デビューから6年とは思えない?!まだまだ現役のレクサス NX
レクサス NX
全世界的に流行の続くSUVジャンルにおいて、高級車ブランド「レクサス」では、大小あわせて4車種ものSUVがラインナップされています。セダンとクーペはそれぞれ3車種ずつしか販売されていないことを考えれば、今やSUVはレクサスの大黒柱とも呼べるでしょう。
そんな充実したレクサスSUVラインナップの中で、中核を担っているのが、NXです。より大型のLXやRXよりも親しみやすいお値段で、よりコンパクトなUXよりも硬派なSUVらしいデザインと室内空間の余裕があるNX。
発売が2014年7月、現在販売されている外観に変わったマイナーチェンジも2017年9月と、既にモデルライフ終盤に達している感がありますが、現在でもレクサスの販売台数でランキング上位に食い込むことがあるなど、安定した人気を誇るSUVです。
そんなNXの魅力について、項目別に詳しくご紹介していきます。
■レクサスNXの魅力① 躍動感のあるエクステリアデザイン
レクサス NX
レクサスというと、車両フロントに大きく構えた「スピンドルグリル」や、フルLEDで鋭い形状のヘッドランプ・テールランプだけに目が行ってしまいがちですが、NXのエクステリアの魅力はディテールだけに留まりません。
前後フェンダーの張り出しや短めのオーバーハングによって、SUVながらかなりスポーティな印象を与えるボディは、レクサスラインナップの中でも特徴的なもので、街中での注目度も高いことでしょう。
また、ルーフラインが後席の頭上付近までせり上がっていく形状となっていることで、前方に飛びかかりそうな躍動感と、室内空間の両立を果たしています。
ボディカラーの選択肢が非常に豊富で、オレンジやレッドといった明るい色が豊富に用意されていることもNXの特徴です。よりスポーティなFスポーツ仕様でしか選べない特別色も含めると、全12色から選ぶことができます。
■レクサスNXの魅力② レクサスらしい上質なインテリア
レクサス NX インテリア
もちろんNXはレクサスの一員ですので、インテリアの上質さも忘れていません。NXでは大人5人がゆったり乗ることのできる空間が確保されています。
ダッシュボードはステッチ入りのソフトパッドで覆われて上質な印象を与えるほか、センターコンソールは金属調の力強い造形となっており、高級感とSUVらしさのコントラストが感じられます。
センターコンソールのアームレスト前方に設置された小物入れは、フタの裏がミラーになっているという隠れた機能性も。サンバイザーのバニティミラーを使うよりも手軽に使えて好評とのことです。
豊富な種類から選べるオーナメントパネルやインテリアカラーで、オーナーの個性をとことん追求できるのも、プレミアムブランドのSUVならではの魅力です。
■レクサスNXの魅力③ SUVらしからぬ走行性能
レクサス NX ”Cool & Bright”
SUVなら走行性能は多少妥協して当然だよね、とお考えの方は、NXを運転すると驚かれるかもしれません。
NXは、全高1.65mのSUVでありながら、車両応答性についてこだわって開発されています。それは開発陣が「目指したのはスポーツカーの応答性」とまで言い切るほどです。ドライバーのステアリング操作に対して車がリニアに応答することを意識したセッティングを極めることで、SUVながら不安のないドライブが可能です。
また、スポーティグレードの「Fスポーツ」では、より走り重視の専用チューニングサスペンションなどの装備によって、さらに極まった走行安定性を楽しむことができます。
2.0リッターターボと2.5リッターハイブリッドの余裕のある出力も相まって、ロングドライブも楽々こなせるSUVになっています。
■レクサスNXの魅力④ 充実のユーティリティ
レクサス NX 荷室
SUVは様々なシーンで使われるため、乗員空間の広さと同時に、荷室の広さも大事ですよね。NXの荷室は段差や出っ張りの少ないフラットな空間になっており、リアシートを立てたままでもゴルフバッグが4個収納できるほどの大容量となっています。
後席は6:4の分割可倒式になっており、さらに荷室を広げることも可能。上級グレードのバージョンLやFスポーツではハンズフリーパワーバックドアが標準装備に、またバージョンLでは運転席か荷室内のスイッチ操作でシートを格納できる電動格納機能も標準装備になるなど、高級車らしい電動装備にも抜かりがありません。
トヨタの新型ハリアーと徹底比較!ぶっちゃけどっちがイケてる?
