もはや日本の定番高級車!迫力のミニバン、トヨタ アルファード
トヨタ アルファード
以前は、高級車といえば大型のセダンであることが必須条件。ハッチバックやワゴンはもちろん、ましてミニバンなんてもってのほかというのが常識でした。
時代は流れて2000年代。トヨタから登場したアルファードは、ミニバンらしからぬ押し出しの強さと高級感で初代から大人気に。着実に人気を増しながら、現行の3代目ではもはや高級車の定番となっています。
この高級車の定義がミニバンに、アルファードにシフトし始めているのは一般向けだけの話ではなく、芸能人や政治家の送迎車両としてもアルファードが大活躍していることからも明らかですよね。
これは、日本が発祥のトレンドと思われ、諸外国ではなかなか見られない現象。ミニバンといえばファミリー向けの親しみやすさが大前提なのに、迫力のデザインと高品質なインテリアのアルファードは、日本で生産しているため輸入時に高い関税がかかった上でも近隣諸国で大人気となるほどの革新的な車だったのです。
セダンでは到底為し得ない室内空間の余裕と見晴らしの良さ、それにセダン並みに「走れる」高出力のパワートレインを搭載したアルファード。その魅力を、徹底的に調査してみました。
■威厳を感じさせるエクステリアデザイン
トヨタ アルファード
ミニバンというと、どうしてもフォルムは箱型で統一されてしまうもの。しかし、そんな中でもアルファードの存在感は群を抜いていますよね。
これはミニバンとしては異例なほどの厚みで表現されたボディサイドの流れるような曲面や、繊細な仕上げで高級感のあるヘッドランプ・テールランプなどのディテール、何よりかなり大面積でメッキの利いたフロントグリルなど、高級車ラインナップも豊富なトヨタならではのデザイン力によるもの。
人気ゆえに既に見慣れた感もあるかと思いますが、改めてじっくり眺めても、なかなか手の込んだアルファードのエクステリアデザインは見飽きません。
初代から続くフィン状にわざと目立たせた伝統のBピラーも相まって、遠くからでもアルファードであることがわかる、独特の世界観を持っています。
■おもてなしにも使える余裕と上質のインテリア
トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジ(2015年型)
高さ方向、前後方向、幅方向の全てで余裕のある室内空間は、ご家族でゆったりお出かけになるときに最適なだけでなく、大事なお客様をお迎えするのにも十分に使える高級感のあるもの。
1列目だけでなく、2列目、3列目シートにまで配慮の行き届いた仕上がりは、アルファードは新たな形の高級車であるという自負があってこそのものでしょう。
元から豪勢なアルファードの中でも特に豪華なインテリアを誇るのが、トップグレードの「エグゼクティブラウンジ」。2列目に装備されたエグゼクティブラウンジシートは、飛行機の高級座席を思わせる両側のアームレストやオットマンなど、これってリムジンじゃないの?!と思うほどの高級感があります。
見た目の高級感だけでなく、2列目ながら快適温熱およびシートベンチレーションが装備されるなど、まさにVIPのためのシート。プレミアムナッパレザーのシート表皮も相まって、座るだけでも特別な思い出となりそうな仕上がりです。
■ハイブリッドもある!種類豊富なパワートレイン
トヨタ アルファード インテリア
高級車たるもの、たとえ大人数が乗った大柄なボディのミニバンであっても、粛々と走れる余裕の動力性能を持っていなくてはなりません。アルファードはその点でも条件を楽々クリアしています。
ベース仕様のエンジンは2.5リッター 直列4気筒ガソリンエンジンですが、182PSの出力を効率的に活かすCVTとの組み合わせで、約2トンの車重にも関わらず、不満のない動力性能。
同じく2.5リッターのハイブリッド仕様では、後輪をモーターで駆動するE-Four仕様となるなどさらに動力性能に磨きをかけつつ、WLTCモード燃費で14.8km/Lと、クラスを考えれば望外の低燃費も実現。
そして、アルファードの頂点に君臨する3.5リッター V6エンジン仕様では、301PSという高出力と8速オートマチックの組み合わせで、大柄なボディからは想像できないほどの動力性能をも身につけています。
■クラストップレベルの充実した先進安全装備
トヨタ アルファード プリクラッシュセーフティ(夜間歩行者認識)イメージ
トヨタの予防安全機能パッケージ「トヨタセーフティセンス」の第2世代を全グレードに標準装備するアルファードは、ミニバンとしてだけでなく、国産車トップレベルの充実した予防安全装備を誇ります。
昼間の自転車や、昼間だけでなく夜間の歩行者まで検知可能なプリクラッシュセーフティや、前走車の軌跡まで利用して車線維持を支援するレーントレーシングアシストなど、トヨタでも最高レベルの装備内容があるので、より安心してアルファードを運転できますね。
2019年度のJNCAP(独立行政法人自動車事故対策機構による自動車アセスメント) 予防安全性能評価大賞を受賞していることからも、アルファードの予防安全装備への評価の高さが見てとれます。
■価格は高いけど、リセールバリューも高い!
