スズキのハッチバックとは
スズキ スイフト 2017年
トランクのドアが跳ね上げ式に開く車のことを、リフトバックやスポーツバックと言います。ハッチバック車は、この跳ね上げ式ドアを持った車の総称です。
実用性を追求した車として、広い世代に支持されている人気車種となっており、セダンタイプの車に比較して、車両後部に荷物スペースを多く取れるのがその理由の一つです。
さらに、後部座席シートを倒すことによってより多く荷物を載せることもでき、引っ越しやアウトドアの際に便利です。車に乗ったまま荷物を取り出せる点も、セダンに比べて利便性に優れています。
スズキが展開しているハッチバック車には、「イグニス」と「スイフト」と「バレーノ」があるのでそれぞれの車種の特徴やスペックを比較していきましょう。
【現行車種】スズキのハッチバック
スズキハッチバックのボディには、プラットフォームにヨーロッパでの自動車の分類の一つであるBセグメントを使用したものもあり、スズキ独自の設計が行われました。
セグメントとは、日本における軽自動車やコンパクトカー、あるいはセダンなどといった大まかな分類です。
■【イグニス】ハスラーとエスクードの間に・・・
スズキ イグニス
イグニスはすでに発売されていた軽クロスオーバーSUV車のハスラーと、のちに開発される小型クロスオーバーSUV車の新型エスクードの中間を埋める存在です。
コンパクトSUVの新型として、2016年に国内で公式発表されました。イグニスという名称は、ラテン語で炎を意味し、その名の通りの豪快さと軽快さを併せ持つ走りが最大のアピールポイントになりました。
デザインを考える際の特徴として、「分かりやすさ」を追求しています。シンプルで、かつスタンダードであることを目指してデザインされました。
そこで、かつてのスズキらしいフォルムが見直されることになり、既存の車種からディテールを継承して今に至っています。
スズキ イグニス
2017年からは新型モデルも海外展開を始めて、世界各国でも人気です。このモデルは、初代の風格を残しながらも初代が実現できなかった完全なるSUVの完成に成功しました。
プラットフォームには、2015年にフルモデルチェンジした新型ソリオと同じものを使っています。これは、デュアルインジェクションシステムを採用したパワーと燃費性能を持ちます。
K12C型のデュアルジェットエンジンは、リチウムイオンバッテリー搭載のマイルドハイブリッド仕様なので、燃費性能も格段に向上しました。
エンジンの疲労を軽減し、ガソリン燃焼効率も良くなっています。4WD車では、急な下り坂の際にブレーキをアシストしてくれるヒルディセントコントロールが付いており安全に減速できることもうれしいシステムです。
スズキ イグニス
雪道で滑らないように運転を支えるグリップコントロールが付いているので安心です。
セーフティシステムとして衝突時の衝撃を軽減するデュアルカメラブレーキサポートが搭載され、誤発進抑制機能や車線逸脱アラートが装備されていて高齢者の運転にも配慮がなされています。
フルオートエアコンとキーレスプッシュアップスタートシステムも採用されました。メッキが施されたインサイドドアバーとシフトレバーのデザインも秀逸です。
イグニスのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,700×1,660×1,605mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,435mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 850kg | |
燃費 | WLTCモード:19.8km/L | |
交流電力量消費率 | JC08モード:-Wh/km | |
エンジン種類 | 水冷4サイクル直列4気筒 | |
最高出力 | 67kW(91PS)/6,000rpm | |
最大トルク | 118N・m(12.0kg・m)/4,400rpm | |
電動機種類 | 直流同期電動機 | |
最高出力 | 2.3kW(3.1PS)/1,000rpm | |
最大トルク | 50N・m(5.1kg・m)/100rpm | |
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | |
トランスミッション | CVT |
情報は2020年4月現在の公式サイトより
イグニスの新車価格
メーカー希望小売価格(消費税込)
HYBRID MG | 1,423,400円〜1,727,000円 |
HYBRID MX | 1,650,000円〜1,841,400円 |
HYBRID MZ | 1,788,600円〜1,980,000円 |
HYBRID MF | 1,839,200円〜2,030,600円 |
情報は2020年4月現在の公式サイトより
イグニスの中古車価格
イグニスの中古車価格は、62.8万円〜206.2万円となっています。
グレードや状態、物によりますが、新車で購入するよりも比較的お安く購入できます。
※情報は車情報サイトresponse中古車価格より(2020年4月現在)
イグニスについてもっと詳しく知りたい方はこちら
■【スイフト】その意味は軽快!