トヨタ ハリアー 新型
ここまではNXの魅力について詳しく見てきましたが、実際に購入するとなると、デビュー直後のハリアーと比るとどうなんだ?という点が気になる方も多いのではないでしょうか。
サイズが近く、性格的にも似ているこの2台。ここからは、様々な視点で、NXと新型ハリアーを比較してみたいと思います。
■【トヨタ ハリアー vs レクサス NX】デザイン編
デザインは人によって好みの分かれるところですが、並べて見ても、NXとハリアーはそれぞれの世界観がしっかり表現されており、サイズとSUVであること以外ではこれといって共通点が見当たりません。
トヨタ ハリアー 新型
NXはレクサスらしい押し出しの効いたデザインになっており、反対にハリアーは迫力はありつつもエレガント指向なデザインになっています。
どちらがお好みかは人それぞれですが、ハリアーの車両全体が後方に向かっていくにつれ絞り込まれていくボディと並べると、NXのデザインはやや古さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
レクサス NX Fスポーツ
ただし、NXにおけるFスポーツのようなスポーティグレードは、ハリアーには現状設定されていません。Fスポーツ仕様の内外装にわたる特別なデザインは、所有欲をより満たしてくれることでしょう。
■【トヨタ ハリアー vs レクサス NX】インテリア編
どちらも洗練された印象のインテリアを持つNXとハリアー。大きな違いは、インテリアカラーの選択肢の多さに現れます。
レクサス NX Fスポーツ インテリア(“Fスポーツ”専用ホワイト)
NXはプレミアムブランドらしく豊富なバリエーションが用意されており、オーナーの好みにあった色や素材のインテリアを追求することができます。
色調が豊富なことも特徴的で、定番のブラックや茶系以外にも、白系、赤系などもあり、加えてFスポーツ専用カラーも4色用意されるなど、バリエーションが豊富。助手席前方やドア上部に取り付けられるオーナメントパネルも、グレードごとに二種類から選択できる点も見逃せません。
トヨタ ハリアー 新型 インテリア (ブラウン)
ハリアーでもインテリアカラーは選択できるのですが、ブラックとブラウンともにシートカラーは黒で、その他にはグレー色しか選べないなど、選択肢の豊富さではNXに敵いません。
注目に値するのは、輸入車でよく見られ、ここ最近は国産車でも装着率が一気に増えた印象もあるインテリアイルミネーションの有無。ハリアーではベースグレードのSでもカップホルダー部のダウンライトなどが標準装備になっており、爽やかなクリアブルーで照らされます。
残念ながらNXにはインテリアイルミネーションの設定がどのグレードにもなく、夜のドライブなどではやや寂しい室内になるかもしれません。
■【トヨタ ハリアー vs レクサス NX】装備・実用性編
レクサス NX インフォテイメントシステム
NXはデビューから時間が経っているとはいえ装備内容はハリアーに見劣りせず、ヘッドライトもテールライトもフルLEDであるほか、先行車や対向車などに対して遮光できるアダプティブハイビームシステムも上級グレードで標準装備されます。
また、トヨタ系の車で装備が遅れていたApple CarPlay・Android Autoに対応した10.3インチワイドディスプレイのナビが全グレード標準装備されている点もうれしいところ。
ただし、逆に考えれば、ハリアーの装備に対してNXが抜きん出た部分が少ないことも事実。近年のトヨタ・レクサスでは、車両価格の高低を問わずにどんどん先進装備の装着が進められていることもあり、運転支援機能などにおいても、オプションか標準装備かの違いこそあれ、大きな差は見受けられません。
トヨタ ハリアー 新型 調光パノラマルーフ
また、ハリアーにあってNXにない装備といえば、量産市販車世界初と話題になった「調光パノラマルーフ」でしょう。ハリアーのZグレード以上にオプション設定されるこのパノラマルーフは、スイッチ操作、または音声操作で透明度が瞬時に変更可能。NXにも日本車としては珍しくパノラマルーフのオプション設定があるのですが、ハリアーのものと比べるとやや見劣りしてしまいそうです。
室内空間に関しては、室内長でNXが20cmほど長いこと以外は大きく変わりません。また、NXとハリアーは外形寸法では似ていますが、ハリアーがより絞り込みのきいたデザインであることも影響してか、定員乗車時にハリアーでは3個しか積めないゴルフバッグがNXでは4個積めるなど、荷室の使い勝手ではNXのほうが上回りそうです。
■【トヨタ ハリアー vs レクサス NX】価格編
レクサス NX300 インストゥルメントパネル
ここまでの比較で、NXとハリアーのどちらがお気に入りかだんだんと定まってきたのではないでしょうか。しかし、実際に車を購入する際に一番気になるのは、価格ですよね。2台の新車価格を詳しく見ていきましょう。
やはり、NXはレクサス車だけあって、エントリー価格からかなり高めに設定されています。ただし、ナビやパワーバックドアなど、ハリアーではメーカーオプションであったり、上級グレードのみ標準装備であったりする装備が、NXでは全グレード標準装備だったりする点は考慮が必要です。
また、NXにおけるターボとハイブリッド、2WDとAWDは、ハイブリッドは約60万円ほど高価に、AWDはさらに約30万円ほど高価になるので、ターボ仕様の2WD車がリーズナブルに購入できる狙い目かもしれません。
