カーエアコンが効かない!どんなことが関係する
カーエアコンが効かない原因は?
エアコンから冷たい風がでてこない、車の室内が冷えないなどの状態になった経験はありませんでしょうか。
カーエアコンが効かないのは、主に「エアコンガスの不足や漏れ」、「コンプレッサーが壊れている」の二つの要因が関係してきます。
ドライブへ行ってからカーエアコンが効かないと気づくと大変困りますので、カーエアコンの効かなくなる原因を知っておきましょう。
■エアコンガスの不足や漏れ
カーエアコンが効かない原因の一つが「エアコンガスの不足や漏れ」です。エアコンガスとは、エアコンを冷却するために使われるガスで、ガスの液体が気体になる際に周囲の熱を奪うことにより吹き出し口から出る冷たい空気をつくっています。
ガスは液化と気化を繰り返すことだけなので、理論上ガスは減りません。冷蔵庫も同じ原理ですが、ガスの補充なんてしたことがないと思います。
カーエアコンの効きが悪いからといって安易にガスを充填すると、過充填となって壊れてしまうので注意が必要です。
ただ、カーエアコンは走行時の振動といった過酷な環境に晒されているため、ガスが漏れてしまうこともあります。ガスが不足しているかどうかは、エンジンルームの中にエアコンガス用の覗き窓(サイトグラス)があれば、その場で簡易的に確認できます。
エアコンが動いている時に、泡が白く濁っているならガス不足で、透明で大きな泡が浮いているならガス詰まりの可能性があります。
ただし、サイトグラスでの確認はあくまで目安であり、ガスの量をしっかり把握するためには専門用具が必要になります。
■コンプレッサーが壊れている
カーエアコンが効かないもう一つの原因が「コンプレッサーが壊れている」です。コンプレッサーはエアコン部品の一つで、気化したエアコンガスを圧縮して高温にする役割があります。
故障かどうかの確認方法としては、エンジンを始動した時に、コンプレッサーの位置が正しければ「カチッ」という音がするため、それが聞こえるかどうかで判断できます。
コンプレッサー内部に損傷がある場合には、エンジンから異音が聞こえる場合があります。
故障を放置しておくと修理範囲が広くなり、更に修理代金が必要になる危険性がありますので、違和感を感じたらすぐに対応することがおすすめです。
ただ、個人でどこが故障しているのか判断するのは難しいので、車屋さんやディーラーの整備工場で見て貰うのが無難でしょう。
カーエアコンが効かない時の確認方法
カーエアコン
カーエアコンが効かないと思った時、まず最初に自分で確認できる方法は、「A/CがOFFになっていないか」「外気導入となっていないか」の二つが確認方法があります。
どちらも車内でスイッチを押すだけで簡単にできる方法なので、気づいた時に確認することがおすすめです。確認してカーエアコンが効かない場合には故障している可能性があります。
■A/CがOFFになっている
「A/C」スイッチ
「A/C」スイッチがOFFになっていないか確認しましょう。
「A/C」スイッチはエアコンを送風モードに切り替えるスイッチなので、送風モードにあたるOFFになっていたらそもそも冷風は出てきません。
A/Cスイッチがどこにあるか分からない場合は、車の取扱説明書を読んで位置を確認しましょう。A/Cスイッチを入れて冷房が効き始めたら、「A/C」スイッチを付け忘れたというだけで問題解決です。
■外気導入になっている
エアコンには外気導入と内部循環があり、「外気導入」とは外の空気を車内に取り入れること、「内部循環」とは車内の空気を循環させることを指します。
外気導入になっていると夏場は外の暑い空気が車内に入ってきてしまうので、冷房を付けたとしてもあまり冷えません。(ただし、炎天下に駐車していた時など車内に熱気がこもっている場合は、しばらく窓を全開にして空気の入れ換えをすることをおすすめします)
エアコンを内部循環に切り替えてみて冷房が効き始めたら問題はありません。
カーエアコンが効かない時の対処方法
対処方法は?
