ウィンタースポーツに向いているクルマの特徴は?

冬のアクティビティを楽しむ!
ウィンタースポーツといえば、スキー、スノーボード、雪山登山など、雪をメインにしたアクティビティが思い浮かぶかもしれません。ですから、ウィンタースポーツを存分に楽しむためのクルマには「雪対策」が重要です!
■雪道・悪路の走破性
冬のアクティビティを楽しむためには、雪道の運転を避けて通れません。しかも、スキー場はある程度、山あいの地域にありますから、雪道にプラスして坂道となります。ですから、雪道や悪路の走破性に優れたクルマのほうが、ウィンタースポーツを楽しむのに向いています。
もちろん、FFの二輪駆動でも装備がしっかりしていれば、通常は問題ありません。しかし、もし選べるのであれば、四輪駆動のほうが上り坂では心強いでしょう。
とくに「雪山登山」を楽しむ方は、走破性の高いクルマがおすすめです。スキー場までの道路は、お客さまを安全に迎えるという配慮もあって、ある程度整備されていたり、除雪がひんぱんにおこなわれていたりします。
一方、登山の場合、選ぶ山やルートによってはこうしたことをあまり期待できません。かなり条件の悪い道を通って登山開始ポイントまで進む必要があります。ですから、雪道や悪路の走破性に優れたクルマを、より強くおすすめいたします。
■室内の撥水性・防汚性
《写真提供:response》撥水加工シート
シート、フロア、ラゲッジスペースに撥水や防汚の機能があるクルマは、ウィンタースポーツに向いているクルマといえます!
冬のアクティビティでは、雪を車内に持ち込んでしまうことは避けられません。外が吹雪いていれば乗り降りだけでも雪が吹き込みますし、スキーウエアやスノーボードについた雪を完全に落としてクルマに積載するのも難しいものです。
濡れても平気なシート、汚れても簡単に拭き取れるラゲッジスペースが装備されていれば、気兼ねなく使えて、たんへん便利です。「もしかしたらシミになってしまうかも…」と心配しながらでは、ウィンタースポーツも十分に楽しめませんよね。
■荷物をたくさん載せられる・室内空間の広さ
《写真提供:response》ラゲッジスペース
荷物がたくさん載せられることも、ウィンタースポーツでは重要なポイントです。それは通常の旅行と比べて、たくさんの装備が必要になるから。たとえば、2泊3日でスノーボード旅行に行くとすると、旅行3日分の通常荷物にプラスして、スノーボード、スノーウエア、ブーツ、手袋、ゴーグルなど、かさばる荷物が加わります。ですから、荷物をいっぱい積めることも、ウィンタースポーツに向いているクルマの条件です。
冬のアクティビティでは、「車中泊」もキーワードのひとつです。スキー場のオープン時間は、朝8時台というところが多いかもしれません。朝一番から新雪を楽しみたい場合、かなり早くから出発する必要があります。それならいっそう夜に出発して、スキー場についてから、クルマで仮眠しようというスノーボーダーも少なくないでしょう。
そんなとき、室内が広いクルマであれば、ゆっくりと休めます。足を伸ばして仮眠できるかどうかで、疲れも大きく変わってきます。荷物のスペースだけでなく、室内そのものの広さもウィンタースポーツに向いているクルマの特徴です。
さらに、スキー場まで長時間のドライブを必要とすることもあります。車内が狭く、運転席が圧迫されているなら、ドライブの疲労は増してしまいます。運転席周りに余裕があることも、ポイントになるでしょう。
■安全運転サポート
長距離ドライブが多くなりがちなウィンタースポーツにおいて、安全運転サポートが装備されているなら、安心してアクティビティに集中できます。
とくに、帰りの高速道路の運転では危険がつきものです。スキーやスノーボードを楽しんで、身体が疲れているなかで高速道路を運転していると、つい眠くなったり、集中力が切れてしまったりするもの。そんなとき、「衝突被害軽減ブレーキ」や「車線逸脱警報装置」などの安全技術が装備されていれば心強いでしょう。
もちろん、こうした安全技術も、事故を完全に防ぐものではありません。あくまで「支援」や「サポート」をするために技術です。長距離のドライブでは、休みをしっかりと取りながら、安全運転を心掛けましょう。
どんな種類のクルマが向いている?
では、どんな種類のクルマがウィンタースポーツに向いているでしょうか?雪に強いSUVとミニバンの特徴を解説します。
■SUV

