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ブレーキフルード交換の必要性や時期・費用を詳しく解説!

ブレーキフルード交換の必要性や時期・費用を詳しく解説!

普段あまり気にする事のないブレーキフルード。一度も交換した事がないという人も中には居るかも知れませんね。ボンネットを開けて、リザーバータンクを見ても、「減ってないから大丈夫」と思っていませんか?もしかしたら、それは間違いかも知れません。今回はブレーキフルードの役割と重要性についてお伝えします。(※2020年5月更新しました)

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


ブレーキフルード(ブレーキオイル)の役割とは?

無限製ブレーキフルード

ブレーキに力を伝える作動油が、ブレーキフルード(ブレーキオイル)

ブレーキフルード、何となく知っているけど…。という方も多いかもしれません。

クルマのフットブレーキの多くは、油圧式ブレーキが採用されています。ブレーキフルードとは、この油圧式ブレーキで使用される作動油のこと。ブレーキフルードは、ブレーキオイルとも呼ばれています。

自転車のブレーキは、ブレーキレバーとブレーキがブレーキワイヤで直接つながっていますが、クルマの場合、ブレーキペダルとブレーキは、物理的にはつながっていません。何故なら、自動車を止めるために必要なブレーキの力は、人間の脚力をはるかに超えているからです。

そのため、クルマには「油圧式ブレーキ」が使われています。油圧式ブレーキは、油圧によってブレーキペダルの力をブレーキに伝えます。

ブレーキペダル、ブレーキブースター、マスターシリンダーのセット

普段何気なく踏んでいるブレーキペダルの先には、ブレーキブースターと言われる装置がついています。ブレーキブースターは、ブレーキペダルを踏んだ力を何倍にも高め、ブレーキを作動させる高い油圧を作り出すための装置で、この装置のおかげでブレーキペダルを軽く踏んでも、クルマが止まるようになっています。

ブレーキブースターの先には、マスターシリンダーと言う装置があり、この装置から4つのブレーキに向かって配管が伸びています。配管に接続されたブレーキには油圧のピストンがあり、この力でディスクブレーキの場合はブレーキパッドをローターに押し当て、その摩擦抵抗でクルマを止めます。

重要なのは、ブレーキブースター→マスターシリンダー→ブレーキ配管→ピストンの間が、ブレーキフルードで満たされている事です。ブレーキフルードが、ブレーキペダルを踏んだ力を油圧としてピストンに伝えるので、ブレーキフルードがなければブレーキが効かなくなってしまいます。

ブレーキブレーキフルード(ブレーキオイル)は、ブレーキにとって決定的に重要な作動油なのです。

《画像提供 曙ブレーキ工業》ディスクブレーキ構成部品

ブレーキフルード(ブレーキオイル)って、交換が必要?

車は、生き物と同じように、常に動かしていないと息切れしたり、スムーズに動けなかったりするものです。普段から正常に保つ事を、心がけて安全に運転できる状態に保つ事が必要なのです。

特に、ブレーキシステムは、安全に止まる事が最も重要なのです。スピードの出しすぎやスピードの制御する事は、命に関係する重要な仕組みにつながっているからです。

ブレーキフルードは、ブレーキを作動させるオイルとして、エンジンオイルと同じように定期的に交換する事が必要なので、初めて知った方には今からでもガソリンスタンドや整備工場にて確認する事をおすすめします。

ブレーキフルードは、性質上水分を吸収しやすい為、劣化したまま使用を続けると、ブレーキ性能が低下し、「べーパーロック現象」を引き起こし大変危険です。

危険!ブレーキフルードの沸騰で発生するベーパーロック現象

実際にブレーキフルードが沸騰してブレーキが効かなくなる現象を「ベーパーロック現象」と言います。ベーパーロック現象が発生すると、ブレーキペダルを踏んでも、その圧力がブレーキに伝わらなくなってしまい、クルマは減速することが出来ず、大変危険が状態となります。