自分で確認できる所を確認してもカーエアコンが効かない時は整備のプロに見て貰いましょう。故障したまま放置しておくと、思わぬところで他の故障を引き起こし、最悪の場合は事故に繋がってしまいます。
人の命を乗せて走る車だからこそ、なるべく早く故障には対処することがおすすめです。もしくは、故障をきっかけに車を買い替えることを考えてみても良いかもしれません。
■車屋さんやディーラーに見てもらう
カーエアコンが効かない時は車屋さんやディーラーに車を持ち込むことで、整備のプロにみてもらえます。
保証期間内であれば無償で保証修理を受けられたり、故障したエアコン部品がリコール対象の場合も無償で修理をしてもらえることがありますので、自分の車を購入したお店でみてもらうことをおすすめします。
車を車屋に持っていくのが面倒臭いからといって、自分で何とかしようとするとカーエアコン以外の所にも悪影響がでたりするのでおすすめできません。
ガスを取り扱ったり機械を使うことがありますので、自分で修理するのは危険をともないます。
■車を買い換える
買い替えも視野に入れよう
古い車や走行距離の伸びた車でしたら、エアコンを修理するより新しい車に乗り換えてしまう方が経済的に安くすむ場合があります。
カーエアコンは、5年から10年以上経過すると不調が出てくるケースも増えはじめます。
車を買い換える時に気をつけておきたいのは、エアコンが故障した車を中古車買取業者に買取を依頼すると低い買取額になるか値段が付かないことがあり、最悪の場合には廃車費用を請求されます。
廃車買取業者に依頼すると車の部品ごとに価値を付けてくれますので、故障車、古い車、過走行車などでも高価買取の可能性は十分あります。
廃車手続きや引取りも無料でおこなってくれるところが多くありますので、先ずは配車買い取り業者に見積もりを依頼しましょう。
カーエアコンの修理費用
修理費用も気になる
カーエアコンが修理した時は値段次第でエアコン修理か車を買い換えることを考えるのがおすすめです。
業者からとんでもない値段を言い渡されて痛い目に遭わないためにも、前もって冷房と暖房の主な修理内容と修理金額の相場を把握しておくことがおすすめです。
車屋さんやディーラーで見積もりをもらった際には、相場金額と比較しながら決めていきましょう。
■冷房修理の相場
カーエアコンの冷房が効かない場合の修理箇所や修理代金の相場は内容によって変わってきます。
冷房修理の主な原因は「エアコンガスの不足」「エアコンガスの漏れ」「コンプレッサーの故障」「ファンモーターの故障」となっています。
それぞれの修理内容と修理代金の相場を見ていきましょう。
エアコンガスの不足が原因
エアコンの冷えが弱くなったなどの原因としてエアコンガスが不足している時、ガスの補充をすることで冷えが回復することができます。
ディーラーやガソリンスタンドでプロに頼むと作業工賃とエアコンガスを含めると3千から5千円程で、修理時間も数十分程ですのでお手軽です。
エアコンガスの漏れが原因
カーエアコンを長く使っていると、エアコンガスが通っているパイプなどからガス漏れを起こすことがあります。
ガスのつまりや漏れが原因なら、ガスの補充とガス漏れ箇所の修理も追加で必要になってきます。修理箇所によりますが、部品の交換や点検を含めると2万から5万円程かかります。
コンプレッサーの修理が必要
カーエアコン作動時にカチッと音がするコンプレッサー、エアコンの心臓部となっていて簡単に壊れる部品ではありません。
コンプレッサーはエアコンガスを圧縮させ高熱にする役割の装置で、故障すると自動的にエアコンが効かなくなってしまいます。
コンプレッサー自体の故障なら交換することが多く、新品なら5万から10万円ぐらい、中古なら3万から6万円ぐらいの費用が点検から交換までにかかってきます。
ファン(ブロア)モーターの交換が必要
カーエアコンの吹き出し口に風を送っているファン(ブロア)モーター、エアコンスイッチを入れてみて、ファンが動かない場合や異音が聞こえる場合は点検や修理が必要になってきます。
メーカーによって値段は変わってきますが、ディーラー交換で2万から3万円程がかかってきます。
■暖房修理の相場
暖房についても知りたい
