ドライブインとは?
ドライブ
そもそもドライブインとは運転手が休憩できる施設のことです。設立された当時のメインユーザーとして、長距離を運転するトラックの運転手などでした。道路網が発達するにつれてドライブインの役割も変化してきました。
■車で乗り入れられる商業施設
ドライブインという言葉の意味は、幹線道路に面している休憩所で、駐車場が完備されている商業施設のことです。高速道路にある休憩所は、パーキングエリア、またサービスエリアと呼ばれています。
有名観光地に通じるような道で、食堂や土産物のお店が駐車場を完備して、ドライブインと名乗っていました。古くはトラック運転手が長距離運転の間の休憩所として、食事や仮眠さらにシャワーなどを設置するものもありました。
無人で飲食物を提供しているところは、オートレストランと呼ばれており、休憩所の他にゲームセンターが併設されたものもあります。トラックが走行するのが主に高速道路になったり、バイパスになったりするとドライブインがコンビニエンスストアに変化するなど、形態を変える傾向が見られています。
■道の駅は国土交通省で登録されたもの
道の駅は地方自治体と道路管理者が連携しており、国土交通省によって登録された商業施設や休憩施設、さらに地域振興施設が一体となった建物です。高速道路にはサービスエリアやパーキングエリアが設置されていますが、一般道には休憩所がほとんどありませんでした。
そこで、一般道に24時間利用できる休憩所と地域の特産物を活用した施設を設置したいというニーズから広まったのが道の駅です。駐車スペースや24時間利用できるトイレ、さらに売店やレストランなどのサービスが提供されています。
コロナで再度注目されているドライブイン〇〇!
ドライブインシアター
コロナ禍でソーシャルディスタンスを保つことが注目されていますが、楽しめるエンタメとして車に乗ったまま楽しめる様々なサービスが注目されています。バブル期に人気があったドライブインシアターは徐々に影を潜めていましたが、コロナ禍で再度注目を集めています。
ドライブインシアターだけでなく、ソーシャルディスタンスを保つ様々なエンタメが提供されているのが特徴です。 バブル期に注目されていたドライブインシアター。形を変えてどのようなエンタメがあるのかご紹介します。
ドライブインシアター
ドライブインシアター
ドライブインシアターはアメリカで映画の野外上映が人気だったことから始まっています。映写機を置き、巨大なスクリーンに画面を映し出し、車のラジオや大きなスピーカーで音を聴く仕組みです。
■ドライブインシアターの始まり
ドライブインシアターは1933年に特許が取られてから、 自動車大国であるアメリカで人気を博しました。子どもが騒いだりしても周りを気にすることがないことから、全米の州や都市で多くのドライブインシアター映画が開業しました。
広大な土地があるアメリカでは、ドライブインシアターの設置スペースに困ることはなく、映画館を建てるほど費用もかからないことから広まっていきました。音声提供の方法もカーステレオが普及するにつれて、FMラジオを利用するなど変化が見られます。
その後1970年以降は衰退が見られ、家庭用ビデオの普及によってドライブインシアターが主流になることはありませんでした。現代でもドライブインシアターがアメリカにありますが、その数は多くないようです。 しかしコロナ禍の影響もあり、再度注目されています。
■日本でのドライブインシアターのブーム
日本でもドライブインシアターはブームになっており、 1990年頃に全盛期を迎えています。ピークのときには全国に約20か所にあったといわれておりますが、映画館が普及するにつれてドライブインシアターは衰退していきます。
郊外型ショッピングセンターが普及するにつれ、映画館が併設されることも多くなりました。また他の娯楽の選択肢が増えてきたことから、ドライブインシアターの需要が無くなってきたのも理由です。
ドライブインシアターの魅力
ドライブインシアター
ソーシャルディスタンスを保ちながら映画を楽しめるドライブインシアターは、次のような魅力があります。
■プライベート感と映画館の雰囲気を楽しめる
通常の映画館では広い空間に座って鑑賞します。もちろん大きな画面で、音響設備が整えられたところで映画を楽しむのもよいでしょう。しかしドライブインシアターは、それぞれの車内で映画を鑑賞します。
映画館で映画を見るときよりも、プライベートな空間で映画を鑑賞できます。 もちろんドライブインシアターも大画面で映画を鑑賞できるので、映画館の雰囲気が楽しめるのは魅力。それでいてプライベートな雰囲気なので、カップルはもちろん家族連れでも楽しめるのがポイントです。
■臨場感ある体験ができる
映画館での楽しみの1つに、同じ映画を見ている人と一緒に盛り上がることもあるでしょう。自宅で1人や家族と共に盛り上がるのもよいですが、映画館の中でみんなで盛り上がるのもよいものです。
外出自粛があるので、他の人と肩を並べて鑑賞することはありませんが、同じスクリーンを見て盛り上がれるので、映画を臨場感ある雰囲気で楽しめるのはメリットです。
日本でのドライブインシアターは?
