2021年も自動車業界は進化を続ける!期待の新型車たち

トヨタ カローラクロス
2020年は、さまざまな業界がコロナ禍の多大な影響を受けた年となりました。
もちろん自動車メーカーほどの大企業であってもそれは変わらず、モーターショーで華々しくデビュー予定だった車をオンライン発表のみにしたり、試乗会がなかなか開催できなかったり、2020年内の発表と目されていた新型車が延期されたりなど、影響は甚大でした。
しかし翻って2021年。世界的な電動化シフトや自動運転技術の向上など、変化の時が訪れている自動車は、多数の新型車を投入して進化を続けることが見込まれています。
そこで、今年の新型車で注目したい自動車の技術をまとめてみました。
■期待される新技術① レベル3自動運転の実現

ホンダ レジェンド 自動運行装置構成
レベル3自動運転車がもうすぐ実現する見込みとなっている最新の自動運転技術は、2021年もどんどんと進化していくであろう部分の一つです。
レベル3では、高速道路などの特定条件において、ドライバーの前方注視を必要とせずに車任せで運転ができるようになる高度な自動運転技術。
世界中の自動車メーカーが我先にと技術開発を進めていると思われますが、日本では法整備が迅速に進んだこともあり、2020年度内にホンダ レジェンドに搭載されることで、世界初の量産レベル3自動運転車が実現する見込みとなっています。
2021年以降、国内他メーカーも追随するものと思われます。
■期待される新技術② 電動化適用のさらなる拡大
BMW iX
世界的な電動化シフトの流れは勢いを増しており、純ガソリン車の早期の販売停止が取り沙汰されることも多くなっていますよね。2021年も、数多くのEVやプラグインハイブリッド車が世界中で発表されることでしょう。
現在の所、多数の電池を搭載する分を正当化するためか、EVはプレミアム価格帯に集中しているような印象もありますが、普及価格帯のEVの登場にも期待したい所ですね。
マツダからは、ついにMX-30のEV仕様が2021年に登場予定となっており、価格設定に期待がかかります。
■期待される新技術③ SUVの更なる躍進、スポーツカーの進化

日産 フェアレディZプロトタイプ
ここ10年来のSUVブームはまだまだ落ち着くことはなく、むしろ2021年もSUV増加の勢いは加速していくことでしょう。発表が予想されている新型車の中でもSUVが占める割合は非常に高く、需要の高さを感じさせる部分です。
しかし、あまりにSUVが普及してきていることから、そろそろ単に四輪駆動というだけではなく何か新しい提案のあるSUVが登場してもおかしくないですよね。国内メーカーではクーペタイプSUVのラインナップが薄い印象もありますので、2021年以降、期待してみましょう。
また、2021年も継続してWRCやル・マンなど世界のトップカテゴリーレースに参戦するトヨタをはじめ、既にフェアレディZプロトタイプを発表している日産など、スポーツ性重視の流れも感じられる昨今の日本車メーカーたち。こちらも2021年にどんな新しい流れがあるか、注目ですね。
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■ホンダ ヴェゼル:ティーザー開始中!シャープなスタイルで登場か
ホンダ 新型HR-V(日本名:ヴェゼルに相当) ティーザーイメージ
ホンダのコンパクトSUV、ヴェゼルは、細かな改良が重ねられていることもあって古びていませんが、実は現行型は2013年デビューと既に7年が経過している長寿車。それでもいまだに荷室容量や室内空間の余裕で高い競争力を持つなど、人気のSUVクラスでもまだまだ魅力が衰えていません。
しかし、ついにヴェゼルにも新型の登場が予想されています。現行ヴェゼルは海外市場ではHR-Vと呼ばれているのですが、欧州ホンダが新型HR-Vのティーザーイメージを発表しており、リヤクオーター部分が僅かに見て取れる画像が公開されています。
ホンダ SUV e: コンセプト(北京モーターショー2020 出展車両)
ホンダ SUV e: コンセプト(北京モーターショー2020 出展車両)
顔つきはまだまだわかりませんが、リヤ部分はどうやら去年公開されたコンセプトカー「SUV e: コンセプト」に非常に近い造形となっていそう。もしこのデザインをベースに登場するのなら、現行型ヴェゼルよりも低く構えたシャープな印象となりそうですね。
またメカニズム面では、今回も関連が見込まれるフィットと同様、2モーター式のパワートレイン「e:HEV」の搭載も確実視されており、より高い燃費性能を実現することでしょう。
2021年2月18日にはデザインが公開されることが発表されているので、どんな驚きをもたらしてくれるか、期待したいところです。
■日産 アリア:デザインも性能も、これからの日産を占う試金石
日産 アリア
なんと実際の発売予定の1年も前に発表してしまい、CMにもどんどん登場させるという異例の展開となっている日産の電動SUV、アリア。既に見慣れてきた印象もあるかもしれませんが、2021年についに登場します。
アリアはSUVでもEV化を進める大きなステップであると同時に、日産の新しいデザイン方向を示す重要な車となっており、切長のライト類やLEDによる新たなVモーショングリルの展開、フラットで新鮮な日産エンブレムの採用などまとまりのある印象で、これからの日産デザインにも期待ができますね。
日産 アリア インテリア
ついに人気のSUVジャンルにEVを投入ということで、日本だけでなく世界中から注目されているアリア。リーフで培ったEV技術に加え、新たに前後四輪を独立制御する高度な四輪駆動システム「e-4ORCE」の搭載が発表されているなど、メカ面でも新基軸が目白押しとなりそうです。
やや高めの価格設定となりそうなことが発表されてはいますが、新生日産を牽引する屋台骨となれるか、期待しましょう。
■スバル BRZ/トヨタ 86:人気のクーペはパワーアップして進化

