オープンカーって、どんなクルマ?
オープンカーとは、屋根の開け閉めができるクルマの事を言います。一部、「屋根が無い」クルマもありますが、大部分のオープンカーは屋根の開け閉めができるようになっていて、自分の好きな時に屋根を開けて走る事ができます。
せっかく付いている屋根を、なんで開ける必要があるの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、屋根を開けて走ると、とても気持ちがいいのです。クルマの周りを流れる風を感じながら運転すると、素晴らしい開放感があり、運転がとても楽しくなります。
そんな、もともと楽しいオープンカーの中でも、特に楽しいオープンカーをご紹介します!
今買うべき、楽しいオープンカー 4選!
■マツダ・ロードスター|日本が世界に誇るオープンカー!
マツダ・ロードスター
1989年にデビューした初代ロードスターは、当時、世界的に「オープンライトウェイトスポーツカー」というジャンルのクルマがほぼ絶滅していた事もあり、世界中で大ヒットしました。
ベンツ・SLKやBMW・Z3、ホンダ・S2000、トヨタ・MR-S等、世界中で数多くのフォロワーが登場し、ロードスターの成功は、オープンライトウェイトスポーツカーと言うジャンルを復活させる事になったのです。
しかし、オープンカーやスポーツカーは、それほど沢山売れるクルマではありません。狭い市場に、数多くのモデルが投入されたため、フォローワー達の多くは、販売不振でモデルチェンジをする事なく市場から消えていきました。
そのような状況でも、ロードスターは着実にモデルチェンジを重ね、2016年には累計生産100万台を達成。「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」として、ギネスブックの認定を受けました。
ロードスターの真の偉大さは、初代が大ヒットした事ではなく、着実にモデルチェンジを重ね、30年余りの長期にわたって売れ続けている、という点にあると言えます。
マツダ・ロードスター
ただ、ロードスターのモデルチェンジは、マツダのエンジニアにとっては非常に困難なミッションとなります。ロードスターの真髄は、軽量・コンパクトなボディがもたらす「人馬一体」のフィーリング。モデルチェンジで、この大原則を変えることは許されません。
一方で、最近のクルマは、モデルチェンジの度に、大きく、重くなる事が常識となっています。厳しくなる一方の衝突安全基準をクリアするため、クラッシャブルゾーンを拡大して、結果的にボディサイズが大きくなってしまったり、車体強度を上げるためにボディに補強を入れると車両重量が増加してしまったりと、止むに止まれぬ理由でそうなってしまうのです。
でも、ロードスターは大きく重くできない、そして、ロードスターは誰でも買えるスポーツカーでなければなりません。そのため、莫大な開発費や、高価な材料・技術をバンバン投入する訳にも行きません。様々な厳しい制約の中で、マツダのエンジニアは新型ロードスターを開発しているのです。
2015年から販売されている4代目ロードスターは、最軽量モデルで先代比マイナス120kgと言う、大幅な軽量化を達成しています。
衝突安全基準が厳しくなっている事や、先代に比べ、数々の先進安全装備を新規に搭載している事を考えれば、「マイナス120kg」は非常に驚異的な軽量化を達成した、と言えます。マツダのエンジニアは、ロードスターの命である「軽量・コンパクト・人馬一体」を死守したのです。
マツダ・ロードスター RF
現在、ロードスターには、スタンダードなソフトトップモデルと、格納式のハードトップを持つRFの、2つのタイプが販売されています。
ソフトトップモデルには、132psを発揮する1.5L SKYACTIV-Gエンジンが搭載され、軽量ボディとの組み合わせで、軽快なドライビングが楽しめます。トランスミッションは、6速MTと6速ATの選択が可能です(RSは6速MTのみ)。
販売価格は、ベーシック・グレードの「S」2,365,000円(6MT)から、ビルシュタイン・ダンパーやレカロシートが装備された走り重視の「RS」3,031,000円(6MT)までとなっています。
格納式ハードトップのRFは、184psを発揮する2L SKYACTIV-Gエンジンが搭載され、ハードトップによる快適なドライブと、力強い走りを両立させています。こちらも、トランスミッションは、6速MTと6速ATの選択が可能です(RSは6速MTのみ)。
販売価格は、ベーシック・グレードの「S」3,439,700円(6MT)から、レカロシートが装備された走り重視の「RS」3,546,000円(6MT)までとなっています。
マツダ・ロードスター RF
そして、ロードスターが素晴らしいのは、ロードスターをベースに、数々の楽しいクルマが誕生している、という事です。
運転が楽しい後輪駆動の小型オープンカーで、かつ、それほど高価でないクルマと言うのは、世界中でこれほど沢山のクルマが販売されていても、ロードスターしか存在しません。
ロードスターがあるおかげで、コーチビルダーは様々な個性的なデザインのスポーツカーを企画する事ができ、多くのクルマ好きが、その成果を楽しめるのです。
これは、ロードスターの、世界中の自動車文化への大きな貢献と言っていいと思います。
こんなに素晴らしいオープンカーが、日本のメーカーによって開発され、生産されているなんて、日本人としてとても誇らしいですね!
