最新高級SUVの世界
ロールスロイス カリナン ブラックバッジ
成功者が乗る車といえば高級サルーンだけ… そんな時代は既に終わりを告げました。
ハイエンドセダンの高級感と豪華装備を備えつつ、高められた車高による室内空間の余裕が加わり、さらに走破性能まで有するという、欲張りで贅沢な高級SUVたちこそ、セレブたちが夢中になっているホットな世界でしょう。
世界中の自動車メーカーがラインナップする人気のSUVの中でも、その高級感で他とは違う存在感のあるモデルをピックアップしてみました。
この記事では、高級車作りに長い歴史を持つイギリスの最新高級SUVのラインナップをご紹介していきます。
イギリス高級SUV 最新5選はこれだ!
■ロールスロイス カリナン:SUV界でも頂点に君臨!
ロールスロイス カリナン
もはや世界最高峰の乗用車として定評のある「ファントム」を有するロールスロイスが、市場に初めて投入したSUVが「カリナン」です。
フロントに備わるパルテノングリルもさることながら、どの方向から眺めてもロールスロイスとわかる存在感のあるデザインはまさに唯一無二。SUVらしさもありつつ、サルーンのようなフォーマルさも感じさせる点は並ぶもののないハイエンドブランドならではの高いデザイン性によるものでしょう。
観音開き式のドアが自動で開閉できたり、左右対称デザインのダッシュボードなど、ファントムなどのサルーン系モデルと同様の高級装備を備えるカリナンは、プラットフォームもサルーン系と共有する「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を使用。
SUVとしてもはや比類するもののない、セダン系と比べてもトップクラスの静粛性は、キャビン容積が大きく開口部も大きいSUVとしては驚異的なレベルで、ロールスロイス専用のプラットフォームの実力を生かし切っている部分でしょう。
ロールスロイス カリナン
もはやこの価格帯のカリナンでオフロードを走るオーナーも数少ないのではと思われますが、オフロードの走破性もSUVらしく確保されています。全長に対してロングホイールベースな設定は、室内の居住性向上にも寄与していますが、短めの前後オーバーハングで走破性向上にも貢献。
もちろん四輪駆動であることもあり、世界トップクラスの高級仕立てのインテリアに身を委ねながら、どこへでも乗っていけるマルチな使い方が可能な点は、高級SUVならではの世界ですよね。
4000万円台からという、ロールスロイスとしてはお安めの価格も手伝ってか、世界中で(ロールスロイスとして)大人気となっていることも頷けるカリナンは、世界トップクラスのSUVであることは間違いないでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,340mm×2,000mm×1,835mm | |
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エンジン種類 | V型12気筒ガソリンツインターボ 6.75L | |
WLTCモード燃費帯 | ー | |
新車価格帯(消費税抜き) | 36,436,364〜42,136,364円 |
■ベントレー ベンテイガ:独特の存在感と走りはまさにベントレー
ベントレー ベンテイガ
先ほどご紹介したカリナンとはまた別で、他のSUVとは一味違う独特のスタイリングが特徴的なのがベントレーのSUV、ベンテイガ。
こちらもイギリスの高級車ブランドとして歴史が深いベントレー初のSUVとして2015年にデビューし、現行モデルは2020年7月に改良を受けたばかりです。
まずはV8エンジン搭載モデルが先行してデビューしていますが、今後はこれまでのモデル同様にW12エンジン搭載モデルと、プラグインハイブリッドエンジン搭載モデルの追加が予定されており、さらに上級仕様をお求めのユーザーはもう少し辛抱が必要です。
高級車ブランドである前に、前史としては高性能スポーツカーの名門として名を馳せたベントレー。現行モデルでも走行性能の高さはラインナップで共通している部分ですが、SUVであるベンテイガでもその個性は引き継がれています。
ベントレー ベンテイガ スピード(海外仕様車)
より気筒数の少ないV8モデルであっても、550PSの最高出力と770N・mもの最大トルクを誇るベンテイガは、0〜100km/h加速を4.5秒でこなす俊足っぷりが特徴。
しかも直線番長ではなく、48V駆動のアクティブロールコントロールシステムなどの電子制御もフル動員して、SUVらしからぬコーナリング性能の高さまで実現しているのですから恐れ入りますね。
余裕のある室内空間ではありますが、寝かせられたリヤガラスからも分かる通り、よりパーソナルな使い方がぴったりとなるベンテイガ。派手目の色を選んで個性を発揮してもよし、落ち着いた色で都会に溶け込むもよし。
さまざまな使い方にしっかり対応してくれる懐の深さは、高級SUVならではの万能性ですね。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,125mm×1,998mm×1,728mm | |
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エンジン種類 | V型8気筒ガソリンツインターボ 4.0L | |
WLTCモード燃費帯 | ー | |
新車価格帯(消費税抜き) | 19,480,000円 |
■ランドローバー レンジローバー:英国王族御用達!元祖高級SUV
ランドローバー レンジローバー SVオートバイオグラフィー ダイナミック
SUVという、本来は四輪駆動の軍用車両や業務用車両が主だった車型に「高級」という概念を持ち込んだ車の一台であるレンジローバーは、ロールスロイスからもまさかのSUV登場で呼ばれなくなりましたが、「砂漠のロールスロイス」という渾名を持つほどの走破性の高さと高級感が歴代モデルの特徴でした。
もちろん現行モデルでもそれは変わりません。レンジローバー初となるオールアルミモノコックシャシーの採用など、技術革新を用いながらも、その走破性と高級感の両方での頂点を目指す姿勢に変わりはなく、現行モデルでも世界屈指の900mmという渡河性能が自慢です。
新たに採用したオールアルミモノコックによって軽量・高剛性の両立が可能となり、乗り心地の向上にも貢献。最大では5.0リッターのV型8気筒スーパーチャージャー付きエンジンを搭載できることもあって、重量級ボディながら加速性能でも引けを取りません。
ランドローバー レンジローバー 防弾装甲仕様車「センチネル」
最新モデルでは2.0リッターエンジンにプラグインハイブリッドシステムを搭載した電動化モデルも登場し、環境意識の高いユーザーでも選びやすいラインナップの充実性が嬉しいレンジローバー。
英国王族御用達ブランドの高級感は伊達ではなく、世界の重要人物が利用することもあって、ランドローバー内の特別車両開発部門「SVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)」による防弾走行仕様車まで開発されている点は、レンジローバーの顧客がいかにハイレベルなユーザーまでを含んでいるかを示していますね。
大柄なボディながら、普段使いも可能な取り回し性の良さも実は隠れた魅力。四隅が把握しやすいボディで、オーナー自ら運転しても安心して走れる点はポイントでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,205mm×1,985mm×1,865mm(ロングホイールベース車) | |
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エンジン種類 | V6ディーゼルターボ 3.0L、直4ガソリンターボPHEV 2.0L、V8ガソリンスーパーチャージャー 5.0L | |
WLTCモード燃費帯 | 8.8km/L(PHEV車) | |
新車価格帯(消費税抜き) | 13,572,728〜29,109,091円 |
■アストンマーティン DBX:V8ツインターボのスーパーSUV!
