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レストアとオーバーホールの違いは?徹底解説

レストアとオーバーホールの違いは?徹底解説

多くの人が誤解しているかもしれませんが、レストアとオーバーホールとは意味が違います。今回はこの両者の違いと、レストア本来の意味や、豆知識についてご説明します。

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レストアとは?

初代レンジローバーのフルレストア車

初代レンジローバーのフルレストア車

レストア(restore)とは、英語で元通りにするという意味となります。自動車業界で使用する場合には、経年劣化した車両を修理して新車に近い状態まで復元することを指しますが、特に製造から数十年経過した旧車を復元することを指すケースが多い用語となります。

ヴィンテージカーやクラシックカーなどの旧車は、最新の車にはない魅力がありますが、経年劣化していることがほとんどで、そのままの状態では乗れないケースも少なくありません。

しかし、経年劣化して公道では走れないような状態になった車両でも、レストアを行うことで新車に近い状態まで戻すことが可能となります。

オーバーホールとは?

F6Aエンジンのオーバーホール

F6Aエンジンのオーバーホール

オーバーホールとレストアは混同されがちですが、そもそもオーバーホール(overhaul)とは、分解検査(修理)するという意味の英語となります。自動車業界で使用する場合は、車両の内部パーツを分解して、検査・修理を行うことを指しています。

基本的には、エンジンやトランスミッションなどを分解・洗浄・修理をして、新品と同等の性能を出せる状態にすることをオーバーホールと言うケースが多いです。エンジンやトランスミッションなどのパーツは、金属で出来ているため劣化しにくいパーツではあります。

しかし、製造から長期間が経過すると錆びや汚れによって走行性能が低下することがあるため、定期的なオーバーホールが必要となります。

レストアとオーバーホールの違い

レストアとオーバーホールは、実施する目的に違いがあります。 レストアは、劣化した車両を新車に近い状態まで復元することが目的となります。エンジンなどの内部パーツを修理・交換するだけでなく、内外装も復元の対象となることが多いという特徴があります。

一方のオーバーホールは、分解と洗浄によって新車に近い性能に戻すことが目的となります。基本的には、エンジンやトランスミッションなどの機械系のパーツに対して行われるもので、内外装は対象外となるケースが多いとされています。

この様に、レストアとオーバーホールは実施する目的や、修復対象に違いがあります。

レストアを行う前に

ペイントホールディングス

ペイントホールディングス

レストアを行えば、ヴィンテージカーやクラシックカーなどの旧車を新車同様の状態まで復元することが可能ですが、実施する前に知っておくべき注意点がいくつかあります。

まず、エンジンなどの内部パーツを修理・交換するだけでなく、内外装も行うフルレストアを実施した場合、再塗装によるダメージを受ける可能性があることを知っておきましょう。

フルレストアされた車両は見た目として非常に綺麗になりますが、再塗装する際に元の塗装を剥がす必要があります。元の塗装を剥がすと鉄板が空気に触れることになりますが、一度でも空気に触れた鉄板は新品に比べて品質や耐久性が劣ってしまいます。

また、フルレストアを実施すると、旧車ならではの味わいが損なわれる可能性もあるため注意が必要です。旧車に使われている塗料は、現在では使われていないことも多く、最新の塗料を使うと旧車にはない光沢を放ったり、ツルツルとした質感になることがあります。

また、再塗装をすると見た目が綺麗になり過ぎてしまって、旧車独特の味わいが失われてしまうことがあります。

レストアを行うには?

