そもそもPHEVとは?
PHEVって何?
PHEVとは「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」の略語で、プラグインハイブリッドカーのことを言います。
プラグインとは電化製品と同じように、家庭用電源から電気機器の電源コードの先端についている差込機器と似た形状の「プラグ」つまりコンセントで、外部から直接電力を充電できる車ということになります。
一般的なハイブリッドカーはガソリンで動くエンジンと電気で動くモーターの2つの動力源を備えた自動車を指すことが多くなっています。
ハイブリッドカーの走行の仕組みはいくつかありますが、車が最もエネルギーを必要とする発進時にはモーターを使って走行し、燃費の効率がよい速度になった時には、ガソリンで動くエンジンに切り替え走行をするという仕組みになっています。
一方、PHEVの動力源は電気モーターとガソリンエンジンです。これだけだとハイブリッドとの違いがわかりにくいのですが、PHEVのメイン動力は「電気とエンジンの両方」であるという点が大きな違いとなるでしょう。
PHEVをおすすめする理由
メルセデスベンツ S550プラグインハイブリッド ロング
PHEVをおすすめする理由としては、
燃費:PHEVならガソリン使用料が最小限で済む。
減税:エコカー減税で恩恵を受けられるのは、ハイブリッド車よりも次世代自動車と呼ばれる車種が主流となっている。
などが挙げられます。
■PHEVの燃費情報
PHEVなら、ハイブリッドカーと違い外部から充電することで、毎日の通勤・買い物程度の使用であればガソリンをほぼ使わずに乗り続けられます。そのため、ガソリンをほぼ使わずに乗り続けることもできるのです。
アウトランダーPHEVの場合、EV走行換算距離(EVとして走行できる距離)が57.6kmですから、ガソリンエンジンを搭載しながらも、その距離の範囲内でしたらガソリンを使わずに電気だけで走行ができるというわけです。
また、PHEVは電気自動車に比べて短時間で充電が完了します。これは電気自動車の方が大容量バッテリーを搭載しているためで、電気自動車の日産リーフの場合は約40分かかる充電時間もPHEVのアウトランダーでしたら急速充電(最大出力60A以上)ですと、25分程度で済みます。
■エコカー減税の対象
エコカーとは、国土交通省が定める排ガス、燃費基準をクリアした車の総称です。
エコカーには燃費が良いというメリットがある他、国による利用推進により、税金においても大きな優位性があります。それが、環境性能に優れた一定の車種に適用される「エコカー減税」です。
エコカー減税は一括りにすることが多い制度ですが、自動車に課税されている税制は複数あるため、それぞれの減税額や対象基準に違いがあります。
自動車取得税(2019年10月1日以降は環境性能割へ移行)
自動車取得税は、自動車の購入時に取得価格に対し課税される税金です。税率は登録車3%、軽自動車は2%です。燃費のいい自動車にはエコカー減税によって自動車取得税の税率が軽減(▲20%~▲100%)されます。
しかし、消費税率引き上げ時の10月に廃止され、新たに「環境性能割」が導入されました。
「環境性能割」は、燃費性能に応じて、登録車は0~3%、軽自動車は0~2%課税されます。つまりは、燃費のいい車ほど税が軽減される仕組みで、PHEVなら非課税(0%)となるのです。
「環境性能割」で負担はどのように変わるのか、心配する声も上がりましたが、エコカー減税適用後の自動車取得税の税率より「環境性能割」の方が税は軽減される自動車も多くあり、PHEVのような燃費性能が高い自動車は自動車取得税に引き続き「環境性能割」でも非課税(0%)が維持されることになるのです。
(※情報は2020年1月現在のもの)
自動車重量税
自動車重量税は、その名の通り自動車の区分、重量によって課される税金です。重量以外では燃費や排ガス規制区分、経過年数で税額が変わってきます。
自家用車の場合5トン単位で税金が決められており、3トン以上は同一料金となっています。
自動車重量税は、車検などの際に自動車の重量などに応じて課税される国税でもあり、この税金は手続きの面倒な他の税と違い、車検とセットで支払われるので納付のために特別な手続きはなく、納付通知が送られてくるなどの手間もありません。
また、自動車税のように毎年課税されるのではなく、新車登録時に3年分、その後車検ごとに2年分の前納となっています。
アウトランダーPHEVの総重量は1,890~1,920kgですので、通常であれば新車購入時の重量税は49,200円となります。しかし、PHEVの車両はエコカー減税となることから、新車購入時と初回車検時の重量税が免税となります。
このように、PHEVの車両はエコカー減税の対象となり、税制面で優遇されることから維持費を抑えるという効果もあるのです。
該当車両ならCEV補助金も!