自動車の運転では、ベーパーロック現象の発生は避けなければなりません。ベーパーロック現象は、2つの原因で発生すると言われています。

一つ目は、先に述べた「ブレーキフルードの劣化」です。水分を多量に吸収したブレーキフルードは、沸点が低くなってしまうので、設計時に想定した温度よりも低い温度で沸騰し、ベーパーロック現象を起こしてしまいます。このような危険性を避けるために必要なのが、ブレーキフルードの交換となります、

2つ目は、過度なブレーキ操作で発生すると言うものです。正常なブレーキフルードが満たされていても、下り坂でダラダラとブレーキペダルを踏み続けたりすると、ブレーキローターやパッドの温度が上昇し、それがブレーキフルードに伝わってベーパーロック現象を起こしてしまう事があります。

最近のクルマはブレーキの性能が向上しているとはいえ、長い下り坂ではエンジンブレーキを活用して出来るだけフットブレーキの負担を下げる事が運転の基本と言えます。

また、サーキット走行等で高速度からの急減速を繰り返すと、ブレーキが加熱してベーパーロック現象が発生する事があります。後にも述べますが、ブレーキフルードの性能は「沸点の高さ」によって規格が決められています。沸騰しにくいブレーキフルードほど、高性能となります。

レーシングカーでもブレーキシステムの冷却は非常に重要な設計項目となっています。高性能車に乗っている方も、ブレーキの冷却性能を過信しないで、慎重に運転する事をオススメします。

ブレーキフルード(ブレーキオイル)は車検時の交換がオススメ!

ブレーキペダルを踏むと、その摩擦熱によって、ブレーキパッドが摩耗します。車やバイクなどは、ブレーキを使い続ける事で、ブレーキフルードも劣化してしまうのです。

ブレーキフルードは2〜3年に一回の交換が一般的

どんなに長くても2年又は20,000kmでは交換しましょう。車検の際に毎回交換すると、忘れる事がないので目安としては「エンジンオイルが半年毎の交換が目安」なので、2回目のエンジンオイルの交換と一緒に、ブレーキフルードの交換を点検ノートなどでチェックしておくと、これが通常のようになり忘れる事がなくなります。

ブレーキフルード(ブレーキオイル)は、沸騰しにくいものほど高性能

実は、ブレーキフルードにも規格があります。日本のJIS規格も制定されていますが、アメリカの米国連邦自動車安全基準(FMVSS)で定められたDOT規格の方が一般的に知られているようです。

規格で制定されている最も重要な性能の指標は「沸点」です。沸点が高いほど、高性能なブレーキフルードとなります。DOT規格では、ブレーキフルードの沸点を下記のように定めていて、基本的に、数字が大きい方が沸点が高い高性能なもの、となっています。

「基準」=「主成分」 「ドライ沸点」 「ウエット沸点」
「DOT3」=グリコール 、「ドライ沸点」=205℃以上、「ウエット沸点」=140℃以上
「DOT4」=グリコール 、「ドライ沸点」=230℃以上、「ウエット沸点」=155℃以上
「DOT5.1」=グリコール 、「ドライ沸点」=260℃以上、「ウエット沸点」=180℃以上
「DOT5」=シリコン 、「ドライ沸点」=260℃以上、「ウエット沸点」=180℃以上

ドライ沸点とは、新品時の吸湿率0%時に対する沸点になります。ウエット沸点とは、1~2年使用した場合の吸湿率3.7%時の沸点となっています。

一般的な上昇車の場合、新車時に入れられていたものと同じ規格のブレーキフルードに交換すれば問題ありません。

ブレーキフルード量の目安は、全量交換で概ね800mlから1Lとなっています。使い残しのブレーキフルードは、空気に触れる事で劣化してしまので、取り置きする事が出来ないので使い切るか処分しなければなりません。

ブレーキフルード(ブレーキオイル)の色でも劣化を判断できる

ブレーキオイルタンク

ブレーキフルードは、新品の状態では透明に近い薄い黄色をしています。使用する頻度によって、色の変化が現れてくるのでわかりやすいです。薄い黄色から茶色になり、茶褐色に変色します。

このように、長時間の使用や時間の経過で黒くなってしまいます。ただし、メーカーによっては、緑や赤といった特殊な色付けをしている場合もあるので、黒ずんだ色をしてきたらブレーキオイルは劣化を判断できます。すぐに交換をお勧めします。

DIYでブレーキフルード交換って、大丈夫?

