ホンダ N-BOX
■ホンダN-BOXとは…軽ハイトワゴンのベンチマーク的存在
ホンダN-BOX
2017年に発売された現行モデルのN-BOXの評価としては、軽量化と高剛性化を両立したボディ、パワフルな新型のエンジンとCVTやサスペンションシステムなど。
ユーザーからはというと、ホンダの軽自動車では初めてとなる「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を全タイプに標準装備したことと、エンジンルームのコンパクト化やテールゲートの薄型化によって室内空間を更に拡大し、テールゲート開口部の高さを低くしたことなどが高い評価を受けています。
また、シートアレンジにはベンチシートに加え、助手席シートのスライド量を570mmとした助手席スーパースライドシートが設定されたことで、センタータンクレイアウトによる室内空間をより活用できるようになりました。
初代がすでに軽自動車の完成形とも言われるほど良くできた車種でしたが、現行モデルでは軽自動車の枠を超え、クラスレスの出来となっています。
コンパクトカークラスと比較しても、質感や走行性能は同等以上、室内の広さと安全装備は完全に上回り、これ1台でファミリーカーとして満足できる車種になっています。
そして、これが、その後に続くライバルのベンチマークとなり、当然のようにN-BOX以上の性能と魅力を持たせた新型を投入することになります。
スズキ スペーシア
スズキスペーシア
2017年12月に登場した2代目スペーシアは、最長10秒間のモーターによるクリープ走行を可能にするマイルドハイブリッドシステムとなったほか、販売実績で大きく水を開けられた競合車種「N-BOX」と「タント」に対抗すべく新プラットフォームが採用されたことで、全高が50mm、ホイールベースが35mm拡大され室内をさらに拡大。
ドア断面構造改善とルーフ前後長さも延長により、実質的なキャビン容積は大幅に広げられました。
さらに、旧型で不評だった特徴のないデザインを刷新、標準車では厚みのあるフロント部、切り立ったフロントガラス、丸四角いボディーに高いベルトラインで、旅の道具を詰め込むときのスーツケースをモチーフに遊び心があり愛着のもてるデザインとなりました。
そしてカスタムにはアグレシップな大型グリルを採用して標準車との大幅な差別化を計りました。
安全装備も後退時の衝突被害軽減ブレーキを軽自動車で初採用、「標識認識機能[進入禁止]」をスズキで初めて採用し、さらにフロントガラス投影式のヘッドアップディスプレイを軽自動車で初採用するなど、N-BOXにも勝る機能を採用しています。
ダイハツタント
ダイハツタント
さて、ミラクルオープンドアで一世を風靡したタントはというと、ついに新型が7月に発売されます。すでに細かな詳細を除いてその内容が専用サイトにも登場し、メディアでは試乗レポートも続々と掲載されています。
その評価を一言で言えば「N-BOXを超えた」という事でしょう。その要因は、エンジンを始め、サスペンション、アンダーボディ、トランスミッション、シートといった構成要素をゼロベースから同時に新規開発する「一括企画・開発」の手法です。軽自動車だけでなく、とA、Bセグメントで設計思想を共通化し全車種を開発するシステムです。
つまり、普通車でも流用できることを前提にしているためコストもかけられ、これまでよりも高次元での性能を目標としたことで、ボディの曲げ剛性、など基本性能が軽自動車離れした出来栄えになったのです。
もちろん安全性能の「スマアシⅢ」も進化。追従機能は停止まで働く全車速追従機能付きACCに、ブレーキ制御付き誤発進抑制機能(前方・後方)、標識認識機能(進入禁止)を始め、駐車支援機能、レーンキープコントロール、車線逸脱抑制制御機能などなど、実際の交通事情に合ったものになっています。
日産デイズルークス/三菱ekスペース
デイズ ルークスの特徴は、子育てを終えたファミリー層が日産で言えばエルグランド等のミニバンやエクストレイル等のSUVなどからの乗り換えるユーザーもターゲットにしているために、軽自動車としては異例の質感の高いインテリアや装備となっていることです。
最新のライバル車も質感の向上がされてきていますが、2014年のデビュー当時は斬新な手法であり、注目されました。
しかし、残念ながらさらに注目されたのは、生産を担当した三菱自動車の燃費不正問題。ルークスも対象車のため販売が中止されてしまいました。
低燃費性能も売り物の一つでしたが、修正された燃費はクラスでも大きくかけ離れた性能でした。それでも、販売に関しては早期に回復したのは日産の販売力もありますが、その商品力の高さであることがわかります。
そして、同じ基本構造の「デイズ」がモデルチェンジし、マイルドハイブリッドやプロパイロットを採用するなど、さらに軽自動車離れしたモデルとなったことで大躍進。
2019年の秋口に予定されるデイズルークスも同様の内容になるはずなので、ライバルにとって脅威となるでしょう。
まとめ 筆者一押しはタント!
結局どれがベストなのかということですが、夏ということで、まもなく発売されるダイハツタントは押さえておきたいです。
N-BOXとの比較という事になりますが、若い世代で就学前の小さいお子さんがいるならタントがいいでしょう。中でも駐車支援機能は頼りになります。そして、もう少しお子さんが大きくなって、いっしょに遊びに行く機会が増えたご家族ならスペーシア。N-BOXはそれらの場合よりは世代的に上の方という事になりそうです。ルークスは現行モデルは推薦しづらいのですが、新型は一気におすすめ車種の最上位になるでしょう。
ちなみに、お買い得車ならば現行タント。すでに生産中止となっていますが、残っていれば最高のコスパとなるので狙ってみるのもいいかもしれません。