リースアップとは?
《写真提供:photoAC》リースアップ車とは、なんのこと?
「リースアップ」とは、リース期間が期日を迎えて、契約が満了することを言います。
リースは車両をはじめ機械や品物を指定期間中貸し出す契約であり、その期間を終えると返却されてきます。そして中古市場に売り出されたとき、通常の中古品とは区別して扱われます。一般には、リースアップ品であれば状態が良いもの、魅力ある中古品といったニュアンスで受け止められる言葉です。
■リースの仕組み
リースとは、英語では「賃貸借」を意味する言葉ですが、日本でリースという言葉はもっと限定して「リース会社が個人や企業などに対して、車両や機械を長期間賃貸する」という意味で使われることが多いようです。
よく似ている言葉に「レンタル」という言葉があります。リースと同じように「貸し出す」という行為ですが、レンタルとリースは仕組みが異なります。
レンタルは一般的に、業者がすでに持っているものを貸し出すことを言い、リースは、その利用者が必要とするものをリース会社が代理で購入し、リース会社と契約した利用者がその物品を利用できる契約を指します。
リースで月々支払いをすることは「ローンを支払う」イメージに似ているかもしれませんが、リースの支払いとローンとでは、結果が異なります。ローンは完済後に自分の所有物になりますが、リースはあくまで賃貸借契約ですから、契約満了期間をもって自動的に自分の物にはなりません。
そのようなことから、ローンにより支払う総額と、リースにより支払う総額は、同じ条件で比較すれば、基本的にリースのほうが安く済むはずです。
なお、リースアップした品物は、再度リース契約を結ぶことで利用を継続するか、リース会社へ返却するか、残価設定契約などによっては残金を支払うことで払って買い取るかを選択することになります。
この時、リース会社へ返却するという選択が行われた車両や機械が、リースアップ品として中古市場に売り出されることになります。
■カーリースが注目を集めている!
近年、カーリースというクルマの利用方法が、注目を集めています。これまで主流だった新車や中古車を現金で一括購入する方法や、ローンで購入する方法と比べて、カーリースには独特のメリットがあるからです。
カーリースは、毎月決まった金額を支払う方式が一般的で、新車や中古車を購入する場合と比べて、まとまったお金を必要としません。1年に1回支払うような自動車税(軽自動車税)なども月々の料金に組み込まれています。
こうして支払金額が毎月一定なので、生活設計がしやすく、急な出費が求められるといった事態にも対処しやすくなります。
これまでカーリースというと、法人が利用するケースが大半でしたが、「定額カルモくん」「コスモMyカーリース」「SOMPOで乗ーる」「KINTO」「ピタクル」など、マイカーリースと呼ばれる個人を対象にしたカーリースが多数登場しています。
こうした背景をもとに、リースアップ車の数や種類の幅も多くなり、中古車市場において「リースアップ車を中心に検討する」という選択肢も増えています。
リースアップ車のメリットとデメリット
《写真提供:photoAC》リースアップ車のメリットやデメリットには何がある?
