フレンチ・シックが満載の車たち。シトロエンの魅力をご紹介
シトロエン アミ(欧州仕様)
デザインにこだわりのある欧州車メーカーの中でも、個性的でアクが強いのに、おしゃれデザインとして成立させてしまう高いデザイン力を持つ会社が、シトロエンです。
歯車のパターンをモチーフにした、「へ」を2つ重ねたようなエンブレムを見ずとも、独特な感性でまとめられたデザインは一目でシトロエンと分かるもの。
一体どこがシトロエン車の魅力なのでしょうか? 3点に絞ってご説明します。
■おしゃれな内外装デザイン!
シトロエン DS(1958年型 シトロエンDS 60周年ミーティング 参加車両)
なんといっても、シトロエンの魅力を語る際に欠かせないのは、独自の世界観を持つデザインです。
技術面での先進性もシトロエンの特徴ではあるのですが、それを隠さないボディの未来的な仕上がりは、シトロエンの伝統とも言えるもの。
古くはDSなどに見られる、まるで宇宙船のような仕上がりは、シトロエンの代名詞の一つとなっています。
シトロエン C6(2006年型)
近年でもC6などはシトロエン・ワールドの極まった外装で、凹面のリヤウィンドウなど、他では見られない特徴的なものでした。著名人のオーナーも多かったそうで、世界的にも認められた高いデザイン性です。
ここ最近では、一気にSUV系車種への集中が見られるシトロエンですが、2段構成のヘッドライトや大胆な2トーンカラーなど、外観の個性はそのまま。眺めても楽しめる車が、シトロエンなのです。
■まるで雲の上を走るよう!独特の乗り心地
シトロエン C5 エアクロスSUV(欧州仕様)
先ほどご紹介したDSは、デザインの先進性もさることながら、金属バネの代わりに空気バネとオイルを用いた先進的すぎる「ハイドロニューマチック・サスペンション」を搭載しており、その後のシトロエンの代名詞となる優れた乗り心地を実現していました。
まるで雲の上を走るような、路面の衝撃を完璧にいなしてくれるサスペンションは、多くのシトロエン・ファンを作り出しました。
シトロエン C6 ハイドラクティブIIIプラス イメージ
ハイドロニューマチック・サスペンションは、信頼性や整備性でやや劣ることから、近年では一般的な金属バネを採用しているシトロエンですが、それでも独特の乗り心地は健在。
揺れないのに、コーナリングでも破綻しない。シトロエン・ワールドは、乗り心地にまで及びます。
■欧州車らしい機能性の高さ
シトロエン C4ピカソ(2015年型)
デザインだけ優先していてはスーパーカーになってしまいますので、大衆車たるもの、高いデザイン性がありつつも、実用性も兼ね備えていなければなりません。
その点もシトロエンは抜かりなし。グランドC4 スペースツアラーに採用されているまるでペンのようなシフトレバーは、高いデザイン性がありながらも、ステアリングから大きく手を離すことなく操作ができるなど、実用性も兼ね備えられていますよね。
シトロエン ベルランゴ(欧州仕様)
他の車種でも、2列目席は左右と中央で同等のサイズが与えられていたり、シートをそれぞれ取り外し可能だったりと、考え抜かれた使い勝手の良さも、シトロエン車の特徴です。
見た目がいいのに働き者だなんて、シトロエンの魅力は留まるところを知りませんね。
シトロエン現行ラインナップをもれなくご紹介!
