狭くて不便でも爆売れ!現行スズキ ジムニーの魅力はどこにある?
スズキ・ジムニーXG
スズキジムニーは1970年から販売されている小型のSUVで、軽自動車ながら高い走行性能を持っています。まずは、現行ジムニーJB64W型の魅力を見て行きましょう。
■その1. オーラが違う!本物の悪路走破性
現行スズキ・ジムニーJB64W型の大きな魅力は、非常に高いオフロード走破力になります。
ジムニーは元々オフロード走行に強い車ですが、現行モデルでは先代のパワーはそのままにより低中速向けにチューニングが施された新エンジンが搭載され、悪路を乗り越える能力に磨きをかけました。
現行モデルでは車体の剛性が向上しているので、車輪が路面を押し付ける力がアップしました。ボディ剛性の強化によっても、オフロード走行能力が向上しました。
■その2. 向上した快適性で日常使いもOK
現行スズキジムニーJB64W型は、街乗りでも快適に運転ができる車に生まれ変わりました。
現行モデルでは悪路走破性を高めるための装備だけでなく、クルーズコントロールが新たに装備されたり、ステアリングダンパーを活用して高速走行時にステアリングのふらつきを抑えるなど、舗装路上での使い勝手も向上しました。
現行モデルでは各種安全装備も強化されていて、衝突被害軽減ブレーキ・誤発進抑制機能・車線逸脱警報機能・標識認識機能などが追加されています。
ちなみに変速機は4速ATと5速MTの2種類があり、希少な国産車のマニュアル車のひとつとなります。ジムニーはクロカンだけでなく、普段の街乗りでも楽しく安全にドライブができる車といえます。
まずは現行スズキ ジムニーのカタログ燃費をチェック
新型ジムニー
SUVを選ぶ際に気になるのが燃費。カタログを見ると、5速MT・4速ATのそれぞれのWLTCモードの燃費が表示されています。現行ジムニーのカタログ値を見ると、5速MTだと16.2km/Lで4速ATだと14.3km/Lとなっています。
ジムニーのカタログの性能を見ると、リッターあたりの航続距離がかなり短いように思われるかもしれません。実は現行モデルからは国際基準「WLTCモード燃費」が表示されていて、これは実際の走行に近い状態で計測された数値になります。
先代モデルのカタログ燃費値は、WLTCモードが採用される以前に使われていたJC08モード計測の燃費でも5速MT仕様で14.8km/Lとなっており、現行モデルの燃費値は先代比でグッと伸びていることがわかります。
JC08モード燃費は数値が甘めに出やすいとされており、現実世界での実燃費では、もっと大きな差が生まれているかもしれません。
これが大事!現行スズキ ジムニーの実燃費を調査しました
スズキ・ジムニーXL
現行ジムニーの燃費性能について、実際に走行して測定したデータがあります。自動車関連の雑誌に掲載されているデータによると、5速MT車でさまざまなシチュエーションで160kmの距離を走行した実燃費は18.5km/Lという結果でした。
これはカタログ値である16.2km/Lを1割以上も上回る数値で、コンパクトカー(ガソリンエンジン)に匹敵します。
現行ジムニーには回生ブレーキやアイドリングストップ機能などが付いておらず、車体重量は1000kgを超えています。そのような状況で、コンパクトカーに匹敵するほどの高い燃費性能を叩き出したことになります。
歴代ジムニーの燃費も見てみよう!
2代目ジムニー(SJ30型)
現行ジムニーと過去のモデルの燃費も比較してみましょう。ちなみに昔は「10・15モード」が表示されていて、これはJC08モードよりも大きな数値になります。
■ジムニー SJ/JA系(1981年~1998年)の燃費
1995年に発売された2代目モデル(5速MT)の10・15モード燃費は、15.8km/Lとなっています。この数字だけを見ると、現行モデルとほとんど変わらないように見えるかもしれません。
もしも同じ車体でWLTCモードで測定をすれば3割前後小さくなるので10km/L前後になると思われます。
■ジムニー JB系(1998年~2018年)の燃費
先代モデル(3代目)の走行性能は、10・15モードとJC08モードの両方が併記されています。2010年9月モデルの場合、5MT車のカタログ値は10・15モードが16.4km/LでJC08モードだと14.8km/Lとなっています。
WLTCモードだと2割ほど小さくなるので、11km/L前後と推測されます。
ジムニーの燃費、ライバル車と比べるとどうなの?
