憧れの外車の中でもやっぱり高級感はセダン!走行性能も抜群
メルセデスベンツ Sクラス 新型(海外仕様車)
4枚のドアと、独立したトランクによる3ボックスの形状が特徴のセダンタイプ。普通車でも軽自動車でも、全高が高めの車が流行している現代では、やや貴重な存在となりつつありますね。
自動車の普及から近代に至るまでは非常に重要な車型で、他の車型がブームを巻き起こしても絶えない需要を謳歌していたのですが、ここ最近では特にセダンの不振、セダン離れが頻繁に取り沙汰されています。
高級感のあるスタイルと、車体剛性を確保しやすく低重心なボディによる安定した走行性能はセダンに備わる美点なのですが、どうしてもユーザーの年齢層が高めのイメージがあるほか、落ち着いたデザインが多かったイメージもあるかもしれませんね。
最近ではそんなVIP向け車両としてもSUVやミニバンが使われる例が増えており、セダンはますます窮地に立たされています。
そんな後のない状況だからこそ、これまで通りのセダンの魅力は持ちつつも、新たな魅力を多数持ち合わせているのが現代のセダン。ユーティリティ性では譲るものの、こんな魅力があるならセダンを選んでもいいかも!と思わせてくれるほどに革新的な存在へと変化してきています。
そこで今回は、おすすめの輸入セダン3台をご紹介していきます。セダンらしからぬトガった魅力を持つこれら3台、もしかすると見逃してしまっていたかもしれませんよ。
今こそ買いたい最新輸入セダン3選はこれだ!
■【ボルボ S60】シャープなデザイン、なんと全車ハイブリッド!
ボルボ S60
ボルボというとやはりステーションワゴン、近年ではSUVのXCシリーズのイメージが強いという方も多いかもしれませんが、ボルボの乗用車製造の歴史中で、初期から途切れることなくラインナップされてきたのがセダンです。
そんなボルボのセダンの最新モデルが、筋肉質なボディも精悍なS60。ボルボ車に共通するトールハンマーを備えたLEDヘッドライトなどを持ちつつも、他モデルと比べてコンパクトさが感じられるデザインが特徴的です。
ボルボ S60 インテリア
ファミリーフェイスが確立されているボルボの車だけに、内外装ともに独自要素は薄めとも言えますが、魅力的なデザインだけに不満点とはならないはず。意外と大きめのサイズ設定が多いボルボ車の中で、全幅が1,850mmに抑えられている点は、デザインと実利の両立に成功していると言える点ですね。
スカンジナビアンデザインを感じさせる、ボタンが削減された水平基調のミニマルなダッシュボードは、落ち着いたルックスが魅力的なだけでなく、車両前方の見晴らしの良さもポイント。着座位置が低めとなるセダンながら、運転のしやすさに貢献しています。
ボルボ S60 スウェーデン・オレフィス社製クリスタルのシフトセレクター
品の良いウッドなどのデコラティブパネルが装着されるほか、上級モデルではクリスタルが輝くシフトセレクターが装備されるなど、インテリアへのこだわりはボルボの大きな魅力の一つ。
特にシートの仕立ての良さは国際的な評価を受けているポイントで、長時間移動でも疲れない、適度な張りと独特の形状は、一度体験した方は離れがたい魅力かもしれませんね。
ボルボ S60
2019年11月に発表された日本仕様ではガソリンエンジン仕様もラインナップされていたのですが、現在ではグレード展開が変わり、なんと最も廉価なB4 モメンタムを含めて全車でハイブリッド化。48Vマイルドハイブリッドと、低燃費にパワフルさまで兼ね備えたプラグインハイブリッドの2本立てとなるS60。
新世代ボルボのシャープなルックスだけでなく、環境性能でもつい人に自慢したくなってしまうような、先進的な仕上がりとなっています。
ボルボ S60のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,760mm×1,850mm×1,435mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,870mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,030kg | |
ハイブリッド燃費 | WLTCモード:13.7km/L | |
等価EVレンジ | WLTCモード:45.1km | |
電力量消費率 | WLTCモード:4.13km/kWh | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンターボ+スーパーチャージャー プラグインハイブリッド 1,968cc | |
エンジン最高出力 | 186kW(253PS)/5,500rpm | |
エンジン最大トルク | 350N・m(35.7kg・m)/1,700-5,000rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター搭載数 | 2基(フロント1・リヤ1) | |