■シトロエン C3(コンパクトハッチバック)
シトロエン C3 シャイン
退屈なデザインになりがちのコンパクトカーでも、シトロエンの手にかかればこの通り。
見るからに楽しそうなC3は、シトロエンのエントリー車種でありながら、デザインで選びたくなるようなハッチバック車です。
樹脂のプロテクターが前後バンパーやフェンダーアーチに装着されるSUV風味となっており、背が低いハッチバック車ながら、都会派SUVのような存在感を感じさせます。
シトロエン C3 シャイン
2019年シーズンいっぱいで撤退はしてしまいましたが、WRCにもこのC3でワークス参戦。ワイドフェンダーや大型のリヤウィングで武装したC3 WRCは、キュートな表情とのギャップがとても刺激的でした。
2020年9月現在の税抜き新車価格では、廉価なフィールが2,081,819円、上級のシャインが2,309,091円と、およそ輸入車とは思えない低価格となっています。
日本にインスパイアされた専用カラーコーディネートを持つインスパイアード・バイ・ジャパン・コレクションなど、特別仕様車も続々設定されていますので、ぜひ最新情報をチェックしてみてください。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,995mm×1,750mm×1,495mm | |
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ホイールベース | 2,535mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,160kg | |
燃費 | WLTCモード:16.4km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ターボ 1,199cc | |
エンジン最高出力 | 81kW(110PS)/5,500rpm | |
エンジン最大トルク | 205N・m/1,500rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 6速AT | |
新車価格 | 2,309,091円(消費税抜き) |
■シトロエン C3 エアクロスSUV(SUV)
シトロエン C3 エアクロスSUV
キュートなC3が、ググッと大きく成長したのが、C3 エアクロスSUV。車名にSUVと入ることからも明確ですが、高くなった全高にルーフレールまで装着し、一気にSUV風のゴツさを手に入れました。
個性的なデザインはC3にも劣らない独創的なもので、C3では装備されていないリヤクォーターウィンドウを装備し、しかもルーフレールとコーディネートされたストライプ仕上げという、デザインと機能性を両立させた仕上がり。
シトロエン C3 エアクロスSUV
かなり立派なボディに見えますが、全長は4.16m、全幅も1.765mと扱いやすいサイズを維持。背が高くなった分、荷物も人もガンガン積めますので、お仕事用の車にもぴったりかもしれませんね。
2020年9月現在の税抜き新車価格では、廉価なフィールが2,427,273円、上級の車種が2,563,637円なっています。サイズ的に競合する日本車とも十分に戦える、戦略的な値段ですね。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,160mm×1,765mm×1,630mm | |
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ホイールベース | 2,605mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,290kg | |
燃費 | WLTCモード:14.7km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ターボ 1,199cc | |
エンジン最高出力 | 81kW(110PS)/5,500rpm | |
エンジン最大トルク | 205N・m/1,750rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 6速AT | |
新車価格 | 2,563,637円(消費税抜き) |
■シトロエン グランドC4 スペースツアラー(ミニバン)
シトロエン グランドC4 ピカソ(2017年型)
かつてはグランドC4 ピカソと呼ばれていたスペースツアラーは、シトロエン流のミニバンです。
流れるようなボディラインと鋭い眼光の組み合わせはシトロエンらしいユニークさ。後部座席ドアはスライドドアではありませんが、7人乗りのシートは乗員ひとりひとりがくつろげるゆとりがあるなど、ユーティリティ性の高さは国産ミニバンにも劣りません。
シトロエン グランドC4 スペースツアラー(欧州仕様 2018年型)
使い勝手の良さもさることながら、クリーンディーゼルターボのパワートレインも魅力的。多人数に荷物まで満載しても、低回転から力強いディーゼルなら余裕たっぷりです。
2020年9月現在の税込新車価格は、シャイン ブルーHDiのモノグレード設定で420.0万円となっています。
高級車のようなナッパレザーパッケージをオプション装着しても459.5万円。国産ラージクラスミニバンの比較対象として加えてみることをお勧めいたします。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,605mm×1,825mm×1,670mm | |
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ホイールベース | 2,840mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | 1,660kg | |
燃費 | WLTCモード:16.3km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ 1,997cc | |
エンジン最高出力 | 120kW(163PS)/3,750rpm | |
