースで車体全体を養生しての吹き付けになるので安心です。
コーティング剤の吹き付け後の乾燥作業を遠赤外線で強制乾燥する業者もあります。強制乾燥の方が効果が向上するという理由からです。
業者に依頼すると、豊富な設備と完璧な作業工程により、確実に高い品質の商品を提供してくれます。ご自分でヘッドライトのコーティング作業をする時間が取れない方や、作業に不安がある方などはプロに依頼することをお勧めします。
メーカーやディーラー、または車のボディケアを専門に扱っているプロショップなどもあるので、問い合わせてみると良いでしょう。
ヘッドライトのコーティングを業者に頼む際の相場
ガラコ ブレイヴ
ヘッドライトのコーティングの料金は、車種や経年劣化の度合いによって異なります。
左右のヘッドライト合わせて5,000円から請け負うところもありますし、さまざまなコースを設けている業者もあります。
行き届いたケアのある特別なコースで20,000~30,000円というプロショップも少なくありません。
ご自分の車にどの程度のケアが必要かあらかじめショップの下見をして、車種と年式を伝え相談してみることをお勧めします。
自分でコーティングする際に注意すること
ヘッドライトコーティング
自分でコーティング作業をするときはさまざまな注意事項が発生します。ヘッドライトだけだから、と侮るのは危険です。作業にたっぷりの時間がかかることは覚悟しておく必要があります。
最初に必要なのが場所の確保です。車庫内でできる方はともかく屋外の場合、周囲に迷惑のかからない場所を選ばなければなりません。その際、気象条件への留意は必要です。
雨と風には、十分注意しなければなりません。また、コーティング剤の完全硬化に数日かかることがあります。その間、車に乗れないことは覚悟しておかなければなりません。
乾燥していないまま車を走らせていると、コーティング剤の中にゴミや埃が付着しやすくなります。
■コーティングから剥がれてきた場合
コーティングが剥がれてきたら、すみやかに業者に相談するか、自分で一連の作業をこなして再コーティングするかの選択になります。
業者に依頼する場合の料金と、自分であらゆる道具を取り揃え、時間と労力をかけていくことのメリット・デメリットの感じ方は人それぞれでしょう。プロに依頼する際の相場が5,000円からとなると、迷うところです。
いずれにせよ、剥がれたコーティング剤をそのまま放置しておくとヘッドライトの劣化が進むので、早い段階での決断が必要になります。
まとめ
ヘッドライトもコーティングしよう!
ボディはピカピカな車でも、ヘッドライトのコーティングしていなかったという例は珍しくありません。
しかしながら、ヘッドライトのコーティングは、見た目から受ける印象だけでなく、暗闇での視界を確保して事故やトラブルを未然に防ぐ必須のメンテンナンス項目と言えます。
安全に作業する場所を確保することができて、時間に余裕のある方は自身でのコーティングにチャレンジしてみるのも良いでしょう。
その際はくれぐれも慎重に、ボディや周囲への影響を十分注意する必要があります。失敗してしまったら、取り返しがつかないということも忘れてはいけません。
プロに依頼する場合のショップ選びも慎重さが大切です。金額はもちろん、どの程度、相談に乗ってアドバイスをくれるかは大きな選択基準となります。
自分で作業するにせよ、プロに依頼するにせよ慎重に判断して進めましょう。