ホンダ エリシオンとはどの様なクルマだったか?
ホンダ エリシオン
エリシオンとは2004年5月から発売が開始されたホンダの上級ミニバンとなります。日本では2012年5月をもって販売終了となりましたが、中国においては現在は2代目の製造販売が続けられています。
疾走するクルーザーをイメージしてデザインされたというすっきりとフォルム、そしてホンダならではの低床プラットフォームが快適な走りを約束。低床ながら車幅・全長ともにオデッセイよりひと回り大きく車内空間も広々としています。
さらなる上級化を図り、2007年に発売されたエリシオンプレステージは「3.5リッター」V6エンジンを搭載。FF仕様で、国産ミニバン最高値の300PSを達成しました。エリシオンの由来はギリシャ神話の「オデッセィア」に登場する楽園の名前から名付けられました。
現在は中国専売車種となっているエリシオンですが、オデッセイの姉妹車として高い人気を博しています。
■【魅力その1】多彩なシートアレンジ
ホンダ・エリシオン
3列シートで7~8人乗りのエリシオン。それぞれのシートは独立しスライドとチップアップにより多彩なシートアレンジが楽しめます。
2列目と3列目はそれぞれ6:4分割の独立シートとなっており、2列目、3列目シートをスライド&チップアップすると、車内空間を最大限ラゲッジスペースとして活用できます。
右列シート、あるいは左列シートだけのスライド&チップアップにより長尺物も楽々積載。2列目はオプションで回転式シートに変更することができ、シート内蔵のシートベルトを使用して3列目と対座しながらドライブを楽しむこともできました。
また、1列目シートと2列目座面がフラットにさらに2列目と3列目のシートバックを倒すとフラットなロングスペースが確保でき仮眠も自由。長時間ドライブに疲れたときも心配ありません。
■【魅力その2】クルーザーをイメージしたエクステリア
ホンダ・エリシオンのモチーフは大型クルーザー
クルーザーを意識したエクステリアは曲線と直線をうまく融合した未来的デザインです。つり目のフロントフェイスからの流線形がクルーザーのような疾走感を表現しています。
シンプルに、かつクールにまとめ上げられたエクステリアは、低床・低重心をまったく感じさせない上品な仕上がりになっており、まさに上級ミニバンの名にふさわしい外観となっています。
■【魅力その3】見る者にモダンな印象を与えるインテリア
全席平等のインテリア
インパネをフラット化しドライバー目線より下部に配置しています。これによりフロントビューが広がり、操作性と安全性が高まることは言うまでもありません。
計器類は自発光メーターを立体的に配置し、パネル上部にはLEDを配し3D映像のような表示になっています。
奥行きのあるセンターコンソール付近にもイルミネーションの演出が施されています。極めつけはとことん座り心地にこだわった十分な厚みのあるシート。乗車する8人全員をゆったりと包み込み長距離ドライブも快適に過ごせます。
日本市場からは一代限りで姿を消した理由
ひとつの車が市場から姿を消すときにはさまざまな理由があります。どれだけ素晴らしい車であろうと時代の流れというものがあります。
SUVの台頭によりミニバンが以前ほど売れなくなったことは大きな理由です。エリシオンの持つ上級ミニバンという位置づけもまた、国内ユーザーにとってはわかりにくいものだったかもしれません。
国内ミニバン市場に、かつてほどの勢いのない現在ひと回り大きくなったオデッセイやエルグランドが奮闘しています。
エリシオンの価格紹介
ホンダ・エリシオン
2012年に生産終了してから8年経ち、日本国内でのエリシオンの購入は難しくなっており新車はありません。
新車当時の価格が273万円〜461万と手の出にくい高級車だったエリシオンですが、中古車となると比較的入手しやすい価格になっています。
■エリシオンの中古車価格
中古車の価格は年式や状態によってさまざまです。エリシオンの中古車相場は、約17万円〜152万円(消費税抜き)です。
価格にはもちろん状態の良し悪しも関係します。安さだけで手を伸ばすのは危険でしょう。
しかし、新車時の価格と比較すれば200万円を下回ることすら破格となります。状態の良いエリシオンに出会ったら迷うことはありません。すぐにでも購入することをお勧めします。
※車情報サイトResponse中古車情報調べ(2020年5月現在)
【エリシオンプレステージ】もう一つのエリシオン
ホンダ エリシオンプレステージ
エリシオンのさらなるグレードアップを図り、2006年に発表されたエリシオンプレステージ。ダースベーダーを意識したというフロントフェイスは強い説得力を持ち迫ってきます。
低床流線形のボディにいかつい顔と太いリアコンビ。アクセントの利いたエクステリアでさらなる上級感を演出しています。
国内生産のミニバンでNo.1の加速性能を誇るパワーユニット3.5Lエンジンに、5ATという組み合わせでパワフルかつ快適な走りを約束。インテリアの豪華さももちろんエリシオン以上です。
どこをとってもワンランク上のエリシオンプレステージですが、2013年10月に生産中止となりました。
エリシオンプレステージの価格紹介
エリシオン プレステージ
エリシオンプレステージの新車時の販売価格は357万円から451万円ほどでした。
7年経った現在は新車の販売はありませんが、中古市場には流通しています。「幻の名車」とならないうちにチェックしておくことをおススメします。
■エリシオンプレステージの中古車価格
エリシオンより生産期間が短いため国内流通もそう多くはありません。
中古車の価格は150万円前後に集中しています。新車価格の半分以下ですので、状態の良いものに出会ったらすぐに決断した方が良いかもしれません。
※車情報サイトResponse中古車情報調べ(2020年5月現在)になります。
エリシオン、エリシオンプレステージの燃費
※ホンダエリシオン3000cc(RR4)AT4WDの車種情報になります。
JC08モード燃費達成率107.00%
10・15モード燃費9.1~9.5km/L。10・15モード燃費達成率99.12~103.47%となっています。
エリシオンの燃費は、JC08モードで7.8〜9.9km/Lとなっています。
3.5リッターエンジン車では平均燃費が6キロ代となることもあるようですが、車両重量が約2トンであることを考慮すれば妥当な燃費と言えるかもしれません。
エリシオンの、その後
ホンダ エリシオン
日本市場から姿を消したエリシオンは、2012年6月~2015年12月の期間に東風本田汽車によって中国全土に向けて製造販売されていました。
その後を引き継ぐかたちで、引き続き東風本田汽車が2代目エリシオンを2016年1月から製造販売しています。
人口の多い中国は今ミニバンブームで大型で快適な走行性能を持つエリシオンは広い中国にピッタリの車なのかもしれません。オデッセイの姉妹車として高い人気を誇り大活躍しています。
まとめ
ホンダ・エリシオン
ホンダの誇る最高級ミニバンのエリシオン。エクステレリア・インテリア共に申し分なくホンダらしい走行性能を発揮し生産終了が実に惜しまれる車です。
生産期間が短く販売台数も少ないため「幻の名車」となる前にお早めの決断をおススメします。