スズキ スイフトハイブリッド
名前のごとく軽快な走りで人気車となったのがスズキスイフトです。
2006年に初代が発売されて以降、何度もモデルチェンジを重ねて愛されてきました。走る・曲がる・止まると自動車に求められる性能をすべて内包した名車であり、絶賛されています。
初代はからクロスオーバーSUVを目指していたと思われますが、二代目、三代目とモデルチェンジを繰り返すことで現在はスポーティなハッチバック車となっています。
スズキ スイフトハイブリッド
新型モデルではハイブリッドモデルが採用されていて、燃費もかなり良くなりました。価格帯も低いことから、乗りやすい車のなかでもより定着した定番小型自動車と言えます。
コンセプトは二代目以降のものを引き継いでいますが、設計自体は大幅に改良されています。
新型プラットフォームのハーテクトを利用することで、さらなる軽量化と高い剛性の獲得を実現したことも特徴です。外装はフロントグリルを拡張することでどっしりとした見た目になり、低重心化によって地面をつかむような走りができる様になりました。
窓ガラスをブラックにし、リアドアのノブをピラー部分へ移動したことにより2ドアクーペのようになったサイドデザインもスマートで好評です。
スズキ スイフトハイブリッド
一部の車種に使用されていたデュアルジェットエンジンの圧縮率を改善し、トルクを低回転にしたことが燃費改善に一役買っています。
軽量ボディとも相まって、リッター27キロをという高い燃費性能でお財布にも優しい車です。
メーターには水温計や燃焼計を配置し、中央にはマルチディスプレイを置いて運転時の操作性も簡単かつ安全になっています。
座面は高反発ウレタンを使用し、スプリングを改良することで座り心地よく、運転していても疲れない仕様となっています。
スイフトのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,840×1,695×1,500mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,450mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 860kg | |
燃費 | JC08モード:22.6km/L | |
エンジン種類 | 水冷4サイクル直列4気筒 | |
最高出力 | 67kW(91PS)/6,000 rpm | |
最大トルク | 118N・m(12.0kg・m)/4,400 rpm | |
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | |
トランスミッション | 5MT |
情報は2020年4月現在の公式サイトより
スイフトの新車価格
メーカー希望小売価格(消費税込)
XG Limited | 1,375,000円〜1,645,600円 |
HYBRID SL | 1,985,500円〜2,053,700円 |
RS | 1,717,100円〜1,947,000円 |
RSt | 1,833,700円〜1,901,900円 |
HYBRID RS | 1,820,500円〜2,046,000円 |
情報は2020年4月現在の公式サイトより
スイフトの中古車価格
スイフトの中古車価格は、40万円〜335万円となっています。
グレードや状態、物によりますが、新車で購入するよりも比較的お安く購入できます。
※情報は車情報サイトresponse中古車価格より(2020年4月現在)
■【バレーノ】小型乗用車のノウハウを活かしたクルマ
スズキ バレーノ 1.0Lターボ「XT」
スズキバレーノは、ジュネーブモーターショーに出展されたik-2のコンセプトモデルを基に開発・発売されました。同年10月には東京でも発表されています。
製造はインドのマルチ・スズキ・インディアで行われています。
インドの工場で製造されたスズキ車が日本で販売されるのは、このバレーノがはじめてでした。閃光を意味する名前のようにスポーティーな車となっています。
ただし、2018年に行われたトヨタ社との完全合意によってスズキからOEM供給がなされ、2019年にはトヨタグランザとしても発売されています。
スズキ バレーノ「XT」
Bセグメントとして新規に開発されたプラットフォームを使用しています。これはアメリカでいうサブコンパクトカーという概念に近いものです。
バレーノでのデータを基に、この新型プラットフォームは後続の車にも採用される予定のようです。スイフトに近いボディですが、一回り大きな車格とやや高い車高という違いがあります。
また、国内の自動車メーカーがこぞって住居性の向上をめざすなか、バレーノはかっこよさの追求を忘れることなくデザイン設計が行われました。
「XT」に搭載する1.Lターボ3気筒“ブースタージェットエンジン”
デュアルジェットエンジンとブースタージェットエンジンの2種を装備し、熱効率を高めて平成32年度の燃費基準をクリアしました。
さらに排気ガスの一部を冷やしてもう一度燃焼室内に戻すクールドEGRシステムを採用していることから、各段の燃費性能となったのです。
エンジンごとに違うトランスミッションも搭載され、快適な走りを実現することができました。
バレーノのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,995mm×1,745mm×1,470mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,520mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 950kg | |
燃費 | JC08モード:19.6km/L | |
エンジン種類 | 水冷4サイクル直列3気筒直噴ターボ | |
最高出力 | 75kW(102PS)/5,500rpm | |
最大トルク | 150N・m(15.3kg・m)/1,700-4,500rpm | |
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | |
トランスミッション | 6AT |
情報は2020年4月現在の公式サイトより
バレーノの新車価格
バレーノの中古車価格
バレーノの中古車価格は、95.7万円〜175.1万円となっています。
グレードや状態、物によりますが、新車で購入するよりも比較的お安く購入できます。
※情報は車情報サイトresponse中古車価格より(2020年4月現在)
バレーノについてもっと詳しく知りたい方はこちら
まとめ
スズキ バレーノ 2016年
今回は、小型車の性能を持ったスポーツタイプとして、広く人気を獲得しているスズキのハッチバックカーを紹介してきました。
スイフトは軽快な走りとコンパクトボディを実現し、運転しやすいスペックが最大の特徴です。バレーノはさらなる燃費性能の実現と、デザイン性で信念を曲げない姿勢が評価されました。
この2台をけん引してきたイグニスも、データを蓄積した功績があります。いずれも軽量なボディと安全性能、よく走りよく止まるという自動車の本分を実現した理想的な車です。