国産車でジムニーのライバル車種がいくつか存在しており、他のSUVと比較してみましょう。
■スズキ ジムニーシエラ
スズキ ジムニーシエラ
スズキ・ジムニーシエラは普通車サイズ版のジムニーで、WLTCモード燃費をチェックしてみると、5速MTが15.0km/Lで4速ATだと14.3km/Lとなっています。
ジムニーと比較すると、AT車は燃費値が並んでいますが、MT車はジムニーよりも少し低い数値となっています。エンジン排気量が1.5Lであることを考慮すると、かなり健闘しています。
見た目の印象からもお気づきかもしれませんが、ジムニーシエラとジムニーの違いは、拡大されたオーバーフェンダーやバンパーなどの外装パーツと、排気量が大きなエンジン程度で、車体はどちらも共通です。
ジムニーシエラは、よりワイドなトレッドで安定感がありつつ、高速域でも余裕のある排気量の大きなエンジンで、よりオールマイティに使い倒せる万能感がありますね。
■スズキ ハスラー
スズキ ハスラー
スズキハスラーは、コンパクトタイプのクロスオーバーSUVになります。ファンキーな外観のインパクトが強めですが、全車でマイルドハイブリッドシステムを搭載しているなどエコな面もあります。
WLTCモード燃費を確認してみると、自然吸気エンジンの2WD仕様が25.0km/L、4WD仕様が23.4km/L、ターボエンジンの2WD仕様が22.6km/L、4WD仕様が20.8km/Lと、ジムニーとは桁違いの低燃費性能が実現されています。
ハスラーはマイルドハイブリッドによる回生機構を備えているので、減速時に発電した電力を加速時に使用することができます。コンパクトにまとめられたシステムなので、ボディサイズに制限のある軽自動車にもぴったり収まって、広々とした室内空間も実現しています。
■ダイハツ タフト
ダイハツ タフト
ダイハツ タフトは、ハスラーと同様のクロスオーバーSUVで、5ドアの便利さがありながら、車両重量は最上級グレードとなるGターボの4WD仕様でもジムニーよりもひとまわり軽い890kgとなっています。
WLTCモード燃費をチェックしてみると、タフトは自然吸気エンジンの2WD仕様が20.5km/L、4WD仕様が19.7km/L、ターボエンジンの2WD仕様が20.2km/L、4WD仕様が19.6km/Lと、先ほどご紹介したハスラーには及ばないものの、それでもジムニーよりもかなり低燃費となっています。
タフトはハイブリッドエンジンや回生ブレーキを備えていませんが、アイドリングストップ機能が付いているほか、パワートレイン全体の走行抵抗を低減した設計となっており、重量がかさむハイブリッドシステム用のバッテリーなどを積まないで低燃費を実現しています。
■【番外編】ランドクルーザープラドの燃費
トヨタ ランドクルーザープラド
ランドクルーザープラドは大型のクロカンSUVで、ジムニーよりも乗用車っぽさもあるスタイルながら、ジムニー同様にラダーフレーム構造によって過酷なオフロードもこなす実力派です。
搭載されるエンジンは2.7リッターの直列4気筒ガソリンエンジンか、2.8リッターの直列4気筒クリーンディーゼルエンジンで、どちらもジムニーより排気量が数倍大きいエンジン。車重も全てのグレードで2トンを超えており、いかにもクロカンSUVといったスペックとなっています。
WLTCモード燃費をチェックしてみると、ガソリン車が8.3km/Lとさすがの超高燃費、クリーンディーゼル車も11.2km/Lと、ガソリン車よりはマシとはいえ、現代の基準ではかなりの燃費の悪さに変わりはありません。
大柄なボディサイズを活用してガソリンタンク容量は87リッターと超巨大なので、高燃費であっても航続距離は稼がれている点は、砂漠やジャングルの奥地などでも活躍するランドクルーザープラドらしい部分といえそうです。
【豆知識】燃費を向上させるコツを押さえてエコドライブ
スズキ・ジムニーXC
車が一番多くの燃料を消費するのは、停止状態から発進する時で、AT車であればブレーキを離すと、クリープ現象で車が動き出します。クリープ現象で車体が動き出した後にアクセルを踏むようにすれば、ガソリン消費を抑えることができます。
スムーズに流れている道で走行する時に減速と加速を繰り返すと、無駄に燃料を消費してしまいます。空いている道であれば、アクセルを軽く踏み続けて一定速度で走行するようにしましょう。
エンジンブレーキを使用すると、一時的にエンジンに送られる燃料がカットされて空気だけが送られる仕組みになっています。エンジンブレーキを活用すれば、ガソリンの消費量を抑えることができます。
車の燃料は走行距離に比例して消費されるので、最短距離のルートを選ぶことも燃費向上につながります。出発前にきちんとルートを確認して、走行距離が短くなるように計画を立てましょう。
空気圧が低くなってタイヤと路面の抵抗が大きくなると、無駄に燃料を消費してしまいます。燃費向上のためにはこまめにタイヤの空気圧をチェックするようにしましょう。給油の際にガソリンスタンドで空気圧をチェックしてもらうことができます。
まとめ
スズキ ジムニー
SUVのジムニーは、燃費が悪いというイメージを持っている方が多いかもしれません。最新型のジムニーは燃費性能が大幅に向上していて、コンパクトカーに匹敵するほどの省エネ設計となっています。
SUVの購入をお考えの方は、ジムニーも候補に入れてみると良いでしょう。
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よくある質問
■ジムニーの4WDは燃費に悪影響なの?
スズキ ジムニーの4WDシステムは、4Lレンジを備えた機械式副変速機を持つ本格的なもので、四輪全てでトラクション性能が必要なとき以外は後輪駆動の2WDとして走行することができます。そのため、普段ドライのオンロードを走っている際には、高効率な走りが可能になっています。
■ジムニーはどうして車重が重めなの?
オンロードではかかることのないほどの強い荷重がかかることもしばしばなオフロード走行を想定したジムニーは、ボディやシャシーの強度がかなり贅沢に稼がれています。本格派クロカンSUVの証とも言えるラダーフレーム構造は、強度に優れる反面重量が嵩みます。また、機械式副変速機を持つパートタイム4WDシステムなども、車重が重めな一因でしょう。