NXの新車価格では、最もベーシックな2.0リッター ターボエンジンのNX300 ベースグレード・2WDで税抜き4,132,728円、2.5リッター ハイブリッドのNX300h ベースグレード・2WDで税抜き4,718,182円となっています。
トヨタ ハリアー 新型(プロトタイプ) インストゥルメントパネル
それではハリアーはといえば、かなりインパクトのある値付けになっています。割高になりがちなハイブリッド車でも、新型になって初めて設定された2WD仕様のハイブリッドがエントリー価格を下げています。
ハリアーでもハイブリッド車は約60万円、4WD車は約20万円ほど高価になりますので、グレード選びだけでなく、パワートレイン選びも重要になってきます。
ここで重要なポイントは、ハリアーのガソリンエンジンは自然吸気エンジンということ。最高出力を比較すると、ハイブリッド車のシステム最高出力が218PS(2WD)であるのに対し、ガソリン車は171PSと、燃費だけでなくパフォーマンスでもやや見劣りするのは否めないでしょう。
ハリアーの新車価格では、最もベーシックな2.0リッター ガソリンエンジンのハリアー S ガソリン・2WDで税抜き2,718,182円、2.5リッター ハイブリッドのハリアー S ハイブリッド・2WDで税抜き3,254,546円となっています。
■結論:やっぱりハリアー強し?!NXも独自の魅力がある
トヨタ ハリアー 新型
ここまで見比べてくると、やはりデビュー6年目というNXはそろそろプレミアムブランドとしての優位性が薄れつつあるように感じられるかもしれません。ハリアーの装備内容がかなり充実していることもあり、装備表とスペックだけを見比べるとハリアーがかなり割安に感じてしまいますよね。
しかし、NXとハリアーでは、スペック表に表れない乗り心地や目指す運動性能に違いがあることも事実。ゆったりとした高級感をお求めならハリアー、キビキビ走りたいとお思いの方はNXと、選び分けることができるかもしれません。是非双方を試乗してみてから決めていただきたいところです。
また、NXは、「レクサスというブランドの車種である」という強みもあります。やはりレクサスのバッジには高級なイメージがありますし、レクサス店舗でのサービスも、他とは違った一段上のおもてなしを受けられることを考えれば、NXの車両価格の高さも少し納得できるかもしれません。
■レクサス NXとトヨタ ハリアー スペックまとめ
レクサス NXのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,640mm×1,845mm×1,645mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,660mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,760kg | |
燃費 | WLTCモード:17.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒 2,493cc | |
エンジン最高出力 | 112kW(152PS)/5,700rpm | |
エンジン最大トルク | 206N・m(21.0kgf・m)/4,400-4,800rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | フロントモーター:105kW(143PS) | |
モーター最大トルク | フロントモーター:270N・m(27.5kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 5,190,000円(消費税込) |
トヨタ ハリアーのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,740mm×1,855mm×1,660mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,690mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,620kg | |
燃費 | WLTCモード:22.3km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒 2,487cc | |
エンジン最高出力 | 131kW(178PS)/5,700rpm | |
エンジン最大トルク | 221N・m(22.5kgf・m)/3,600-5,200rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | フロントモーター:88kW(120PS) | |
モーター最大トルク | フロントモーター:202N・m(20.6kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 3,580,000円(消費税込) |
ハリアーについてもっと詳しく知りたい方はこちら
そろそろ囁かれる次期型NXの噂… 判明している次期型の詳細
NXが長寿モデルであることは既にお伝えしていますが、そろそろ次期型の噂も聞こえてきます。
現時点で判明している情報と、ここ最近のトヨタ・レクサスの動向から予想される次期型NXについてまとめていきます。
■次期型NXは、4グレードで登場?!
