スズキ ソリオの先進的ハイブリッド、その高性能をご紹介!
スズキ ソリオ ハイブリッド
トヨタが初代プリウスで市販車として先鞭をつけた、モーターでガソリンエンジンをアシストするハイブリッドシステムは、今や各メーカーからたくさんの搭載車がラインナップされており、様々な車型でハイブリッドによる低燃費を得ることができるようになっています。
そんな中、トールコンパクト市場では、トヨタがハイブリッドを搭載できていないのに対してスズキのハイブリッド攻勢が際立っています。元来のユーティリティ性の高さから人気を博しているソリオに、マイルドハイブリッドだけでなく、モーター走行が可能な本格的ハイブリッド仕様までラインナップしているのです。
しかも、最上級の1グレードだけハイブリッド化するようなセコい設定ではなく、現在のソリオではガソリンエンジン仕様が1グレードしかないのに対して、ストロングハイブリッドとマイルドハイブリッドがそれぞれ2グレードずつ用意されるなど、今やハイブリッドこそがラインナップの主役となっています。
ソリオのハイブリッドの魅力について詳しく見ていきましょう。
■【マイルドハイブリッド仕様】低燃費とお財布への優しさを両立
スズキの軽自動車にも続々と採用されている、ISG(モーター機能付発電機)を使ったマイルドハイブリッドシステムは、ハイブリッドらしい低燃費とコストパフォーマンスの高さを両立している点が人気のポイントです。
ハイブリッドシステム関連部品をコンパクトにまとめることで、ガソリンエンジン仕様と変わらない室内空間や荷室床下のサブトランクを確保しつつ、2WD車のJC08モード燃費で27.8km/Lという低燃費を実現。
2020年9月現在、燃費情報サイト「e燃費」調べの実燃費平均値では、 2WD車で17.01km/Lという結果が出ており、室内空間のゆとりや、燃費に不利となる箱型のボディスタイルを考えればかなりの大健闘と言えるでしょう。
悪天候にも安心な4WD仕様が選択可能なこともマイルドハイブリッド仕様の特権。またトランスミッションはCVTを使用しているので、滑らかな変速が可能になっています。
マイルドハイブリッド仕様では、減速時に回収したエネルギーは発進加速時にエンジンをアシストするのに使えるのみで、走行中にエンジンを停止させてモーターだけで走行するEV走行はできないのですが、ISGの利点として、停車中のアイドリングストップからエンジンを再始動させる際にキュルキュルいわない静かな発進が可能になっています。
スズキ ソリオ マイルドハイブリッド仕様のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,710mm×1,625mm×1,745mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,480mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 950kg | |
燃費 | JC08モード:27.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒 1,242cc | |
エンジン最高出力 | 67kW(91PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 118N・m(12.0kg・m)/4,400rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 2.3kW(3.1PS)/1,000rpm | |
モーター最大トルク | 50N・m(5.1kg・m)/100rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT |
■【ストロングハイブリッド仕様】グングン加速できるソリオに!
スズキではEV走行が可能なソリオのハイブリッド仕様を「ハイブリッド」と呼称していますが、本項では便宜上、「ストロングハイブリッド」と呼ぶこととしますのでご了承ください。
先行してラインナップされていたマイルドハイブリッド仕様に対して、出力が向上した駆動用モーターと、容量を増やしたより高電圧のバッテリーを搭載して、さらなるパワフルな走りを可能にしたのがストロングハイブリッド仕様。発進加速時のモーターアシストに加えて、モーターのみでのEV走行まで可能になっています。
ガソリンエンジンはマイルドハイブリッド仕様と同一の高効率エンジン「デュアルジェット」ながら、JC08モード燃費は32.0km/Lと、一段上の低燃費を実現しています。
2020年9月現在、燃費情報サイト「e燃費」調べの実燃費平均値は17.30km/Lと、マイルドハイブリッド仕様と比べて差が小さい印象ですが、燃費は利用シーンによっても大きく変動するもの。より高出力のモーターの強みが活かせるストップ&ゴーが連発する市街地などでは、もっと大きな差がつくことでしょう。
また、燃費を重視しただけのハイブリッドではない点もストロングハイブリッド仕様の特徴。トランスミッションに5速のAGS(オートギヤシフト)を採用しており、オートマチック限定免許で運転可能ながら、マニュアルトランスミッション車のようなキビキビとした変速が楽しめます。
AGSを装備した既存の車では、変速時のシフトショックが気になるという声も聞かれましたが、ストロングハイブリッド仕様では、AGS変速時のショックをモーターの出力制御によって帳消しにするという、ハイブリッド仕様であることを乗り心地にまで最大限活かした仕上がり。
ストロングハイブリッド仕様では、つい遠出したくなるような力強い走りも楽しめそうですね。
スズキ ソリオ ストロングハイブリッド仕様のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,710mm×1,625mm×1,745mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,480mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 990kg | |
燃費 | JC08モード:32.0km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒 1,242cc | |
エンジン最高出力 | 67kW(91PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 118N・m(12.0kg・m)/4,400rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 10kW(13.6PS)/3,185-8,000rpm | |
モーター最大トルク | 30N・m(3.1kg・m)/1,000-3,185rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 5速AGS(オートギヤシフト) |
■スズキ ソリオのハイブリッド仕様とガソリン仕様、価格差は?