ドライブインシアター
コロナ禍の影響で接触を避けながらも映画と楽しむ方法として、ドライブインシアターが再度注目されています。 日本でのドライブシアターの例をご紹介します。
■おもちゃ王国ファミリードライブインシアター
巨大スクリーンで迫力ある鑑賞ができます。
車でくつろぎながら、映画を楽しめるドライブインシアター。ファミリーで楽しめるスパイダーマン ホームカミングやボス・ベイビーなどの作品が上映されます。
開催場所
おもちゃ王国
【住所】
岡山県玉野市滝1640-1
開催日時(2020年9月現在)
9月5日(土)、19日(土)、20日(日)、21日(月祝)、26日(土)
開場18:15〜、上映開始19:00〜 ※小雨決行
■よしもとドライブインシアター
大阪の万博記念公園ドライブインシアターでは、各種イベントが開催されています。映画の上映だけでなく、お笑いなども開催されます。イベントの詳細な情報は公式サイトを確認してください。
車に乗ったまま映画や音楽、さらにお笑いまで楽しめます。新しい生活様式が求められる中で、懐かしくもあり新しくもあるエンタメを堪能できるでしょう。
開催場所
万博記念公園 お祭り広場
【住所】
大阪府吹田市千里万博公園10-11
開催日時
開催日時はイベントにより異なりますので、公式サイトにてご確認ください。
その他のドライブインのエンタメ
ソーシャルディスタンスを保つために、車ごと入場するドライブインスタイルのエンタメは、ドライブインシアターの他にもあります。新しいスタイルのエンタメの例をご紹介しましょう。
■ドライブインコンサート
車の中でコンサートが楽しめる
ドライブインコンサートは、音楽を車の中で楽しむという新しいコンサート。会場はステージにあるものの音は車内のラジオを通して聞きます。
万博記念公園で各種コンサートが開催されており、音楽ライブを楽しむ新しいスタイルとして取り入れられています。 公式サイトからどのようなコンサートが開催されるのか確認できます。
ドライブインコンサートが開催された例として、宇都宮短期大学附属高等学校でコンサートが開催されました。
■ドライブインフェス
ドライブインフェスもソーシャルディスタンスを保ちながら音楽を楽しむためのイベントです。ドライブインフェスは車内で完結させることが可能なので、新しい形の音楽イベントとして開催されています。
車内で音楽を楽しむので、ラジオを指定の周波数に合わせ、ラジオを通して音を聞きます。車内でくつろぎながら、アーティストの音楽を楽しめるのが特徴です。
自分で車内の音量調整ができるので、お気に入りのアーティストのときには大音量で盛り上がることも可能です。また小さ目の音にして、仲間と会話しながら音楽を聞くことができるのもドライブインフェスだからこそできること。
フェスで盛り上がるとアーティストと観客が一体になることがあります。呼びかけに対してコールで応えることは難しいので、変わりにパッシングやハザードなどで応えます。車の中で聞いていても、同じレスポンスをして観客と一体になるのはフェスの魅力です。
■ドライブインお化け屋敷
ドライブインお化け屋敷
東京タワーに近い港区では、車に乗ったのはお化け屋敷を楽しむドライブインお化け屋敷が誕生しています。自家用車に乗ったままガレージに入っていき、不気味なスリルを楽しめるお化け屋敷。
思い切り叫んでも感染の心配もなく、車から下りずにお化け屋敷を堪能できます。窓にへばりついたり、車を揺らしたりと、車内に入らなくても夏の「涼しさ」を体感できるドライブインお化け屋敷は叫んでストレス発散するのに最適です。
■ドライブイン花火大会
車で花火大会も観ることができる?!
夏の風物詩ともいえる花火大会ですが、車の中から安全に花火を鑑賞できるドライブイン花火大会が開催されています。 「OUTDOOR THEATER JAPAN」が花火と映画を同時に楽しめるエンターテイメントを提供しています。
8月29日(土)に千葉県の長生郡にあるロングウッドステーションで開催されました。その他にも各地でドライブイン形式で花火大会が開催されます。
数多くの花火大会が中止に追い込まれていますが、イベントを通じて花火事業者だけでなく地域の振興を促進するために様々な工夫がされているのです。
まとめ
コロナ禍でこれまで人気だったドライブインシアターが再度注目されています。車のまま入場し、車内というプライベートな空間と他の参加者と一体となって鑑賞できる、2つの要素が掛け合わされた懐かしくもあり新しくもあるエンタメ。放映される映画や音楽を楽しんでみるのはいかがですか?