補助金についても知っておこう
PHEVを購入する際には補助金制度もあります。
1つは次世代自動車振興センター(NEV)による制度、もう1つは地方自治体が独自に交付している補助金です。
■次世代自動車振興センター(NEV)のCEV補助金
次世代自動車振興センターの制度は電気自動車に限らず、PHEVやクリーンディーゼル、燃料電池などの「クリーンエネルギー自動車(Clean Energy Vehicle)」が対象です。それぞれの頭文字をとって「CEV補助金」と呼ばれており、国の予算から捻出されています。
ガソリン車との購入負額の差を縮めるために補助金の交付がされているのですが、PHEV車でEV走行換算距離が40㎞以上の車両に限り、補助金一律20万円となっています。
補助金を受けるには、「補助金交付申請書」をセンターに提出します。申請後、振込まれる仕組みとなっていますので、購入代金は先に全額支払わなければいけません。
補助金を受けたら、定められた期間(4年または3年)は保有することが義務付けられており、定められた期間内にやむを得ず、売却等の処分をする場合は、処分前にセンターに届出をしなければならないことになっています。
■その他の補助金制度
次世代自動車振興センターの補助金制度以外にも、地方自治体でクリーンエネルギー自動車の補助金を交付している場合があります。
例えば東京都ですと、助成金交付想定台数は令和元年度は6,000台としており、助成金額は20万円を上限としています。実施期間は平成28年4月1日から令和3年3月31までとなっています。
助成要件は、
①新車の購入またはリースであること
②使用の本拠の位置が東京都内であること
③車検証上の所有者または使用者が助成対象者であること
となっており、その要件を満たすことができれば都内の法人・個人・リース事業者でも申し込むことができます。
しかし、先にも触れましたが、台数に制限があるので申し込みをしても助成金を受けられないこともあります。
■東京都なら「区」による制度もある
その他にも、東京都なら「区」による制度もあります。
江東区の「次世代自動車用・地球温暖化防止設備購入助成制度」では、次世代自動車、PHEVを購入する区民に対し購入費用の一部を助成します。
申請受付期間は車両登録後となり、申請対象者は車の使用の本拠の位置が江東区にある車の個人所有者で、新車で購入した自家用車に限ります。
助成金額は一律10万円で、申請できる条件は、
・都民税を滞納していないこと
・自動車の転売または譲渡を目的としないこと
・中古品購入やリース購入ではないこと
・過去にこの助成金を受けていた場合、申請を受けてから5年を経過していること
などがあります。
こうした地方自治体の補助金は次世代自動車振興センターとの併用が可能で、それぞれに助成金を受けられることになると購入後に思わぬ収入ができるということになるわけです。
まとめ
三菱 アウトランダー PHEVの2019年モデル(欧州仕様)
PHEV車を購入される場合は、国や地方自治体の助成金制度を活用することで、購入費を抑えることもできます。
また、購入後の税制面の優遇されることや日常使いでEV走行が可能な圏内に職場があれば、通勤は電気のみでも可能であり、ガソリン費用を抑えられることもできます。
PHEV車は次世代自動車として環境に配慮しているだけでなく、維持費の面でもおすすめしたい車両です。