《写真 ホンダ》ホンダ・シビックタイプR(2017年)
FK8 タイプRの記録更新により、勝負がついたと思われたニュルブルクリンク北コース世界最速FF市販車決定戦ですが、ホンダとフォルクスワーゲンにタイムで負けてしまったルノーは、えげつない戦法でタイトルの奪還に動きました。なんと、5人乗りの乗用車であるメガーヌのリアシートと撤去して、2人乗りとした超軽量仕様のルノー・メガーヌRSトロフィーRを投入し、ニュルブルクリンク北コースでのタイムアタックに投入したのです。
ベースモデルよりもなんと130kgも軽量化されたルノー・メガーヌRSトロフィーRは、2019年4月にタイムアタックを敢行し、なんとFK8 タイプRよりも4秒近く速い7分40秒10を記録し、タイトルを奪取しました。
そこでホンダは、FK8 タイプRのファイナルウエポンとも言える「リミテッドエディション」を新たに開発。リミテッドエディションは遮音材の撤去と、専用品のBBS製超軽量鍛造アルミホイールの採用によって、ノーマル比で23kgのダイエットに成功。
さらに、タイヤを「サーキットを走れる公道用タイヤ」でなはなくて、メーカー自らが「公道も走れるサーキット用タイヤ」と宣言しているミシュラン・パイロットスポーツカップ2へ交換。サスペンションもザックス製アダプティブ・ダンバーシステムをパイロットスポーツカップ2に最適化されています。
FK8 タイプR リミテッドエディションでのニュルブルクリンク北コースタイムアタックは、本来であれば2020年中に実施され、世界最速のタイトル奪取が期待されていました。しかし、残念ながら新型コロナウイルスのパンデミックによってホンダ社員の海外出張が厳しく制限されてしまい、タイムアタック自体が延期となってしまいました。
FK8 タイプR リミテッドエディションでのタイムアタックがいつ行われるのか、現時点では全く不明となっていますが、ホンダには困難を乗り越えて、是非「ニュルブルクリンク北コース世界最速FF市販車」のタイトル奪取を実現してほしいですね!
《photo by Honda》ホンダ・シビック・タイプR 改良新型のリミテッドエディション(北米仕様)
FK8 タイプR の中古車価格は、率直に言うと全然安くありません。
2021年3月時点で流通しているタマ数は46台と、特殊なハイパフォーマンスカーとしてはそこそこな台数とはなっています。
しかし、価格は最安の個体でも410万円と、新車価格からそれほど値下がりしていません。最高価格は850万円となっていますが、これは明記はされていないものの、国内200台限定で販売された「リミテッドエディション」と思われます。
また、2020年10月に行われたマイマーチェンジ後のモデルは、最安値で590万円からとなっており、新車価格の475万万円を大きく上回っています。
FK8 タイプR は、もはやシビック・タイプRの伝統とも言えるイギリス工場で生産された輸入車となっています。そのイギリス工場をホンダが閉鎖する事を決定したため、FK8 タイプRは現行型モデルであるのに、新車が販売されていない状況となっています。
そのため、FK8 タイプR を手に入れるには中古車を買うという以外の選択しか無く、その事が中古車価格の高値安定に繋がっていると言えます。
今後のFK8 タイプR の中古車価格の動向は、次期シビック タイプRが販売されるのか、と言う点にかかっています。先代のFK2 タイプRの中古車価格は、限定車だったと言う事もあり一時期高騰しました。
しかし、FK8 タイプR の新規開発がアナウンスされると価格は下落していきました。このようなハイパフォーマンスカーは、やっぱり最新のモデルを欲しがる人が多いからです。FK8 タイプR の中古車価格も、次期モデルの開発が明らかになれば、次第に落ち着いていくものと思われます。
次期シビック タイプRについては、ベース車であるシビックの11代目モデルのプロトタイプが昨年11月に公開されています。噂レベルでは、その11代目シビックをベースにタイプRモデルが開発中、と言う話もあります。仮にその噂話が本当であれば、新型タイプRの発売がアナウンスされた時点で、FK8 タイプRの中古車価格は大きく動くと思われます。
2021年3月時点では、次期シビック タイプRについてはホンダから何のアナウンスもないので、中古車価格も当面は今の水準を保つものと予想されます。
よって、FK8 タイプRの中古車を検討されている方は、「今すぐにタイプRが欲しい!」と思われているのか、あるいは「もう少し様子見でもいいや」と思われているのか、ご自分の「今すぐ欲しい度」で購入時期をお決めになればよいと思います。
FK8 タイプR お買い得に買いたい!と思われているのであれば、新型シビック タイプRの発売が確実になり、価格がこなれた時点で検討されればよいかと思います。ただ、このテのハイパフォーマンスカーって、「ぐぉぉっ!欲しいっ!」って熱く思っている時に買ってしまわないと、そのうち思いが冷めてしまう事も多いですよね。「ほしい時が買い時」とはよく言われますが、シビック タイプRもそうなのかもしれません。
まとめ
シビック タイプRの歴史、いかがでしたか?
初代EK9の最高出力185psから、現行型FK8の最高出力は320psと、同じモデル名のクルマとは思えないほどの進化を遂げていますね!その分お値段も上がっていて、最近のシビック タイプRは維持費も含めて、そう簡単には買えないクルマになって来ました。
現状、新車で買えるシビック タイプRはありませんし、FK2とFK8の中古車はまだまだそれなりのお値段がします。EK9は価格がめちゃめちゃ上がっています。しかし、それ以外のモデルであれば、じっくりと探せばコスパの高い個体が見つかるハズです。
シビック タイプRは、歴代のどのモデルでも「ドライバーに最高のドライビングプレジャーを届ける」というコンセプトは、全く変わっていません。どのモデルに乗っても、心から運転が楽しい!と思えるハズです。
いかがですか?あなたもシビック タイプRの世界に来てみませんか?クルマがもっともっと好きになれますよ!