アストンマーティン DBX
もはやスーパーカーメーカーがSUVを発売してもさほどの驚きはなくなってきましたが、それでもびっくりさせられたのがアストンマーティンのDBXです。
構造用接着剤を活用したトラス構造のアルミフレームを採用したDBXは、高級SUVとしては望外に軽量な約2.3トンに車重を抑えており、そこに同社のGTレンジのDB11やカリカリのスポーツカーであるヴァンテージにも搭載されるV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載。
SUVとしてはかなり低く構えたボディも相まって、SUVらしさも醸し出しつつも、流麗なクーペSUVといった印象のエクステリアに劣らない、スーパーカー的な性能を誇ります。
0〜100km/hを4.5秒で駆け抜けるだけでなく、48V駆動の電動エアサスペンションや後輪左右のトルク配分も可能な四輪駆動システムの装備で、コーナリングも大得意。アストンマーティンの名に恥じないGTらしい走りも可能と、かなりの欲張りな動力性能が特徴的です。
アストンマーティン DBX
アストンマーティンのGTカーをそのまま4ドア化したかのような流麗なボディは似たものがない独特な魅力を放っていますし、手組みによる手間のかかったエンジンの魅力を存分に味わえる期間も、現代の電動化が進むペースを考えればもうあまり長くないかもしれません。
ハイエンドメーカーからのSUV投入としてはやや遅めのタイミングとなったDBXですが、その分仕上がりは万全。ライバルメーカーにも負けない動力性能とエクスクルーシブ感は、これまでアストンマーティンになびかなかった方にも刺さる仕上がりとなっていることでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,039mm×1,998mm×1,680mm | |
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エンジン種類 | V型8気筒ツインターボ 4.0L | |
WLTCモード燃費帯 | ー | |
新車価格帯(消費税抜き) | 20,904,546円 |
■ジャガー I-PACE:先進の電気自動車でも高級感バッチリ
ジャガー I-PACE
もはや見た目ではSUVなのか、ハッチバックなのか、サルーンなのか、色々な要素が絡み合って分類がしにくい様相を呈するI-PACEは、急速に進む自動車業界の電動化に対するジャガーの自信たっぷりな回答です。
既存のエンジンの電動化から一足飛びにフルEVとしてデビューしたI-PACEは、そのスタイリングの先進性もさることながら、パフォーマンスでもスポーツブランドであるジャガーらしさを存分に発揮しているのがポイント。
I-PACEはエコに振った電気自動車ではなく、400PSの最高出力と696N・mの最大トルクを全輪駆動のトラクションで路面に叩きつけるパフォーマンスカー。0〜100km/h加速は4.8秒でこなし、バッテリーを床下に配置した低重心さでコーナーでも安定した姿勢で駆け抜けていきます。
ジャガー I-PACE
トルクベクタリングバイブレーキやアクティブエアサスペンションなどの電子制御をフルに活用し、ジャガーらしい操縦性をしっかり確保。電動化の未来でも、運転の楽しさを忘れない点はジャガーらしいですね。
フローティングセンターコンソールを備えたインテリアの高級感も流石のジャガーといった印象で、先進性とオールドスクールな高級感の背反を両立させた仕上がりは非常に魅力的。
開放感あふれるパノラミックルーフを選択すれば、低く構えた全高からは想像できないほどの広々とした室内がより明るくなり、ドライバーやパッセンジャーの楽しいドライブにより華を添えることでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,695mm×1,895mm×1,565mm | |
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エンジン種類 | モーター2機(フロント×1、リヤ×1) | |
WLTCモード航続距離 | 438km | |
WLTCモード電力量消費率 | 224Wh/km | |
新車価格帯(消費税抜き) | 8,872,728〜10,754,546円 |
まとめ
ロールスロイス カリナン
見ているだけでうっとりしてしまいそうな高級感を持つSUVたちをご紹介してきました。
人は罪なもので、SUVの室内の余裕を知ってしまうと、背の低いセダンは見劣りしてしまいますよね。今や乗り心地や動力性能でも高級セダンに優るほどのSUVもどんどん登場していますので、これからも高級SUVの覇権は続きそうです。