【改めて知りたい】トールワゴンとハイトワゴンの違いとは?
初代ワゴンR
■まず、トールワゴン。その細分化がハイトワゴン
まず、トールワゴンがあり、その細分化されたジャンルがハイトワゴンとなります。1993年に発売された初代ワゴンR(全高1640mm)、1995年に発売された初代ダイハツムーヴ(1620mm)の登場で、確立されたジャンルであり、その後に登場する各車も同じ程度の全高となります。
一方ハイトワゴンはトールワゴンよりさらに高く全高は1700mm以上、そして後席スライドドアを装備するのが一般的になっています。2003年の初代タントが最初で全高は1725mmとなっていました。この時はまだスライドドアは装備されていません。そして、2008年にはスズキがパレットを発売し、1735mmの全高に両側スライドドアを装備したことで、スライドドアというハイトワゴンという基準が確定したようです。
つまり簡単にご説明すると、全高1700mmより高いのがハイトワゴン、1600mm以上をトールワゴンというように考えてよいですね。
ここでご紹介するトールワゴンには、スズキのワゴンR、ダイハツのムーヴ、ホンダのN-WGN、そして日産デイズ/三菱ekワゴンが該当します。
日産デイズ/三菱ekワゴン
日産デイズハイウェイスター
ダイハツムーヴカスタム
出だしは良かったものの、燃費不正問題で少々つまずいてしまった初代の日産デイズと三菱ekワゴン。
新型ではその悪いイメージを払拭すべく、日産が全面的に開発にかかわった全てがオールニューのモデルになりました。話題になったのがセレナやリーフ、そしてエクストレイルといった普通乗用車に採用される部分自動運転技術の「プロパイロット」を軽自動車に初採用したことです。
これは自動運転ということよりも、あくまで運転者支援システムとして機能するものですが、少なくとも高速道路などでは事故を起こすことが不可能に近いシステムとなっているのです。
さらに、デイズだけに先進事故自動通報システム「SOSコール(ヘルプネット)」を軽自動車として初めて設定しています。
ライバルの状況 プロパイロットは別格
プロパイロット
ではライバルのトールワゴンの安全装備や運転者支援システムはどうかというと、ダイハツのムーヴは対歩行者緊急ブレーキ機能も備えた「スマートアシストIII」を装備します。
ワゴンRでは、単眼カメラ+赤外線レーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート」やハイビームアシスト機能をスズキの軽自動車で初採用し、安全性能という意味ではデイズ/ekワゴンに匹敵しますが、運転者支援システムまでは踏み込んでいません。
日産デイズ/三菱ekワゴンのパワーユニット
日産デイズ
また、新型ではマイルドハイブリッドを採用しており、初代モデルで欠点となっていた低燃費と加速性能を向上させています。
このエンジン自体も軽専用ということではなく、ルノーが開発した800ccエンジンをスケールダウンさせたものであり、余裕のある出力特性御なっているのも見逃せません。
さらに、エクストロニックCVTは軽自動車では初となる「Dステップ」が採用されていて、
タイムラグのないスムーズな加速を味わえます。
ライバルの状況 燃費ならワゴンR?
スズキワゴンR
長く自主規制が続く軽自動車では最高出力が横並びで、なかなかライバルに差をつけることが出来ませんでしたが、スズキがワゴンRでマイルドハイブリッドを採用したことで、新たな道筋が示されました。
ワゴンRはさらなる燃費の向上を図り、最高で33.4㎞/Lを達成、デイズ/ekワゴンの28.6㎞/L、ムーヴの31.0㎞/Lを上回っています。
エクステリア 新型はekの方が魅力的?
左と中央はekクロス、右ekワゴン
エクステリアではデイズとekワゴンにこれまで以上の差別化が見られているのも新型の特徴です。
デイズはダイナミックでスタイリッシュなスポーティモデルの「ハイウェイスター」と、親しみやすさがあるスタンダードモデルの「標準車」の2つのラインナップ。
ekワゴンはというと、可愛らしく上質な「標準車」と、SUV テイスト溢れる「eK クロス」がラインナップされます。
特にこの「eK クロス」は、これまで軽トールワゴンの定番であった上級グレードの「カスタム」にかわって加わったモデルで、まるで「デリカD:5」のような迫力あるフロントフェイスが注目され、今回の新型での話題と人気を最も集めています。
ライバルの状況 選択肢が多様化
左FZ 中央標準車 右スティングレー
スズキのワゴンRには標準車以外に上級仕様のスティングレーとFZという3つの異なるモデルを設定し、ムーヴは標準車以外にカスタムと派生車種のムーヴキャンバスを設定するなど、ますます選択肢が広がっているのが近年の特徴です。
ホンダの新型N-WGNはデイズ/ekワゴンを超えられるか?
新型N-WGN
軽トールワゴンにかかわらず、新しい車種が優位に立つのは当然。特に最近は安全装備や運転者支援システムなど、日進月歩の新技術が次々に投入されるので、新型車の優位性はさらに増している状況になっています。
新型N-WGNカスタム
2019年夏までの登場という事になると、しんがりは7月18日発表予定のホンダの新型N-WGNとなります。
今現在(7/4)公表されている情報によると、「ホンダ センシング」は標準装備され、渋滞追従機能付ACC<アダプティブ・クルーズ・コントロール>を適用、さらにバックでの駐車をサポートするパーキングセンサーシステムをホンダの軽自動車で初めて標準装備するなど、N-BOXを上回る安全装備を搭載しています。
また、デザインはN-BOXを彷彿とさせるボックス形状となっており、室内スペースのさらなる拡大が予想されます。また、低床化した荷室と、上下2段の積み分けが可能になる備え付けのボードなどの採用が特徴となりそうです。
その他エンジンなどはN-BOXと同じになるとされ、マイルドハイブリッドなどの採用はない模様です。はたして、デイズ/ekワゴンを超えるインパクトを与え、N-BOX同様の快進撃を見せるのか注目ですね。