■ミツオカ・ロックスター|底抜けな自由を楽しめ!
ミツオカ・ロックスター
このスタイリングは、間違いなくロックだ!
個性的なクルマを世に出し続ける光岡自動車の50周年記念モデルが、このロックスター!
アメリカが光り輝いていた時代、路上は屋根を開け放ったスポーツカーで溢れていました。そんな黄金時代のアメリカンスポーツを現代に再現したのが、ロックスターなのです。
ミツオカ・ロックスター
左右が盛り上がり、エアアウトレットが穿かれたボンネットや、広く張り出した美しい真円のホイルアーチが印象的なフロントとリアのフェンダー、丸目4灯のブレーキランプが懐かしいリアエンドなど、アメリカンスポーツを忠実に再現したボディパネルは、熟練した職人による手作り。
ハイレベルなデザインと、手作りとは思えない素晴らしいボディの生産精度があいまって、もはやベース車がなんなのかすら分かりません。というより、最初からこのデザインで発売されたクルマのような錯覚すら覚えます。
ミツオカ・ロックスター
種明かしをすると、ミツオカ・ロックスターのベース車は、なんと4代目マツダ・ロードスター!
パワーユニットやサスペンションは、ロードスターの1.5L ソフトトップモデルをそのまま流用しており、信頼性を心配せずに、誰でも気軽にこの素晴らしいデザインを楽しむ事ができます。
唯一残念なのは、このロックスターが限定200台生産で、既に完売してしまっている事。2018年の発売と同時に注文が殺到し、あっという間に完売してしまったそうです。今から手に入れたい方は、中古車を探すしか手がありません。
大いに話題になった限定車ですので、中古車価格にはプレミアムがついている可能性もあります。
しかし、ミツオカは200台限定で、これ以上の追加生産は無いと明言しているので、次に手放す際には、さらなるプレミアムがついている可能性もあります。欲しいと思った人は、出物が出た瞬間に決断を下す事をお勧めします。
■ミツオカ・ヒミコ|優雅さ極まる!現代のクラシックカー!
ミツオカ・ヒミコ
一度みたら忘れられない、誰の視線も釘付けにしてしまうクルマ、それがミツオカ・ヒミコです。
長大なボンネットの後端にコンパクトに収まるキャビンという、典型的なショートデッキ・ロングノーズのスタイリングは、正にクラシックカーそのもの。
フロントに鎮座する大きなグリルと、大きな円形のライトが、このクルマの存在感を一層際立たせます。
ミツオカ・ヒミコ
実は、このヒミコのベース車も、4代目マツダ・ロードスター。しかし、ヒミコはロードスターの外板をちょこっとイジっただけのような、イージーなクルマではありません。
優雅なクラシックカーのプロポーションを形作るため、なんとホイルベースを60cmも延長!ドアパネル以外の外板は全てミツオカのオリジナルと言う徹底的なモデファイを受けているのです。
ミツオカ・ヒミコ
一から開発すると莫大なコストのかかるヘッドライトは、BMW ミニから流用されていますが、ミツオカの高いデザイン力で、とてもそうとは思わせない仕上がり。
パワーユニットやサスペンションは、こちらも4代目ロードスターのコンポーネントがそのまま流用されています。そのため、故障の心配をする事なく、この優雅なスタイリングを楽しめます。
車重が、ロードスターから100kg以上重くなっているので、多少、動力性能が気になるかもしれません。ですが、このヒミコは、峠道をしゃかりきになってとばすクルマではなく、優雅にドライブを楽しむクルマ。そいいう事は気にしないで、楽しんでいきましょう。
ミツオカ・ヒミコ
ロックスターとは違い、ヒミコは限定車ではありません。なので、欲しいと思ったら、新車をミツオカにオーダーする事ができます。ボディカラーは、標準の7色に加え、オプションで30色!ものバリエーションから選ぶ事ができます。
ただ、ヒミコはほぼ手作りで作られているクルマゆえ、月の生産台数は頑張っても2〜3台との事。今、オーダーしても、納車まで相当な期間待たなければならないかもしれません。でも、その時間も楽しんで待つような心の余裕が欲しいクルマだと思います。
誰も乗ってないクルマが欲しい!そうお考えのあたなに、ヒミコは唯一無二の選択肢を与えてくれます。
■フィアット・アバルト 124スパイダー|イタリアの熱き魂は日本産!
