バッテリー交換にかかる費用
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車のバッテリー交換をする際にかかる費用は、車種や依頼する業者によって違ってきますが、バッテリー交換の際にかかる主な費用は3つあります。この3つの費用は価格は違えど、どこに依頼しても共通しているため、それぞれ確認していきましょう。
■バッテリー本体の費用
1つめは、バッテリー本体の費用です。バッテリー本体の価格は車種や製造国、性能などによってさまざまで、4,000円~40,000円ほどとかなりの幅があります。自動車メーカーの純正バッテリーやハイブリッド車・電気自動車専用のバッテリーは、比較的価格が高いものが多くなります。
また、軽自動車と普通車でも価格に差があります。軽自動車に使用するバッテリーの場合には、安いものだと2,000円台でも購入可能です。
しかし、ほとんどがアイドリングストップ非搭載車用のものなので、対応車種はかなり絞られます。アイドリングストップ搭載車用となると10,000円はかかるのが一般的です。さらにメーカーの純正品かどうかでも差があるので、価格だけでなく、自分の乗る軽自動車に合ったものを選ぶことが大切です。
普通車になると、軽自動車よりもさらに価格帯は広がり、4,000円程度で購入できるものもあれば、40,000円ほどの高額商品もあります。
とくに、普通車は軽自動車に比べると車体の大きさや種類、容量といったものの差が大きいため、価格帯も広がりやすく、ハイブリッド車専用のバッテリーは性能が上がるため、高価格商品が多い印象です。
軽自動車でも普通車でも、一般的にはバッテリーの価格が高いほど性能もよく、長持ちするとされています。しかし、最近では低価格帯でも高性能の商品が増えてきました。そのため、国産の大手メーカー商品であれば、価格にこだわらなくても問題ないでしょう。
■交換での工賃
2つめは、バッテリー交換を業者にお願いした際にかかる工賃です。工賃は各業者がそれぞれ設定しているので、依頼する業者によって変わってきます。
一般的な目安は、1,000円~3,500円ほどです。しかし、外国車であればこの目安よりも高くなる場合が多いので注意しましょう。国産車でも、ガソリン車よりも電気自動車、電気自動車よりもハイブリッド車になると、工賃は高くなります。
■バッテリー廃棄の費用
3つめは、古いバッテリーの廃棄費用です。バッテリー交換後、取り外したバッテリーは廃棄されますが、車のバッテリーは人体に有害な物質を含んでいます。そのため、適切に廃棄してもらわなくてはいけません。バッテリー交換をしてくれた業者にそのまま処分も頼めますが、その際に廃棄料が発生します。
廃棄料も業者によって差がありますが、目安としては3,000円以内で作業できる場合が多いです。業者の中には作業を依頼することで、廃棄は無料で対応してもらえる場合もあります。
作業方法の違いでも交換費用は変わる
作業方法の違いでも交換費用は変わる
工賃や廃棄料の相場の幅からもわかるよう、誰にどう依頼するかによってバッテリー交換にかかる費用は変わってきます。
費用やそれぞれの特徴を比較して、自分に合った業者選びが重要です。車のバッテリー交換を依頼できる業者について、費用の目安やメリット・デメリットを比較しながら、詳しく確認していきましょう。
■ディーラーに依頼する
ディーラーに交換を依頼した場合にかかる工賃は1,000円~3,000円ほどで、相場と変わりません。しかし、バッテリー本体はメーカーの純正品を使用するため、バッテリー本体にかかる費用が15,000円~30,000円ほどと高価になります。
ディーラーに依頼すると若干費用は高めになりますが、純正品であるという安心感があるでしょう。また、作業を行うのも専門知識が豊富な整備士なので、信頼度が高いというのもメリットです。ディーラーへの依頼は、安さよりも安心感という人におすすめします。
■カー用品店に依頼する
カー用品店にバッテリー交換を依頼した場合にかかる工賃は1,000円ほどです。その店で購入したバッテリーなら無料で対応してもらえるケースもあります。
オートバックスやイエローハットといったカー用品店は、バッテリーの種類が豊富なのがメリットです。定価での販売がほとんどですが、セールやポイントをうまく利用して安く購入できることもあります。また、バッテリーを購入する代わりに、工賃や廃棄料をサービスしてくれるお店もあります。
どのバッテリーにするか、スタッフに相談しながら決められることや、交換作業をプロが行ってくれることは安心感があります。カー用品店に依頼するのは、比較的費用を抑えながらも手軽に、自分好みのバッテリーに交換したいという人におすすめです。
■整備工場を利用する