では、一般的な中古車と比べて、リースアップ車にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
■メリット:車両状態がよいものが多く、当たりはずれが少ない
リースアップ車のメリットは、何といってもメンテナンスがしっかりなされていて、状態の良いクルマが多いことがあげられます。
多くの自動車リース契約では、クルマの法定点検や各種メンテナンスの費用が月額料金に組み込まれています。また、メンテナンス費用が入っていない契約でも、比較的割安な料金でメンテナンスのオプションプランが提供されていることが少なくありません。
リースする会社としては、あくまで「貸し出している」車両なわけですから、メンテナンスをおろそかにして商品価値を下げたくはないので、通常よりもずっとお得なメンテナンス契約を提供しているわけです。
ですからリースアップ車は、通常の中古車と比べて、メンテナンスや各種の点検がしっかりと行われていることが多く、同じ走行距離や年数で比べると、比較的状態の良い車両に巡り合いやすいという特徴があります。
また、個人向けのカーリースでは、月間または年間の走行可能距離が設定されていることがほとんどです。
もし走行距離をオーバーすると、追加料金が発生することがあります。過走行になって、クルマの価値が計算よりも下がってしまうとリース会社の損失となるため、走行距離に制限が設けられています。
こうした制限のおかげで、クルマは必要以上に酷使させず、過走行車を生まない仕組みになっています。これらも、良い状態の中古車を生み出すシステムと言えるでしょう。
さらに、リース契約中のクルマはマイカーのように使えても、借りているものであることに変わりはなく、いつかは返さなければならないといった意識も、丁寧に扱うことにつながっているかもしれません。
■デメリット:購入するタイミングで必ずしも出会えるとは限らない
リースアップ車はメリットで紹介したようにコンディションの良いクルマが多く、他の中古車よりも飛び抜けて値段が高くなることもありませんので、すぐに買い手がついてしまいます。
また、目的のクルマが常に売り出されているわけではありませんので、購入するタイミングで希望する車種のリースアップ車に出会うのは難しいともいえます。
どんなポイントに注目して選ぶと良い?
《写真提供:photoAC》リースアップ車のどんなところをチェックするの?
リースアップ車のメリットを最大限に活かして中古車を購入しようとするなら、クルマの状態を見極めることが欠かせません。
しかしプロでもない限り、エンジンや重要なパーツの状態を正確に見極めることは難しいでしょう。では、クルマにあまり詳しくないとしても確かめることが可能なポイントは何でしょうか?
■内装をチェックする!
内装をチェックすると、大まかではありますが、これまでどんな使われ方をしてきたかが分かります。まずは運転席周りを中心にチェックしてみましょう。
内装チェックで気にかけたいのはニオイです。クルマをいかに綺麗に整えても、ニオイは取り切れないことが少なくありません。
ニオイチェックのため、ドアと窓を閉めて確認してみましょう。もし可能なら、エアコンをオンにして、吹き出し口から嫌なニオイがしないかもチェックすると良いでしょう。
とりわけタバコのニオイを苦手としている方は、天井部分にヤニ汚れがないか、シートやフロアマット、フロアマット下のカーペット部分にタバコの灰による損傷はないかなどもチェックするのが良いでしょう。
他にもチェックできるポイントとして、シートのヘタリ・劣化具合があげられます。助手席や後部座席などにも実際に座ってみて、状態を確かめてみるだけでも結構分かるものです。座ってみると、目につく個所も変わるので、外から内装を眺めるだけでなく、座ってみることをおすすめいたします。
その他、動かせる電装品を何でも動かしてみるのもおすすめです。電動格納式ミラー、パワーウィンドウ、ワイパー、カーナビ・オーディオ類など、動きを確かめてみましょう。
■外装をチェックする!
リースアップされたクルマは、原状回復を原則としているため、一般的にはメンテナンスが行き届いていますが、なかには小傷などが残っている場合もあります。ドア角など、乗り降りしなければ気が付きにくいような部分もチェックしてみましょう。
もし可能なら、ボディの下部分を見るのもおすすめです。ピットがあれば便利ですが、フロント・リア・サイドのそれぞれから下をのぞき込んでみて、錆びや腐食がないかを確認します。リース期間が長い車両であれば、マフラーなどに錆が出ていてもおかしくありません。
■記録簿を確認する
クルマの点検や修理の履歴が記録されているものを「記録簿」と言います。
この記録簿をチェックすることで、これまでどんな整備をしてきたか、どのようなタイミングで行ってきたかが分かります。リースアップ車であれば、記録簿にしっかりと記載されていることがほとんどです。
もし、事故に遭ってクルマを修復している場合、その修復歴も記録されています。具体的にどんな修理が行われたのか確認しましょう。エンジンオイルの交換時期や、整備時期から見た走行距離の推移などに注目することもできます。
もちろん、記録簿がなくても安全で状態の良いクルマはありますが、記録簿がしっかりと付けられたクルマであれば、より確実で安心できる材料になるでしょう。
■信頼できるお店か?