トヨタ アルファード
トップモデルとなるハイブリッド エグゼクティブラウンジ Sでは800万円も見えてくるような価格が設定されているなど、かなり新車価格がお高いアルファード。
しかし、人気車ゆえに安定した下取り価格が保証されているので、いざ手放す時も価値が全然下がってない!と驚くこと必至の下取り価格となることでしょう。
これは、近年利用者が増加している残価設定型プランでのお支払いでも有利に働きます。残価がかなり高く設定できるので、月々のお支払い額はもしかすると驚きの低価格に抑えられるかもしれません。
気になった方はぜひお近くのトヨタ販売店でシミュレーションをされてみては。
トヨタ アルファードのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,945mm×1,850mm×1,935mm | |
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ホイールベース | 3,000mm | |
最大乗車定員 | 8名 | |
車両重量 | 1,920kg | |
燃費 | WLTCモード:10.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒 2,493cc | |
エンジン最高出力 | 134kW(182PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 235N・m(24.0kgf・m)/4,100rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 3,520,000円(消費税込) |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,950mm×1,850mm×1,935mm | |
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ホイールベース | 3,000mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | 2,090kg | |
燃費 | WLTCモード:9.9km/L | |
エンジン種類 | V型6気筒 3,456cc | |
エンジン最高出力 | 221kW(301PS)/6,600rpm | |
エンジン最大トルク | 361N・m(36.8kgf・m)/4,600-4,700rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 5,260,000円(消費税込) |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,950mm×1,850mm×1,950mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 3,000mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | 2,240kg | |
燃費 | WLTCモード:14.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒 2,493cc | |
エンジン最高出力 | 112kW(152PS)/5,700rpm | |
エンジン最大トルク | 206N・m(21.0kgf・m)/4,400-4,800rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | フロント:105kW(143PS)、リヤ:50kW(68PS) | |
モーター最大トルク | フロント;270N・m、リヤ:139N・m | |
駆動方式 | 電気式四輪駆動(4WD・E-Four) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 7,752,000円(消費税込) |
一体どのアルファードがぴったりなの?バリエーションを解説
■【アルファードを選ぶポイント1】パワートレイン
トヨタ アルファード ハイブリッド エンジンルーム
アルファードには、前述の通り、2.5リッターがソリン、2.5リッターハイブリッド、3.5リッターガソリンの3種類のパワートレインが用意されています。
もちろん車両価格がお安くなるのは2.5リッターガソリン。しかし2.5リッター車は負荷に対してやや余裕が少ないとみえ、3.5リッター車のWLTCモード燃費 10.2km/Lとさして変わらない、10.8km/Lという燃費がネックです。
その点、ハイブリッド車はWLTCモード燃費で14.8km/Lと比較的低燃費ですし、全車電気式4WDのE-Four仕様なので、急な悪天候にも安心です。ただし、そのE-Fourも悪影響となってか、かなり値段が上がってしまうのは痛いところ。
そこで実はおすすめなのが、3.5リッター V6エンジン車です。アルファードほどの車格をお選びの方なら燃費はあまり気にされないと思いますし、動力性能の余裕はラインナップ中随一の気持ち良さ。
同等グレードのハイブリッドよりも約10万円程度安くなっていることもあり、市場での人気はあまりないようですが、ぜひご検討いただきたいパワートレインです。
■【アルファードを選ぶポイント2】エアロ仕様?標準仕様?
トヨタ アルファード
街中で見かけるアルファードは、公用車や社用車では標準仕様、オーナードライバー車ではバンパー両端のメッキも煌びやかなエアロ仕様が多いような印象を受けます。
どちらも基本フォルムは変わらず、同等グレード間では基本的にはフロント・リヤの専用エアロバンパーやサイドマッドガードの追加などの差異に留まるのですが、V6エンジン搭載車同士で比較すると、標準仕様のエグゼクティブラウンジと、エアロ仕様のエグゼクティブラウンジSでは約16万円の差となっています。
やはり存在感はエアロ仕様の方が上ですので、16万円の差でこんなに押し出し感が増すって安いね!と思うかどうかはあなた次第。
個人的には、新たなコンセプトの高級車としてギラギラのエアロ仕様も似合うと思うのですが、より落ち着いた高級感のある標準仕様もおすすめです。
■【アルファードを選ぶポイント3】2列目シートの豪華さの違い
トヨタ アルファード インテリア
アルファードの2列目シートは、先にご紹介したエグゼクティブラウンジシートのほかに、やや機能が削られて形状も細身になった「エグゼクティブパワーシート」、一般的なキャプテンシートとなる「リラックスキャプテンシート」、8人乗り仕様の「6:4分割チップアップシート」、「サイドリフトアップチルトシート」と、5種類ものバリエーションが用意されています。
それぞれのシートは基本的に各グレードに紐づいており、7人乗りと8人乗りを選べるハイブリッドXやS以外では単一のシートしか選択できません。そのため、どの2列目シートが欲しいかを決めることで、欲しいグレードが決まってくることになります。
もちろん上級のシートになればなるほど車両価格も高額になりますので、しっかり考慮することが必要ですが、アルファードらしい最高級の余裕を手にしたい方はエグゼクティブラウンジシートの一択となりそうですね。
福祉車両となるサイドリフトアップチルトシートは、2列目左側シートが車外の乗り降りしやすい高さまでスライド・下降するとともに、座面が前方に傾くチルトも行うことで、乗り降りを助ける仕様。アルファードの広々とした室内でご高齢の方が乗車される機会がある方は、このシートを選べばより安心でしょう。
■結局おすすめのアルファードはどれ?