SUVはウィンタースポーツに向いているクルマの代表格
SUVは、レジャーやアウトドアスポーツを楽しむ方に高い人気があります。現在、各自動車メーカーはSUVに力を入れており、ラインナップも以前と比べて充実してきました。各メーカーから、さまざまなタイプのSUVが発売されています。
SUVがウィンタースポーツに向いている理由は、抜群の走破性に加え、室内が広く、シートアレンジも豊富なところ。3列シートモデルのSUVであれば、大人数で乗車したり、後部座席シートを倒して広いラゲッジスペースとして活用できたりします。しかも、大きめのタイヤでシート位置が高く、ドライバーの視界がよいので、サイズ感の割には運転しやすいクルマとされています。
本格SUVは、アウトドアを強く意識したデザインが多いですが、近年では街乗りを重視した都市型SUVとして、クロスオーバーと呼ばれるジャンルのSUVも多数登場しています。トヨタ ハリアーやトヨタ CーHRは、クロスオーバーの代表車種です。
こうしたクロスオーバー車は、ちょっとした雪道でもストレスなく走行できることに加え、街乗りでの使い勝手もよいため、いいところ取りなクルマとして高い人気を誇ります。
SUVを選ぶ際の注意点は、必ずしもSUV=四輪駆動(4WD)というわけではないことです。主流は4WDですが、クロスオーバーでは2WDのタイプもかなり発売されています。選ぶ際は、駆動がどんな仕様になっているか、確認したほうがよいでしょう。
■ミニバンタイプ

ミニバンタイプ
ミニバンタイプは、家族で出かけることの多いファミリー層に人気があります。とくに「背の高いボックスタイプのミニバン」は、市場を席巻しています。
ミニバンはSUVと比べて、多人数での乗車や、大きな荷物を積み込む、といったことにアドバンテージがあります。大人が足を伸ばしても寝られるほどの室内空間があり、車中泊にも力を発揮します。後席側をスライドドアにした場合、SUVと比べて乗り降りがしやすくなり、大きな荷物もさらに載せやすいでしょう。
一方、悪路の走破性や安定性では、一般的にSUVの方が優れています。とはいえ、雪道が心配かというと、そうとは言い切れません。車種によっては4WDがラインナップされていますし、二輪駆動(FF)であったとしても、タイヤなどの準備がしっかりしていれば、雪道を走るのが危険というわけではありません。
ミニバンは、普通車よりも車重が重くなることがほとんどですから、雪道には強いタイプともいえます。
ウィンタースポーツにおすすめのクルマ!
■日産 エクスレイル

日産 エクストレイル
ウィンタースポーツといえば、日産 エクストレイルをイメージされる方は少なくないかもしれません。CMでスノーボーダーが起用されていたり、2008年まで「X-TRAIL JAM IN TOKYO DOME」という世界最大級の屋内スノーボード競技会が開催されていたという歴史があります。ですから、ウィンタースポーツとの親和性がとくに高いクルマといえるでしょう。
エクストレイルには、撥水シートや撥水ラゲッジスペースが搭載されており、ウィンタースポーツでありがちな雪が吹き込む状況での乗り降りや、スノーボードやブーツに雪がついたままで積み込むといった状況でも、シミや汚れを気にしなくて済むため、とても便利です。
スキーやスノーボードでは長距離運転がつきもので、ドライバーへの負担は大きくなりがち。しかし、エクストレイルには運転支援システムである「プロパイロット」が搭載されており、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作などをサポートしてくれます。高速走行における負担軽減は、ウィンタースポーツを楽しむうえで大きなメリットです。
2015年にはハイブリッドモデルも投入され、より選択肢の幅も広がりました。駆動方式は、二輪駆動(FF)と四輪駆動(4WD)を選択できます。
■トヨタ ランドクルーザープラド

トヨタ ランドクルーザープラド TZ-G
トヨタ ランドクルーザープラドは、ライトデューティ用途に位置づけられたSUVです。同じくトヨタ自動車から発売されている「ランドクルーザー」の小型モデルにあたり、ランドクルーザーファミリーの中でも高い人気を誇っています。
魅力のひとつは、ランドクルーザーファミリー伝統の高い走破性と堅牢なつくり。ラダーフレーム構造により、高剛性・高強度を実現させています。これは、単にダメージを受けにくいというだけにとどまらず、安定した操舵性や快適な乗り心地に貢献します。
雪道や坂道が続く悪路でも力を発揮します。また、「NORMAL」「ECO」「COMFORT」「SPORT S」「SPORT S+」という5つの走行モードが用意されており、シーンにあわせたドライブを楽しむこともできます。
積載量も十分で、荷物が多くなりがちなウィンタースポーツにはピッタリ。それでも、ランドクルーザーと比べると、ボディはやや小さいので、運転がしやすいSUVです。本格SUVとしてウィンタースポーツでたくさん使いたい人も、タウンユースで使いやすいクルマを選びたい人にも、おすすめできるクルマとなっています。
■マツダ CX-8
《写真提供:response》マツダ CX-8 改良新型(エクスクルーシブモード)
マツダ CX-8は、マツダが国内向けに販売しているクロスオーバーの最上位モデルです。ミドルサイズとなる「CX-5」よりホイールベースが長く、ボディサイズ(全長×全幅×全高)は「4,900mm×1,840mm×1,730mm」の3列シート車です。この十分なホイールベースにより、室内空間には余裕が生まれ、快適性をつくりだしています。
ラゲッジスペースは、3列目のシートを使用した状態で239L、3列目のシートを倒すと大容量の572Lです。スノーボートはもちろんこと、ブーツ類や宿泊用のボストンバッグも、余裕をもって積載できます。このほか、荷室のトランクボード下には、サブトランクまで用意されています。
エンジンの選択肢は3種類。優れた燃費性能を実現した2.5L高効率直噴ガソリンエンジン、余裕のある走りを楽しめるガソリンターボエンジン、豊かなトルクと高い燃費性能を実現したマツダのクリーンディーゼルエンジンを選べます。
■三菱 デリカD:5