スズキ ソリオ ハイブリッド
燃費は良くても、同等のガソリン車との差額は節約したガソリン代だけで回収できないじゃないか!という声は、プリウスの生まれた頃からハイブリッド仕様についてまわる非難の声。
ソリオでは、ガソリンエンジン仕様もラインナップされていることから、ハイブリッドとの価格差についてはよりシビアに検討せざるをえませんよね。
この点、ソリオのガソリンエンジン仕様は、ソリオ全体でもエントリーグレードとなる「G」しかなく、エントリーグレードだけあってかなり装備が削られているので、公正に比較することはやや困難ではあるのですが、2020年9月現在の税抜き新車価格としては、G 2WDが1,351,000円、マイルドハイブリッドのハイブリッドMX 2WDが1,577,000円、ストロングハイブリッドのハイブリッドSXが1,870,000円となっています。
単純な価格差としては、マイルドハイブリッドに乗るためには+約25万円、ストロングハイブリッドに乗るためには+約60万円という差額となっています。ガソリンエンジン仕様の実燃費が約16km/Lと健闘していることもあり、やはりガソリン代だけで差額の元を取るのは難しそう。
しかし、この差額には、ガソリンエンジン仕様ではオプション選択すらできないフロントシートSRSサイドエアバッグや、車速連動式オートドアロック、ステアリングオーディオスイッチなど、数々の安全装備や便利装備の追加費用をも含んでいる点を考慮することが必要です。また、価格差の大きめなストロングハイブリッド仕様は、比較したガソリン仕様とマイルドハイブリッド仕様の2グレードとは異なり、予防安全装備パッケージ「スズキ セーフティ サポート」が標準装備されています。
なので、実燃費の差はおまけ程度に思っておいて、装備の充実した上級グレードとしてハイブリッドを見れば、グレード間の差額がより納得しやすいのではないかと思います。
ライバルのトヨタ ルーミーと燃費比較!その差はいかに?
トヨタ ルーミーカスタム
トールコンパクトカークラスで、ソリオとガチンコのライバルなのがトヨタ ルーミー。室内長ではソリオに譲るものの、ソリオよりもワイドなボディを活かしたより大きい室内幅を誇るなど、かなりの接戦です。
ルーミーは、ダイハツ トールのOEM供給車ということもあり、トヨタで販売されてはいますがハイブリッドシステムは搭載しません。それなのにソリオと並んでもいい勝負のカタログ燃費値を実現しているのは、ソリオが1.2リッター 直列4気筒エンジンを搭載しているのに対して、ルーミーは1.0リッター 直列3気筒エンジンと、より小排気量のため。
その分動力性能面では、ガソリンエンジン仕様で比較してもより大排気量のエンジンを持つソリオが圧倒。ハイブリッド仕様になるとその差は開くばかりです。
ルーミーにはターボ搭載の上級グレードもあるのですが、そちらを選ぶと今度は燃費値がグンと下がってしまうので、帯に短し襷に長しという印象も。
スズキ ソリオ ハイブリッド
新車価格ではソリオよりも低価格路線で攻めるルーミーですが、実燃費としてはやはり厳しいものがあります。
2020年9月現在の「e燃費」調べでの実燃費平均値では、ノンターボ仕様でも14.06km/L、動力性能でソリオに近づくターボ仕様では12.52km/Lとなっており、ソリオと比べるとやや前時代的と言わざるを得ません。
これは、ルーミーの動力性能がソリオ比で低いことも関係していると思われます。アクセル開度が少なくて済むソリオと、大きめに踏み込まなければならないルーミーでは、ベースのガソリンエンジン仕様で対決してもソリオに軍配が上がるのは当然。
またルーミーの車重が、より軽量なノンターボ仕様であっても、ソリオで最も重いストロングハイブリッド仕様比で80kgも重くなっている点も、より燃費悪化に拍車をかけるポイントでしょう。
価格だけで比べるとルーミーに魅力を感じてしまいそうですが、長い目で見れば、ソリオ、特にハイブリッド仕様を選ぶ方が、より快適かつお得なカーライフを送れそうですね。
トヨタ ルーミーのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,700mm×1,670mm×1,735mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,490mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,070kg | |