DIY(自分自身で作業する事)でブレーキフルードを交換するのは、可能でしょうか。

ブレーキフルード交換方法を探している方が多い様ですが、「重要保安部品」であるブレーキフルードに素人が手を加える事は推奨できません。ブレーキフルード交換は、知識と技術を持ったショップスタッフに任せましょう。

ブレーキフルードDIY交換のリスク

DIYで危険な事は、よくわからない場合に自己判断で作業を進めてしまう事です。ブレーキフルードは吸湿性があるので、作業するには晴れた湿度の低い日に行うのがベストになります。

ブレーキフルードの注意すべき点としては、塗装面に付着したまま放置すると、塗装の奥深くまで浸透してしまい、塗装を痛めてしまう可能性があります。

ABS付き車両の場合は、専門的な知識がないのに自己判断で交換すると、どんな不具合を起こすのか予想できません。

サイドブレーキがリアキャリパを利用するタイプの車は、サイドブレーキを掛けたままだとエアー抜きが出来ない場合があります。

フルードカップの下にあるマスターシリンダーという部品に、エアーが噛んでしまうとエアー抜きが困難になるなどの多くの注意点があります。ブレーキフルードは、人命に係わるデリケートな作業なので専門家におまかせしましょう。

ブレーキフルードの交換に失敗すると?

ブレーキフルードの交換に失敗すると、ブレーキが効かなくなってしまうので、交通事故に直結してしまいます。エアーがブレーキラインに入ってしまうと、ブレーキが効かなくなります。

素人の安易なブレーキフルード交換作業は、搭乗者だけでなく他者も危険にさらしかねません。交通事故で一生責任を負う事は難しく出来ることではないですし、精神的にも追い詰められてしまいますので気を付けましょう。

ブレーキフルード交換費用(工賃)は?時間はどれくらいかかる?

ブレーキフルードの交換の時間は、手間のかかる作業ではありません。作業時間は20分から30分程度です

あらかじめ前日に電話予約できると、当日スムーズに処理してくれます。ここでは、目安となる金額を掲載しています。なお、価格は変動する可能があるため、詳細な価格につきましては各公式ホームページをご確認ください。

※次の内容は各社のHPより抜粋(2021年9月現在)

カー用品量販店 大手のオートバックスの場合

・作業工賃:4,000円~(消費税抜き)
・作業時間:30分~

カー用品量販店 大手のイエローハットの場合

・作業工賃:\3,000~(消費税抜き)
・作業時間:20分~

カー用品量販店 大手のジェームスの場合

ジェームスでも交換が可能です。

※ 作業工賃・時間は、ホームページに記載がありませんでした。最寄りの店舗へお問い合わせ下さい。

まとめ

ブレーキフルードの解説、いかがでしたか?普通にクルマを使っていたら、ほどんと意識しないブレーキフルードですが、実はブレーキの効きに大きな影響を及ぼす重要な油脂類です。車検などの際に、ブレーキフルードの交換を進められたら、多少の費用は発生しますが、安心料と考えて定期的な交換を実施する事をオススメします。

ブレーキフルードに関するFAQ

ブレーキフルードの役割はなに?

ブレーキフルードには、ブレーキペダルを踏んだ力をブレーキに伝えるための作動油、という重要な役割があります。ブレーキフルードは、量が足りなかったり、エアが入ったりしてしまうと、ブレーキペダルを踏んでもブレーキが効かなくなってしまうので、クルマの安全性に大きな影響を与えます。

ブレーキフルードの交換はなぜ必要?

長期間使用したブレーキフルードに水分が混入して、危険なベーパーロック現象が起きるリスクが高くなるからです。ブレーキフルードは、クルマに乗っていなくても自然と空気中の湿気を吸収して水分が増えていきます。

水分が増えると、ブレーキフルードが沸騰しやすくなり、長い下り坂等でブレーキを酷使すると、ブレーキフルードが沸騰してブレーキが効かなくなる危険なベーパーロック現象が発生するリスクが高まります。そのリスクを避けるためにも、2〜3年に一度の交換をオススメします。

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