モーター最高出力 | フロント:34kW/2,500rpm リヤ:65kW/7,000rpm | |
モーター最大トルク | フロント:160N・m/0-2,500rpm リヤ:240N・m/0-3,000rpm | |
システム最高出力 | 340PS | |
駆動方式 | 電気式四輪駆動(AWD) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 7,263,637円(消費税抜き) |
ボルボ S60の新車・中古車価格まとめ(2020年12月調べ)
税抜き新車価格帯:
約453万円(B4 モメンタム)〜726万円(リチャージプラグインハイブリッドT6 AWD インスクリプション)
中古車在庫台数: 248台
中古車平均価格: 468.5万円(現行モデル)、125.0万円(二代目)、59.6万円(初代)
中古車本体価格帯: 368.0〜599.0万円(現行モデル)
■【キャデラック CT6】大味?むしろ濃い味のアメリカンラグジュアリー
キャデラック CT6(海外仕様車)
世界的な高級車ブランドであり、アメリカを代表する自動車メーカーの一つ、キャデラック。近年では本国や日本国内でもSUVの人気が顕著になっており、セダン系のフェードアウトがだんだん進行しているなどもしていますが、それでも大型セダン「CT6」の魅力は褪せません。
一時はFF化・小型化が進行し、ブランドアピールも低下したキャデラックですが、2000年代で後輪駆動車に回帰するとともに「アート&サイエンス」のテーマのもと先鋭的なデザインを採用。ブランド支持層の若返りを追求していますね。
キャデラック CT6
2019年5月から日本に導入されている最新型のCT6では、縦型のヘッドライト・テールライトモチーフを採用していたそれまでのキャデラック車とは決別した新たなデザインへ刷新。
シグネチャーでもある縦方向のラインは残りつつも、新たに横方向にも広げられた造形のライト類は、2016年に米・ペブルビーチにて発表され好評を博したコンセプトカー「エスカーラ」のデザインの承継でもあり、ワイド感を感じさせるとともに先進的な印象も与えますね。
キャデラック CT6 インテリア
輸入車で先進技術が満載といえばドイツ車、というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、CT6では最先端の車作りも特徴的な部分。V6エンジンは気筒休止も可能、AT段数は10速、シャシーにはアルミをふんだんに用いて軽量化と、メカ面だけでも見所が満載。
さらにBOSE社によるアクティブノイズキャンセレーション機能を備えたプレミアムオーディオや、もはやタブレットを思わせる10.2インチのフルHD解像度センターディスプレイ、充実の予防安全装備など、欧州や日本のライバルでもかかってこい!という気概が感じられる装備内容は、価格に相応しいプレステージなものですね。
キャデラック CT6
本国仕様では、高度なハンズオフ運転を可能にする最新の運転支援システム「スーパークルーズ」が最上級仕様となる「プラチナム」に標準装備されるなど、日本国内とはまた違った商品展開もされているCT6。
日本仕様はその最上級仕様「プラチナム」のみの導入となっており、完全通信型ナビとして世界初の自律航法マップマッチングに対応するなどの先進的装備や、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストが標準で備わるものの、肝心のスーパークルーズの設定はありません。
法規対応や型式認定などの壁を乗り越え、将来的なスーパークルーズの国内導入にも期待がかかりますね。
キャデラック CT6のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,230mm×1,885mm×1,495mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 3,110mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,950kg | |
燃費 | - | |
エンジン種類 | V型6気筒ガソリン 3,649cc | |
エンジン最高出力 | 250kW(340PS)/6,900rpm | |
エンジン最大トルク | 386N・m(39.4kg・m)/5,300rpm | |
駆動方式 | 全輪駆動(AWD) | |
トランスミッション | 10速AT | |
新車価格 | 9,500,000円(消費税抜き) |
キャデラック CT6の新車・中古車価格まとめ(2020年12月調べ)
税抜き新車価格: 9,500,000円(プラチナム)
中古車在庫台数: 38台
中古車平均価格: 734.4万円
中古車本体価格帯: 508.0〜1,045.5万円
■【マセラティ ギブリ】フェラーリ製エンジンを味わえるのは残り僅か?