アバルト 124スパイダー
国産車なのに、イタリア人の誇りである「アバルト」のサソリマークが貼られている不思議なクルマ。それが、「アバルト 124スパイダー」です。
イタリアのフィアットは、かつて「124スパイダー」という小型オープンカーを販売しており、大いに人気を博していました。また、アバルトがラリー仕様を制作、WRC(世界ラリー選手権)に参戦し、フィアットのイメージリーダーの役割も果たしていました。
アバルト 124スパイダー
フィアットは、スポーティなクルマが不足している自社のラインナップを鑑みると、124スパイダーのような小型オープンカーを販売したいと思っていました。
しかし、FFのプラットフォームしか持っていないフィアットが、一からFRのオープンカーを開発すると、開発費がかさんで、とんでもなく高価なクルマになってしまいます。
もともと、スポーツカーやオープンカーはそんなに台数が売れるクルマではありませんから、自社開発は困難だったのです。そんな時に、フィアットの頭に浮かんだのは、世界中で100万台も生産されている小型オープンスポーツカーがあるじゃないか!という事でした。
そうです、マツダ・ロードスターをベースに、新しい124 スパイダーを開発すれば、かなりリーズナブルな価格で販売する事ができます。
という事で、フィアットのラブコールに答えて、フィアットとマツダは技術提携を開始、新しい124スパイダーをマツダが日本の広島で生産される事になりました。
アバルト 124スパイダー
日本で販売されていた124スパイダーは、最もスポーティなアバルト仕様。なので、正式なモデル名は、「アバルト 124スパイダー」となります。
ロードスターとの最大の違いは、フィアット製の「マルチエア」の1.4L直列4気筒ターボエンジンが搭載されている事。最高出力は170psと控えめですが、ターボ加給の恩恵で、22.5kgmという分厚いトルクを低回転から発生します。
自然吸気エンジンのロードスターには無い分厚いトルクで、アバルト 124スパイダーはパンチの効いた加速を楽しめます。車重は1060kgと、ロードスター比で大幅に増加している訳ではなく、アバルトの名に恥じない動力性能を、アバルト 124スパイダーは手に入れています。
アバルトによってチューンされたサスペンションは、ダンパーにビルシュタインを採用。トルセンLSDも装備され、ターボエンジンの分厚いトルクで、リアタイヤのスライドを自由自在にコントロールする、積極的なドライビングが可能です。
ロードスターがベースであっても、アバルトの血が入ると、アバルト 124スパイダーはイタリアらしい熱い走りのスポーツカーに生まれ変わるのです。
アバルト 124スパイダー
イタリアと日本の理想のコラボレーションと言えるアバルト 124スパイダーですが、残念ながら、フィアット・クライスラー・ジャパンは2020年での販売停止をアナウンスしています。
現在、広島のマツダ本社工場で、アバルト 124スパイダーの新規生産は行われておらず、新車はごく少数の流通在庫のみと考えられます。
ただ、発売が2016年と、比較的新しいクルマである事から、コンディションのよい中古車を探す事は可能と思われます。
アバルト 124スパイダーを欲しいと思われた方は、中古車サイトを丁寧に探してみて下さい。納得の1台が、今なら入手可能かもしれません。
まとめ
楽しいオープンカーの世界、いかがでしたか?あなたの心に響くクルマは見つかりましたか?興味のあるクルマがあれば、是非、詳しく調べてみて下さい。そして、是非オープンカーを買ってみて下さい。クルマの運転が、ますます気持ちよくなりますよ!