自動車の暖房は冷却水とサーモスタットが大きく関係してきます。エンジンで発生した熱で温められた冷却水を利用して、温風を作り出しています。
サーモスタットは、エンジンとラジエターホースの間に設置されているエンジンの水温を調整する弁のことをいい、暖房をつかう時の大きな役割をしています。
冷却水の不足であったりサーモスタットが故障すると暖房が効かなくなるので、故障した時の修理が必要とされる箇所や修理代金の相場を見ていきましょう。
サーモスタットの修理
車に冷却水が十分はいっていて、暖房が効かない時はサーモスタットの故障が考えられます。
サーモスタットはエンジンの冷却水温度を調節する装置で、故障すると暖房が効かなかったり、オーバーヒートを起こします。
大事に至るまでにサーモスタットを交換すると1万円前後で済みます。何らかのトラブルがおきてからでは修理代金や修理時間がかかってしまいますので定期的な点検をおすすめします。
冷却水経路の修理
車の冷却水が減少しているとエンジンの熱を上手くコントロールすることができないので、暖房が機能しなくなってしまいます。
暖房機能だけでしたらいいのですが、最悪の場合、エンジンそのものの交換が必要になるほどの故障を招く可能性もあります。
冷却水が減る原因としてラジエーターの故障やウォーターポンプの故障などが考えられます。
ラジエーターやウォーターポンプの修理でしたら3万円前後は必要になってきますので重大な事態になる前に点検はしておきましょう。
おすすめのカーエアコンメーカー
車種によって搭載されているカーエアコンは決まっているので、自分で好きなメーカーのエアコンを選択する事は基本的にできません。
故障した時に役立つのがカーエアコンのメーカーです。ボンネットを開けて、自分の車に搭載されているエアコンのメーカーはどこなのかを確認し、特徴や性能を調べておくことがおすすめです。
日本でよく乗られている車のカーエアコンメーカーをいくつか紹介していきます。
■デンソー(DENSO)
デンソーは、1949年創業の愛知県刈谷市に本社を置く、売上世界2位(1位はドイツのボッシュ)の自動車部品メーカーです。
トヨタグループの一角を担いますが、トヨタ以外の自動車メーカーにも幅広く部品を供給し、エアコンでは世界でトップシェアを誇ります。
カーエアコン以外にも、自動車を構成する部品の多くを製造するメガサプライヤーとして知られています。
■ヴァレオ(Valeo)
ヴァレオは、1923年創業のフランス・パリに本社を置く自動車部品メーカーです。
イギリスのフェロド社のフランス支社として設立されたのが始まりで、積極的な企業買収により、今では世界的なメーカーへと成長しました。
自動運転車の開発にも力を入れ、自動運転車による日本一周に成功するなど先進的なテクノロジーで注目されています。
■ビステオン(Visteon)
ビステオン
ビステオンは、アメリカ・ミシガン州に本社を置き、自動車大手のフォードから2000年に分離独立した自動車部品メーカーです。
2009年、米連邦破産法11条の適用申請をして倒産しましたが、その1年後に再建されました。
カーエアコンの他、自動車のコックピット用電子部品を開発しています。コックピットのデジタル化に伴い、ビステオンは業績を伸ばしています。
■マーレベーア
マーレベーア
マーレベーアは、1920年創業のドイツ・シュトゥットガルトに本社を置くマーレの子会社です。
マーレは、自動車エンジンに強みを持つ自動車部品メーカーです。2013年にマーレがベーアを連結子会社化し、サーマルマネジメント部門をマーレベーアとしました。
ホンダ系自動車部品メーカーのケーヒンが、2020年度中に空調事業をマーレベーアに譲渡する見込みです。
■アプティブ(Aptiv)
アプティブは、アイルランド・ダブリンに本社を置く自動車部品メーカーです。
元々はアメリカの自動車大手ゼネラルモーターズから分社化されたデルファイであり、2017年にはパワートレイン事業を分社化し、名称をアプティブに改称しました。
2015年にはエアコンなどの熱システム部門をマーレベーアに売却したことで、マーレベーアはデンソーに次ぐカーエアコンのサプライヤーとなりました。