国際免許証とは
国際免許について知ろう
国際免許証とは、海外において自動車を運転する際、手続きをすることで交付されます。あくまでも自国の自動車免許証を保持していることが前提となります。
国際免許証の交付は「ジュネーブ交通条約」と「ウィーン交通条約」に基づいて行なわれますが、日本は「ジュネーブ交通条約」だけに加盟していますので一部の例外も含め、条約を締結した国での運転免許証の交付が可能となります。
国際免許証が必要となるシチュエーション
あると便利な国際免許
では、どういった場合に国際免許が必要になってくるのでしょうか?
そのシチュエーションについてさっそく見ていきましょう。
■海外旅行
海外旅行で自動車を運転する場合、ほとんどの国で国際得免許が必要となります。短期間の旅行でしたら安心・安全のためタクシーや公共交通機関などを利用する方がよいのですが、ビジネスなどのロングステイですと、レンタカーなどの自動車を運転して移動する方が便利でしょう。
海外旅行に行く際には、免許証を持っていくことで免許証が身分証明証にもなります。また、万が一パスポートを紛失・盗難にあった場合などにも免許証を持っていることで身分証明証として新しいパスポートを発行する時に利用することもできます。
国際免許で注意しなければいけないことは、海外でもレンタカーを借りる場合、自動車保険に加入する方がよいという事です。もしも海外保険サービスに自動車保険が付帯されている場合は、補償金額などを確認しましょう。
■ワーキングホリデー
ワーキングホリデーとは、海外で働いたり語学を学ぶためのビザです。その国の生活や文化も経験することもできます。国際免許証があると移動手段となるだけでなく身分証明書としても使えとても便利です。
また、ワーキングホリデーで人気のあるカナダやオーストラリア・アメリカなどは、日本と違って国土が広く都心部から離れると隣町まで行くのに100km離れているということもあります。
その様な地域に住むことになった場合、やはり車はどうしても必要となり国際免許証が必要となることでしょう。
■海外留学
海外留学の主な目的は語学留学であり、その他、自国以外の学術や技術などを学ぶための留学もあります。期間には3か月以内を短期留学と呼び、それ以上の期間を長期留学と言います。
英語を学ぶにはアメリカやイギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージランド・フィリピンなど、中国語習得なら台湾や中国などです。フランスやドイツに語学習得を目的に留学する人もいます。
■海外赴任
海外赴任中には、国際免許証があるといざというときに車が運転できるので便利です。また、公共交通機関を利用するよりも安く早く目的地に着けるなど、ビジネスや商談の際にも役に立つかもしれません。休日にはプライベートでの自動車が利用できるというメリットもあります。
しかし、海外赴任から自国に一時帰国する際には注意が必要です。
もし、自国の運転免許証に記載されている住所に一時帰国する場合は、その住所地の運転免許試験場で免許証を発行できます。その時、記載された場所と一時滞在先が違う場合は、例えばホテル滞在ならホテルの予約表、実家などの場合なら一時帰国証明票などの書類が必要です。
■移住
海外に移住する場合、国際免許証の有効期間は原則発行日から1年間ですが、渡航前にも申請が可能です。早めに申請した方が安心と言えるでしょう。
滞在期間が1年を超える長期の場合は、日本の免許証を現地の免許証に切り替えるか現地の運転免許試験を受けて免許を取得する2通りがあります。いずれも申請方法や条件などは国によって違いますので、渡航前にしっかりチェックしておきましょう。
国際免許の取得方法
意外と簡単な国際免許の取得方法
国際免許を取得する資格や条件は、日本国の運転免許証を保持しているだけで特に条件はありません。しかし保有している運転免許証の種類は限定されています。
大型特殊・小型特殊・原付免許・仮免許証のみでは、国際免許証は取得できません。
また、申請の際はパスポートなどの証明証が必要となってきます。下記に国際免許証申請場所や必要書類・費用などをまとめています。ご参照ください。
■申請場所
・警察の運転免許課
・運転免許センター
・運転免許試験場
国際免許の申請者や代理人が申請を行う場合は、免許証の記載されている住所地でのみ申請が可能です。
■国際免許を取得する際の必要書類
・日本国の運転免許証(有効期限ないのもの)
・証明写真1枚(サイズは縦5㎝×横4㎝)
・パスポートや航空券などの渡航を証明する書類
・古い国際免許を持っている方は、その国際免許証
・手数料
■国際免許取得にかかる費用
・国際免許証を取得する住所地や都道府県によって異なりますが、おおよそ3,000円以内で取得できます。
証明写真の料金は含まれていませんので自分で持参した写真を使用することも可能ですが、写真サイズが決められていますので、免許センターなどで撮影することをおすすめします。
日本の国際免許で運転できない国に注意!