整備工場にバッテリー交換を依頼した場合にかかる工賃は、3,000円以内が相場です。
バッテリー本体の価格は定価、またはそれに近い金額での取り扱いが多いですが、こちらも、そこでバッテリーを購入すると工賃や廃棄料をサービスしてくれる場合があります。
整備工場にはプロの整備士が常駐しており、さまざまな車を取り扱ってきた経験から、知識が豊富で整備に特化しているという点では、カー用品店よりも安心感があるでしょう。ただ、すべての車種やメーカーの知識や経験があるというわけではないので、事前に交換を依頼する車種の知識や経験について確認しておくと安心です。
整備工場に依頼するのは、比較的費用を抑えつつ安心感も欲しい人におすすめです。
■ガソリンスタンドを利用する
ガソリンスタンドにバッテリー交換を依頼した場合にかかる工賃は、3,000円以内で対応してもらえるのが一般的です。他のケース同様に、バッテリーを購入すれば工賃は無料というところもあります。
バッテリーはその店舗に用意された種類の中から選ばなければなりません。ただし、取り扱っている種類は少なめで、定価での販売であることが多いです。
店舗数も多く、思いついたときに気軽に利用できるのがメリットです。また、最近では整備工場と提携していたり、整備知識のあるスタッフが勤務していたりするガソリンスタンドも。ただし、整備スタッフが常駐していない可能性やバッテリー交換を行っていない店舗もあるため、事前に確認が必要です。
ガソリンスタンドに依頼するには、バッテリーの種類へのこだわりがなく、価格が比較的高くても気軽に利用できることを重視する人におすすめします。
出張費用を利用すると、さらに費用がかかる
この4つのどの方法であっても、車が動かせず運べないときには出張依頼をしなくてはならない場合もあります。出張依頼をすると出張料が上乗せされるため、バッテリーの本体価格や工賃に加え、さらに10,000円ほどの出張料がかかることは覚えておきましょう。
ただし、24時間対応の業者もあり、外出先などどうしてもすぐに車を動かさなくてはならない非常事態のときには便利です。
バッテリー交換費用を少しでも抑えるコツ
バッテリー交換費用を少しでも抑えるコツ
バッテリー交換費用をできるだけ抑えたい場合には、2つの方法があります。費用を抑えたいと思ったら、どちらかの方法が利用できないか検討してみましょう。
■バッテリーを購入して持ち込む
1つめはバッテリーを先に購入しておき、店舗に持ち込む方法です。最近ではネット通販などでリーズナブルにバッテリーを購入できるため、店舗で定価に近い価格で購入するよりも費用を抑えられます。
ただし、自分の車に合ったバッテリーを正しく選べないと、買いなおしなどで余計な出費が増えるので注意が必要です。自分で適切なバッテリーを選べるか不安という場合には避けたほうがいいでしょう。また、バッテリー持ち込みに対応していない整備工場やカー用品店もあるので、事前に依頼先への確認が必要です。
■自分で交換する
2つめは、バッテリーを自分で交換する方法です。工賃がかからないため、費用をかなり抑えられます。ただし、バッテリー交換は簡単な作業ではありません。
車にとってバッテリーはとても重要なパーツなので、万が一正しく設置できていないと、車本体にダメージが出てしまったり、車両火災など大事故の要因にもなります。自信がない場合には、専門家に任せるのが安心です。
次に、自分でバッテリーを交換する方法を紹介します。自分での交換を検討している方は、作業工程をしっかり確認してみて、自分でできるかどうか判断してみてください。
自分で交換する方法と費用の目安
自分でのバッテリー交換は、工賃やバッテリー本体の費用を抑えることができます。しかし、交換時にショートや火災が起きたり、バッテリーのサイズや規格違いのものを誤って取り付けることで、車が壊れたりといった危険を伴うため、細心の注意を払って作業しましょう。
■バッテリーを自分で交換する方法
自分で交換する方法と費用の目安
バッテリーを交換するために必要なものから手順まで、詳しく説明していきます。
準備するもの
新しいバッテリー、スパナ、ワイヤーブラシ、サンドペーパーを用意します。スパナはバッテリー端子を外すのに必要です。また、体を守るために保護メガネとゴム手袋を必ず装着してください。
1.バッテリーを外す
まずはスパナを使ってバッテリーを外していきます。この作業に入る前に車のエンジンを止めて、キーを抜いておきましょう。
外し方の順番は、端子カバー、マイナス端子、プラス端子の順です。端子が汚れていたら、用意したワイヤーブラシやサンドペーパーで掃除しましょう。感電の恐れがあるため、端子には絶対触れないように注意してください。
2.ステーを取り外す