マセラティ ギブリ
イタリア・モデナを本拠するスポーツカーメーカーとして、すでに100年を超える長く厚い歴史を持つマセラティ。
スポーティな運転感覚や刺激的なエグゾーストノートを備えた乗用車作りにも定評がありますが、近年ではブランドの主力は、同社初のSUVである「レヴァンテ」に移行した感もありますね。
しかし、セダンも負けてはいません。同社でエントリークラスに据えられるギブリは、輸入セダンとしてもボリュームゾーンに位置付けられるクラスに相当しますが、ライバルにはない独特なイタリアンフレーバーを備えた快速セダンとして存在感を発しています。
マセラティ ギブリ エンジンルーム
ライバルの欧州高級車ブランドでは、エントリークラスのセダンはDセグメントのFR系、はたまたCセグメントのFF系に移行していますが、ギブリはEセグメントに相当する全長約5m級。
それでいてベースグレードとなる「ギブリ」では、同社の乗用車としては画期的な1,000万円切りのスタート価格が魅力的です。
マセラティの魅力の一つは官能的なエンジンであり、ギブリのV型6気筒ガソリンエンジンでもその魅力は健在。吹け上がりの軽さとパワー感を両立した仕上がりは、セダンボディながらクーペを思わせる「アクセルを踏みたくなる」仕上がりですね。
マセラティ ギブリ インテリア
そのエンジンは、開発はマセラティながら、製造をかのフェラーリが担当しているという貴重なユニット。しかしフェラーリは、2021年から2022年を目処にマセラティへのエンジン供給が終了となることをすでに発表しており、同V6エンジンが味わえるのもあまり長くはなさそうな見通しです。
新型レヴァンテを皮切りに自社製エンジンにアップデートされていく見通しとなっており、今後もマセラティらしいスポーティなエンジンが保たれるのかどうか、注目ですね。
マセラティ ギブリ
欧州製のセダンらしく、ディーゼルエンジン搭載車も用意されるギブリ。メーカーとしてのマセラティは大きな変革期にありますが、2013年デビューとやや古さも見えてきたギブリも、細かなアップデートの繰り返しで現代的な競争力を維持しています。
とはいえ、次期モデルの噂などはあまり聞こえてこないギブリ。
国内ではあまり販売台数の多くないイタリア車の中でも独特な妖艶さを持つマセラティ、しかもあえてセダンで楽しめるのは、もしかするとそう長くないのかもしれず、今が買い時かもしれませんね。
マセラティ ギブリのスペック
ボディサイズ(全長×全幅(サイドミラー含まず)×全高) | 4,985mm×1,945mm×1,485mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 3,000mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,030kg | |
燃費 | - | |
エンジン種類 | V型6気筒ガソリンツインターボ 2,979cc | |
エンジン最高出力 | 316kW(430PS)/5,750rpm | |
エンジン最大トルク | 580N・m/2,250-4,000rpm | |
駆動方式 | 全輪駆動(AWD) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 11,227,273円(消費税抜き) |
マセラティ ギブリの新車・中古車価格まとめ(2020年12月調べ)
税抜き新車価格帯:8,909,091万円(ベースグレード)〜11,227,273円(S Q4)
中古車在庫台数: 174台
中古車平均価格: 530.5万円(現行モデル)
中古車本体価格帯: 348.0〜1,230.0万円(現行モデル)
まとめ
ジェネシス ニューヨーク コンセプト(ニューヨークモーターショー2016 出展車両)
輸入セダンの最新おすすめ車を3台ご紹介してきました。
定番輸入車ブランドのメルセデスベンツ、BMW、アウディをあえて外した3台をご紹介してきましたが、セダン離れが叫ばれる現代でも、意外と選択肢がたくさん残されていることがお分かりいただけたかと思います。
背の高い車が街中にあふれる今、あえて低く構えたセダンを着こなせば、注目の的となれることでしょう。