トヨタ アルファード(右)、ヴェルファイア(左)
オーナーとなられる方の要望は千差万別と思いますので、一概に絶対このグレードがおすすめとは言えませんが、個人的には、3.5リッター V6の標準仕様となるGFが、税込518.5万円という価格のお手頃感もあって、高級感と充実装備のバランスが取れているように思います。
十分にミニバンの枠を超えた豪華さのあるエグゼクティブパワーシートを装備していますし、合成皮革とはいえ下位グレードのファブリックよりも高級感のあるシート表皮。安全装備や快適装備でもエグゼクティブラウンジにあまり引けを取らない、充実さが目立ちます。
もちろん、アルファードの個性が極まったギラギラのトップグレード、ハイブリッド エグゼクティブラウンジ Sも懐に余裕があるならおすすめしたいグレードですが、押し出し感重視の方には、より先鋭的なデザインのヴェルファイアの方がぴったりかもしれません。
フォルムは同一ながら、内外装の細かな差異で印象が大きく異なるヴェルファイアも検討候補に入れてみていただきたいところです。
アルファードの新車、中古車価格まとめ
トヨタ アルファード
アルファードのグレード展開は非常に多岐にわたります。廉価な方からご紹介すると、標準仕様はX、G、GF、エグゼクティブラウンジの順に、エアロ仕様ではS、SC(ガソリン車)/SR(ハイブリッド車)、エグゼクティブラウンジ Sの順に用意されているグレードが基本ですが、既にかなりのバリエーションですよね。
これに、ガソリン車では2WD、4WDのバリエーション、特定グレードでは8人乗り仕様やサイドリフトアップチルトシート装着仕様が選べるので、欲しい装備を決め打ちしていかないとなかなかグレードが定まらないことになりそうです。
2020年9月現在の税抜き新車価格では、最も廉価なX 2WD 8人乗り仕様(2.5Lガソリン)が3,200,000円、最も高価なハイブリッド エグゼクティブラウンジ S(2.5Lハイブリッド)が7,047,273万円と、300〜700万円台という幅広い価格帯に位置していることがわかります。
トヨタ アルファード 電動サイドステップ(純正アクセサリー)
中古車の充実っぷりも、その車両価格を考えればもはや異常とも思えるほど。2020年9月現在の中古車在庫は4,413台が確認でき、2015年発売の現行モデルに限った中古車平均価格では3,606,364円(消費税抜き)と、既に初期型では5年落ちとなっているにも関わらず高価格帯を維持し続けているようです。
そんなアルファードの中古車在庫の中でも注目したいグレードが、エグゼクティブラウンジを超える最高級グレード、2019年末で生産終了してしまった「ロイヤルラウンジ」です。
1列目シート背後に設置されたリムジンそのもののパーテーションや、3列目シートを取り外して装備されたもはやファーストクラス級の2列目シートなど、完全にVIP送迎に特化したこの仕様。既に海外でデビューしているレクサス版アルファード「LM」にも比肩するほどの高級感ですが、なんと10台もの中古車が確認できます。
走行距離の少ない車両では1,000万円超の価格が付けられている究極のアルファード、ロイヤルラウンジ。そんじょそこらの高級感では物足りない方にはぴったりかもしれません。既に中古車でしか入手できませんので、お問い合わせはお早めに。
まとめ
トヨタ アルファード
アルファードの、国産ミニバントップクラスの世界観をご紹介してきました。ミニバンとして考えればもっと割安で小型のモデルもあるものの、アルファードならではの魅力がたくさんあることがご理解いただけたのではないでしょうか。
政財界でも活用されるほどに高級感が認められているアルファード。そろそろ次期型モデルの噂もチラホラ聞こえてきますが、これからどのように進化していくのか、目が離せませんね。