次にスパナで、バッテリーを固定しているステーを取り外します。ステーがどうやって装着されているかは重要なので、新しいバッテリーを設置するときに間違えないように、慣れるまでは取り外す前に写真に収めておくのがよいでしょう。
3.新しいバッテリーを取り付ける
ステーを外したら古いバッテリーを取り外し、新しいバッテリーを設置後、ステーで固定します。
4.端子を取り付ける
新しく設置したバッテリーにプラス端子、マイナス端子の順で取り付けていきます。取り外したときと逆の順番になるので気を付けてください。スパナでしっかりと固定して、端子カバーを付けたら交換完了です。
5.バッテリーを適切に廃棄する
最後に、取り外したバッテリーは業者や購入店舗に引き取ってもらい、正しく廃棄しましょう。車のバッテリーは粗大ゴミに該当しないので、自治体の回収には出さないようにしてください。
メモリーバックアップも合わせて行おう
メモリーバックアップとは、バッテリー交換時に古いバッテリーの代わりにカーナビやオーディオ、パワーウインドウなど車の学習機能などのデータを保存するアイテムです。この設定をしておかないと、ナビの設定や車のコンピューター機能などがすべてリセットされてしまう可能性があります。
バッテリー交換にあたり、メモリーバックアップは必ずしなければいけないものではありません。しかし、車は自分が使いやすいように、意外と多くの設定をしているものです。
それをすべてまたいちから自分でするとなると意外と面倒なので、手間を省けて、価格も1,000円〜2,000円ほどとリーズナブルなので、メモリーバックアップをしておくことをおすすめします。
自分でバッテリーを交換するのにかかる費用
自分でバッテリーを交換するのにかかる費用
自分でバッテリーを交換するのにかかる費用は、バッテリー本体代のみです。場合によっては廃棄料もかかるかもしれませんが、バッテリー本体もネット通販等で安く購入できれば業者に依頼するよりもかなり費用は抑えられます。
ただし、危険を伴いますので自信がない人はプロに依頼しましょう。
バッテリーの寿命を伸ばすポイント
バッテリーの寿命を伸ばすポイント
車のバッテリーの寿命は一般的には3〜5年といわれていますが、実はその年数は乗り方や環境によって大きく変わってきます。バッテリーの寿命を伸ばすポイントについて、4つの方法を紹介します。
■長めにアイドリングをする
1つめは長めにアイドリングをすることです。アイドリング状態では充電も行われています。毎日長時間走行している場合にはこの方法は不要ですが、あまり乗らない場合には有効です。
ただし、長時間のアイドリングは環境に良くないため、いつもより2〜5分程度長めのアイドリングを意識してみてください。
■定期的にメンテナンスをする
2つめは定期的なメンテナンスをすることです。とくに、車に乗る頻度が低い場合、車は使っていない間にも少しずつですが放電されているので、そのまま充電がなくなってしまうとエンジンがかからなくなってしまいます。これは、いわゆるバッテリー上がりの状態です。定期的にエンジンをかけてチェックするといいでしょう。
他にも簡単にできるメンテナンスとして、専用のテスターを使ってバッテリーの状態を確認することや、電解液の目視チェックも有効です。気づいた時に確認しておくと安心でしょう。テスターを持っていない場合には、ホームセンターやカー用品店で購入もできますが、ガソリンスタンドや整備工場でチェックしてもらうこともできます。基本無料で行ってくれるので給油ついでにでも聞いてみるのがおすすめです。
■夜間走行を控える
3つめは夜間走行を控えることです。夜間はライトを点灯して走行しますが、それにはバッテリーの電気を使います。ライトを点灯する機会を減らすことで、バッテリーへの負担もを減らすことができます。
■気温が低すぎるところでの運転は避ける
4つめは気温が低すぎるところでの運転を避けることです。極端に気温の低い場所で走行し続けているとバッテリーの電解液が冷え、化学反応が鈍ることにより電気容量も下がってしまうのです。電気の使用量は多いのに充電がされにくい状況になって、バッテリー上がりを引き起こしやすくなります。
まとめ
【まとめ】車のバッテリー交換の費用相場と交換場所は?安く抑えるコツも紹介
バッテリー交換の際にかかる費用と、その費用を抑えるコツについて紹介しました。バッテリー交換をしてくれる業者は複数ありますが、特徴はさまざまです。費用も依頼先によってだいぶ変わってきますし、安さを取るのか安心感を取るのか、この記事を参考に自分に合った業者を選んでください。
また、自分でバッテリー交換をしてみようと思った人は、作業工程や注意点をしっかり確認しておきましょう。バッテリーの寿命を伸ばすポイントも簡単にできるものばかりなので、ぜひ実践してみてください。