スバル 新型BRZ(北米仕様)
トヨタ 86とスバル BRZは、2012年の登場から今や非常に貴重なコンパクトFRスポーツカーということもあり継続的な人気を維持した稀有なクーペでした。現在も86は販売が続けられていますが、先行して販売を終了したBRZは、すでに米国で次期型を発表しています。
大まかなフォルムは現行型を引き継ぎつつ、より滑らかなカーブをデザインに多く取り込んだ仕上がりとなっている新型BRZは、既に評判も上々。2021年内早期の日本導入にも期待がかかります。
スバル 新型BRZ(北米仕様)
現行型では2.0リッター自然吸気の水平対向4気筒を搭載していますが、新型モデルでは排気量を2.4リッターに拡大。発表された仕様では最高出力 228hp、最大トルク 249N・mと出力を向上させており、現行型で必要十分だった性能にさらに磨きをかけている様子。
また、現行型で弱点とされていた予防安全・運転支援機能も、ついにアイサイトが搭載されることで現代的水準を獲得する見込みとなっており、ますます毎日乗りたくなってしまう仕上がりになっていそうですね。
■三菱 アウトランダー:ググッと大型化!元気のない三菱を救えるか

三菱 新型アウトランダー 開発車両
カモフラージュ越しとはいえ、もはやフォルムだけでなく細かなディテールも観察できるほどのプロトタイプの画像を発表することで、正式発表間近であることをアピールしている三菱 アウトランダー。先行して発表される北米市場向けに、現地時間2月16日にオンラインで発表される予定となっています。
現行型でもダイナミックシールドによる力強い顔つきが特徴的ですが、2段重ねのヘッドライトデザインはさらに鋭さを増し、よりシャープで迫力のあるスタイルが実現されるようです。

三菱 GT-PHEVコンセプト(パリモーターショー2016 出展車両)
公開された開発車両を見ると、ここ数年三菱がモーターショーで発表してきたSUVコンセプトカー群にかなり近いデザインとなっていることが窺えますよね。具体的には2016年のパリモーターショーで発表された「GT-PHEVコンセプト」に、顔つきやフォルムまでそっくりとなっています。
今まではパジェロという兄貴分に遠慮があったかもしれませんが、新型アウトランダーは上級化が進み、サイズも存在感もグンと向上していそうですね。
■トヨタ ランドクルーザー:ついに刷新!日本の誇る本格クロカンSUV

三菱 GT-PHEVコンセプト(パリモーターショー2016 出展車両)
こちらはコンセプトカーも開発車両もまだまだキャッチされていませんが、モデルライフ的にそろそろ新型へのスイッチが噂されているのが、トヨタのフラッグシップSUVであるランドクルーザーです。
もとより各世代が長く愛されるランドクルーザーではありますが、現行モデルは2007年デビューとかなりの古参。現在でも世界トップクラスの走破性能を維持していますが、そろそろモデルチェンジして、新技術によるさらに高い走破性能の実現にも期待がかかりますね。
トヨタ ランドクルーザー ヘリテイジエディション
北米仕様では、2021年型として60年以上にわたるランドクルーザーの歴史に敬意を表したという「ヘリテイジ・エディション」が発表されるなど、同モデルの終焉も近そうなことを感じさせる流れも見られています。
現行型のような大排気量V8エンジンではさすがに環境対応ができず、V6エンジンへダウンサイズされることが見込まれてはいますが、ここ10年で大幅に向上した電子制御技術もあわせて、さらに世界最高峰の悪路走破性と高級感の両立に期待がかかる、新型ランドクルーザーです。
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■メルセデスベンツ Sクラス:世界トップクラスの先進インテリアに注目