燃費 | JC08モード:24.6km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒 996cc | |
エンジン最高出力 | 51kW(69PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 92N・m(9.4kgf・m)/4,400rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,700mm×1,670mm×1,735mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,490mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,100kg | |
燃費 | JC08モード:21.8km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ターボ 996cc | |
エンジン最高出力 | 72kW(98PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 140N・m(14.3kgf・m)/2,400-4,000rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT |
魅力的なスズキ ソリオ ハイブリッドの新車価格まとめ
スズキ ソリオ ハイブリッド
ハイブリッドの種類別に分けて、2020年9月現在の税抜き新車価格をご紹介します。
まずマイルドハイブリッド仕様は2グレードあり、より廉価なハイブリッドMXが2WDで1,577,000円、4WDで1,694,000円です。ハイブリッドMXは「スズキ セーフティ サポート」が標準装備されていないので、メーカーオプション装着するとそれぞれ1,657,000円と1,774,000円となります。
マイルドハイブリッド仕様で上級グレードとなるハイブリッドMZでは、2WD仕様で1,810,000円、4WD仕様で1,927,000円。こちらはスズキ セーフティ サポートが標準装備されます。
ストロングハイブリッド仕様も同じく2グレードあり、廉価なハイブリッドSXは1,870,000円。ストロングハイブリッド仕様では4WDが選択できないほか、スズキ セーフティ サポートは両グレードで標準装備されます。
そしてより上級のストロングハイブリッド仕様、ハイブリッドSZは、ソリオの最高価格でもある2,018,000円となります。差額は大きいのですが、その分標準装備も非常に充実。差額分の幸せを見出せるかどうか、慎重にご判断していただければ間違いないと思います。
お買い得車多数!スズキ ソリオ ハイブリッドの中古車価格まとめ
スズキ ソリオ ハイブリッド
ソリオは大人気車のため、中古車の在庫も非常に多くなっています。様々な装備仕様の車両があるので、ニーズにぴったり合う車両を見つけやすくなっているのもポイント。
2020年9月現在の中古車平均価格では、現行モデルのソリオは税抜き1,298,182円(バンディット含む)となっており、意外と値崩れしていないなという印象を受けます。
車両価格が高めのストロングハイブリッド仕様は在庫数が34台と少なめで、お好みの仕様が見つけにくくなっているかもしれません。価格帯としても100万円は切らないのすが、ストロングハイブリッド車は標準装備が充実しているので、意外とお得感は高めかもしれません。
マイルドハイブリッド仕様になると在庫数は422台と一気に増え、価格帯もグッと広がる印象。最安では約72万円以下から在庫があるなど、お伝えした優れた実燃費を考えると、購入費用でも節約、維持費でも節約でき、かなりのハイコスパファミリーカーとして活躍してくれることでしょう。
まとめ
スズキ ソリオ ハイブリッド
もともと非常に高いレベルのユーティリティ性に、ハイブリッドで低燃費性能までも身につけたソリオ。
トヨタのルーミーやタンクなどといったライバル車による包囲網を敷かれてはいますが、独自の突き抜けた魅力を持った一台として、これからもヒットし続けることでしょう。また、セカンドカーとして、アシ車として、中古車でお得に手に入れてしまうのも賢い選択です。
ソリオ ハイブリッドの低燃費で浮いたお金で、ご家族でちょっと贅沢する機会も増えてしまいそうですね。