GA-Kプラットフォームを採用しているRAV4 PHV
現行のNXは近年トヨタ・レクサスが推進している「TNGA」に基づかない旧式のプラットフォームですので、次期型NXでは、新型ハリアーやRAV4が採用している「GA-Kプラットフォーム」を利用し、高剛性・低重心でさらに走行性能を向上させて登場することが期待されます。
レクサスに限らず、新型車の発売前に、車名が商標登録出願されることで判明してしまうことはよくあることですが、NXの場合も既に次期型と思われる車名の商標登録出願がされていることが判明しています。その商標によれば、次期型NXは下記の4グレードで登場することが予想されています。
・NX450h+
・NX350h
・NX350
・NX250
レクサス車は仕向地に応じてエンジン種類を使い分けるため、この4グレード全てが日本向けに登場するとは限りませんが、非常に興味深い情報となっています。
このうち「NX450h+」の「+」は、国内で発売後にすぐ売り切れてしまったことで話題になったRAV4 PHVのようなプラグインハイブリッド仕様のこととみられており、4.5Lガソリンエンジン相当の出力であることを示すとみられる「450」と併せて、かなりのハイパフォーマンス仕様となりそうなことが期待されます。
また、非プラグインのハイブリッド仕様と思われる「NX350h」、ガソリンエンジン仕様の「NX350」も、現行のNX300h・NX300よりも出力レベルを示す数字が大きくなっており、より高出力化がなされることが予想されます。
■最新レクサスのトレンドから予測、次期型NXの特徴は?
レクサス NX
レクサスラインナップの中での次期型NXの立ち位置を予想するのに考える必要があるのは、2018年に発売されたレクサス最小SUVの「UX」の存在です。
現行NXがデビューしたとき、レクサスには比較的大型のSUVしかラインナップがなく、NXは「レクサス初のコンパクトクロスオーバーSUV」として登場しました。大きさ的にはそこまでコンパクトではありませんが、「レクサスSUVのエントリーライン」として登場したということです。
しかし、現在はエントリーラインにUXが存在するため、次期型NXはより上級志向になり、UXとの差別化が図られるものと予想されます。既にご紹介したグレード名からもわかるとおり、よりハイパワーなパワートレインが搭載されるとみられることからも、ボディサイズの大型化がされる確率はかなり高そうです。
装備としては、次期型NXではそろそろ運転支援システム「レクサスセーフティシステム」のアップデートが期待されます。既に現行NXでレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)とレーントレーシングアシストが搭載されていますが、LSに搭載されているようなレーンチェンジアシストなどの先進機能の搭載が期待されます。
UXについて詳しく知りたい方はこちら
まとめ
レクサス NX
長期間にわたって安定した人気を誇るプレミアムSUV、レクサス NXについてご紹介してきました。
人気の理由は、デザイン、装備、走行性能、それぞれが高度にバランスされた完成度の高さにありそうですね。また日本の道路事情的にも、NXのサイズは大きすぎず扱いやすい点も人気の理由のひとつでしょう。
新型ハリアーとも比較しましたが、そろそろ現行型もモデルライフ終盤。近く登場が噂される次期型NXが、新型ハリアーが霞むほどの魅力的でスタイリッシュなSUVであることも期待したいですね。