軽自動車の定義
軽自動車の定義とは?
軽自動車は日本の法律で定められている自動車の規格のひとつで、ボディサイズが「全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下」かつエンジン排気量は660cc以内であることが軽自動車と認められるための条件です。この他にも乗員人数は4名までの車が対象で、5名以上は軽自動車の区分から外れるなどの細かい条件が設けられています。
自家用の普通乗用車のナンバープレートは白が一般的ですが、軽自動車の場合は黄色になるため、公道を走っている車はナンバープレートを見るとすぐに見分けられます。
軽自動車の燃費が良い理由
なんで燃費が良いの?
軽自動車は燃費の良さが大きなメリットのひとつです。なぜ普通乗用車と比べて燃費が良いのか、4つの理由をご紹介します。
■コンパクトなボディサイズ
軽自動車の車体はコンパクトに作られているため、ボディサイズが大きい車と比べて風などの影響を比較的受けにくい傾向にあります。そのため、走り出すために必要な力が普通乗用車よりも少ない場合が多く、結果的にガソリンの消費も抑えられます。
■軽量な車体
軽自動車は普通乗用車に比べると使われている金属も少ないことから車体も軽量になり、燃料の消費を抑えやすくなります。一般的に自動車の燃費は基本的に軽いほど良くなるため、大型自動車>普通乗用車>軽自動車>二輪自動車(バイク)の順に燃費が良くなり、使用する燃料も少なくなります。
同じ原理で乗車人数が多かったり、荷物を多く積んでいたりするほど発進に要するガソリン量は増えるので、燃費を悪くさせないためには「車体を軽くする」ことを重視しましょう。
■小型のエンジン
軽自動車のエンジンは排気量が必ず660cc以下に抑えられるため、発進に大きなパワーや燃料を必要とするエンジンを積んでいるケースはそれほど大きくありません。小型のエンジンであるほどガソリンの消費量も少なくなり、燃費性能が上がります。
しかし馬力が小さいからこそ本来の性能以上の力で走ろうとすると大量のガソリン消費を招いてしまい、燃費効率が大幅に悪化する場合もあるので注意が必要です。
■ハイブリッド車はさらに燃費が良い
ガソリンと電気を併用して走行するハイブリッド車は、軽自動車の中においても特に燃費の良さが際立つ車です。
車の中に組み込まれているモーターが発進や加速時にガソリンエンジンのアシストをすることで、ガソリンの消費を抑えることができます。
燃費の悪い軽自動車の特徴とは
ムーヴ カスタム
軽自動車は燃費の良い車種が多い傾向にあるものの、中には燃費が悪いものもあります。燃費性能を重視して選ぶなら、次のポイントに注目すると燃費の悪い車種を避けやすくなるでしょう。
■ボディサイズが大きい
車のボディサイズが大きいと、発進するために大きなエネルギーを必要とします。
軽自動車の規格の中にギリギリ収まるサイズの自動車と、楽に収まるコンパクトなサイズの自動車では燃費性能も異なる場合が多いので、ボディサイズは意識しておきたいポイントです。
■小型エンジンなのにパワフル
小型のエンジンを搭載しているにも関わらず車そのものが持つ走行性能がパワフルだと、車の性能を最大限に引き出すためにエンジンをフル回転させなければなりません。
排気量の小さなエンジンで大きな力を引き出すためにはガソリンの消費も自然と増えるので、軽自動車であるからこそかえって燃費は悪くなってしまう場合もあります。
軽自動車の燃費を知るには実燃費も重要
近年では新車の購入を検討する際にメーカーの公式サイトなどで諸元表を参照する方法が一般的になり、「カタログ燃費」を知っておこうと考える方は多いでしょう。「ガソリン1リットルでどのくらいの距離を走行できるか」を記したカタログ燃費は、大まかな燃費を知る上ではたしかに参考になる数値といえます。
しかし実際の燃費は路面状況や天候、走行スピードなどさまざまな条件に左右されるため、カタログ燃費だけを一概に信用しすぎるのはあまりおすすめできません。「最高条件で走ったときに出る、その車の燃費の最高値」と捉えると良いでしょう。
燃費を事前に調べるなら、カタログ燃費と併せて実燃費もおさえておくとより実際の走行を具体的にイメージできます。
「その車が実際に公道を走ったときの燃費性能」が実燃費なので、一般的にはカタログ燃費よりも燃費が落ちるケースが多いでしょう。車種や測定条件にもよりますが、実燃費はカタログ燃費よりも10km/L前後低くなるケースも少なくありません。
おすすめの燃費が良い軽自動車 5選!