レストアで有名「郷田鉄金」

レストアで有名「郷田鉄金」

レストアを実施する際は、まず依頼する業者を選定する必要があります。レストアは、オーバーホールとは異なる知識や技術が求められるため、基本的には専門の業者に依頼した方が良いでしょう。

依頼業者が決まったら、作業内容や費用などの計画を立てるための打ち合わせを行います。後述しますが、レストアは高額な費用が掛かるケースも多いため、作業内容や費用について納得がいくまで話し合いを行うことが大切です。

そして、計画が決まったら車両を引き渡して作業開始となり、後は作業が完了するのを待つだけとなります。 なお、レストアが完了した車両は新車に近い状態にはなりますが、定期的なメンテナンスを欠かさず行わないと長く乗ることが出来なくなる恐れがあります。

そのため、納車後の整備についても対応してくれる業者を選んでおくと安心です。

レストアには大きな費用がかかる

レストアの費用は定価があるわけではなく、車両の状態によって大きく左右されます。旧車の中には、すでにレストアされた車両もありますが、その様な場合は、費用は比較的安く抑えることが可能となります。

また、再塗装や錆び落としだけで済んだ場合も費用は安くなる傾向がありますが、エンジンなどの機械パーツを全て交換し、再塗装や錆び落としも実施するフルレストアを行った場合、総額が1,000万円を超えてしまうケースもあります。

費用を掛けようと思えば、いくらでも掛けられるのがレストアで、高級車を新車で購入できる金額になる可能性も十分にあります。その為、業者との打ち合わせを行う際は、あらかじめ予算を明確にしておくことが大切です。

レストアするためにはベース車両が必要

オーバーホール

オーバーホール

レストアを行う場合、専門の業者に依頼するのが基本となりますが、それ以前にまずはベースとなる車両が必要です。手元に長年使用していた車両がある場合は別ですが、レストアを行う最初の工程はベース車両の入手となります。

また、ベース車両は過去にレストアが盛んに行われてきた人気車種情報の方が入手しやすく、交換パーツなども手に入りやすいため、レストアに掛かる費用や時間が抑えることが可能となります。

レストアの事例が少ない珍しい車種を選択するのも一つの手ではありますが、その場合は費用や時間が掛かることを念頭に置いておきましょう。

程度の良いベース車両を探す事がレストアの第一歩

ベース車両を購入する際に最も重要となるのは、車両の状態を確認することです。

最終的な仕上がりや費用はベース車両の状態に大きく左右されるため、ベース車両を購入する際には必ず自分の目で現物をチェックして、錆びや腐食の程度や故障箇所などを確認しておくことが大切です。

特に、錆びや腐食の程度は非常に重要で、エンジンルームやフロアパンなどの重要な部分がひどく錆びていたり、腐食していたりする車両は購入しない方が良いでしょう。

錆びや腐食があっても復元することは可能ですが、後々のトラブルの原因となる恐れがあるため注意が必要です。 程度の良い車両を入手することがレストアを成功させるための第一歩ということを踏まえて、ベース車両を探すことが大切です。

メーカーの行うレストア

ポルシェが933型ターボSをレストア

ポルシェが933型ターボSをレストア

上記の通り、レストアを行う際は専門の業者に依頼するのが一般的です。しかし、近年は自社の車両を長年にわたって乗り続けてもらうために、レストアサービスを実施している自動車メーカーも増えてきています。

例えば、日本メーカーではホンダが初代NSX、マツダが初代ロードスターのレストアサービスを行っているほか、ニスモがスカイラインGT-Rなどのリフレッシュサービスを展開しています。 また、レストアサービスを行っているのは日本メーカーだけではありません。

歴史のあるフェラーリ・ポルシェ・ランボルギーニ・アストンマーチン・メルセデス・BMWといった海外メーカーでもレストアサービス実施を行なっています。

この様に、レストアサービスを行っている自動車メーカーも増えてきているため、サービスの対象となっている車種を選ぶのも一つの手と言えるでしょう。

まとめ

初代ロードスター(NA型)

初代ロードスター(NA型)

レストアは、経年劣化した旧車を新車に近い状態に復元することを指します。廃車同然の車両でも復元でき、公道で走れる状態まで戻すことが可能となります。

状態の程度が良いベース車両を選ぶことがレストアを成功させるポイントとなるため、ベース車両の選定は慎重に行うことが大切な事となります。

費用と時間は掛かりますが、憧れの旧車に乗ることが出来るので、興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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