最後に重要なこととして、その販売店が信頼できるお店かどうかを確認することも重要です。
評判や口コミを確認することで、ある程度客観的な情報が得られます。「カーセンサーnet」や「グーネット」といった中古車検索サイトには、各販売店の口コミ評価が付いていることがほとんどですし、Googleで検索すると、Googleマップに紐づいた口コミ情報を確認できることもあります。
また、信頼できるお店は接客態度に表れるものです。細かな質問に対して誠実に答えてくれているか、それともあまり質問には明確に答えてくれず、早く売りたいという感じがするか、といったことでも十分に判断できます。
中古車は新車と比べてお買い得な部分があるとはいえ、高いお金を払って購入するクルマです。細かな質問やチェックをしようとするときに、快く応じてくれない、むしろ機嫌が悪くなっているように思える、ネガティブな情報を1つも伝えてこないといった販売店は、信頼に欠ける可能性があります。
クルマは一定の確率でトラブルが生じます。そうなったときを想像してみて、信頼して相談できる販売店ではないなら、もしかするとそのお店では購入しないほうがよいのかもしれません。
リースアップ車はどこで購入できる?
《写真提供:photoAC》リースアップ車はどうやって見つけるの?
リースアップ車は、各リース会社の中古車販売や、ディーラーの中古車販売で購入可能です。ただし、法人を相手に売り出している業者もあります。
ここでは、リースアップ車を見つけやすいウェブサイトを2つ紹介します。
■オリックス自動車
オリックス自動車は、リース業界で日本トップクラスの規模と売上を誇るオリックスグループの自動車会社で、独自の認定基準を満たした「オリックス認定中古車」を販売しています。
特徴は、販売している中古車の多くが、オリックスグループによってレンタカーやリース車両として管理・使用されていたクルマであることです。使用歴がハッキリとしており、全車に認定書が付きます。
また、品質査定として株式会社AISによる検査を全車両に実施しており、評価の低い車両は販売しません。日本オークション協議会(NAK)が定める基準において、「修復歴あり」に該当する車両も販売しないので、安心できるでしょう。
他社を通さず、自社管理車両を直接販売するダイレクト販売方式なので、価格も魅力的です。
中古車販売情報・検索ならオリックス認定中古車|オリックスU-car
https://www.orixcar.jp/オリックス自動車は、中古車のオーナーになられるお客さまに安心と満足をお届けする為に、「オリックス認定基準」に基づき選りすぐった中古車だけを販売しております。高品質な中古車がきっと見つかるはずです。ワンランク上の中古車販売情報。
■カーセンサーNet
カーセンサー(Car sensor)は1984年に創刊された日本の中古車情報誌で、1990年代にはインターネットにもすそ野を広げました。今でこそ当たり前になった「走行距離表示」や「修復歴表示」を全車で開始し、新しいサービスを次々と生み出しています。
素早くリースアップ車を見つけるコツは、フリーワード検索欄に「リースアップ」と入力して検索する方法です。
中古車検索や中古車販売などの中古車情報なら「カーセンサーnet」!リクルートが運営する中古車情報のサイトです。全国の中古車が様々な条件で検索可能です。人気の中古車ランキングや中古自動車の相場表も完備!あなたの車選びをサポートします。
まとめ
《写真提供:photoAC》リースアップ車を目安に、良い中古車を!
リースアップ車は仕組み上、コンディションの良いクルマに巡り合う目安になります。
コンディションの良いクルマが多いリースアップ車ですが、どのクルマでも絶対にコンディションがいいかというと、そうとも限りません。あくまで誰かが使用してきたクルマであり中古車に当たりますので、劣化はしていますし、1台1台状態は異なっています。
また、最近では新車のカーリースだけでなく中古車のカーリースも登場しています。「リースアップ車」というだけの理由で、良いコンディションのクルマだとは言い切れないこともあります。
リースアップ車を中心に選ぶのは、コンディションの良い中古車と巡り合ううえで近道になる可能性が高いとはいえ、購入に際してはキチンと状態を見極め、良い中古車を探してみてください。