ワンボックスカーとミニバン、どう違う?
具体的にワンボックスカーとミニバンがどう違うか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
まずワンボックスカーの定義について説明していきましょう。
■実は見た目にも大きな違いが
トヨタ ハイエース スーパーGL
まず、ワンボックスカーの代名詞ともいえる、トヨタ・ハイエースと日産・キャラバンを思い浮かべてみてください。
そして次にミニバンをいくつか思い浮かべてみましょう。
一見似た形に思えますが、大きな違いがあるのです。
そう、ミニバンにはボンネットが出っ張っているという特徴がありますよね。
それに対し、ハイエースやキャラバンは正面がフロントガラスから平らな形になっています。
ワンボックスカーの「ワンボックス」は「ひとつの箱」という意味になります。その名の通りワンボックスカーは見た目が「箱」状の車ということになります。
■空間の「配置」の違い
NV350キャラバン内装
車において「ボックス」という言葉は、視覚、また機能の違いでわけられたスペースを指します。
機能には「エンジンルーム」「居住スペース(人が乗る場所)」「荷室スペース」の3つがあります。
そのスペースの使い方の違いから車を「ワンボックスカー」「ツーボックスカー」「スリーボックスカー」にわけることができます。
ワンボックスカー
トヨタ ハイエース バン DX
「ワンボックスカー」は「エンジンルーム」「居住スペース」「荷室スペース」の3つがひとつにまとまっている箱型の車になります。
エンジンは運転席の下に置くキャブオーバー方式が主となっています。
車内の容積を最大限に利用でき、荷物を載せるバンや人を乗せるワゴンの2つのタイプがあります。
ツーボックスカー
スバル・レヴォーグ新型
「ツーボックスカー」は「エンジンルーム」がフロントのボンネット内にあり、「居住スペース」「荷室スペース」はひとつになっています。
エンジンルームとほかの空間を分離することでスペースが2つある車ということになります。
加えて分離されていることで自在なエンジンを搭載できるという特徴もあります。
例としてトヨタ・カローラフィールダー、スバル・レヴォーグが挙げられます。
スリーボックスカー
トヨタ クラウン RSアドバンス
「スリーボックスカー」は一言でいうと「セダン」タイプの車です。
「エンジンルーム」「居住スペース」「荷室スペース」がそれぞれ3つのスペースとして分離しています。
ほかの2つのタイプと違い、居住スペースと荷室スペースを用途に合わせて変えることはできませんが、3つのスペースを持つことで車体の剛性が高くなります。
車体前部、または後部を大きく損傷する事故が起きても人の乗る「居住スペース」を守ることができる可能性が一番高いタイプです。
また、運動性能や乗り心地にも優れているのが特徴です。
例としてトヨタ・クラウンや日産・スカイラインなどが挙げられます。
■ミニバンは1.5ボックスカー
日産セレナe-POWER/ホンダ ステップワゴン e:HEV スパーダ/トヨタ ヴォクシー
ミニバンは実は正確な定義はありません。
そもそもはアメリカのフルサイズのバンと比較して小さいワゴンタイプの車が「ミニバン」と呼ばれるようになりました。
ミニバンの多くはフロントのボンネットが短いタイプが多く、ボンネット部分を0.5と数え1.5ボックスカーと呼びます。
■SUVはツーボックスカー
レクサスのSUV
SUVは悪路走破性に優れ、車高が高く荷物を多く搭載できるスポーティーな車ですが、ボックスで分類するとツーボックスカーにあたります。
近年ではオンロード走行にも優れたスタイリッシュなSUVが誕生し、ポルシェやメルセデス・ベンツといった老舗メーカーもSUVを次々と発表しています。
ワンボックスカーはとにかく使い勝手がいい!
ハイエース・キャンパー
車内空間をとにかく自在に利用することができるワンボックスカーは、あらゆる分野から引く手あまたです。
商用・事業用としても多くの人や荷物を移動させる車としてワンボックスカーの右に出るものはいません。つまりその国の経済・流通手段に大きく貢献しているわけです。
かと思えば、アウトドアなど思いっきり個人の趣味・娯楽に重宝するのもワンボックスカー。
長期間に及ぶキャンプや釣りなどにも対応できます。キャンピングカーやフィッシングカーとしてとことんカスタマイズすることが可能です。
また自転車やバイクなどのトランスポーターとしても活躍。
プロからアマまでのアスリートたち、世界の冒険家、はたまた学術的な機材を搭載すれば学者たちのフィールドワークにも活躍できます。
つまり、ワンボックスカーは世界を動かしているといっても過言ではないのです。
ワンボックスカーの人気・おすすめ車種!