ここからは、おすすめの燃費が良い軽自動車を厳選して5種類ご紹介します。(燃費表記はすべてWLTCモード)
■スズキ アルト
スズキ アルトX
スズキの「アルト」は2WD・CVTモデルが25.8km/Lを記録しており、実走行でも高い燃費性能を期待できるでしょう。現行のアルトは2014年に登場したモデルであり、「環境に配慮しながら、さらに便利で楽しいクルマを実現する」というコンセプトとともに開発された「スズキグリーンテクノロジー」が燃費向上に大きく貢献しています。
減速する際に発生するエネルギーを蓄電して発電に利用するガソリン消費を抑える「エネチャージ」や、減速時に13km/h以下になると自動的にエンジンが切れる「新アイドリングストップシステム」など、環境に優しく燃費を高めるためのさまざまな工夫が凝らされています。
■ダイハツ ミラ イース
ダイハツ・ミライース
ダイハツの「ミラ イース」は2WDの「L」と「B」グレードが、25.0km/Lの高い燃費性能を記録しています。一般的には2WDよりも燃費性能が落ちる傾向にある4WD車でも23.2km/Lなので、新車を購入するなら4WDを選びたいという方にもおすすめです。
ダイハツのエコ技術である「イーステクノロジー」は「低燃費でもストレスの溜まらないクルマに」というコンセプトのもと、低燃費を実現しながらスムーズな加速も両立しています。
■スズキ ワゴンR
スズキ ワゴンR
スズキの「ワゴンR」は「HYBRID FZ」「HYBRID FX」の2種類のハイブリッド車が25.2km/Lの良好な燃費性能を誇ります。
軽自動車は開発費などの関係でガソリン車が多く開発されており、ハイブリッド車の選択肢は普通乗用車ほどありませんが、ワゴンRは「マイルドハイブリッド」なのでハイブリッドの低燃費とガソリン車のパワフルな走行性能の良い部分をどちらも享受できます。
■スズキ ハスラー
スズキ ハスラー
スズキの「ハスラー」は「HYBRID G」「HYBRID X」の2つのグレードで25.0km/Lの低燃費を記録しています。11種類の豊富なカラー展開から選べる遊び心のあるデザインが人気で、老若男女問わず愛されているモデルです。
インテリアカラーもバーミリオンオレンジ、デニムブルー、グレーイッシュホワイトの3種類から選択できるなど、デザイン性と燃費を両立したい方におすすめの一台といえるでしょう。
■ダイハツ ムーヴ
ムーヴカスタム
ダイハツ「ムーヴ」は「特別仕様車 X“リミテッドⅡ SA Ⅲ”」「X“SA Ⅲ”」「X」「L“SA Ⅲ”」「L」の5つのグレードの2WD車が20.7km/Lとなります。
ドライバーの乗り心地に配慮された設計が特徴で、ステアリングやペダルが運転しやすいポジションになるように配置されており、運転する人に合わせて細かく位置を調整できるになっているのがポイントです。
まとめ
スズキ ハスラー
軽自動車の燃費についての基礎知識や、おすすめの軽自動車についてお伝えしてきました。ボディサイズが小さく車体の軽い軽自動車ほど燃費が良い傾向ありますが、中には小型のエンジンをフル回転しなければならず、かえって燃費の悪いものもあるので注意が必要です。
軽自動車の燃費はメーカーの公式サイトに掲載されているカタログ燃費だけでなく、実燃費も併せて調べることを忘れないようにしましょう。さまざまな情報を総合的に判断して、燃費の良い愛車を見つけることが重要です。