メルセデスベンツ 新型Sクラス(海外仕様車)
本国などでは既に発売済の新型Sクラスが、2021年についに日本市場にも導入されます。
言わずと知れた高級車ブランド、メルセデスベンツのフラッグシップだけあって、現在考えうるあらゆる先進機能を満載しているSクラスは、これまで以上に冒険的な内外装がまず特徴的。より低い位置から大きく広がるフロントグリルは、ワイド感と迫力を感じさせますね
メルセデスベンツ 新型Sクラス(海外仕様車) インテリア
特に室内では、これまでのメーターパネルと2枚連続して配置していたインフォテインメントディスプレイを一気に大型化し、指紋認証センサー、顔認証、音声認識を駆使することで個々のドライバーを見分けるという最新型のMBUXを搭載します。
大型化したヘッドアップディスプレイによって、ドライバーからは路面上に行き先案内が表示されているように見えるARナビ機能など、まるで未来の車のような機能も多数実現されていますので、国内での早期登場に期待がかかります。
■フォルクスワーゲン ゴルフ:8代目はベンチマークの座を守れるか?

フォルクスワーゲン 新型ゴルフ(海外仕様車)
フォルクスワーゲンは、こちらも欧州では発売済の新型ゴルフを日本導入する見込みです。8世代目となる新型ゴルフは、これまでの親しみやすい表情から一転、一気に威圧的な目つきとなっている点が特徴的。これまでよりもロー&ワイドな印象が感じられますね。
エクステリアだけでなく、超小型のシフトレバーを新採用するなどインテリアも革新的。それでも使いやすさに十分以上に配慮がされていそうな点は、さすがゴルフ、さすがフォルクスワーゲンといった印象もありますね。
フォルクスワーゲン 新型ゴルフ(海外仕様車)
コンパクトハッチバッククラスで不動のベンチマークとして君臨してきたゴルフだけに、新型でもその地位が維持できるかどうかは期待がかかる部分。特に近年では日本車メーカーも奮闘しており、マツダ3やカローラスポーツは、性能だけでなくデザインでも世界的に評価を受けていますよね。
それらライバルと比較した際に、ゴルフらしい余裕が感じられるかどうか、今から日本導入を楽しみに待ちたいところです。
■オペルの日本再参入:親会社の合併、コロナ禍…予定通り参入なるか

オペル コルサ(海外仕様車)
1899年には自動車製造を始めていたというヨーロッパでも老舗にあたるオペルは、過去には日本国内でも正規販売がされていましたが2006年で一度撤退。コンパクトカーのヴィータなど、大ヒットとなった車種もあっただけに、日本で手に入れられなくなることを悲しむ声が聞かれました。
そんなオペル、近年まで親会社はアメリカのGMだったのですが、GM本体の経営状況があまり好転しないこともあってか、2017年にはプジョーやシトロエンを有するPSAグループに買収されており、ここ数年はグループPSA内のいちブランドとして活動してきました。
その結果もあってか経営判断を転換しており、なんと2021年に日本市場に再参入することを2019年に発表していました。
オペル グランドランドX(海外仕様車)
近年ではシャープなデザインと気の利いた車作りをさらに追求しているオペルですので、日本でも購入できるようになることはファンを非常に喜ばせたのですが、ここにきてその計画がそのまま進むかどうか、やや雲行きが怪しくなってきている印象もあります。
親会社であるグループPSAは、新たにフィアットクライスラーオートモービルズと合併することで、「ステランティス」という巨大自動車連合を2021年1月に構成するなど、オペルに関する経営判断のさらなる見直しがあってもおかしくないことや、2020年から続くコロナの影響もあって、予定通りに日本参入が実現されるかは確実視できない状況となっている様子。
十分な航続距離を誇るコンパクトEV「コルサe」など魅力たっぷりな近年のオペル車ですので、ぜひ予定通り日本でも展開されると嬉しいのですが、続報に注目が必要です。
まとめ

トヨタ GRスープラ スポーツトップ
2021年に入ってからも、世間であまり明るいニュースは聞かれませんが、憧れの新型車は今年も続々登場する見込みとなっています。
これ以上大きな混乱が発生せず、これらの車が順調に発表されることを願うとともに、気兼ねなくショールームやモーターショーで新型車をまじまじと眺められる日々が早く戻ってきてくれることを願いたいですね。