エンジン最大トルク | 400N・m/2,000rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 3,818,182円(消費税抜き) |
■シトロエン ベルランゴ(トールワゴン)
シトロエン ベルランゴ
国内ではルノー・カングーの独壇場となっていた、おしゃれ「ゴト車」セグメントに満を持して正規導入されるのが、ベルランゴです。
2019年に先行限定販売として少数が導入されましたが、その抽選応募はかなりの競争倍率となったようで、たったの5時間半で満枠になったそう。カタログモデルとして10月1日に発売されるので、前回買い逃した方でも安心ですね。
シトロエン ベルランゴ
家族を乗せるファミリーカーとして使っても、仕事用に使っても、一人でドライブしても、何をしてもしっくりくる「玄人感」のある仕上がりは、シトロエンならでは。
前後左右どの方向から見ても、一目で分かる個性を備えていますよね。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,405mm×1,850mm×1,850mm | |
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ホイールベース | 2,785mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,630kg | |
燃費 | WLTCモード:18.0km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ 1,498cc | |
エンジン最高出力 | 96kW(130PS)/3,750rpm | |
エンジン最大トルク | 300N・m/1,750rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 3,072,728円(消費税抜き) |
■シトロエン C5 エアクロスSUV(SUV)
シトロエン C5 エアクロスSUV
現在、国内のシトロエンラインナップにおけるフラッグシップとなるのが、大型SUVのC5 エアクロスSUVです。
シトロエンの高級ラインに受け継がれてきた独特な乗り心地を再現した「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」は、路面の不整や荷重移動による大きな入力でも、セカンダリーダンパーを備えることで上手に吸収。シトロエンらしいフラットライドを実現しています。
シトロエン C5 エアクロスSUV
また、シートの仕上がりも秀逸。アドバンストコンフォートシートと名付けられた特製のシートは、シート構造から優れた乗り心地に貢献できるよう最適化されており、乗員全員が快適に移動できる大空間は、もはやシトロエンの新たな高級車なのかもしれません。
今後はシトロエン初のプラグインハイブリッドモデル「C5 エアクロスSUV ハイブリッド」の日本導入も期待されており、目が離せませんね。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,500mm×1,850mm×1,710mm | |
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ホイールベース | 2,730mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,640kg | |
燃費 | WLTCモード:17.1km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ 1,997cc | |
エンジン最高出力 | 130kW(177PS)/3,750rpm | |
エンジン最大トルク | 400N・m/2,000rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 3,981,819円(消費税抜き) |
■【番外編】EVも用意される新型C4、早期導入に期待!
シトロエン C4 新型(欧州仕様)
まだ本国フランスでも発売されていない発表ホヤホヤの新型車が、C4です。
先代まではハッチバック車として設定されてきたC4ですが、3代目となる新型は一気にSUVルックに変貌。それでいてルーフラインは流麗なクーペ風で、さまざまな車型の魅力を凝縮したようなスタイリングとなっています。
シトロエン e-C4 新型(欧州仕様)
また、純粋なEVである「e-C4」が同時に発表されたことも大きなトピック。ついにシトロエンも電気自動車をラインナップし、次世代へと踏み出します。
この秋に欧州での発売が見込まれているC4、シトロエンらしくかなりのスタイリッシュさですので、ぜひ日本にも早期に導入して欲しいものです。
もっとアヴァンギャルドがお好み?高級ラインのDSオートモビルも
DS 3 クロスバック Eテンス(欧州仕様)
当初はシトロエンブランド内での高級ラインだったDSは、現在ではDSオートモビルズとして独立。独自の高級ラインナップで人気となっています。
シトロエンの伝説的な名車、「DS」の名を冠したメーカーですので、もちろん車両の仕上がりはアヴァンギャルドそのもの。こんなデザイン、DS以外だったら絶対にまとめられない!と思うような先鋭的なラインでも、魅力的にまとめてしまう実力を持ちます。
DS 7 クロスバック
現在のDSのラインナップは、小型SUVのDS 3 クロスバックと大型SUVのDS 7 クロスバックの2台。どちらも独特なデザインセンスでまとめあげられた、乗る人を選んでしまいそうな妖艶な車です。
普及価格帯ブランドのシトロエンよりもやや車両価格としても高くはなるのですが、シトロエンの突き抜けたデザインがお好みの方は、DSもぜひチェックしてみてください。
まとめ
シトロエン 19_19 コンセプト
競合の先を行く先進的なメカニズムとデザインで、時代をリードし続けてきたシトロエン。例え自動車にガソリンエンジンが搭載されなくなっても、そのデザインと乗り心地を武器に、活躍し続けることでしょう。
ラインナップを通して、輸入車らしからぬ低廉な価格に設定されていることもシトロエンの美点。ぜひ、次の愛車選びの候補に、シトロエンを加えてみてくださいね。