それでは、ワンボックスカーのおすすめ車種を紹介していきたいと思います。
■トヨタ ハイエース
トヨタ ハイエースバン
トヨタ・ハイエースは1967年に誕生し、その後50年以上の歴史を持つロングセラー。
今なお色褪せぬ人気を誇ります。機能性・耐久性・積載性の高さは世界的に定評があり、日本の代表的なワンボックスカーといえばコレが挙がるでしょう。
現行車種は5代目となります。3人乗りの標準ボディのバンから14人乗りのコミューターまで多彩なラインナップを誇ります。
そんなハイエースのフルモデルチェンジが2022年、300系となって登場するという予想があります。
一番の変更点は今までのキャブオーバー(運転席の下にエンジンを搭載する方式)からセミボンネット(運転席の前にエンジンを搭載する方式)へと変更。そして衝撃の吸収スペースを作り、さらなる安全性を高めたハイエースが登場するのではないかといわれています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,380mm×1,880mm×2,285mm | |
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ホイールベース | 3,110mm | |
最大乗車定員 | 2/3/5/6名 | |
車両重量 | 1,860kg | |
燃費 | JC08モード:12.2(ディーゼル)、9.8(がソリン)km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒 | |
最高出力 | 111kW(151PS) /3,600rpm(ディーゼル)、118kW(160PS) /5,200rpm(ガソリン) | |
最大トルク | 300N・m (30.6kgf・m) /1,000-3,400rpm(ディーゼル)、243N・m (24.8kgf・m) /4,000rpm(ガソリン) | |
駆動方式 | 2WD | |
トランスミッション | 6速オートマチック |
■日産 キャラバン
日産 NV350キャラバン マイクロバスGX(左)とバンDX
そんなトヨタ・ハイエースのライバルとして1973年に登場したのが日産・キャラバン。
現行車種は5代目の「NV350キャラバン」
外観では日産の顔となった「Vモーショングリル」がデザインされています。
安全装備として「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」が標準装備されたり、「インテリジェント アラウンドビューモニター」が用意されている点は、ハイエース同様に現代の車として不足のないところ。
日産・キャラバンのフルモデルチェンジも2022年に行われるのではないかといわれています。ハイエースとキャラバンの新しい戦いに早くも注目が集まっています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,695mm×1,695mm×1,990mm | |
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ホイールベース | 2,555mm | |
最大乗車定員 | 3/6名 | |
車両重量 | 1,720kg、1,880kg(ガソリン/ディーゼル) | |
燃費 | JC08モード:10.0km/L、12.2km/L(ガソリン/ディーゼル) | |
エンジン種類 | 2.5L直列4気筒 QR20DE、YD25DDT(ガソリン/ディーゼル) | |
最高出力 | 96kW(130PS) /5,600rpm、95kW(129PS) /3,200rpm(ガソリン/ディーゼル) | |
最大トルク | 178N・m (18.1kg・m) /4,400rpm、356N・m (36.3kg・m) /1,400-2,000rpm(ガソリン/ディーゼル) | |
駆動方式 | 2WD | |
トランスミッション | フルレンジ電子制御5速オートマチック〔5E-ATx〕 |
■ダイハツ ハイゼットカーゴ
ダイハツ ハイゼット カーゴ デラックス SA IIIt
ダイハツ・ハイゼットカーゴはダイハツを代表する軽商用バンです。ハイゼットに1961年バンタイプが追加。1999年からはハイゼットカーゴとして販売されました。
フルフラットの広々とした荷室と広い開口部のテールゲートでスムーズな荷物の搭載が可能です。車体全体に防サビのコーティングが施され、雪道や沿岸部でも安心して乗ることができます。
ホイールベースが長くて安全性が高く長距離走行時にも疲れにくいなど、細かいところに配慮された仕様は魅力的です。
また、2017年に先進安全機能「スマートアシストⅢ」を搭載しています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,875mm | |
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ホイールベース | 2,450mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 950kg | |
燃費 | JC08モード:17.8km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒12バルブDOHC | |
最高出力 | 39kW(53PS) /7,200 rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kg・m) /4,000rpm | |
駆動方式 | 2WD | |
トランスミッション | 4速オートマチック |
■スズキ エブリイ
スズキ エブリイワゴン PZターボスペシャル(シルキーシルバーメタリック)
スズキ・エブリイはスズライトキャリイバンの後継車として1982年に登場。実はスズライトキャリイバンの登場はトヨタ ハイエースの1967年より早い1964年でした。
そのことを考えるとスズキ エブリイはハイエースのような息の長い車ということもできるでしょう。
荷室空間が広く、コンパクト。高過給圧化したターボチャージャーを搭載することもでき、パワフルな走りと燃費の良さを実現することも可能です。
スズキ エブリイは軽自動車のワンボックスカーとして商用貨物車や郵便配達車両として日本中で広く活躍しています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,895mm | |
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ホイールベース | 2,430mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 880kg | |
燃費 | JC08モード:18.4km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒DOHC12バルブ | |
最高出力 | 36kW(49PS) /5,700rpm | |
最大トルク | 62N・m (6.3kg・m) /3,500rpm | |
駆動方式 | 2WD | |
トランスミッション | 5MT |
まとめ
トヨタ ハイエース
ワンボックスカーの定義についてはご理解いただけましたでしょうか。
個人用に商用にと万能選手であるワンボックスカーは時代の流行り廃りには関係無く、これからも私たちの力強い味方であり続けることでしょう。