三菱 デリカD:5
デリカD:5は、日常からアウトドアに至るまで、幅広い用途に対応できるミニバンです。カテゴリーとしてはミニバンになりますが、世界で唯一のオールラウンダーミニバンをうたっているだけあり、SUVにも引けを取らない走行を実現。悪路や雪道でのドライブも苦にしません。たとえ路面状況が悪くても、低速からトルクの豊かさと走りの滑らかさを体感できるでしょう。
とりわけ、デリカD:5は「雪道」での走行を得意としています。ひと口に「雪」といっても、「ふかふかの新雪」から、「水を多く含んだ融雪」、「アイスバーン」など、路面状況はさまざまです。デリカD:5は、こうしたさまざまなシチュエーションでのテスト走行が繰り返しており、寒冷地における性能に絶大的な自信を持っています。
走行モードにも、前輪を駆動させる2WDモード、路面状況や走行条件に適した前後駆動力を配分する4WDモード、悪路や雪道向けの4WDロックモードを用意しており、状況に応じた運転を可能にしています。
なお2020年には、アウトドアをより楽しむ人のための特別仕様車「JASPER(ジャスパー)」がラインアップに加わりました。JASPER専用装備には、撥水機能付シートが用意されており、よりウィンタースポーツにより適したモデルとなっています。
■トヨタ RAV4
《写真提供:response》トヨタ RAV4 アドベンチャー“オフロードパッケージ”
RAV4は、トヨタが発売するクロスオーバーSUV。他のSUVと比較して、ボディサイズに対する価格設定がリーズナブルなため、とても人気の車種です。
室内・荷室は共に余裕十分で、ウィンタースポーツにともなう荷物もかなりの程度、積載できます。というのも、リアシートを使用した状態でラゲッジは奥行きが1,015mmもあり、ミディアムSUVとしてはトップクラスの容量である580Lを実現しています。
RAV4には、2WDの仕様もありますが、グレード展開の多くは4WD。加えて、雪道を走るとき専用のSNOWモードもあります。さらに、グレードに応じて3種類の四駆システムが用意されています。
ガソリンエンジンで走破性と燃費向上を両立した「ダイナミックトルクベクタリングAWD」、同じくガソリンエンジンで2WD(FF)と4WDを切り替わるシステムを持つ「ダイナミックトルクコントロール4WD」。さらに、ハイブリッドで、後輪を独立したモーターで動かし、駆動力を高めた「E-Four」があります。
いずれも、雪道での走行に心強いものとなるでしょう。
■ダイハツ ウェイク
《写真提供:response》ダイハツ ウェイク D SAII
ダイハツ ウェイクの魅力は、軽自動車とは思えないほどの室内空間の広さ。室内高が1,455mmもあり、軽自動車としては最大です。この室内高は、ロードバイクさえ搭載可能なほど。大人2名であれば、車中泊も可能でしょう。
自由度の高いシートアレンジ、ラゲッジスペースの広さなどを考えると、軽自動車とはいえウィンタースポーツに向いているクルマといえます。
シート表皮はすべて撥水加工が施され、リヤシートのラゲッジスペース側は防水仕様になっているため、雪で濡れてしまった荷物なども、気にせず載せられます。さらに、「D “SA III”グレード」以上では先進の安全運転技術である「スマートアシストⅢ」が標準装備。安全をサポートしてくれます。
まとめ
《写真提供:response》ウィンタースポーツに向いているクルマを選んで、存分に楽しもう!
今回は、ウィンタースポーツに向いているクルマの特徴と、実際におすすめできるクルマを6車種ご紹介しました。
よいクルマを選んで、冬のアクティビティを存分に楽しみましょう!