事前に情報収集しよう!
海外で国際免許証が発行され運転ができる国は、日本が「ジュネーブ交通条約」を結んでいることが前提となりますが、例外もあります。
下記では、国際免許証が有効である主な国をご紹介します。ジュネーブ交通条約加盟国については警視庁のホームページで確認できます。
■アジア
韓国・タイ・フィリピン・シンガポール・マレーシア・インド・バングラデッシュ・スリランカ・カンボジア・ラオス
■中近東
トルコ・イスラエル・シリア・キプロス・ヨルダン・レバノン・アラブ首長国連邦
■アフリカ
南アフリカ・中央アフリカ・エジプト・ガーナ・アルジェリア・モロッコ・ボツワナ・コンゴ共和国・コンゴ・ベナン・コートジボワール・レソト・ウガンダ・マラウイ
また、マリ・ニジェール・ルワンダ・セネガル・シエラレオネ・トーゴ・チュニジア・マダガスカル・ジンバブエ・ナミビア・ブルキナファソ・ナイジェリアも該当します。
■ヨーロッパ
イギリス・フランス・イタリア・オランダ・スペイン・ロシア・ギリシャ・ノルウェー・デンマーク・スウェーデン・セルビア・モンテネグロ・フィンランドです。
また、ポルトガル・オーストリア・ベルギー・ポーランド・アイルランド・ハンガリー・ルーマニア・アイスランド・ブルガリア・マルタ・アルバニア・ルクセンブルグなども該当します。
■北米・南米
アメリカ合衆国・カナダ・ジャマイカ・トリニダード•トバゴ・ドミニカ共和国・グアテマラ・バルバドス・ハイチ・キューバ・ペルー・チリ・アルゼンチン・エクアドル・パラグアイ・ベネズエラなどです。
■オセアニア
オーストラリア・ニュージーランド・フィジー・パプアニューギニア
その他、例外として「ジュネーブ交通条約」に加盟していない国でも香港・マカオ・ポリネシア・アルバ・キュラソー島・シント・マルテン・ケイマン諸島・マン島・ガーンジー・ジャージー・ジブラルタル・グアム・プエルトリコなどで国外運転免許証が有効されています。
また台湾では、2008年から入国1年以内に限り、日本の運転免許証で運転することができます。ただし、日本自動車連盟や交流協会が作成した中国語訳された免許証が必要で、運転できる車種なども定まっていますので注意しましょう。
他にもドイツは、2国間協定を結んでいることで国際免許証または日本の免許証とそのドイツ語翻訳を携帯することでドイツ国内で6ヶ月間の運転が可能となっています。
このように国際免許証は、渡航先の国によってもどの程度国際免許が有効なのかが変わってきますので注意が必要です。また、例外の国もありますので、海外に行く前に加盟国リストを調べて、国際免許が有効か事前にチェックすると良いでしょう。
まとめ
海外でも安全運転を心がけよう!
海外に長期間滞在するワーキングホリデーや海外留学・海外赴任の場合、その国の交通事情にもよりますが、やはり国際免許を取得していることで会社や学校への移動などが容易にできます。
休みの日には買い物やドライブなどに車を利用でき、生活の利便性が格段に良くなるのは、間違いないことでしょう。
ご自身でハンドルを握って車を運転することで、その国や地域の違った一面に気づくことができ、また新たな発見があるといいですね!
最後に、海外で自動車を運転する際には、くれぐれもその国の交通法規を良く把握して、トラブルに巻き込まれないよう、安全運転を心がけましょう。